建築基準法 第70条(建築協定の認可の申請)
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- 前条の規定による建築協定を締結しようとする土地の所有者等は、協定の目的となつている土地の区域(以下「建築協定区域」という。)、建築物に関する基準、協定の有効期間及び協定違反があつた場合の措置を定めた建築協定書を作成し、その代表者によつて、これを特定行政庁に提出し、その認可を受けなければならない。
- 2.前項の建築協定書においては、同項に規定するもののほか、前条の条例で定める区域内の土地のうち、建築協定区域に隣接した土地であつて、建築協定区域の一部とすることにより建築物の利用の増進及び土地の環境の改善に資するものとして建築協定区域の土地となることを当該建築協定区域内の土地の所有者等が希望するもの(以下「建築協定区域隣接地」という。)を定めることができる。
- 3.第一項の建築協定書については、土地の所有者等の全員の合意がなければならない。ただし、当該建築協定区域内の土地(土地区画整理法第九十八条第一項の規定により仮換地として指定された土地にあつては、当該土地に対応する従前の土地)に借地権の目的となつている土地がある場合においては、当該借地権の目的となつている土地の所有者以外の土地の所有者等の全員の合意があれば足りる。
- 4.第一項の規定によつて建築協定書を提出する場合において、当該建築協定区域が建築主事を置く市町村の区域外にあるときは、その所在地の市町村の長を経由しなければならない。
この条文の基本情報
建築協定の認可の申請とは何ですか?
定義建築協定の認可の申請とは、建築基準法第70条に定められた規定で、「前条の規定による建築協定を締結しようとする土地の所有者等は、協定の目的となつている土地の区域(以下「建築協定区域」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第70条(建築協定の認可の申請)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第70条の条文原文は「前条の規定による建築協定を締結しようとする土地の所有者等は、協定の目的となつている土地の区域(以下「建築協定区域」という。」で始まります。
- 建築基準法第70条は第四章 建築協定に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第70条の前の条は建築基準法第69条です。
- 建築基準法第70条の次の条は建築基準法第71条です。
- 建築基準法第70条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第70条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第70条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/70
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法70条は、建築協定書を作成して特定行政庁の認可を受ける手続を定める。協定書には土地の所有者等の全員の合意が必要で、一人でも反対すれば協定は成立しない。
Q · 分譲地の建築協定って、住民が勝手に決めただけのルールじゃないんですか?
全員合意と特定行政庁の認可を経た法定の制度です
建築基準法70条により、建築協定は土地の所有者等が建築協定書を作成し、代表者を通じて特定行政庁に提出して認可を受ける法定手続です。協定書には建築協定区域、建築物に関する基準、有効期間、違反があった場合の措置を記載します(1項)。締結には土地の所有者等の全員の合意が必要ですが(3項)、借地権の目的となっている土地については底地所有者の合意は不要です。認可後は74条の2により、区域内の土地を取得した第三者にも効力が及びます。
解説
分譲住宅地を買ったあと、「三階建ては建てられません」「店舗兼用は不可」と言われて驚く人がいる。その根拠は市の条例でも国の法律でもなく、その土地の住民同士が結んだ私的な取り決め、建築協定であることが多い。建築基準法70条は、その協定を「特定行政庁(都道府県知事または建築主事を置く市町村の長、つまり建築の許認可を出す役所のトップ)の認可」を受けた瞬間、単なる紳士協定から法的拘束力を持つルールへ格上げする手続を定める。あなたが押さえるべきは3項の一文だ。協定書には土地の所有者等の全員の合意が要る。一人でも反対すれば成立しない。つまりあなたには拒否権がある。ただし借地権が設定された土地については、底地の所有者(地主)の合意は不要で、借地人など他の全員が合意すれば足りる。地主であるあなたが知らないうちに、自分の土地に建築制限がかかることがありうる。そして74条の2により、認可後に土地を買った第三者にも協定は及ぶ。あなたが買う土地には、登記簿に載らないルールが眠っている可能性がある。
法的な位置づけ
建築基準法70条は、建築協定の認可申請手続を定める規定である。土地の所有者等は、建築協定区域、建築物に関する基準、協定の有効期間、協定違反があった場合の措置を記載した建築協定書を作成し、代表者により特定行政庁へ提出する。協定書には所有者等の全員の合意を要するが、借地権の目的となっている土地については底地所有者の合意は不要とされる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.69条の条例の有無と対象区域を確認する 建築協定は69条の条例があって初めて締結できる。市区町村の建築指導部署で、対象土地が条例の定める区域内かどうか、既存の協定が重なっていないかを確認する
- 2.建築協定書の案を作成する 70条1項の必須4事項(建築協定区域、建築物に関する基準、有効期間、違反があった場合の措置)を記載する。2項の建築協定区域隣接地を定めるかもこの段階で決める
- 3.土地の所有者等の全員の合意を取得する 3項の全員合意を書面で集める。借地権の目的となっている土地では底地所有者の合意は不要だが、範囲の判断を誤ると合意漏れで差し戻される。仮換地の土地は従前の土地を基準に当事者を特定する
- 4.代表者を定めて提出先を確認する 協定書は代表者によって提出する。建築協定区域が建築主事を置く市町村の区域外にあるときは、4項により所在地の市町村長を経由する。窓口を誤ると差し戻しで日程が崩れる
- 5.公告・縦覧・意見聴取を経て認可を受ける 提出後、71条の公告と縦覧、関係人の意見聴取(公開による意見の聴取)を経て、73条の要件を満たせば特定行政庁が認可し公告する。認可の公告後は74条の2により以後の取得者にも効力が及ぶ
よくある質問 AI による整理
Q1建築協定とは何ですか?
一定区域の土地の所有者等が、建築物の用途・形態・外壁後退などの基準を互いに取り決め、特定行政庁の認可を受けて法的な拘束力を持たせる制度です。根拠は建築基準法69条以下で、認可申請の手続を70条が定めます。
Q2建築協定書には何を書きますか?
建築基準法70条1項が必須事項として、建築協定区域、建築物に関する基準、協定の有効期間、協定違反があった場合の措置の4つを挙げます。加えて2項により建築協定区域隣接地を定めることもできます。
Q3建築協定の認可はどこに申請しますか?
代表者が特定行政庁に建築協定書を提出します。ただし建築協定区域が建築主事を置く市町村の区域外にあるときは、4項により所在地の市町村長を経由しなければならず、直接都道府県へ出すことはできません。
Q4建築協定区域隣接地とは何ですか?
70条2項に基づき協定書で定める、区域に隣接した土地です。区域の一部とすることで建築物の利用の増進と土地の環境の改善に資すると区域内の所有者等が希望する土地を指し、指定だけでは直ちに協定に拘束されません。
Q5条例がなくても建築協定は作れますか?
作れません。建築協定は69条の条例で締結できる区域が定められていることが前提です。まず自分の土地が条例の対象区域内かを市区町村の建築指導部署で確認する必要があります。
Q6建築協定の有効期間は何年ですか?
法律上の年数の定めはなく、70条1項により協定書で定めます。実務では10年から30年程度とする例が多く、期間満了後の更新の可否や手続も協定書の書きぶりで決まります。
Q7建築協定を廃止するにはどうしますか?
76条により、建築協定区域内の土地の所有者等の過半数の合意で廃止の申請ができ、特定行政庁の認可を受けます。締結時の全員合意(70条3項)より要件が緩い点が構造上の特徴です。
Q8仮換地の土地でも建築協定を結べますか?
結べます。70条3項かっこ書により、土地区画整理法98条1項で仮換地として指定された土地については、その土地に対応する従前の土地を基準に合意の要否を判断します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1町内会で建築協定を作る話が出てるんですが、私が一人反対したら本当に潰せるんですか?
潰せる。3項が土地の所有者等の全員の合意を要求しているので、区域内に一人でも不同意者がいれば認可申請の要件を満たさない。ただし反対者の土地を区域から外して協定区域を組み直す手法が実務上とられる。実務のポイント:自分の土地だけ除外されると、周囲だけが統一景観になり、将来の売却時に「協定に入っていない土地」として値付けで不利になる例がある。反対するなら、除外ではなく条件交渉で中に入る方が資産価値の面では有利なことが多い
Q2土地を貸しているだけの地主です。借地人が勝手に協定を結べるって本当ですか?
3項ただし書により、借地権の目的となっている土地については、その底地所有者以外の全員の合意があれば足りる。借地人が建築を現実に行う主体である以上、建築制限の当事者は借地人だという整理である。実務のポイント:借地期間が終わって土地が戻ってきたとき、協定が残っていれば地主自身が拘束される。借地契約の更新交渉の場で、協定の有無と有効期間を確認条項として入れておくと後の紛争を防げる
Q3認可された協定って、私が土地を売ったら消えるんですか?
消えない。74条の2により、認可の公告日以後に協定区域内の土地の所有者等となった者に対しても効力が及ぶ。買主が協定の存在を知らなかったとしても拘束される点が、通常の契約との決定的な違いである。実務のポイント:協定は登記簿に記載されないため、登記情報だけを見て安心するのは危険。特定行政庁は認可した協定を公告し縦覧に供する義務を負っているので、購入前に市区町村の建築指導部署で建築協定の有無を直接照会するのが確実な調べ方
Q4建築確認が下りたのに協定違反だと言われました。矛盾してませんか?
矛盾ではない。建築確認は建築基準法令の規定への適合を審査する公法上の手続で、私人間の協定基準は審査対象外である。協定違反は協定書で定めた措置と民事の問題として処理される。実務のポイント:協定区域では運営委員会に事前届出を求める運用が多く、届出を怠ったこと自体が協定違反として扱われる例がある。着工前に運営委員会へ図面を出して合意記録を残しておくと、後の是正請求をほぼ封じられる
間違えやすい点 AI による整理
- 「建築協定は町内会のローカルルールで、破っても罰則はない」と軽く見られがちだが、深刻なのは効力の射程だ。特定行政庁の認可を受けた協定は、74条の2により認可後に土地を取得した第三者にも効力が及ぶ。あなたが違反建築を建てれば、協定に定めた措置(工事の停止請求、是正請求、違約金等)を運営委員会から求められ、最終的には民事訴訟で争われる。契約したことすらない人が、契約と同等の拘束を受ける
- 「協定に反対なら、あとで抜ければいい」と考える人がいるが、問いの立て方が間違っている。全員合意が要求されるのは3項の締結時点であり、認可後の廃止は76条により過半数の合意で足りる。逆に言えば、いったん成立した協定から個人が単独で離脱する仕組みは用意されていない。勝負は締結前の一回だけで、そこを逃すと選択肢の構造そのものが変わる
- あなたから見れば「隣の土地の話」でも、法律から見れば2項の建築協定区域隣接地に指定された瞬間、あなたの土地は協定システムの予備軍に組み込まれている。隣接地の指定自体は所有者を直接拘束しないが、区域内住民があなたの土地を「将来取り込むべき土地」として公式に位置づけた記録が残る。売却時、買主は隣接地指定の有無まで調べる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の対象 | 建築協定の締結(認可申請) | 建築基準法74条:協定の変更 建築基準法76条:協定の廃止 |
| 必要な合意 | 土地の所有者等の全員の合意(3項、借地権の目的となっている土地の底地所有者は除く) | 区域内の土地の所有者等の全員の合意 区域内の土地の所有者等の過半数の合意 |
| 特定行政庁の関与 | 認可が必要。認可の公告により効力発生(73条) | 認可が必要 認可が必要 |
| 個人に残る交渉力 | 一人の反対で成立を阻止できる(事実上の拒否権) | 一人の反対で変更を阻止できる 反対しても過半数で廃止されうる |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾には建築協定と同一の制度はない。区分所有建物内部のルールは規約で、街区単位の上乗せは都市計画の都市設計基準で処理される。土地所有者の全員合意で街区ルールを作り行政認可で第三者にも及ぼす仕組みは存在しない
韓国は2014年の建築法改正で建築協定を導入。土地所有者等の合意により協定を締結し、行政庁の認可を受ける構造は日本と近く、日本法の制度が参照されたとされる
ドイツでは私的合意より行政と土地所有者の契約や公法上の負担(Baulast)が中心で、土地登記簿や建築負担台帳への記載を通じて承継人に効力が及ぶ。日本のように登記外で第三者を拘束する構成は取らない
フランスの分譲地仕様書は、分譲業者が定めた建築制限が購入者間の契約として承継される点で建築協定に機能的に近い。ただし一定期間経過後の効力については法律上の整理が置かれている
米国では開発業者が設定した covenant が土地に付着し(run with the land)、後続の取得者を拘束する。行政の認可ではなく登記による公示で第三者効を確保する点が日本と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 新築の分譲地を内覧し、価格も立地も申し分ない。だが重要事項説明書の片隅に「建築協定あり」の一行。協定書の写しを請求すると、外壁後退1.5メートル、屋根は切妻限定、有効期間20年。あなたが建てたかった箱型の家は、その土地では建てられない。契約前に協定書を読んでいれば、別の区画を選べた
- 地主として土地を貸している。ある日、借地人から「この一帯で建築協定を結びました」と報告を受ける。3項ただし書により、借地権が設定された土地では地主であるあなたの合意は不要。自分の所有地の建築ルールが、自分抜きで決まる場面が法律上想定されている
- もし、あなたの街区で49世帯が建築協定に賛成し、あなた一人が反対したらどうなる? 3項の全員合意要件により、協定は成立しない。回覧板が回り、町内会長が訪ねてきて、雰囲気は最悪になるかもしれない。だが法的には、あなたのサイン一つが49人の計画を止める
- 協定区域の隣に土地を持っている。区域内の住民から「建築協定区域隣接地に指定させてほしい」と打診された(2項)。指定されても即座に協定に縛られるわけではないが、あなたが後日加入の意思表示をすれば区域に組み込まれる仕組みだ。景観維持のメリットと、自由度を失うデメリットを天秤にかける場面
- 認可申請の準備中、区域が建築主事を置かない町村にあることが判明。4項により、都道府県知事へ直接ではなく町村長を経由しなければならない。窓口を間違えて提出した書類は差し戻され、住民説明会の日程を組み直す羽目になる。残り2週間で有効期間の起算日を調整し直す必要が出てくる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 協定の存在を後から知った場合、まず特定行政庁(市役所建築指導課等)で認可された協定書を閲覧し、区域図・基準・有効期間・違反時の措置を確認する2. 自分の土地が本当に区域内か、認可日と自分の取得日の前後関係を登記事項証明書で突き合わせる3. 売買時に説明がなかったのであれば、重要事項説明書と契約書を持って宅建業者の所属協会または都道府県の宅建業指導窓口に相談4. 協定自体を変えたいなら、76条の廃止手続(区域内の土地の所有者等の過半数の合意+特定行政庁の認可)を他の住民と検討する
訴えられた側:1. 違反を指摘されたら、まず認可済み協定書の原文を入手し、問題の基準が本当に自分の土地に及ぶか、区域の境界と取得時期を確認する2. 協定は公法上の建築確認とは別系統なので、確認済証があっても協定違反は成立しうる点を前提に検討する3. 協定書に定めた措置(是正請求、違約金等)の内容と手続が履行されているかを精査、運営委員会の議決手続に瑕疵があれば争点になる4. 是正費用と紛争コストを試算し、設計変更や植栽等の代替措置で合意できないか運営委員会と協議
時効(請求できる期限):本条自体に期間制限の定めはないが、協定の有効期間は協定書で定められ、10年から30年程度が実務上多い。認可の申請に対する不認可処分など行政処分に不服がある場合は、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求(行政不服審査法18条)、6か月以内に取消訴訟(行政事件訴訟法14条)。協定違反に基づく損害賠償請求権は民法166条の一般消滅時効(知った時から5年、権利行使可能時から10年)
学説
通説:建築協定は私人間の合意を基礎としつつ、特定行政庁の認可と公告により、認可後に区域内の土地を取得した者にも効力が及ぶ点で単なる契約を超えた効力を持つと理解される。全員合意の要件は、所有権に対する永続的制限を正当化する手続的担保と位置づけられる。
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