建築基準法 第68条の15(承継)
クイックジャンプ
第六十八条の十一第一項の認証を受けた者(以下この章において「認証型式部材等製造者」という。)が当該認証に係る型式部材等の製造の事業の全部を譲渡し、又は認証型式部材等製造者について相続、合併若しくは分割(当該認証に係る型式部材等の製造の事業の全部を承継させるものに限る。)があつたときは、その事業の全部を譲り受けた者又は相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の同意により当該事業を承継すべき相続人を選定したときは、その者。以下この条において同じ。)、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人若しくは分割によりその事業の全部を承継した法人は、その認証型式部材等製造者の地位を承継する。ただし、当該事業の全部を譲り受けた者又は相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人若しくは分割により当該事業の全部を承継した法人が第六十八条の十二各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
この条文の基本情報
承継とは何ですか?
定義承継とは、建築基準法第68条の15に定められた規定で、「第六十八条の十一第一項の認証を受けた者(以下この章において「認証型式部材等製造者」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第68条の15(承継)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第68条の15の条文原文は「第六十八条の十一第一項の認証を受けた者(以下この章において「認証型式部材等製造者」という。」で始まります。
- 建築基準法第68条の15は第三章の二 型式適合認定等に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第68条の15の前の条は建築基準法第68条の14です。
- 建築基準法第68条の15の次の条は建築基準法第68条の16です。
- 建築基準法第68条の15には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第68条の15 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第68条の15(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/68_15
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法68条の15は、認証型式部材等製造者が事業の全部を譲渡・相続・合併・分割したとき、その地位が承継されると定める。事業の一部のみの譲渡では承継されない。
Q · 型式部材の認証を持つ工場を買収したら、認証もそのまま付いてくるんですか?
事業の全部を引き継げば認証も承継されます。一部だけなら承継されません。
建築基準法68条の15により、認証に係る型式部材等の製造の事業の全部を譲り受けた者、相続人、合併後存続・設立法人、分割により事業の全部を承継した法人は、認証型式部材等製造者の地位を当然に承継します。認証の再取得や性能評価の再実施は不要です。ただし二つの関門があります。第一に承継の対象は「事業の全部」であり、一部譲渡・一部分割では承継が生じません。第二に但書により、承継する側が68条の12各号の欠格事由に該当する場合は承継しません。なお地位の承継と別に、68条の16の届出義務が残ります。
解説
型式部材等の認証を持つメーカーが会社を売った、社長が死んだ、合併した。そのとき認証はどうなるか。普通の許認可なら「取り直し」が原則だが、建築基準法68条の15は違う。事業の全部を譲り受けた者、相続人、合併後の法人、分割で事業全部を承継した法人は、認証型式部材等製造者の地位をそのまま引き継ぐ。認証の再取得手続きも、性能評価の再実施も要らない。ただしこの条文には二つの落とし穴がある。第一に「事業の全部」であること。一部譲渡、一部分割では承継しない。事業の9割を譲渡しても、残り1割を手元に残せば承継は起きず、譲受人は新規に認証を取ることになる。第二に但書。承継する側が68条の12の欠格事由(過去に認証を取り消されて1年以内など)に該当すれば、承継は起こらない。M&A のデューデリで認証の有無だけ見て、相手の欠格事由を見落とすと、クロージング後に認証が消えていたという事故が起きる。
法的な位置づけ
建築基準法第六十八条の十五は、認証型式部材等製造者の地位の承継を定める規定である。認証に係る事業の全部の譲渡、相続、合併又は事業の全部を承継させる分割があった場合に限り、譲受人、選定相続人、合併後の法人又は分割承継法人が当該地位を当然に承継する。第六十八条の十二各号の欠格事由に該当する者は、承継の対象から除外される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.譲渡・分割の対象範囲が「事業の全部」か検証する 事業譲渡契約書・分割契約書の承継対象資産一覧を開き、当該認証に係る型式部材等の製造の事業の全部が対象に含まれているか確認する。「主要な資産」「一部を除く」といった留保文言があれば、その時点で68条の15の承継要件が崩れる
- 2.承継側の欠格事由(68条の12)を照合する 承継する法人・個人および役員について、68条の12各号の欠格事由に該当しないかを確認する。過去の認証取消処分がある場合は処分日を押さえ、期間経過の有無を逆算する。該当すれば但書により承継が阻止される
- 3.相続の場合は承継者の選定を書面化する 相続人が二人以上いる場合、全員の同意により当該事業を承継すべき相続人を選定し、同意書として書面化する。遺産分割協議全体の合意を待たず、この選定だけを先行して合意することで事業の操業停止を避けられる
- 4.承継成立後、68条の16の届出を遅滞なく提出する 地位の承継が生じたら、国土交通大臣へ承継の届出を行う。届出様式と添付書類は建築基準法施行規則に定めがあるため、最新の様式を所管窓口で確認する。地位は自動で移るが、届出漏れは別途の責任を生む
よくある質問 AI による整理
Q1型式部材等製造者の認証とは何ですか?
建築基準法68条の11に基づき、一定の型式に適合する建築部材を製造する者が受ける認証です。認証を受けた部材は建築確認手続の審査が大幅に省略されます。
Q2認証の承継に届出は必要ですか?
地位の承継自体は法律上当然に生じますが、承継した者には建築基準法68条の16により国土交通大臣への届出義務があります。承継と届出は別の手続です。
Q3株式譲渡でも認証の承継手続きは必要ですか?
不要です。株式譲渡では法人格が変わらないため、認証を持つ主体も変わりません。68条の15が問題になるのは事業譲渡・相続・合併・分割の場合です。
Q4会社分割で認証を承継させる条件は?
当該認証に係る型式部材等の製造の事業の全部を承継させる分割であることが要件です。分割契約書・分割計画書の承継対象に事業の全部を明記する必要があります。
Q5認証の承継はいつから効力が生じますか?
事業譲渡の効力発生日、相続開始日、合併・分割の効力発生日に、法律上当然に地位が移ります。行政庁の承認や認証書の再交付を待つ必要はありません。
Q6承継の届出を怠るとどうなりますか?
地位そのものは残りますが、建築基準法68条の16の届出義務違反となり、認証の取消しを含む監督上の措置の対象となり得ます。最新の規定を必ずご確認ください。
Q7型式適合認定と型式部材等製造者認証の違いは?
型式適合認定は部材の型式が基準に適合することの認定、製造者認証は品質管理体制を備えた製造者に与えられる認証です。承継が問題となるのは後者の地位です。
Q8認証が承継されないと建築確認はどうなりますか?
審査省略の特例が使えず、その部材を用いる建築確認申請が通常審査に戻ります。部材を採用する全国の建築主・住宅会社の工期に影響が波及します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1工場の一部だけ売る場合、認証はどうなるんですか?
承継しません。68条の15が要求するのは「当該認証に係る型式部材等の製造の事業の全部」の譲渡です。一部譲渡なら譲渡人に認証が残り、譲受人は新規に68条の11の認証申請をやり直すことになります。実務のポイント:ここでいう「全部」は認証に係る事業単位であって会社全体ではありません。複数の型式部材を作っている会社が、そのうち一つの型式に係る事業を全部譲渡すれば、その認証については承継が成立しうる。この切り分けを知っているかどうかで、M&A のスキーム設計の自由度がまったく変わります
Q2相続人が3人いて話がまとまらない場合、認証は失効しますか?
失効はしません。条文は全員の同意で承継者を選定した場合はその者、と定めており、選定できない間は相続人が共同で地位を承継すると解されています。ただし実務上、誰が届出義務者かが不明確になり運用が止まります。実務のポイント:遺産分割協議全体がまとまらなくても、この承継者選定だけを先行して合意書にすることは可能です。事業継続と財産分割を切り離して処理する、この一手で工場の操業停止を避けられる
Q3買収相手が過去に認証を取り消されていたら、もう買えないんですか?
買えますが、68条の15但書により承継が起きません。68条の12各号の欠格事由(認証取消しから一定期間の経過前など)に該当する間は、地位の承継が阻止されます。実務のポイント:欠格事由には期間制限があるものが多い。期間経過を待ってからクロージングするようスケジュールを組み替えれば、同じ取引が成立します。デューデリの段階で取消処分の日付を押さえておけば、いつ買えるかが逆算できる
間違えやすい点 AI による整理
- 「認証は会社に付いているのだから、株式を買えば一緒に付いてくる」と考えるのは半分正しく半分危険。株式譲渡なら法人格が変わらないので確かに承継問題は生じない。だが事業譲渡・会社分割のスキームを選んだ瞬間、本条の「事業の全部」要件が立ち上がる。スキーム選択がそのまま認証の生死を決めるという構造を、税務や会計の観点だけでスキームを選ぶ担当者は見ていない
- 承継は自動だと思っている人が多いが、68条の15が定めるのは「地位の承継」であって、届出が不要という意味ではない。建築基準法68条の16は承継した者に国土交通大臣への届出義務を課している。地位は自動的に移るが、届出を怠れば別途の責任が生じる。承継と届出は別々の話である
- 「相続だから当然に長男が継ぐ」という家族内の常識と、この条文が書いている手続は一致しない。法律が見ているのは「全員の同意による選定」という書面化された事実だ。家族の中で話がついていても、選定の事実を証明できなければ、行政の側からは誰が認証者なのか特定できない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 場面 | 68条の15:既存認証の地位を引き継ぐ | 68条の11:新たに認証を取得する 68条の16:承継後に届け出る |
| 要件 | 事業の全部の譲渡・相続・合併・分割 + 欠格事由に非該当 | 型式適合認定を受けた型式 + 品質管理体制の審査 承継が成立していること |
| 手続の重さ | 性能評価の再実施不要、地位は当然に移転 | 申請・性能評価・審査に相当の期間と費用 届出のみ(遅滞なく) |
| 失敗したときの結果 | 一部譲渡・欠格事由該当なら承継せず認証が消える | 認証取得まで審査省略の特例を使えない 届出義務違反として監督措置の対象 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では製品検証登録の名義変更が個別法と行政程序法の規律に委ねられ、日本のように事業全部の承継を要件とする明文の包括承継規定は置かれていない
韓国も認証事業者の地位承継を法律で認めるが、承継の届出・変更申請を要する構成が中心で、日本の当然承継+事後届出という組み立てとは重心が異なる
ドイツでは建築製品の適合性評価が EU 規則の枠組みで運用され、認証名義の移転は認証機関への申請手続として処理される
米国は法定認証ではなく民間認証機関の listing が実質的な建築確認要件となるため、承継は契約と認証機関の内部規程で処理される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- プレハブ住宅のユニット部材メーカーを買収する。譲渡契約書は「主要な事業資産を譲渡する」と書かれている。この「主要な」が命取りになる。68条の15が要求するのは事業の全部。一部が残れば認証は承継されず、買収後にあなたの工場は認証なしで型式部材を出荷している状態になる
- 創業社長が急死した。相続人は子供3人。誰が認証を引き継ぐのか。この条文は「全員の同意により当該事業を承継すべき相続人を選定したとき」はその者、と書いている。遺産分割協議がまとまらない間、認証の帰属が宙に浮く。選定できなければ相続人全員が共同で地位を承継すると解される
- 同業2社が合併し新会社を設立した。消滅する側に認証があった。新設合併で設立した法人は認証型式部材等製造者の地位を承継する。ただし新会社の役員に、過去に別会社で認証を取り消された人物が入っていたら? 68条の12の欠格事由に触れ、但書が発動して承継が阻止される
- 会社分割の登記まで残り10日。分割契約書の承継対象財産に「型式部材等製造事業の全部」と明記されているか、今夜確認する必要がある。登記が終わってから書き直すことはできない
取るべき行動
被害を受けた側:承継されるべき側(譲受人・相続人・存続法人)の立場なら、1. 譲渡契約書・分割契約書に「当該認証に係る型式部材等の製造の事業の全部」の承継が明記されているか確認2. 自社の役員構成が68条の12各号の欠格事由に触れないか照合3. 相続の場合は相続人全員の同意書で承継者を選定し書面化4. 承継成立後は68条の16の届出を国土交通大臣へ遅滞なく提出、届出漏れが後の処分リスクになる
訴えられた側:承継の有効性を争われた側なら、1. 事業の一体性を示す証拠(設備・従業員・技術資料・顧客の一括移転)を積み上げ、実質的に「全部」の承継であることを主張2. 欠格事由を理由に但書適用を主張されている場合、該当期間の経過(取消しから1年など)を確認3. 承継が否定される場合に備え、新規認証申請の準備を並行して進める。認証空白期間に出荷した部材の扱いを早期に整理する
時効(請求できる期限):本条の承継そのものに期限はないが、承継後の届出は建築基準法68条の16により遅滞なく行う必要がある。相続の場合、相続人による承継者の選定は事業継続に直結するため、相続開始後速やかに。承継が否定された場合の是正措置に特定の時効はなく、一般の行政処分として是正命令の対象となりうる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成10年(1998年) 新設:建築基準法の性能規定化に伴う改正により、型式適合認定および型式部材等製造者の認証制度が導入され、認証者の地位の承継に関する規定が設けられた。その後の改正で条の配置・文言が整理されているため、現行条文は e-Gov で要確認
- 建築基準法 第68条の11型式部材等製造者の認証、承継の対象となる地位の発生根拠
- 建築基準法 第68条の12欠格事由、但書による承継阻止の要件
- 建築基準法 第68条の16承継した者の届出義務
- 建築基準法 第68条の17認証の取消し、承継後の地位喪失事由
- 建築基準法 第68条の20型式部材等に係る建築確認手続の特例
- 会社法 第759条吸収分割による権利義務の承継の一般則
- 民法 第896条相続による権利義務の包括承継の一般則
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める