要点相続税法 48 条の 2 は、延納中に金銭納付が困難になった場合、申告期限の翌日から 10 年以内に限り残りの税額を物納へ切り替えられると定める。収納価額は申請時の価額による。
Q · 相続税の延納を選んだ後で払えなくなったら、もう物納には切り替えられないの?
申告期限から 10 年以内なら物納へ切り替えられます
切り替えられます。相続税法 48 条の 2 の特定物納により、延納の許可を受けた者が変更後の条件でも金銭納付が困難になった場合、納期限が到来していない残りの延納税額について物納を申請できます。期限は相続税の申告期限の翌日から起算して 10 年を経過する日まで(2 項)。税務署長は申請書提出日の翌日から 3 月以内に許可または却下を決定し(3 項)、その間に到来する分納期限は延長されます(4 項)。ただし収納価額は申請の時の価額によるため(5 項)、値下がりした財産ほど多く差し出す必要があります。
親から地方の土地と実家を相続した。現金はほとんど残っていないのに相続税は数千万円。一括で払えないので延納(分割払い)を選んだ。ところが数年後、本業が傾き、分割金すら払えなくなる。多くの人はここで「延納を選んだ以上、もう物納には切り替えられない」と諦める。それが平成18年(2006年)から変わった。相続税法48条の2は、延納の許可を受けた後でも、金銭での納付が困難になった場合に、残りの税額を財産そのもの(物納)で納める道を開いた。これが特定物納である。相続税の申告期限の翌日から10年以内なら、延納から物納へ乗り換えられる。ただし落とし穴がある。物納する財産の評価額(収納価額)は、相続したときではなく『申請の時の価額』で決まる(5項)。相続後に値下がりした不動産を今物納すると、下がった評価で計算され、同じ税額を消すのに余分に財産を差し出す羽目になる。この一点を知っているかどうかで、手放す土地の面積が変わる。
相続税法 48 条の 2 は特定物納を定める規定であり、延納の許可を受けた者について、変更された条件による延納によっても金銭で納付することを困難とする事由が生じた場合に、政令で定める納付困難額を限度として、納期限未到来の延納税額の物納を認める。申請期限は相続税の申告期限の翌日から起算して 10 年を経過する日までであり、収納価額は申請の時の価額を原則とする。
AI 輔助整理,以條文原文為準
延納の許可を受けた後に金銭納付が困難になった場合、納期限未到来の延納税額を財産そのもので納める制度です。相続税法 48 条の 2 が根拠で、平成 18 年(2006 年)に新設されました。
相続税の申告期限の翌日から起算して 10 年を経過する日までです(2 項)。この期間を過ぎると申請自体ができなくなり、滞納すれば延滞税が積み上がる一方になります。
税務署長は申請書の提出があった日の翌日から起算して 3 月以内に、許可または却下を決定します(3 項)。財産ごとに一部許可・一部却下となることもあります。
申請日から却下日・取下げ日までの間に到来する分納税額の納期限は延長されます(4 項)。却下・取下げの日の翌日から起算して 1 月を経過する日が新たな納期限になります。
特定物納対象税額のうち、納付を困難とする金額として政令で定める額が限度です(1 項)。手元資金や収入で払える部分は金銭納付が求められ、全額を物納にできるとは限りません。
申請の時の価額が原則です(5 項)。相続時の評価額ではないため、相続後に値下がりした不動産では同じ税額を消すのにより多くの財産を差し出す結果になります。
物納財産の要件と順位を満たせば対象になり得ます。相続税法 48 条の 2 第 6 項が 41 条・42 条・43 条を準用するため、管理処分不適格財産に当たらないかの審査を受けます。
却下の日の翌日から起算して 1 月を経過する日までに、延長されていた分納税額を納付する必要があります(4 項)。延納条件の再変更や一部金銭納付など次善策の準備が必要です。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 使う場面 | 48 条の 2(特定物納):延納許可後に資力が悪化し、金銭納付が困難になったとき | — |
| 申請期限 | 相続税の申告期限の翌日から起算して 10 年を経過する日まで(2 項) | — |
| 財産の評価時点 | 申請の時の価額(5 項)。収納時までに著しい変化があれば収納時の現況で決定できる | — |
| 申請後の効果 | 審査中に到来する分納期限が延長され、却下の翌日から 1 月で納付期限が到来(4 項) | — |
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