建築基準法 第13条(身分証明書の携帯)
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- 建築主事等、建築監視員若しくは特定行政庁の命令若しくは建築主事等の委任を受けた当該市町村若しくは都道府県の職員が第十二条第七項の規定によつて建築物、建築物の敷地若しくは建築工事場に立ち入る場合又は建築監視員が第九条の二(第九十条第三項において準用する場合を含む。)の規定による権限を行使する場合においては、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
- 2.第十二条第七項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
この条文の基本情報
身分証明書の携帯とは何ですか?
定義身分証明書の携帯とは、建築基準法第13条に定められた規定で、「建築主事等、建築監視員若しくは特定行政庁の命令若しくは建築主事等の委任を受けた当該市町村若しくは都道府県の職員が第十二条第七項の規定によつて建築物、建築物の敷地…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第13条(身分証明書の携帯)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第13条の条文原文は「建築主事等、建築監視員若しくは特定行政庁の命令若しくは建築主事等の委任を受けた当該市町村若しくは都道府県の職員が第十二条第七項の規定によつて建築物、建築物の敷地…」で始まります。
- 建築基準法第13条は第一章 総則に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第13条の前の条は建築基準法第12条の3です。
- 建築基準法第13条の次の条は建築基準法第14条です。
- 建築基準法第13条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第13条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第13条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/13
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法13条は、立入検査を行う建築主事等や建築監視員に身分証明書の携帯と関係者への提示を義務づけ、2項でこの権限を犯罪捜査のためのものと解釈してはならないと定める。
Q · 工事現場や自宅に「市の建築指導課です」と来た人を、そのまま入れていいんですか?
断れないが、身分証明書の提示は必ず求められる
建築基準法13条1項により、第12条第7項に基づいて立ち入る建築主事等・建築監視員・特定行政庁の命令を受けた職員は、身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければなりません。携帯だけでなく提示まで義務です。一方で立入検査そのものを拒否・妨害・忌避すると罰則の対象となる(99条)ため、「帰れ」とは言えません。言えるのは「証明書を見せてください」であり、提示を求めた事実と応じたかどうかの記録が、後日の是正命令等を争う場面で効いてきます。
解説
工事現場に突然スーツ姿の人間が現れ、「市の建築指導課です、中を見せてください」と言う。あなたが施主でも現場監督でも、そこで言うべき台詞は一つ、「証明書を見せてください」である。建築基準法13条1項は、立入検査をする建築主事等・建築監視員・特定行政庁の命令を受けた職員に対し、身分証明書の携帯と関係者への提示を義務づけている。携帯だけでは足りない、提示まで求めている。そして2項が本条の核心だ。「第十二条第七項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない」。つまりこの立入りは行政目的の調査であって、刑事捜査ではない。令状なしで入れるのはそのためだが、裏返せば、ここで話した内容を刑事事件の証拠集めに転用する目的で権限を使うことは、条文自身が禁じている。あなたが持っている手札は二枚、証明書の提示要求と、この立入りの性質を確認する質問である。
法的な位置づけ
建築基準法13条は、立入検査を行う職員の身分証明義務と権限の目的範囲を定める規定である。1項は、第12条第7項により建築物や建築工事場へ立ち入る建築主事等・建築監視員・特定行政庁の命令を受けた職員に、身分を示す証明書の携帯と関係者への提示を義務づける。2項は、その権限を犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならないと定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.敷地に入れる前に身分証明書の提示を求める 門や現場ゲートの前で「身分を示す証明書を見せてください」と一言求める。13条1項は携帯だけでなく提示まで義務づけているので、正当な要求である。入れてしまった後では提示義務違反の立証が難しくなる
- 2.証明書の記載事項を撮影・書き取りで記録する 氏名・職名・発行者・有効期限を撮影するか書き取る。撮影に難色を示された場合でも、その場で読み上げてメモを取る。誰が何の権限で来たかの記録が、後の「言った言わない」を防ぐ唯一の客観証拠になる
- 3.立入りの根拠条文を口頭で確認する 「これは第12条第7項に基づく立入検査という理解でよろしいですか」と確認する。9条の2に基づく建築監視員の権限行使なのかも併せて聞く。根拠の確認は、相手に13条2項の存在を意識させる装置にもなる
- 4.指摘事項はその場で記録、動機・故意性の質問には即答しない 指摘された箇所は写真と図面で対照記録を残す。一方で「いつからこうしたのか」「誰の指示か」といった違反の経緯・故意性に関する質問は、記録を確認して書面で回答すると留保する。ここが行政調査と刑事手続の境界線である
- 5.提示がなかった場合の事実を書面化して保全する 提示を求めたが応じなかった事実、日時、立会人、職員の外見・名乗りを当日中に書面化する。後日、是正命令や使用禁止命令を受けた際の審査請求・取消訴訟で、手続の瑕疵として主張する材料になる
- 6.刑事事件化の兆候があれば直ちに弁護士へ 警察官の同行、供述調書への署名要請、違反の故意性に質問が集中するといった兆候が出た時点で、回答を止めて弁護士に連絡する。13条2項を手がかりに、行政調査と刑事捜査の境界を主張する余地がある
よくある質問 AI による整理
Q1建築基準法13条とは何ですか?
立入検査を行う職員の身分証明書の携帯・提示義務(1項)と、その権限を犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない旨(2項)を定める規定です。
Q2建築主事と建築監視員は何が違うの?
建築主事等は確認申請の審査・検査を担う職で、建築監視員は違反建築物に対する現場での是正権限(9条の2)を行使する職員です。13条はどちらにも証明書提示を義務づけます。
Q3建築基準法の立入検査に令状は必要ですか?
不要です。建築物の安全確保という行政目的の調査だからです。その代わり13条2項が、この権限を犯罪捜査のために用いることを解釈上封じています。
Q4立入検査は事前連絡なしで来ますか?
第12条第7項には事前通知を義務づける規定は置かれていません。実務では日程調整のうえ訪れることも多いですが、通報を端緒とする場合は突然来ることがあります。
Q5身分証明書の様式は何で決まっていますか?
建築基準法施行規則に様式の定めがあり、建築監視員の身分証明書については同規則7条が規定しています。氏名・職名・発行者・有効期限を確認してください。
Q613条でいう「関係者」には誰が含まれますか?
建築主・所有者・管理者のほか、現場の工事施工者や現場監督など、当該建築物や工事に法律上または事実上関わる者が広く含まれると解されます。立会人が提示を求めて構いません。
Q7立入検査の後はどうなりますか?
違反が確認されると、特定行政庁から是正命令や使用禁止・使用制限命令(9条)が出される流れになります。命令を受けた後は審査請求・取消訴訟の期間制限が動き始めます。
Q8立入検査を妨害したらどうなりますか?
第12条第7項の検査を拒み、妨げ、または忌避する行為は罰則の対象です(99条)。具体的な法定刑は同条を確認してください。門前で追い返す対応は避けるべきです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1証明書を見せてくれなかったら、入るのを断っていいんですか?
13条は職員側に提示義務を課しているが、提示がないことを理由に立入りを拒む権利を明文で与えてはいない。第12条第7項の検査の拒否・妨害・忌避には罰則がある(99条)ため、拒否は危険である。実務のポイント:実務では「提示を求めたが応じなかった」という事実の記録が武器になる。その場で拒むのではなく、提示を求めた事実と応じなかった事実を録音・メモで残し、後の処分取消しの場面で使う。この使い分けを知っているかどうかで、結果が正反対になる
Q2検査で話したことが、後で刑事事件の証拠にされることはありますか?
13条2項は第12条第7項の権限を犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならないと定めるが、これは権限の解釈準則であり、収集された資料の証拠能力を一律に否定する規定ではない。実務上、解釈が分かれている論点である。実務のポイント:弁護士が最初に確認するのは「その立入りが実質的に犯罪捜査目的だったか」という点。職員に警察官が同行していた、質問が違反事実の故意性に集中していた、といった事情は後で効いてくるので、当日の同行者と質問内容を必ず記録しておく
間違えやすい点 AI による整理
- 「立入検査を拒否できる」と思っている人がいるが、問いの立て方が誤っている。正しい問いは「拒否できるか」ではなく「何を要求できるか」だ。第12条第7項の立入検査は拒否・妨害・忌避が罰則の対象(99条)である一方、13条は職員側に証明書の提示義務を課している。拒否権はないが、手続の適正さを要求する権利はある
- 13条2項を「この立入りで得た情報は刑事裁判で絶対に使えない」という証拠排除ルールだと読む人がいるが、条文が定めているのは権限の解釈準則であって、証拠能力のルールではない。実務上、行政調査で得られた資料が後に刑事手続で用いられる場面をめぐっては、調査が実質的に犯罪捜査目的で行われたかどうかが争われ、裁判例でも解釈が分かれている論点である。「使えない」と安心するのではなく、「争える論点がある」と理解するのが正確
- 証明書の提示義務は形式的な儀礼だと軽く見られがちだが、深刻度が理解されていない。提示を欠いた立入りは手続違反であり、そこで収集された事実に基づく是正命令や使用禁止命令(9条)の取消訴訟で、手続の瑕疵として主張できる。形式が実体を揺らす場面が現実にある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 13条:立入検査等を行う職員側の身分証明義務+権限の目的限定 | 12条7項:立入検査そのものの権限根拠 9条の2:建築監視員の現場での是正権限 |
| 義務を負う者 | 建築主事等・建築監視員・特定行政庁の命令を受けた職員(行政側) | 受忍義務を負うのは所有者・管理者・施工者等(私人側) 命令の名宛人は違反建築物の関係者(私人側) |
| 違反した場合 | 提示義務違反は手続の瑕疵として、後続処分の取消訴訟等で主張しうる | 拒否・妨害・忌避は罰則の対象(99条) 命令違反は是正命令(9条)・罰則へ接続 |
| 刑事手続との関係 | 2項が犯罪捜査目的での解釈を明文で否定 | 権限自体は行政目的の調査として令状不要 現場での即時性を重視した行政上の権限 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も主管建築機関の検査権を定め、執行人員は職務執行の証明文件を出示すべきものとされる。行政検査であって刑事捜査ではない点も同じ構造
韓国も検査を行う公務員に権限を示す증표(証票)の携帯と関係人への提示を義務づけており、日本の13条1項と同型の規律
ドイツの建築監督は州法(Landesbauordnung)が根拠。立入権は行政監督権限として構成され、刑事訴追は StPO の枠組みで別系統に切り分けられる
米国は建築検査であっても原則として administrative search warrant を要するとした点で日本と発想が異なる。日本は令状不要とする代わりに、13条2項で目的外転用を条文上封じる構造
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 自宅の増築工事中、隣人からの通報を受けたという人物が敷地に入ってきて写真を撮り始めた。名乗りはするが証明書は出さない。この時点であなたには提示を求める法的根拠がある。提示を拒んだまま続行された立入りは、後に是正命令の適法性を争う際の材料になる
- 建物の所有者として定期報告を出したところ、市の職員から「現地を確認したい」と連絡が来た。日程調整に応じつつ、当日は証明書の記載(氏名、職名、発行者、有効期限)をスマホで撮影しておく。誰が何の権限で来たかの記録が、後日「言った言わない」になったときの唯一の客観証拠になる
- 現場所長として検査に立ち会っていたら、職員から「この配筋、確認申請と違いますよね。いつからこうしたんですか」と聞かれた。答えた内容が建築基準法違反の刑事罰(98条以下)につながる可能性がある局面で、13条2項はまさにこの場面のために存在する
- もし、立入りを断ったらどうなる? 第12条第7項の立入検査を拒み、妨げ、または忌避すると罰則の対象になる(同法99条)。つまり「証明書を見せろ」は言えるが、「帰れ」は言えない。この二つの区別を間違えると、自分から罰則側に足を踏み入れる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 立入りを求められたら、敷地に入れる前に身分証明書の提示を求め、氏名・職名・発行者を撮影または書き取る2. 立入りの根拠条文(第12条第7項か、9条の2の建築監視員の権限か)を確認する3. 検査中の指摘事項はその場でメモ、可能なら写真で対照記録を残す4. 提示がないまま強行された場合はその事実を記録、後日是正命令や使用禁止命令を受けた際の取消訴訟・審査請求で手続の瑕疵として主張する
訴えられた側:1. 立入検査の拒否・妨害・忌避は罰則の対象(99条)なので、立入り自体は受け入れる2. その上で、違反の経緯・動機・故意性に関する質問には即答せず「記録を確認して書面で回答します」と留保する3. 指摘を受けたら是正計画を早期に提出、刑事罰の適用より是正が優先される実務運用を活用する4. 刑事事件化の兆候(警察の同行、供述調書の作成要請)があれば直ちに弁護士へ、行政調査と刑事捜査の境界を主張する余地がある
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期間制限はない。ただし立入検査の結果として是正命令・使用禁止命令等の行政処分を受けた場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は同じく6か月以内(行政事件訴訟法14条)。この起算点を逃すと手続の瑕疵を争う入口が閉じる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:13条2項は権限の解釈準則であり、収集資料の証拠能力を一律に否定する証拠排除規定ではないと解されている。もっとも、当該立入りが実質的に刑事責任追及のための資料収集に直接結びつく場合には、憲法35条・38条の規律が及ぶ余地があると整理される。
実務的整理:身分証明書の提示義務は訓示規定ではなく、立入検査の適正手続を担保する要素と位置づけられる。不提示の事実は、後続する是正命令や使用禁止命令の取消訴訟・審査請求において、手続の瑕疵として主張される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:建築基準法(昭和25年法律第201号)が制定され、立入検査等に係る身分証明書の携帯・提示義務と、権限を犯罪捜査のために解釈してはならない旨の規定が置かれた
- 2.令和4年(2022年) 改正:条文上の呼称が「建築主事」から「建築主事等」に改められ、建築確認・検査体制の見直しに伴う用語整備が行われた(施行日・改正法番号は e-Gov の最新版で確認のこと)
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