建築基準法 第75条(建築協定の効力)
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第七十三条第二項又はこれを準用する第七十四条第二項の規定による認可の公告(次条において「建築協定の認可等の公告」という。)のあつた建築協定は、その公告のあつた日以後において当該建築協定区域内の土地の所有者等となつた者(当該建築協定について第七十条第三項又はこれを準用する第七十四条第二項の規定による合意をしなかつた者の有する土地の所有権を承継した者を除く。)に対しても、その効力があるものとする。
この条文の基本情報
建築協定の効力とは何ですか?
定義建築協定の効力とは、建築基準法第75条に定められた規定で、「第七十三条第二項又はこれを準用する第七十四条第二項の規定による認可の公告(次条において「建築協定の認可等の公告」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第75条(建築協定の効力)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第75条の条文原文は「第七十三条第二項又はこれを準用する第七十四条第二項の規定による認可の公告(次条において「建築協定の認可等の公告」という。」で始まります。
- 建築基準法第75条は第四章 建築協定に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第75条の前の条は建築基準法第74条の2です。
- 建築基準法第75条の次の条は建築基準法第75条の2です。
- 建築基準法第75条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第75条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第75条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/75
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法75条は、認可の公告があつた建築協定は、公告の日以後にその区域内の土地の所有者等となつた者にも効力が及ぶと定める。署名の有無は要件ではない。
Q · 前の持ち主が結んだ建築協定って、土地を買った自分にも効くんですか?
効きます。公告後に所有者になれば署名なしで拘束されます
建築基準法75条により、認可の公告があつた建築協定は、その公告の日以後に協定区域内の土地の所有者等となつた者に対しても効力を持ちます。あなたが署名したかどうかは要件になっていません。基準は「公告の日」と「あなたが所有者等になった日」の前後関係だけです。例外は括弧書きの一つで、70条3項により合意を求められなかった底地(借地権の目的となっている土地)の所有者から所有権を承継した者には及びません。なお建築確認では協定は審査されないため、確認済証があっても協定違反は別に成立します。
解説
土地の登記簿を隅から隅まで読んでも出てこない制限が、日本には存在する。建築協定がそれだ。あなたが分譲地の一区画を買う。前の所有者と近隣の地権者たちが十数年前に結んだ「三階建て禁止」「屋根は瓦」「塀ではなく生垣」という取り決めが、認可と公告を経ていれば、一度も署名していないあなたを縛る。それを定めるのが75条である。基準になる日は、あなたが買った日ではなく「認可の公告があつた日」。その日以後に協定区域内の土地の所有者等になった者に、協定の効力が及ぶ。例外は括弧書きの一つだけ、70条3項で合意が不要とされた底地(借地権の目的となっている土地)の所有者、その承継人には及ばない。そして最も厄介なのは、建築確認でこの協定が審査されないことだ。確認済証が下りた適法な建物が、同時に協定違反であることは普通に起こる。
法的な位置づけ
建築基準法75条は、建築協定の承継効を定める規定である。73条2項(74条2項による準用を含む)の認可の公告があつた建築協定は、公告の日以後に当該建築協定区域内の土地の所有者等となつた者に対しても効力を有する。ただし70条3項により合意をしなかつた者の土地所有権を承継した者は、その対象から除かれる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.買付・契約前に協定の有無を市町村へ照会 対象地を管轄する市町村の建築指導課で、建築協定区域に該当するかを確認する。該当するなら協定書全文、区域図、認可公告日、有効期間の満了日まで写しを取得する。重要事項説明の一行だけで済ませない
- 2.協定条項を設計計画に突き合わせる 階数制限、用途制限、外壁後退、屋根・外壁の意匠、塀・生垣、敷地の最低面積など、協定の各条項を自分の建築計画と照合する。建築基準法の制限より厳しい部分を洗い出し、設計士へ協定書全文を渡す
- 3.75条の入口要件を検証する 自分の土地が協定区域内か、認可の公告日が自分の取得日より前か、有効期間は満了していないかを確認する。前所有者が70条3項で合意を要しない底地所有者だったなら、括弧書きにより効力が及ばない余地がある
- 4.運営委員会と事前協議し、着工前に決着させる 協定運営委員会に計画を事前提出し、意匠条項の解釈を書面で確認する。疑義があるまま着工すると、基礎着工後の設計変更費が桁違いになる。確認済証は協定違反の抗弁にならない前提で動く
- 5.違反を指摘する側なら着工前に書面通知 相手の違反を追及する立場なら、日付の入る形で違反状態を写真記録し、運営委員会名で是正を求める書面を送る。行政の是正命令は期待できないため、差止め・違約金請求という民事の準備を並行して進める
よくある質問 AI による整理
Q1建築協定の効力はいつから発生しますか?
73条2項の認可の公告があつた日からです。建築基準法75条は、その日以後に区域内の土地の所有者等となつた者にも効力が及ぶと定めています。
Q2建築協定は登記簿に載りますか?
載りません。協定書と区域図は市町村の建築指導課などで縦覧・写しの取得ができます。登記だけを見ても制限の存在は分かりません。
Q3建築協定区域かどうか調べる方法は?
土地の所在地を管轄する市町村の建築指導課に照会します。協定の有無、協定書全文、区域図、認可公告日、有効期間の満了日を確認してください。
Q4建築協定違反は違法ですか?
建築基準法違反ではありません。協定は私人間の取り決めのため、行政の是正命令(9条)の対象外で、差止めや違約金という民事の問題になります。
Q5建築確認が下りれば建築協定はクリアできる?
できません。建築確認の審査対象に協定は含まれないため、確認済証が下りた適法な建物が同時に協定違反になることは通常に起こります。
Q6建築協定はいつまで続きますか?
協定書に定められた有効期間までです。十年、二十年、三十年など協定ごとに異なるため、協定書の満了日を必ず確認してください。
Q7建築協定をやめることはできますか?
廃止は76条により、土地の所有者等の過半数の合意と特定行政庁の認可で可能です。設定は全員一致、廃止は過半数という非対称があります。
Q8一人協定とは何ですか?
76条の3に基づき、分譲前の単独所有者が先に設定する建築協定です。区画が二人以上に分譲された時点から通常の協定として効力を持ちます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1協定があるなんて聞いてないんですけど、不動産屋は教えてくれるものなんですか?
宅地建物取引業者は重要事項説明で法令上の制限を告げる義務を負い、建築協定もその対象とされている(宅地建物取引業法35条)。ただし説明は要約にとどまり、協定書の全文が添付されるとは限らない。実務のポイント:協定書と区域図は市町村の建築指導課で誰でも写しを取れる。重説の一行で済ませず条項本文と満了日まで自分で確認する買主は、実務上ごく少数である。
Q2協定に違反したら、役所から取り壊しを命じられますか?
命じられない。特定行政庁の是正命令(建築基準法9条)は建築基準法違反に対する権限であって、民間同士の取り決めである協定の違反には及ばない。動くのは運営委員会や他の住民による差止め、違約金請求という民事の道だ。実務のポイント:「行政が何も言ってこない=セーフ」という読みは危険で、民事の請求権は協定の有効期間中ずっと生きている。
Q3もう嫌なんですが、協定から抜けることはできますか?
区域内の土地を持ったままの離脱は原則できない。ただし廃止は別枠で、76条は土地の所有者等の過半数の合意と特定行政庁の認可があれば廃止できると定める。設定は全員一致、廃止は過半数という非対称がある。実務のポイント:有効期間が満了すれば効力は消える。更新手続が取られないまま期限を過ぎている協定は現実に存在するので、まず満了日を調べる。
Q4借りて住んでいるだけの人も縛られるんですか?
協定に建築物の借主の権限に係る事項が定められている場合、その借主は土地の所有者等とみなされる(建築基準法77条)。看板や外装など借主が手を入れる部分の基準は、この条文を通じてテナントにも及ぶ。実務のポイント:店舗を借りる前に賃貸借契約書だけでなく協定の意匠条項を読む。サイン計画が通らず出店計画ごと崩れる例がある。
間違えやすい点 AI による整理
- 「自分は署名していないのだから無効だ」という主張は、問いの立て方そのものが外れている。75条は署名の有無を見ておらず、公告の日と、あなたが所有者等になった日の前後関係だけを見る。争う筋があるとすれば、自分の土地が協定区域に入っているか、認可と公告が適法に行われたか、有効期間が満了していないか、この三点である。
- 建築協定の存在自体は知っている人でも、建築確認がそれを審査しないところまでは知らない。確認済証は「建築基準法とその関係規定に適合する」という判断であって、「協定に違反しない」という保証ではない。適法な建物が同時に協定違反であるという状態は、制度上あたりまえに発生する。
- 「全員の合意で作ったのだから、やめるときも全員の合意が要る」と思われがちだが、76条は廃止を土地の所有者等の過半数の合意と特定行政庁の認可で認めている。作るときは一人の反対で潰れ、やめるときは過半数で足りる。この非対称を知っているかどうかで、協定に不満を抱えた住民の戦い方が変わる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 拘束の根拠 | 建築基準法75条:認可公告後に所有者等となつた者への承継効 | 建築基準法70条:締結時の所有者等全員の合意 建築基準法76条の3:一人協定、分譲前の単独設定 |
| 効力発生の起点 | 73条2項の認可の公告があつた日 | 合意成立だけでは効力なし、認可・公告が必要 区画が二人以上の所有者に分属した時点 |
| 署名の要否 | 不要(署名なき後続所有者も拘束) | 必要(全員合意、底地所有者は70条3項で除外) 設定時は単独、購入者は署名不要で拘束 |
| 解消の方法 | 有効期間満了、または76条の廃止で効力消滅 | 設定は全員一致が必要 76条:過半数の合意+特定行政庁の認可 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾では区分所有建物の規約が特定承継人を拘束する構造で承継効を実現する。日本の建築協定のように「市町村条例で定める区域+行政認可+公告」で戸建て分譲地全体を面的に縛る一般制度は薄く、都市計畫法の細部計畫(公法規制)と土地使用分區管制が近い役割を担う
韓国は2014年建築法改正で建築協定制度を導入。所有者等の全員合意と市長・郡守・区庁長の認可を要する点、認可後の承継者に効力が及ぶ点は日本法と構造が酷似しており、日本の制度を参照した立法とみられる
ドイツは土地に付着する制限を地役権として登記簿に記載することで承継効を得るのが基本で、登記が公示手段となる。日本の建築協定が登記ではなく認可公告と縦覧で公示する点が対照的
フランスは分譲地の cahier des charges(分譲仕様書)が区画取得者を契約的に拘束し、公示は不動産公示制度による。行政認可を承継効の起点とする日本型とは公示の設計が異なる
米国では開発業者が分譲前に CC&Rs を記録し、covenants running with the land として後続購入者を拘束する。日本の76条の3一人協定と機能が近いが、拘束力の根拠は行政認可ではなく不動産記録制度と HOA の私的統治にある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 中古住宅を買い、建て替えの相談に行った。設計士が市役所で調べると建築協定区域だった。描いていた三階建ては、その日のうちに二階建てに縮む。
- 確認済証が下りて着工したあと、協定運営委員会から「屋根材が協定の意匠条項に違反している」という通知が届いたらどうなる? 建築確認の審査対象に協定は入っていないので、確認済証は反論の材料にならない。工事を止めて設計変更するか、違約金交渉に入るかの二択が残る。
- あなたが施主として基礎を打ち終えた段階で違反を指摘された。協定の有効期間満了まであと4年あり、運営委員会は差止めの仮処分を検討している。設計変更費用は工程が進むほど跳ね上がり、判断を先送りした日数がそのまま金額になる。
- 隣の家が協定を無視して高い塀を立てた。あなたが市役所に通報しても、担当者は「協定違反は行政の是正命令の対象外です」と言う。動かせるのは運営委員会と住民による民事の請求だけだ。
- 相続したのは、借地人に貸している底地だった。借地人は協定に合意していたが、亡くなった親は70条3項により合意を求められていない。75条の括弧書きが効いて、あなたは縛られない側に立っている可能性がある。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 市町村の建築指導課で協定書の写し、区域図、認可と公告の日付を取得し、相手の土地が区域内か、有効期間内かを確認2. 違反状態を日付の入る形で写真記録3. 協定運営委員会があれば委員会名で是正を求める書面を送付、なければ協定書の運営条項と違約金条項を確認4. 行政の是正命令を待たない。協定違反は建築基準法違反ではなく、差止めと違約金請求という民事で動かす。着工前であれば仮処分の検討価値が高い
訴えられた側:1. まず75条の入口を検証。自分が所有者等になったのは公告の日より後か、土地は区域内か、有効期間は満了していないか2. 前所有者が70条3項で合意を要しない底地所有者だったなら、括弧書きにより効力が及ばない余地がある3. 争えないなら早期に運営委員会と協議し、設計変更費と違約金を比較した見積もりを持って交渉に入る4. 確認済証の存在は抗弁にならない。その前提で条件闘争に切り替える
時効(請求できる期限):効力の起点は認可の公告があつた日(建築基準法73条2項)。終期は協定書に定められた有効期間で、十年、二十年、三十年など協定ごとに異なるため協定書の満了日確認が必須。違反の差止請求自体に固有の時効規定はないが、損害賠償や違約金の請求権は債権として民法166条の消滅時効(権利行使できることを知った時から5年、権利行使できる時から10年)に服する
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