受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

建築基準法 第40条(地方公共団体の条例による制限の附加)

クイックジャンプ

地方公共団体は、その地方の気候若しくは風土の特殊性又は特殊建築物の用途若しくは規模に因り、この章の規定又はこれに基く命令の規定のみによつては建築物の安全、防火又は衛生の目的を充分に達し難いと認める場合においては、条例で、建築物の敷地、構造又は建築設備に関して安全上、防火上又は衛生上必要な制限を附加することができる。

この条文の基本情報

地方公共団体の条例による制限の附加とは何ですか?

定義地方公共団体の条例による制限の附加とは、建築基準法第40条に定められた規定で、「地方公共団体は、その地方の気候若しくは風土の特殊性又は特殊建築物の用途若しくは規模に因り、この章の規定又はこれに基く命令の規定のみによつては建築物の安全、防火又…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 建築基準法第40条(地方公共団体の条例による制限の附加)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
  2. 建築基準法第40条の条文原文は「地方公共団体は、その地方の気候若しくは風土の特殊性又は特殊建築物の用途若しくは規模に因り、この章の規定又はこれに基く命令の規定のみによつては建築物の安全、防火又…」で始まります。
  3. 建築基準法第40条は第二章 建築物の敷地、構造及び建築設備に置かれています。
  4. 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
  5. 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 建築基準法第40条の前の条は建築基準法第39条です。
  7. 建築基準法第40条の次の条は建築基準法第41条です。
  8. 建築基準法第40条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第40条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201
  • 本サイト収録建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第40条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/40

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点建築基準法40条は、地方公共団体が気候・風土の特殊性や特殊建築物の用途・規模を理由に、条例で建築物の敷地・構造・建築設備に制限を附加できると定める。附加のみで、緩和はできない。

Q · 建築基準法さえ守っていれば、全国どこでも同じ建物が建てられるの?

建ちません。自治体の条例が上乗せしている場合があります

建築基準法40条により、地方公共団体は、その地方の気候・風土の特殊性、または特殊建築物の用途・規模を理由に、条例で建築物の敷地・構造・建築設備に安全上・防火上・衛生上必要な制限を附加できます。積雪荷重の割り増し、がけ地の建築制限、外壁後退距離などがその例です。条例に適合しなければ建築確認は下りず(同法6条)、違反状態で建てれば是正命令(同法9条)の対象になります。国の基準は「床」であって「天井」ではありません。

解説

建築基準法を一通り読んで「これで全部わかった」と思った瞬間、あなたは最大の落とし穴に足を踏み入れている。40条が地方公共団体に与えているのは、国の定めた基準に「上乗せ」する権限だ。その地方の気候や風土の特殊性、あるいは特殊建築物の用途や規模を理由に、条例で敷地・構造・建築設備に安全上・防火上・衛生上の制限を追加できる。つまり、あなたが東京の基準で設計した建物が、北海道でも沖縄でも金沢でも同じように建つとは限らない。積雪荷重の割り増し、塩害地域の外装制限、強風地域の屋根葺き材規制、狭小敷地の接道強化。これらは国の法律本体を何度読んでも出てこない。建築確認の窓口で初めて「うちの市の条例では、これは通りません」と言われる。設計が進んだ後に言われたら、図面の書き直しである。あなたが最初に開くべきは法律ではなく、その土地の建築基準条例だ。

法的な位置づけ

建築基準法40条は、条例による制限の附加を定める規定である。地方公共団体は、その地方の気候若しくは風土の特殊性、又は特殊建築物の用途若しくは規模により、法第3章の規定及びこれに基づく命令のみでは建築物の安全上・防火上・衛生上の目的を十分に達し難いと認める場合に、条例で敷地・構造・建築設備に関する制限を附加することができる。本条が許容するのは規制の強化のみであり、緩和は含まない。

よくある質問 AI による整理

Q1建築基準法40条とは何ですか?

地方公共団体が、気候・風土の特殊性や特殊建築物の用途・規模を理由に、条例で建築物の敷地・構造・建築設備の制限を上乗せできると定めた規定です。緩和はできず、厳しくする方向のみ認められます。

Q2上乗せ条例とは何ですか?

国の法令が定める基準に、自治体が条例で追加の制限を重ねることです。建築分野では建築基準法40条が根拠で、積雪荷重の割り増しや外壁後退距離などが典型例です。

Q3がけ条例の根拠はどの法律ですか?

いわゆる「がけ条例」は各自治体の建築基準条例に置かれ、建築基準法40条の委任を根拠とします。がけ上・がけ下の建築に擁壁設置や離隔距離を求める内容が一般的です。

Q4建築基準条例に違反するとどうなりますか?

条例に適合しなければ建築確認が下りず、適法に着工できません。違反状態で建築すれば、特定行政庁による是正命令(建築基準法9条)の対象となり、最悪は除却命令に至ります。

Q5条例の上乗せはいつ確認すればいいですか?

土地の売買契約前、遅くとも基本設計に入る前です。確認申請の段階で判明すると図面の書き直しや構造材の変更が発生し、追加費用が数百万円規模になることがあります。

Q6積雪荷重は条例で変わりますか?

変わります。多雪区域では自治体が条例や規則で法定より重い積雪荷重を定めることがあり、構造設計と工事費に直結します。標準プランのままでは適合しない場合があります。

Q7建築基準法40条と41条の違いは何ですか?

40条は条例による制限の附加(強化)、41条は市町村の条例による制限の緩和に関する仕組みです。方向が逆であり、40条で緩和することはできません。

Q8条例による制限は重要事項説明の対象ですか?

対象です。宅地建物取引業法35条により、法令に基づく制限として説明義務があります。ただし説明の精度は業者により差があるため、自分でも条例本文を確認すべきです。

この条文についての質問 AI による整理

Q1自治体の条例って、どこで読めるんですか? 役所に行かないとダメ?

各都道府県・市町村の例規集がウェブで公開されており、「○○県 建築基準条例」で検索すれば全文が読めます。都道府県の条例に加え、市町村独自の条例・指導要綱が重なることもあります。実務のポイント:条例本文より、自治体が出している「建築基準法取扱い要領」「審査基準」といった内部運用資料の方が実務では決定的です。これは検索で出にくく、建築指導課の窓口で「取扱いをまとめた資料はありますか」と聞くと出てくることが多い。設計者がこれを持っているかどうかで、確認申請の通し方が変わる

Q2条例で厳しくされたぶん、固定資産税が安くなったりはしないんですか?

なりません。40条の上乗せは建築時の安全・防火・衛生基準の話で、課税とは別の制度です。ただし積雪地域向けの耐雪構造など、自治体によっては住宅助成金や補助制度を用意していることがあります。実務のポイント:条例で上乗せ規制をかけている自治体ほど、その規制に対応するための補助金メニューを持っていることが多い。規制を調べるついでに補助金一覧も見ると、数十万円単位で回収できる。規制と補助は別の課が担当しているので、窓口で自分から聞かないと教えてもらえない

Q3条例のほうが法律より厳しいのって、法律的におかしくないんですか?

おかしくありません。40条が明示的に条例への上乗せ権限を委任しているため、この範囲の条例は法律の授権に基づく適法な規制です。ただし附加、つまり厳しくする方向に限られ、条例で国の基準を緩めることは本条ではできません。実務のポイント:逆に言えば、40条の要件(その地方の気候・風土の特殊性、または特殊建築物の用途・規模)と結びつかない上乗せは、委任の範囲を超える疑いがある。実務上この点の解釈は分かれているが、条例の適用に納得できないとき、この理由づけの有無を確認する視点を持っている設計者は少ない

間違えやすい点 AI による整理

  • 「建築基準法は全国一律の最低基準だから、法律さえ守れば全国どこでも建つ」と思われている。だが40条は、その一律性そのものに穴を開ける条文だ。同じ設計図が、県境をまたいだ瞬間に不適合になる。国の基準は床であって天井ではない
  • 条例の存在自体は知っている人でも、その重さを見誤っている。条例違反の建物は建築確認が下りない、つまり適法に着工できない。さらに違反状態で建ててしまえば、特定行政庁の是正命令(建築基準法9条)の対象になり、最悪は除却命令である。「条例は努力目標」という感覚は、事実として誤っている
  • 「条例で何でも規制できるなら、自治体の言いなりではないか」という問いの立て方が、そもそもずれている。40条の権限は附加、つまり厳しくする方向のみ。条例で国の基準を緩めることは40条ではできない(緩和は41条など別の仕組みが必要)。争点は「自治体が厳しくしすぎていないか」であって「何でもできるか」ではない
  • 「条例の上乗せは、都会の密集地だけの話」と考えるのは視角がずれている。あなたから見れば地方は規制が緩そうに見えるが、法律から見れば地方こそ気候・風土の特殊性を理由に上乗せが正当化される土地だ。豪雪、塩害、強風、シロアリ。むしろ地方の方が条例が厚い
比較の観点この条文ほかの条文
条例が働く方向40条:制限の附加(強化のみ)39条:災害危険区域の指定と建築制限(禁止・制限)
41条:市町村条例による制限の緩和
発動の理由づけその地方の気候・風土の特殊性、又は特殊建築物の用途・規模津波・高潮・出水等による危険の著しい区域であること
都市計画区域等の外など、規制の必要性が低い区域の事情
規制の対象建築物の敷地・構造・建築設備に関する安全上・防火上・衛生上の制限区域内における住居の用に供する建築物の建築禁止その他の制限
第3章の規定の一部について適用を緩める範囲
設計実務での影響同じ設計図が自治体をまたぐと不適合になり得る区域指定の有無で土地の利用可能性自体が変わる
区域によっては法定基準より軽い仕様で足りる場合がある

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
建築法第101條

台湾も直轄市・県(市)政府が地方の事情に応じて建築管理規則を定め、中央(内政部)の核定を経て実施する構造。中央承認を要する点が日本の条例方式と異なる

韓国
건축법に基づく건축조례

韓国も建築法が多数の事項を建築条例に委任し、自治体ごとに規制内容が異なる。地域実情に応じた上乗せという発想は日本と共通

ドイツ
各州 Landesbauordnung および自治体の örtliche Bauvorschriften

ドイツは建築規制自体が連邦ではなく州の立法権限(GG Art. 70)に属し、さらに自治体が地区ごとの建築規定を定める。日本より地域差が構造的に大きい

アメリカ
Standard State Zoning Enabling Act(1922)以降の州授権法

米国は州がゾーニング権限を自治体に授権し、建築・用途規制は原則として地方条例で決まる。全国一律の最低基準を国が敷く日本型とは出発点が逆

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 親から相続した金沢の実家を建て替えることにした。ハウスメーカーの標準プランで見積もりを取り、契約直前まで進む。確認申請の段階で「石川県建築基準条例により、この地域の積雪荷重は法定より重い」と指摘され、構造材の変更で数百万円の追加。標準プランという言葉は、その土地の条例までは含んでいない
  • もしあなたが購入予定の土地が、市の条例で「がけ条例」の規制区域に入っていたとしたら? 傾斜地に近い敷地は、多くの自治体が条例でがけ上・がけ下の建築を制限している。国の建築基準法本体には、この規制は一言も書かれていない。土地の売買契約を結ぶ前に条例を確認したかどうかで、その土地が建てられる土地か塩漬けかが決まる
  • 小規模な有料老人ホームを開業しようと、既存の住宅を改修する計画を立てた。特殊建築物の用途変更にあたるため、条例による防火・避難の上乗せ規制が直撃する。廊下幅、二方向避難、内装制限。改修費が当初見積もりの倍になり、事業計画そのものを見直すことになる
  • 設計事務所に勤めるあなたが、隣県の案件を担当することになった。いつもの県の感覚で基本設計を進め、クライアントに提案済み。着工まであと60日。確認申請直前になって、隣県の条例に独自の外壁後退距離規定があることに気付く。配置計画からやり直すか、クライアントに謝って工期を延ばすか、選ぶ時間は今週しかない
  • 友人から「隣の家が我が家の日当たりを塞ぐ高さで建てようとしている、法律違反じゃないのか」と相談された。国の法律では合法でも、その市の条例が独自の制限を課している可能性がある。条例を確認して違反が見つかれば、特定行政庁への申し出という手が打てる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 条例上乗せを知らされずに土地を買った、または設計が無駄になった場合、まず宅建業者の重要事項説明書を精査。条例制限の記載漏れは宅地建物取引業法35条違反の可能性がある2. 設計者の調査不足であれば、建築士の善管注意義務(プロとして当然払うべき注意のレベル)違反として設計契約上の責任を検討3. 該当自治体の建築指導課で、制限の内容と緩和規定・許可制度の有無を確認。条例には例外許可の道が用意されていることが多い4. 損害が確定したら、設計変更費と工期遅延損害を項目別に整理し、証拠として保全する

訴えられた側:1. 条例違反を指摘された場合、まず指摘の根拠条文を書面で示すよう求める。条例には解釈の幅があり、窓口担当者の運用と条文が一致しないこともある2. 40条の委任範囲を超えた条例(例:気候・風土の特殊性という理由づけがない一般的な上乗せ)であれば、条例自体の有効性を争う余地がある。実務上、この点の判断は分かれている3. 是正命令(建築基準法9条)が出たら、命令書末尾の教示欄を最初に読む。審査請求の期限と宛先が書いてある4. 争うより設計変更が安いケースが大半。コスト比較を先にする

時効(請求できる期限):建築確認申請への対応そのものに固有の時効はない。是正命令など行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)に不服がある場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。設計者・宅建業者への損害賠償請求は債権の一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年)

学説

通説(実務通説):40条による条例は、法令の最低基準を前提に地域固有のリスクへ適合させる上乗せ規制であり、附加=強化の方向にのみ許容される。緩和は41条など別の仕組みによる。上乗せの正当化には、気候・風土の特殊性又は特殊建築物の用途・規模という条文上の要件との結びつきが必要とされる。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和25年(1950年) 新設:建築基準法(昭和25年法律第201号)の制定に伴い、地方公共団体が条例で制限を附加できる旨の規定として置かれた。全国一律の最低基準と地域固有事情の二層構造を制度化した条文にあたる。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

建築基準法の全文を見る所属する編章節を開く:第二章 建築物の敷地、構造及び建築設備

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›