建築基準法 第60条の3(特定用途誘導地区)
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- 特定用途誘導地区内においては、建築物の容積率及び建築物の建築面積(同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、それぞれの建築面積)は、特定用途誘導地区に関する都市計画において建築物の容積率の最低限度及び建築物の建築面積の最低限度が定められたときは、それぞれ、これらの最低限度以上でなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物については、この限りでない。
- 一主要構造部が木造、鉄骨造、コンクリートブロック造その他これらに類する構造であつて、階数が二以下で、かつ、地階を有しない建築物で、容易に移転し、又は除却することができるもの
- 二公衆便所、巡査派出所その他これらに類する建築物で、公益上必要なもの
- 三学校、駅舎、卸売市場その他これらに類する公益上必要な建築物で、特定行政庁が用途上又は構造上やむを得ないと認めて許可したもの
- 2.特定用途誘導地区内においては、建築物の高さは、特定用途誘導地区に関する都市計画において建築物の高さの最高限度が定められたときは、当該最高限度以下でなければならない。ただし、特定行政庁が用途上又は構造上やむを得ないと認めて許可したものについては、この限りでない。
- 3.特定用途誘導地区内においては、地方公共団体は、その地区の指定の目的のために必要と認める場合においては、国土交通大臣の承認を得て、条例で、第四十八条第一項から第十三項までの規定による制限を緩和することができる。
- 4.第四十四条第二項の規定は、第一項第三号又は第二項ただし書の規定による許可をする場合に準用する。
この条文の基本情報
特定用途誘導地区とは何ですか?
定義特定用途誘導地区とは、建築基準法第60条の3に定められた規定で、「特定用途誘導地区内においては、建築物の容積率及び建築物の建築面積(同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、それぞれの建築面積)は、特定用途誘導地区に関す…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第60条の3(特定用途誘導地区)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第60条の3の条文原文は「特定用途誘導地区内においては、建築物の容積率及び建築物の建築面積(同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、それぞれの建築面積)は、特定用途誘導地区に関す…」で始まります。
- 建築基準法第60条の3は第四節の二 都市再生特別地区、居住環境向上用途誘導地区及び特定用途誘導地区に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第60条の3の前の条は建築基準法第60条の2の2です。
- 建築基準法第60条の3の次の条は建築基準法第61条です。
- 建築基準法第60条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第60条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第60条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/60_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法60条の4は、特定用途誘導地区で都市計画が容積率と建築面積の最低限度を定めたとき、建築物はその最低限度以上でなければならないと規定する。例外は三類型に限られる。
Q · 特定用途誘導地区に入っている土地では、小さい建物は建てられないんですか?
原則そうです。ただし書の三類型と許可にだけ逃げ道があります
建築基準法60条の4第1項により、特定用途誘導地区に関する都市計画で容積率と建築面積の最低限度が定められた場合、建築物はその最低限度以上でなければなりません。例外は三つで、木造等・階数二以下・地階なしで容易に移転除却できる建築物、公衆便所や巡査派出所に類する公益上必要な小規模建築物、学校・駅舎・卸売市場に類する建築物で特定行政庁が許可したものです。第三号の許可には建築審査会の同意が必要です(4項・44条2項準用)。
解説
日本の建築規制のほとんどは「これ以上大きく建てるな」という上限で組まれている。容積率も建蔽率も高さ制限も、基本はそうだ。特定用途誘導地区では、その向きが逆になる。都市計画で容積率と建築面積の最低限度が定められると、あなたの土地には「これより小さい建物は建てられない」という縛りがかかる。平屋の小さな店舗を一軒だけ置く、そういう小さく使う出口が塞がれる。その代わりに三項が用意しているのが用途規制の緩和で、地方公共団体は国土交通大臣の承認を得たうえ、条例で四十八条の用途制限をほどくことができる。住居系の地域に診療所やスーパーを呼び込めるのはこの仕組みによる。飴と鞭が一つの条文に同居している。あなたの土地がこの線の内側に入るかどうかは、自治体が作る立地適正化計画の都市機能誘導区域の引き方で決まる。
法的な位置づけ
建築基準法60条の4は、特定用途誘導地区における建築物の形態規制を定める規定である。都市計画で定められた容積率および建築面積の最低限度を下回る建築を禁じ、高さの最高限度を課す一方、地方公共団体が国土交通大臣の承認を得て条例により用途制限を緩和する権限を規律する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.立地適正化計画と都市機能誘導区域を確認する 自治体のサイトまたは都市計画課で立地適正化計画の有無と都市機能誘導区域の区域図を確認し、対象敷地が線の内側か外側かを特定する。特定用途誘導地区の指定はこの下流にしか現れない
- 2.都市計画決定の告示文から最低限度の数値を取る 指定がある場合、都市計画決定の告示文から容積率の最低限度と建築面積の最低限度、および高さの最高限度が定められているかを確認し、具体数値を控える
- 3.計画建物が最低限度を満たすか照合する 予定する建築物の延べ面積・建築面積を最低限度と照合する。下回る場合は1項1号(木造等・階数二以下・地階なし・容易に移転除却可)または2号(公益上必要な小規模建築物)に乗れるかを検討する
- 4.許可ルートを取るなら建築指導課と事前協議する 1項3号または2項ただし書の許可を狙う場合、用途上または構造上やむを得ない事情を整理して建築指導課と事前協議する。1号の「容易に移転し、又は除却することができる」の判断も自治体で運用が割れるため、基礎仕様を固める前に確認する
- 5.建築審査会の日程から逆算して工程を組む 4項が準用する44条2項により、許可には建築審査会の同意が必要。審査会は月一回程度の開催で議案締切が開催の数週間前のため、公表されている日程から逆算して確認申請の工程を数か月手前に倒す
よくある質問 AI による整理
Q1特定用途誘導地区とは何ですか?
医療・福祉・商業などの都市機能を集めるために指定される地域地区です。建築基準法60条の4により、容積率と建築面積の最低限度、高さの最高限度が課されます。
Q2容積率の最低限度は自分の土地でいくらか調べる方法は?
自治体の都市計画決定の告示文と都市計画図で確認します。立地適正化計画・都市機能誘導区域の図と併せて、建築指導課の窓口または自治体サイトで取得できます。
Q3特定用途誘導地区で平屋の店舗は建てられますか?
最低限度を下回るなら原則できません。ただし木造等で階数二以下・地階なし・容易に移転除却できる構造なら1項1号で対象外になります。
Q4高度利用地区と特定用途誘導地区の違いは?
どちらも最低限度規制を課しますが、高度利用地区は建築基準法59条、特定用途誘導地区は60条の4が根拠で、後者は誘導施設の立地誘導を目的とします。
Q5特定行政庁の許可はどのくらい時間がかかりますか?
建築審査会の同意が前提で、審査会は月一回程度の開催が多いため、議案締切から逆算して数か月を見込む必要があります(自治体により運用差があります)。
Q6条例で用途制限が緩和されると何が建てられるようになりますか?
3項により48条1項から13項の制限が緩和され、住居系地域でも診療所や店舗など誘導施設の立地が可能になる場合があります。緩和方向のみ可能です。
Q7最低限度の数値に意見を言うことはできますか?
都市計画案の縦覧期間中に意見書を提出できます(都市計画法17条)。縦覧開始から二週間が実質的な唯一の窓口です。
Q8特定用途誘導地区の指定で不許可になったら争えますか?
不許可処分には建築基準法94条の審査請求、さらに取消訴訟の道があります。審査請求は処分を知った日の翌日から三か月以内です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの土地、最低限度があるって言われたんですけど、駐車場のままにしておくのはダメなんですか?
規制の対象は建築物です。更地や駐車場のまま置く限り、一項の最低限度は働きません。縛りが発動するのは建てる瞬間で、そのとき容積率と建築面積が最低限度以上でなければ確認済証は下りません。実務のポイント:実務では「建てない」が事実上の抵抗手段になります。ただし土地の課税上の扱いが変わって税負担が跳ね上がる土地もあるので、寝かせるコストを先に計算してから決める
Q2小さい建物は絶対に建てられないんですか?
一項ただし書に三つの逃げ道があります。木造・鉄骨造などで階数二以下、地階なし、容易に移転または除却できるもの。公衆便所や巡査派出所のような公益上必要な小規模建築物。学校・駅舎・卸売市場に類する建築物で特定行政庁が許可したもの。実務のポイント:一号の「容易に移転し、又は除却することができる」の判断は自治体ごとに運用が割れており、基礎の仕様や接合方法で結論が動く。設計を固める前に建築指導課と事前協議を入れるかどうかで、後戻りの量が桁で変わる
Q3用途地域が住居系でも、条例で店舗が建てられるようになるって本当ですか?
三項がその根拠です。地方公共団体は地区の指定目的に必要と認める場合、国土交通大臣の承認を得て、条例で四十八条一項から十三項の用途制限を緩和できます。同じ構造の仕組みは特別用途地区(四十九条二項)にもあります。実務のポイント:この規定は緩和の方向にしか使えず、条例で制限を強めることはできない。近隣住民として反対したいなら、条例案のパブリックコメントと議会審議が実質的に唯一の入口になる
Q4特定行政庁の許可って、担当者にお願いすれば下りますか?
下りません。四項が四十四条二項を準用しており、一項三号と二項ただし書の許可には、あらかじめ建築審査会の同意が必要です。建築審査会は学識経験者らで構成される合議体で、担当部署の一存では動きません。実務のポイント:審査会は月一回程度しか開かれない自治体が多く、議案の提出締切は開催の数週間前。ここを外すと一か月まるごと遅れる。開催日程は公表されているので、そこから逆算して確認申請の工程を引く
間違えやすい点 AI による整理
- 規制と聞けば反射的に「大きく建てられない」と考えるが、一項が命じているのはその逆で、最低限度を下回る建物を建てることの禁止である。上限規制に慣れた感覚のまま設計を始めると、規模を削る方向の努力が全部空振りになる
- 三項の条例緩和を「用途地域が少しゆるくなる」程度に理解している人は多い。深刻なのはその向きだ。緩和は建てられる用途を増やす方向にしか働かず、あなたの隣に店舗や診療所が建ちうる状態を、あなたの同意なしに条例が開ける。静かな住環境を前提に家を買った人ほど、この一方通行性が効いてくる
- 「うちの土地は特定用途誘導地区に入っているか」と役所に聞きに行く人が多いが、問いの立て方が一段ずれている。先に確かめるべきは、その自治体が立地適正化計画を作っているか、都市機能誘導区域をどこに引いたかだ。地区の指定はその下流にしか現れないので、上流を見れば指定の有無も将来の変更圧力も同時に読める
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制の方向 | 60条の4:容積率・建築面積の最低限度(小さく建てるなを命じる) | 48条:用途制限(何を建てるかを制限) 59条:高度利用地区の最低限度規制 |
| 緩和の仕組み | 3項:国土交通大臣の承認 + 条例で48条1〜13項を緩和 | 48条ただし書:特定行政庁の許可による個別緩和 49条2項:特別用途地区での条例緩和(同型) |
| 許可の手続要件 | 4項が44条2項を準用し建築審査会の同意が必要 | 48条は利害関係者の公開意見聴取 + 建築審査会の同意 59条も許可に建築審査会の同意が必要 |
| 適用の前提 | 特定用途誘導地区の都市計画決定で最低限度が定められたこと | 用途地域の指定があること 高度利用地区の都市計画決定があること |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は都市計画で特定専用区を定め、建蔽率・容積率等を規律する。ただし容積率の「最低限度」で小規模建築を排除する誘導型の手法は一般的でなく、日本のコンパクトシティ政策に固有の設計といえる
韓国は地区単位計画で建蔽率・容積率の最高限度に加え最低限度を定めうる仕組みを持ち、日本の誘導型規制と機能的に近い
ドイツは Bebauungsplan で Maß der baulichen Nutzung を定め、GRZ・GFZ について最低値(Mindestmaß)を設定できる。計画高権による密度誘導という点で構造が類似する
米国は最低床面積規制を持つ自治体があるが、排他的ゾーニングとして住宅の可負担性を害するとの批判があり、近年は撤廃の動きもある。同じ「最低限度」でも政策目的が逆方向
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 駅前に相続した土地を月極駐車場で回しながら、十年後に売ろうと考えている。もしその土地が特定用途誘導地区に入ったら、どうなる? 更地で寝かせている間は一項の最低限度は動かない。だが建てる瞬間に、容積率と建築面積の下限があなたの設計を押し上げる。小さく建てて様子を見るという出口が消える
- テナントビルの建替えで確認申請を出す直前、都市計画の変更案が縦覧に入った。意見書の提出期限まであと二週間。ここを逃すと、最低限度の数字にあなたが口を挟む機会は二度と来ない
- あなたが建てる側で、規模の小さい公益施設を計画しているとする。公衆便所や巡査派出所に類するものなら一項二号で最低限度の外に出る。学校・駅舎・卸売市場に類するものは、特定行政庁が用途上または構造上やむを得ないと認めて許可したときだけ外れる。そしてその許可は、四項が準用する四十四条二項により建築審査会の同意がなければ下りない。窓口の担当者に頼み込んで動く話ではない
- 知人の工務店から相談が来る。「施主の土地、最低限度がどうとかで設計が通らないんだけど」。答えは都市計画図の色と告示文の数字二つにある
- 郊外で診療所を開業しようとした医師が、用途地域の制限で断念しかけた。ところがその自治体は特定用途誘導地区を指定し、三項に基づく条例で用途制限を緩めていた。開業できるかどうかが、条例が一本あるかないかで分かれる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自治体のサイトで立地適正化計画と都市機能誘導区域の図を確認し、自分の敷地が線の内か外かを特定する2. 指定されていれば都市計画決定の告示文から容積率と建築面積の最低限度の具体数値を取る3. 予定する建物が最低限度を割るなら、一項一号(階数二以下・地階なし・容易に移転除却できる構造)や二号(公益上必要な小規模建築物)に乗れるか、三号の特定行政庁の許可を狙えるかを検討する4. 許可は建築審査会の同意が前提なので、確認申請の工程を数か月手前に倒しておく
訴えられた側:許可が下りなかったときは、建築審査会の同意が得られなかったのか、特定行政庁の判断なのかをまず切り分ける。前者なら審査会の議事録を情報公開請求で取り、反対理由に沿って計画を修正して再申請する。処分そのものに不服なら建築基準法九十四条の審査請求、さらに取消訴訟という道がある。都市計画の変更を求める筋もあるが年単位なので、許可ルートと並走させる
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。動く期限は手続側にある。都市計画案への意見書は縦覧開始から二週間以内(都市計画法十七条)。特定行政庁の不許可処分に対する審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から三か月以内(行政不服審査法十八条)、取消訴訟は同じ起算点から六か月以内(行政事件訴訟法十四条)。いずれも起算点は「知った日」であり、告示日ではない(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)立地適正化計画制度の創設 都市再生特別措置法等の改正に伴い、特定用途誘導地区内の容積率・建築面積の最低限度および高さの最高限度を定める規定が建築基準法に新設された。条文の枝番号は、その後に別の誘導地区制度が追加された影響で入力データと現行法で表記が食い違う可能性があるため、条番号と改正履歴は人的検証を要する
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