建築基準法 第105条
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- 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して、次の各号に掲げる規定の違反行為をした場合においては、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
- 一第九十八条第一項第一号(第十九条第四項、第二十条、第二十一条、第二十二条第一項、第二十三条、第二十五条から第二十七条まで、第二十八条第三項、第二十八条の二、第三十二条から第三十五条の三まで、第三十六条(防火壁、防火床、防火区画、消火設備、避雷設備及び給水、排水その他の配管設備の設置及び構造並びに煙突及び昇降機の構造に係る部分に限る。)、第三十七条、第六十一条、第六十二条、第六十四条又は第六十七条第一項、第三項若しくは第五項から第七項までの規定に違反する特殊建築物等(第六条第一項第一号に掲げる建築物その他多数の者が利用するものとして政令で定める建築物をいう。以下この条において同じ。)又は当該特殊建築物等の敷地に関してされた第九条第一項又は第十項前段(これらの規定を第九十条第三項において準用する場合を含む。)の規定による命令の違反に係る部分に限る。)、第九十八条(第一項第一号を除き、特殊建築物等に係る部分に限る。)並びに第九十九条第一項第八号、第九号、第十五号及び第十六号並びに第二項(特殊建築物等に係る部分に限る。)一億円以下の罰金刑
- 二第九十八条(前号に係る部分を除く。)、第九十九条第一項第一号から第七号まで、第八号及び第九号(特殊建築物等に係る部分を除く。)、第十二号(第七十七条の二十五第一項に係る部分に限る。)、第十三号、第十四号並びに第十五号及び第十六号(特殊建築物等に係る部分を除く。)並びに第二項(特殊建築物等に係る部分を除く。)、第百一条並びに第百三条各本条の罰金刑
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第105条は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第105条の条文原文は「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して、次の各号に掲げる規定の違反行為をした場合においては、その行為者を罰す…」で始まります。
- 建築基準法第105条は第七章 罰則に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第105条の前の条は建築基準法第104条です。
- 建築基準法第105条の次の条は建築基準法第106条です。
- 建築基準法第105条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第105条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第105条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/105
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法105条は両罰規定で、従業者が業務に関して違反行為をした場合、行為者のほか法人にも罰金刑を科す。特殊建築物等に係る違反では法人の罰金上限は一億円である。
Q · 現場の従業員がやった建築基準法違反で、会社まで罰金を払うことになるんですか?
はい。行為者のほか法人にも罰金刑が科されます
建築基準法105条は両罰規定であり、法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者が業務に関して同条各号の違反行為をした場合、行為者を処罰するほか、法人に対しても各号に定める罰金刑を科します。第1号が指定する特殊建築物等(6条1項1号の建築物および政令で定める多数の者が利用する建築物)に係る違反では、法人の罰金上限は一億円以下です。個人事業主の場合は各本条の罰金刑が科されます。判例は両罰規定を事業主の選任監督上の過失を推定した規定と解しており、無過失の立証責任は事業主側にあります。
解説
建築基準法の罰則を読むとき、たいていの人は「自分がいくら払うか」だけを見る。105条が見ているのは別のものだ。現場代理人、施工管理者、事務員、アルバイト、その誰か一人が「業務に関して」違反行為をすれば、その行為者を罰したうえで、さらに雇っている法人にも罰金を科す。これが両罰規定である。しかも特殊建築物等(劇場、病院、ホテル、共同住宅、学校、百貨店など6条1項1号の建築物と、政令で指定された多数の者が利用する建築物)が絡むと、法人に科される罰金の上限は一億円まで跳ね上がる。行為者本人の罰金とは桁が違う。そして「社長は知らなかった」は、そのままでは通らない。判例は両罰規定を、従業者の選任監督について事業主の過失を推定したものと理解しており、無過失の立証責任は会社側にある。知らなかったという事実は、免罪符ではなく立証課題として会社の手元に残る。
法的な位置づけ
建築基準法第105条は、法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその業務に関して同条各号の規定に違反した場合に、行為者の処罰に加えて事業主たる法人又は人にも罰金刑を科す両罰規定である。第1号に掲げる特殊建築物等に係る違反については、法人に対して一億円以下の罰金刑を科す法人重科が定められている。
よくある質問 AI による整理
Q1両罰規定とは何ですか?
違反行為をした従業者本人を罰するだけでなく、その事業主である法人や個人にも罰金刑を科す仕組みです。建築基準法では105条が定めており、行政刑法に広く置かれています。
Q2建築基準法の特殊建築物等とはどんな建物ですか?
6条1項1号の建築物(劇場、病院、ホテル、共同住宅、学校、百貨店など)と、多数の者が利用するものとして政令で定める建築物です。この区分に入ると法人の罰金枠が一億円以下に変わります。
Q3建築基準法違反で会社に一億円の罰金が科されるのはどんな場合ですか?
105条1号が指定する特殊建築物等に係る98条・99条の違反、および特殊建築物等に関する9条の是正命令違反の場合です。それ以外は2号により各本条の罰金刑となります。
Q4会社が無過失を立証すれば罰金を免れますか?
理論上は可能です。判例は両罰規定を選任監督上の過失の推定と解しており、必要な注意を尽くしたと立証できれば免責の余地があります。ただし実務で認められる例は極めて限られます。
Q5建築基準法違反の罰金は建設業許可に影響しますか?
影響します。建設業法は建築基準法違反による罰金刑を許可の欠格要件として定めており、公共工事の指名停止や与信判断にも波及します。罰金を払って終わる話ではありません。
Q6法人が被告人になると誰が裁判に出るのですか?
法人を代表する者が訴訟行為を行います(刑事訴訟法27条)。決裁に関与していない役員でも、被告人である法人の代表者として手続に対応する立場になります。
Q7個人事業主も両罰規定の対象になりますか?
なります。105条は「法人若しくは人」と規定しており、一人親方や個人工務店も対象です。従業者や家族従業員の違反行為により、事業主本人に各本条の罰金刑が科されます。
Q8建築基準法違反の罰金はいつまで追及されますか?
罰金に当たる罪の公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。起算点は犯罪行為が終わった時で、是正命令違反のような継続的不作為は状態が続く限り進行しないと扱われうります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1従業員が勝手にやったことでも、会社が罰金を払うんですか?
原則として払うことになる。105条は行為者を罰したうえで、さらに法人にも罰金を科す構造だからだ。判例は両罰規定を事業主の選任監督上の過失を推定したものと理解しており、無過失を立証できれば免責の余地は残るが、実務で認められる例は極めて少ない。実務のポイント:免責を狙うより、自主的な是正着手と特定行政庁への報告の早さで情状を作る方が現実的である。その時期は、行政が告発に踏み切るかどうかの判断にも効く
Q2一億円って本当に科されるんですか? 相場はどのくらいですか?
一億円は上限であり、実際の言渡額は違反の規模、危険性、常習性、是正の状況で決まる。ただし上限が一億円に設定されている意味は、検察官の求刑レンジ全体が押し上げられる点にある(98条、99条の各罰則を参照)。実務のポイント:経営に効くのは金額より、罰金刑の確定が建設業許可の欠格要件や公共工事の指名停止に連動する点だ。金額の交渉より先に、許可への波及を確認すべきである
Q3設計や施工をしていない、建物を持っているだけの会社も対象になりますか?
なる。9条1項の是正命令は建築物の所有者、管理者、占有者に対して発せられ、その命令違反は98条1項1号に当たる。特殊建築物等であれば、法人は一億円以下の罰金枠に入る。実務のポイント:決定的なのは命令の名宛人が誰かである。管理を外部委託していても、命令書が自社宛てなら責任は移らない。委託契約書の責任分配条項は、行政命令の名宛人を書き換えない
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば「従業員が勝手にやったこと」だが、法律から見れば「会社が選任監督を怠った結果」である。両罰規定は事業主の過失を推定する構造で、反証の責任は会社側にある。この落差に気付かないまま「うちは指示していません」と主張しても、それだけでは免責事由にならない。潰されるのは、推定の向きを知らなかった会社の方だ
- 罰金刑だということは多くの人が知っている。知られていないのは金額の重さの方だ。行為者本人の罰金は百万円単位だが、特殊建築物等が絡めば法人の上限は一億円。さらに罰金刑の確定は、建設業許可の欠格要件、公共工事の指名停止、金融機関の与信判断へ波及する。支払って終わる話ではない
- 「行為者が不起訴なら会社も助かるのか」という問いの立て方自体が誤っている。両罰規定では、従業者の違反行為の存在が認められれば、行為者が起訴猶予でも法人だけを起訴することが可能だというのが実務の扱いである。会社の防御線は、行為者の処分にぶら下がっていない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 105条:行為者処罰に加えて事業主(法人・人)にも罰金刑を科す両罰規定 | 98条:違反行為そのものに対する最重の罰則(行為者の刑を定める) 9条:違反建築物に対する特定行政庁の是正命令(行政処分) |
| 処罰の相手 | 行為者+法人(又は個人事業主) | 違反行為をした行為者本人 建築物の所有者、管理者、占有者、施工者等の名宛人 |
| 金額・効果の上限 | 1号(特殊建築物等関係)は法人に一億円以下、2号は各本条の罰金刑 | 各本条所定の罰金・拘禁刑(行為者個人は百万円単位が中心) 刑罰ではなく命令。違反すると98条1項1号の罰則に接続 |
| 争う主要な論点 | 「業務に関して」該当性、選任監督上の注意を尽くしたかの反証 | 違反行為の成否、故意・過失、構成要件該当性 命令の名宛人、履行期限内の着手、命令の適法性 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の建築法は行為者に対する行政罰(罰鍰・停工・拆除)を中心とし、日本型の刑事両罰規定を建築法内に持たない。法人と代表者の併科は行政罰法15条が一般規定として担う
韓国は日本の両罰規定を継受し、建築法にも양벌규정を置く。近年は憲法裁判所の判断を受けて「相当な注意と監督を怠らなかった場合は処罰しない」旨の免責ただし書が多くの法律に付加された点が日本との違い
ドイツは法人に刑罰を科さず、秩序違反法により法人へ Geldbuße(過料)を課す構成をとる。監督義務違反(§ 130)が実質的に日本の選任監督上の過失に対応する
米国は従業員が職務の範囲内で法人の利益のために行った犯罪について法人自体の刑事責任を広く認める。コンプライアンス体制の有無は量刑ガイドライン上の減軽事由として機能する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、現場の職長が工期を詰めるために防火区画の一部を図面どおり施工しなかったとしたら? 完了検査を通っても、後の立入検査や内部通報で発覚すれば、行為者が罰せられるだけでは終わらない。対象がホテルや共同住宅なら、会社側は一億円以下という罰金枠の中で判断される世界に入る。決裁した覚えがない役員でも、会社という被告人の代表者として法廷に立つことになる
- テナントビルの是正命令を受けた管理会社が、所有者との費用負担の話がまとまらないまま手続を放置した。9条1項の命令違反は98条1項1号に当たる。特殊建築物等であれば、法人の罰金は一億円以下の枠で量定される
- 特定行政庁から違反是正の命令書が届き、履行期限まで残り10日。工事を止めれば入居者やテナントから損害賠償を請求され、止めなければ命令違反で行為者と法人の双方に刑事責任が及ぶ。この10日で打てる手は、履行の一部着手と、行政との協議記録を書面で残すことに絞られる。期限を過ぎてから弁護士に相談しても、選べる札は激減している
- 一人親方の工務店で、手伝いに来ていた息子が業務に関して違反行為をした。105条の「人」には個人事業主も含まれる。従業者の行為によって、事業主本人が各本条の罰金刑を負う
- 入札の資格審査で、取引先の会社に建築基準法違反の罰金前科があると分かった。両罰規定による法人処罰は会社自身の前科として記録され、建設業許可の欠格要件や公共工事の指名停止の判断材料になる。経営に効くのは罰金額そのものより、その後に失う受注機会の方だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 違反が疑われる建物は、特定行政庁(市区町村の建築指導課)へ書面で申告する。刑事罰の前に9条の措置命令が動く2. 申告書には写真、図面、確認済証や検査済証の交付状況を添え、提出日を記録する3. 法人処罰は刑事手続であり、あなたの損害回復は別軌道。建物の欠陥による被害は民法709条、415条、売買であれば契約不適合責任で請求する4. 命令が出た後の履行状況は、情報公開請求で継続的に追える
訴えられた側:1. 行為者個人と法人は利害が衝突しうる。早い段階で弁護人を分けることを検討する2. 「その法人又は人の業務に関して」に当たるかを最初に精査。純粋に私的な逸脱行為であれば両罰の射程外になりうる3. 選任監督上の注意を尽くしたことを示す客観資料(社内規程、教育記録、監査履歴、是正指示)を時系列で整理する4. 対象建築物が特殊建築物等に当たるかで罰金の上限枠が変わるため、用途、規模、政令該当性を先に確定させる
時効(請求できる期限):法人に科されるのは罰金刑のみであり、罰金に当たる罪の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)。起算点は犯罪行為が終わった時で、是正命令違反のような継続的な不作為は、その状態が続く限り時効が進行しないと扱われうる。なお法人の時効を行為者に対する法定刑で測るか法人に科される罰金刑で測るかは、実務上、解釈が分かれている(最新の改正状況をご確認ください)
学説
過失推定説(通説・判例):両罰規定は事業主の選任監督上の過失を推定した規定であり、必要な注意を尽くしたことの立証により免責の余地を認める。責任主義と組織的違反の抑止を両立させる説明として実務の前提となっている
転嫁責任説・無過失責任説(少数説):事業主処罰を従業者の責任の転嫁または一種の無過失責任と解する立場。抑止力は高いが責任主義との整合に難があり、判例の採用する過失推定説に対する批判的少数説にとどまる
改正沿革 AI による整理
- 法人重科の導入(改正年は要検証) 特殊建築物等に係る違反について、法人に科する罰金の上限を行為者の罰金とは切り離して大幅に引き上げる法人重科が導入されたとされる。導入年と当初の上限額は一次資料での確認を要する
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行(要検証) 懲役と禁錮の拘禁刑への統合に伴い、本条が引用する各罰則の刑種表記が改められた。本条が定めるのは罰金刑のみであるため、法人に科される金額そのものへの影響はない
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:建築基準法の制定(昭和25年法律第201号、同年5月24日公布)に伴い、罰則章に事業主処罰の規定が置かれた。現行105条に至るまでの罰金額の引上げ経緯と各改正年は一次資料での確認を要する
- 2.令和4年(2022年)公布・令和7年(2025年)施行 改正:懲役と禁錮を拘禁刑に統合する刑法等の改正に伴い、本条が引用する各罰則の刑種表記が改められた。本条が法人に科するのは罰金刑のみであるため、一億円以下という金額枠そのものへの影響はない
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