建築基準法 第102条
クイックジャンプ
第十二条第五項(第三号に係る部分に限る。)の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたときは、その違反行為をした指定構造計算適合性判定機関(その者が法人である場合にあつては、その役員)又はその職員(構造計算適合性判定員を含む。)は、百万円以下の罰金に処する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第102条は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第102条の条文原文は「第十二条第五項(第三号に係る部分に限る。」で始まります。
- 建築基準法第102条は第七章 罰則に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第102条の前の条は建築基準法第101条です。
- 建築基準法第102条の次の条は建築基準法第103条です。
- 建築基準法第102条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第102条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第102条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/102
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法102条は、指定構造計算適合性判定機関が12条5項三号の報告をせず、又は虚偽報告をしたとき、機関・役員・職員個人を百万円以下の罰金に処すると定める。
Q · 構造計算を審査する民間機関が行政に嘘の報告をしたら、誰が罰せられるの?
機関だけでなく役員や担当職員個人が罰金対象になる
建築基準法102条は、同法12条5項(第三号に係る部分)に基づく国土交通大臣・都道府県知事からの報告について、報告をしなかった場合と虚偽の報告をした場合の双方を処罰対象としています。名宛人は違反行為をした指定構造計算適合性判定機関であり、法人であればその役員、さらに構造計算適合性判定員を含む職員個人も含まれます。法定刑は百万円以下の罰金です。組織の陰に隠れられない構造になっている点が特徴で、社内指示に従って数字を合わせた担当者自身が被告人になりうることを意味します。
解説
建築確認の裏側には、一般にはほとんど知られていない民間の審査機関が存在する。構造計算の妥当性を判定する「指定構造計算適合性判定機関」である。あなたがマンションを買うとき、その建物の構造計算は役所ではなくこうした民間機関が審査していることが珍しくない。本条は、その機関が国土交通大臣または都道府県知事から求められた報告を怠ったり、嘘の報告をしたときに、機関そのものだけでなく、法人であればその役員個人、さらに判定業務を担当した職員個人までが百万円以下の罰金を科されると定める。組織の陰に隠れられない構造になっているという点が、この条文の本質だ。報告義務違反という、一見すると地味な事務手続の不履行が、なぜ刑事罰の対象になるのか。答えは、この報告こそが民間機関への監督の唯一の窓口だからである。
法的な位置づけ
建築基準法102条は、指定構造計算適合性判定機関に対する報告徴収の実効性を担保する罰則規定である。同法12条5項第三号に基づく報告の不提出および虚偽報告について、当該機関、法人の場合はその役員、並びに構造計算適合性判定員を含む職員を名宛人とし、百万円以下の罰金を科す旨を定める。
よくある質問 AI による整理
Q1建築基準法102条とはどんな条文ですか?
指定構造計算適合性判定機関の報告義務違反に対する罰則です。報告をしない場合と虚偽報告の双方について、機関・役員・職員個人を百万円以下の罰金に処します。
Q2指定構造計算適合性判定機関とは何ですか?
一定規模以上の建築物の構造計算が基準に適合するかを専門的に判定する民間機関です。都道府県知事等の指定を受け、建築確認の一部を実質的に担います。
Q3報告をしなかっただけでも罰せられますか?
罰せられます。建築基準法102条は「報告をせず」と「虚偽の報告をした」を並列で規定しており、不作為も虚偽と同じ百万円以下の罰金の射程にあります。
Q4罰金を払うのは会社ですか、それとも個人ですか?
条文の名宛人は違反行為をした機関、法人の場合はその役員、又は職員です。行為者個人が処罰されうる構造で、組織の支払いで完結する仕組みではありません。
Q5構造計算適合性判定員も処罰対象ですか?
対象です。条文が「その職員(構造計算適合性判定員を含む。)」と明記しており、判定業務を直接担当した判定員個人も名宛人に含まれます。
Q6建築基準法102条の報告義務の根拠条文はどこですか?
同法12条5項(第三号に係る部分に限る)です。国土交通大臣又は都道府県知事が指定構造計算適合性判定機関に対して行う報告徴収が根拠となります。
Q7集計ミスの報告も虚偽報告になりますか?
虚偽報告には事実と異なることの認識(故意)が必要と解されます。単純な計算ミスや転記誤りは直ちには当たりませんが、気付いた後に放置すると評価が変わりえます。
Q8報告義務違反の公訴時効は何年ですか?
罰金のみを法定刑とする罪の公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。起算点は不提出なら報告期限の経過時、虚偽報告なら提出時です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1指定構造計算適合性判定機関って、そもそも何をしているところですか?
一定規模以上の建築物について、構造計算が基準に適合しているかを専門的に判定する機関である(建築基準法6条の3、18条の2)。都道府県知事の指定を受け、実質的に建築確認の一部を担う。実務のポイント:判定機関の名称は確認済証や重要事項説明の関連書類から追える。同じ地域で特定の機関に判定が偏っている場合、その機関の体制や監督歴を調べておくと、後の紛争で資料の当たりが早くつく
Q2役員も職員も罰せられるなら、会社自体は罰金を払わなくていいんですか?
本条は違反行為をした機関、法人の場合はその役員、または職員を名宛人としており、行為者を処罰する構造である。加えて指定の取消しや業務停止といった行政上の不利益処分が機関自体に及びうる(建築基準法18条の3関連)。実務のポイント:刑事罰より事業へのダメージが大きいのは指定取消である。刑事手続だけを見て安心する担当者が多いが、実務上の致命傷は行政処分側から来る
Q3うっかり集計を間違えた報告も「虚偽の報告」になりますか?
虚偽報告として処罰されるには、内容が事実と異なることの認識、つまり故意が必要である。単純な計算ミスや転記誤りは、直ちに本条の虚偽報告には当たらないと解される。ただし、誤りに気付いた後も訂正しなければ評価が変わりうる。実務のポイント:誤記が判明した時点で自主的に訂正報告を出した記録があるかどうかが、故意の有無を争う局面で最も効く事実になる。訂正の日付は必ず残す
間違えやすい点 AI による整理
- 報告義務違反は「会社が罰金を払えば済む話」と理解されがちだが、本条の名宛人は違反行為をした機関、法人であればその役員、さらに職員個人である。前科が付くのは組織ではなく、書類を作った個人の可能性がある。組織防衛を理由に数字を合わせる指示に従うと、指示した側ではなく従った側が矢面に立つ構造になっている
- 「虚偽の報告さえしなければ大丈夫」と考える人は、条文の前半を読み落としている。報告をしないこと、つまり単なる放置も同じ罰則の射程にある。不作為と作為が同一の法定刑で並んでいる意味は重い
- 判定機関の話だから設計者や施主には無関係だと切り分ける人が多い。だが視点を変えれば、この罰則が機能しているかどうかは、あなたが住む建物の構造審査が実質的なものだったか形骸化していたかを左右する。罰則の名宛人ではないことと、影響を受けないことは別である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 建築基準法102条:指定構造計算適合性判定機関の報告義務違反 | 建築基準法12条5項:報告徴収の根拠(義務の発生源) 建築基準法105条:両罰規定(法人・使用者への波及) |
| 名宛人 | 違反行為をした機関、法人ならその役員、職員(判定員を含む) | 報告を求められた機関・建築主・設計者等 行為者のほか、その法人又は人 |
| 行為類型 | 報告の不提出(不作為)+虚偽報告(作為)の双方 | 罰則規定ではなく行政上の報告徴収権限 行為者処罰に加えて法人にも罰金刑を科す転嫁規定 |
| 法定刑 | 百万円以下の罰金(拘禁刑なし) | なし(義務規定) 各本条の罰金刑を法人にも科す |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も建築執照の審査・査驗を一部民間の專業機構に委ねる仕組みを持ち、不実記載や違規に対して機構および專業人員個人への処分・刑事責任を規定する点で構造が近い
韓国も構造安全確認と許可権者への報告に関する義務違反に罰則を置くが、判定業務の民間委託の設計は日本と細部が異なる
ドイツは建築監督が州法の管轄で、構造審査は Prüfsachverständige(公認検査専門家)が担う。義務違反は主に秩序違反金(Ordnungswidrigkeit)で処理され、刑事罰より行政制裁が中心
米国は州・自治体ごとに建築規制があり、special inspector の虚偽報告は州法上の制裁や資格剥奪で対応。連邦統一の罰則規定は存在しない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが構造設計事務所から適合性判定機関へ転職した。上司から「行政への報告書、前年度と同じ数字で出しておいて」と言われる。実際の判定件数と違うと知りながら提出すれば、会社ではなくあなた個人が被告人になりうる。職員個人が名宛人に書かれているのは、まさにこの場面を想定している
- 国土交通省から、ある判定機関に対して業務状況の報告命令が出た。担当役員が「忙しいので後回し」と放置。報告をしないこと自体が構成要件であり、悪意がなくとも罰金の対象になる。虚偽だけでなく不作為も処罰されるという点を見落とす実務者は多い
- もし、あなたが購入予定のマンションの構造計算を判定した機関が、行政の報告命令を無視して指定取消になったとしたら? すでに交付された判定の効力自体は直ちに失われないが、売主・施工者への不信感は一気に広がる。建物の資産価値は、見えない審査体制の健全性に支えられている
- 判定機関の職員としてあなたに残された時間は2週間。行政から報告の提出期限を切られ、しかし社内には整理されていない判定記録が山積み。ここで数字を「概算」で埋めた瞬間、虚偽報告の領域に足を踏み入れる
取るべき行動
被害を受けた側:判定機関の不適切な業務により損害を受けたと考える場合、まず特定行政庁または国土交通省の監督部局へ申出を行い、報告徴収や立入検査の端緒をつくる。並行して、当該機関の判定記録・構造計算書の写しを設計者や売主経由で確保する。損害賠償を求める場合は本条とは別に民法709条の不法行為構成を組む必要があり、本条の罰則があること自体は賠償請求権を生まない点に注意
訴えられた側:報告をしなかった場合は、期限徒過の経緯、社内での決裁の流れ、担当範囲を時系列で記録化する。虚偽報告を問われた場合は、誤記や集計ミスと故意の虚偽は法的評価が異なるため、作成過程の資料を廃棄せず保全する。上位者の指示があったなら、指示内容を示すメールやチャット履歴が責任配分の決定的証拠になる。早期に建築行政に詳しい弁護士へ相談し、行政処分としての指定取消手続と刑事手続を分けて対応する
時効(請求できる期限):罰金のみを法定刑とする罪の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)。起算点は犯罪行為の終了時であり、報告をしなかった場合は報告期限の経過時、虚偽報告の場合は当該報告書を提出した時が基準となる(最新の改正状況をご確認ください)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める