建築基準法 第74条の2
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- 建築協定区域内の土地(土地区画整理法第九十八条第一項の規定により仮換地として指定された土地にあつては、当該土地に対応する従前の土地)で当該建築協定の効力が及ばない者の所有するものの全部又は一部について借地権が消滅した場合においては、その借地権の目的となつていた土地(同項の規定により仮換地として指定された土地に対応する従前の土地にあつては、当該土地についての仮換地として指定された土地)は、当該建築協定区域から除かれるものとする。
- 2.建築協定区域内の土地で土地区画整理法第九十八条第一項の規定により仮換地として指定されたものが、同法第八十六条第一項の換地計画又は大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法第七十二条第一項の換地計画において当該土地に対応する従前の土地についての換地として定められず、かつ、土地区画整理法第九十一条第三項(大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法第八十二条において準用する場合を含む。)の規定により当該土地に対応する従前の土地の所有者に対してその共有持分を与えるように定められた土地としても定められなかつたときは、当該土地は、土地区画整理法第百三条第四項(大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法第八十三条において準用する場合を含む。)の公告があつた日が終了した時において当該建築協定区域から除かれるものとする。
- 3.前二項の場合においては、当該借地権を有していた者又は当該仮換地として指定されていた土地に対応する従前の土地に係る土地の所有者等(当該建築協定の効力が及ばない者を除く。)は、遅滞なく、その旨を特定行政庁に届け出なければならない。
- 4.特定行政庁は、前項の規定による届出があつた場合その他第一項又は第二項の規定により建築協定区域内の土地が当該建築協定区域から除かれたことを知つた場合においては、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第74条の2は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第74条の2の条文原文は「建築協定区域内の土地(土地区画整理法第九十八条第一項の規定により仮換地として指定された土地にあつては、当該土地に対応する従前の土地)で当該建築協定の効力が及ばな…」で始まります。
- 建築基準法第74条の2は第四章 建築協定に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第74条の2の前の条は建築基準法第74条です。
- 建築基準法第74条の2の次の条は建築基準法第75条です。
- 建築基準法第74条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第74条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第74条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/74_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法74条の2は、協定の効力が及ばない者が所有する土地の借地権が消滅したとき、その土地が建築協定区域から当然に除かれると定める。届出と公告は公示手続にすぎない。
Q · 建築協定区域の中なのに、隣の土地だけ協定が効かなくなることってあるんですか?
あります。借地権が消えた土地は自動的に区域から外れます
建築基準法74条の2により、建築協定の効力が及ばない者(70条3項ただし書で合意を省かれた底地所有者など)が所有する土地について借地権が消滅すると、その土地は当然に建築協定区域から除かれます。仮換地として指定された土地が換地として定められなかった場合も、換地処分の公告があった日が終了した時に除外されます(2項)。3項の届出と4項の公告は効力発生要件ではなく、すでに生じた除外を外部に知らせる手続にすぎません。
解説
建築協定には、全員合意という建前と、最初から開いている穴がある。借地権(他人の土地を借りて建物を建てる権利)が設定された土地では、地主(底地所有者)の合意を省き、借地人の合意だけで協定を結べる(70条3項ただし書)。その地主は、はじめから協定に縛られていない。では借地権が終わったら。縛られる人が誰もいなくなる。だから本条1項は、その土地を自動的に協定区域から外す。あなたが協定区域内に家を買い、塀の高さも外壁の色も守ってきたとしても、隣の一区画だけが静かに区域の外へ抜けることがある。抜けたことを知る手段は、特定行政庁(建築基準法の許認可を担う市町村長や都道府県知事、窓口は市役所の建築指導課)が出す公告(4項)だけだ。
法的な位置づけ
建築基準法74条の2は、建築協定区域からの土地の当然除外を定める規定である。協定の効力が及ばない者が所有する土地について借地権が消滅した場合(1項)、および仮換地として指定された土地が換地として定められなかった場合(2項)に、当該土地は協定区域から除かれる。3項の届出および4項の公告は、この効果を公示するための手続である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.協定区域図と除外公告の履歴を窓口で取る 特定行政庁(市役所の建築指導課など)で、対象地を含む建築協定の区域図、協定書、および4項による除外公告の有無と日付を照会する。重要事項説明を受ける前、価格交渉に入る前に行うのが最も効く
- 2.協定書の合意者名簿で「効力が及ばない者」を特定する 協定書に添付された合意者名簿を閲覧し、区域内に70条3項ただし書で合意を省かれた底地所有者がいないかを確認する。区域内かどうかではなく、誰が合意したかが将来の除外リスクを決める
- 3.登記簿で借地権の設定・消滅時期を裏取りする 登記事項証明書で借地権(賃借権・地上権)の登記、定期借地権の残存期間、混同の有無を確認する。借地権が近く消滅する区画があれば、その土地は将来1項により区域外になる
- 4.除外側なら遅滞なく特定行政庁へ届け出る 借地権が消滅した、または換地処分の公告があった場合、3項の届出を遅滞なく特定行政庁に提出する。届出は効力要件ではないが、公告が出るまで実務は区域内として扱い続けるため、有利な側こそ急ぐべき
- 5.重要事項説明の記載と現況のずれを書面で照会する 重要事項説明書に「建築協定区域内」と記載されていても、法律上すでに区域外である可能性がある。売主と宅地建物取引業者に書面で照会し、回答文書を保存する。値引き交渉と後日の紛争の双方で最も強い材料になる
よくある質問 AI による整理
Q1建築協定とは何ですか?
土地の所有者等が建築物の用途・高さ・外観などについて合意し、特定行政庁の認可を受けて定める区域単位のルールです(建築基準法69条以下)。認可後は承継人も拘束します。
Q2建築協定区域から土地が除かれるのはどんな場合ですか?
協定の効力が及ばない者が所有する土地の借地権が消滅した場合(1項)と、仮換地として指定された土地が換地として定められなかった場合(2項)の2つです。いずれも当然に除外されます。
Q3建築協定の除外の届出は誰がしますか?
借地権を有していた者、または仮換地に対応する従前の土地に係る土地の所有者等(協定の効力が及ばない者を除く)が、遅滞なく特定行政庁に届け出ます(3項)。
Q4仮換地が換地として定められなかったらどうなりますか?
その土地は、土地区画整理法103条4項の換地処分の公告があった日が終了した時に、建築協定区域から除かれます(2項)。日付だけで自動的に決まります。
Q5建築協定から外れた土地に建築制限は残りますか?
残ります。外れるのは建築協定という上乗せルールだけで、用途地域・建ぺい率・容積率・斜線制限など建築基準法本体や都市計画法の制限はそのまま適用されます。
Q6建築協定は土地を買った人にも効きますか?
効きます。認可の公告があった建築協定は、その後に区域内の土地の所有者等となった者に対しても効力があります(建築基準法75条)。承継人拘束が協定の核心です。
Q7建築協定の除外公告はどこで確認できますか?
特定行政庁(市町村長または都道府県知事)が行います。窓口は市役所の建築指導課で、協定区域図とあわせて公告の有無・日付を照会できます。
Q8借地権の消滅とはどういう意味ですか?
借地契約の期間満了、解除、放棄、混同などにより借地権が失われることです。74条の2の1項は、この時点で除外の効果が当然に生じると定めています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1隣の土地が協定区域から外れたら、うちの塀の高さのルールも一緒に無効になるんですか?
いいえ。1項が外すのは当該土地だけで、残りの区域の建築協定はそのまま効き続けます。あなたの敷地は引き続き拘束されます。実務のポイント:一区画抜けると「不公平だから協定をやめよう」という声が必ず出ますが、廃止には土地の所有者等の過半数の合意と特定行政庁の認可が要る(76条)。実際にはまとまらず、抜けた側だけが得をする状態が続くのが普通です。
Q2借地人が地主から土地を買い取ったときも、その土地は協定から外れるんですか?
慎重な確認が要る場面です。1項は「協定の効力が及ばない者が所有する土地について借地権が消滅した場合」を要件としており、買取りによる混同(民法179条)で借地権が消えた事案は、誰が合意者だったかによって結論が変わりえます。実務のポイント:この種の境界事例は、争う前に特定行政庁が4項の公告を出すか否かで事実上決着します。事実関係を書面で照会し、回答文書を保存しておくことが後の交渉で最も強い材料になります。
Q3届出を忘れていたら、協定から外れた効果はなかったことになりますか?
なりません。1項・2項の除外は借地権消滅の時、または換地処分の公告があった日の終了時に当然に生じ、3項の届出と4項の公告はそれを公示する手続です。実務のポイント:ただし公告が出ないかぎり、近隣も宅地建物取引業者も金融機関も、その土地を協定区域内として扱い続けます。法律上は区域外なのに実務上は区域内という宙ぶらりんが続くので、有利な側こそ自分から届出を急ぐべきです。
Q4家を買うとき、建築協定があるかどうかは誰が教えてくれるんですか?
宅地建物取引業者の重要事項説明(宅地建物取引業法35条)で、法令に基づく制限として説明されるのが実務です。ただしそれは説明書作成時点の情報にすぎません。実務のポイント:協定の有無は説明されても、協定書の全文と合意者名簿まで添付されることはまずない。区域内に合意していない所有者がいるかどうかは特定行政庁で協定書を閲覧するしか分からず、そこが将来の隣地リスクの核心です。
間違えやすい点 AI による整理
- 「建築協定は住民全員が合意したルールだから、区域内の土地には全部効いている」という前提そのものが誤っている。借地権のある土地では地主の合意を省いて協定を成立させられる(70条3項ただし書)。区域図の内側に、最初から縛られていない所有者が混じっている。問うべきは「区域内かどうか」ではなく「誰が合意したか」だ。
- 区域から外れる土地があること自体は知られていても、その効果が公告を待たずに生じる点までは知られていない。1項の除外は借地権消滅の時点で、2項の除外は換地処分の公告があった日が終了した時点で当然に発生する。3項の届出も4項の公告も、効果を生む要件ではなく外部に知らせる手続にすぎない。公告が出ていない期間にも、その土地はすでに区域外である。
- 買主から見れば「重要事項説明書に建築協定と書いてあるか」が世界のすべてだが、法律から見れば区域の輪郭は借地権の消滅日や換地処分の公告日で動く。説明書が作られた日と決済の日の間に区域が動いていても、書面は静止したままだ。この時差が、あとから効いてくる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 何が起こるか | 74条の2:特定の一筆だけが協定区域から外れる | 75条の2:合意していなかった者が協定に加わる 76条:建築協定そのものが廃止される |
| 必要な意思表示 | 不要。借地権消滅または換地処分公告の終了で当然に発生 | 本人の書面による意思表示 土地の所有者等の過半数の合意 |
| 特定行政庁の関与 | 公告のみ(4項)。効力要件ではない | 公告(効力発生に関与) 認可が必要 |
| 残りの区域への影響 | なし。他の区画は引き続き拘束される | 拘束される土地が増える 区域全体の協定が消滅する |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾には日本の建築協定に完全対応する制度はない。規約が区分所有権の継受人を拘束する仕組みと、土地使用分區管制による建築規制が機能的に近い。合意していない者を区域から自動的に外すという発想は制度化されていない
韓国の建築協定は日本型モデルと構造が近く、所有者等の合意と行政庁の認可を組み合わせる。協定区域の変更・廃止手続を法定する点も共通する
ドイツは私人と自治体の契約、または土地台帳に登録される公法上の負担(Baulast)によって承継人を拘束する。負担の消滅は登録の抹消と結び付き、日本のような借地権消滅による自動除外という構成はとらない
米国では私的制限約款が土地とともに承継人を拘束する。消滅は期間満了、放棄、changed conditions 法理、marketable title act による除斥などで生じ、行政庁の公告制度は介在しないのが通常
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 隣の区画の定期借地権が来年で期間満了を迎えるとしたら、あなたの家の日当たりはどうなる? 借地権が消えた瞬間、その一区画は協定区域から外れ、二階建てまでという協定の上乗せ規制が効かなくなる。用途地域や建ぺい率といった建築基準法本体の制限は残るが、街並みを揃えていた約束だけが消える。公告を見逃せば、着工の看板で初めて気付くことになる。
- あなたが相続で受け継いだのは、建物は借地人のもの、土地だけが自分名義という底地だった。協定書に判を押した記憶はない。押していないなら、あなたは縛られていない側だ。借地契約が終わって土地が返ってきた日、その土地は協定区域から外れ、周囲の区画より自由に使える一枚になる。売却価格の前提が、あなたの知らないうちに変わっている。
- 区画整理の途中で仮換地として使っていた土地が、最終的な換地計画に載らなかった。換地処分の公告があった日が終了した時点で、その土地は建築協定区域から外れる(2項)。あなたの意思とも近隣の同意とも無関係に、日付だけで決まる。
- 借地権が消滅したのに、特定行政庁への届出を放置したまま三か月。決済まであと10日、買主の手元にある重要事項説明書には「建築協定区域内」と書かれたままだ。法律上はすでに区域外なのに、書面の世界では区域内。このずれを誰も指摘しないまま、物件の価値評価も隣地との力関係も間違った前提で固定されていく。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 特定行政庁(市役所の建築指導課)で協定区域図と4項の除外公告の有無・日付を確認する2. 外れた土地が本当に「協定の効力が及ばない者の所有」だったか、協定書の合意者名簿と登記簿で借地権消滅の時期を裏取りする3. 要件を満たさない除外であれば、区域内のままである前提で協定運営委員会を通じ書面で是正を申し入れる4. 購入直後に判明したなら、重要事項説明の記載と現況のずれを売主と宅地建物取引業者に書面で照会し、回答を記録に残す
訴えられた側:1. 協定運営委員会から是正を求められたら、まず自分が70条3項ただし書で合意を省かれた側か、協定書の合意者名簿を特定行政庁で確認する2. 合意していなければ、借地権消滅の時点で1項の効果はすでに発生している。区域外である旨を書面で回答する3. 同時に3項の届出を遅滞なく行い、4項の公告を出してもらう。公告が出れば争いの大半は事実上決着する4. 逆に街並みの側に立ちたいなら、75条の2の書面による意思表示でいつでも協定に加われる
時効(請求できる期限):1項・2項による除外の効果に申請期限はなく、借地権が消滅した時、または換地処分の公告があった日が終了した時に自動的に生じる。3項の届出は「遅滞なく」とされるだけで、条文上の具体的な日数はない。本条に特定の時効はないが、除外をめぐって損害賠償など金銭請求が絡む場合は一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年または行使できる時から10年)が適用される。
学説
通説(条文の文理解釈):1項および2項による除外は、借地権の消滅時または換地処分の公告があった日の終了時に当然に発生し、3項の届出と4項の公告は効力発生要件ではなく公示手続にとどまると解されている。したがって公告前でも当該土地は区域外である。
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