建築基準法 第72条(公開による意見の聴取)
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- 市町村の長は、前条の縦覧期間の満了後、関係人の出頭を求めて公開による意見の聴取を行わなければならない。
- 2.建築主事を置く市町村以外の市町村の長は、前項の意見の聴取をした後、遅滞なく、当該建築協定書を、同項の規定による意見の聴取の記録を添えて、都道府県知事に送付しなければならない。この場合において、当該市町村の長は、当該建築協定書の内容について意見があるときは、その意見を付さなければならない。
この条文の基本情報
公開による意見の聴取とは何ですか?
定義公開による意見の聴取とは、建築基準法第72条に定められた規定で、「市町村の長は、前条の縦覧期間の満了後、関係人の出頭を求めて公開による意見の聴取を行わなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第72条(公開による意見の聴取)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第72条の条文原文は「市町村の長は、前条の縦覧期間の満了後、関係人の出頭を求めて公開による意見の聴取を行わなければならない。」で始まります。
- 建築基準法第72条は第四章 建築協定に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第72条の前の条は建築基準法第71条です。
- 建築基準法第72条の次の条は建築基準法第73条です。
- 建築基準法第72条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第72条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第72条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/72
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法72条は、市町村の長が建築協定の縦覧期間の満了後、関係人の出頭を求めて公開による意見の聴取を行うことを義務づける規定。聴取を経なければ認可手続は先へ進まない。
Q · 建築協定の「意見の聴取」って、役所が勝手に決める前の形式的なセレモニーじゃないんですか?
縦覧の後、市町村長が公開の意見聴取を必ず開く義務を定めた条文です
建築基準法72条1項は、市町村の長に対し、71条の縦覧期間が満了した後、関係人の出頭を求めて公開による意見の聴取を行うことを義務づけています。「行うことができる」ではなく「行わなければならない」という必要的手続です。さらに2項では、建築主事を置かない市町村の長は、聴取後遅滞なく、聴取の記録を添えて建築協定書を都道府県知事に送付し、協定書の内容に意見があるときはその意見を付さなければならないと定めています。認可の公告後は区域内の土地を新たに取得した者にも効力が及ぶため(75条)、この聴取が関係人にとって公の記録に意見を残せる手続的な機会となります。
解説
建築協定は、役所が上から課すルールではない。その区域の土地所有者たちが自分で作る、建築基準法より厳しい私的な取り決めだ。三階建て禁止、塀は生垣のみ、店舗用途は不可。ところが特定行政庁の認可が公告されると、その後に区域内の土地を取得した人にも効力が及ぶ(75条)。署名していない人を縛る私的ルール、それが建築協定である。72条は、その転換点の直前に置かれた一枚の扉だ。市町村長は、縦覧期間(71条、公告の日から20日以上)の満了後、関係人の出頭を求めて公開の意見聴取を行わなければならない。「できる」ではなく「なければならない」。あなたが関係人なら、公の記録に異議を残す権利がある。建築主事を置かない市町村では、市町村長はこの聴取の記録を添えて協定書を都道府県知事に送る(2項)。あなたの一言は、認可を決める人の手元まで運ばれる。欠席すれば、記録には何も残らない。
法的な位置づけ
建築基準法72条は、建築協定の認可前に置かれた必要的手続を定める規定である。市町村の長は、71条の縦覧期間の満了後、関係人の出頭を求めて公開による意見の聴取を行う義務を負う。建築主事を置かない市町村の長は、聴取の記録を添えて建築協定書を都道府県知事に送付し、協定書の内容に意見があるときはその意見を付さなければならない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.縦覧期間中に協定書と区域図を写し取る 71条の縦覧期間(公告の日から20日以上)のうちに、協定書の全文、区域図、有効期間、違反時の措置を写しておく。自分の土地が区域のどこに当たるかを図面上で特定しておくことが、聴取での発言の土台になる
- 2.意見を条項単位で書面化する 「協定書の第何条のこの文言が、自分の土地のこの部分にこう及ぶ」と特定して書面にまとめる。漠然とした反対は記録上一行に要約されて終わるが、条項を特定した指摘は確認せざるを得ない項目として残る
- 3.担当課に聴取の運用を事前確認する 聴取の記録が逐語か要旨か、意見書の事前提出が可能か、陳述の順番と持ち時間はどうかを担当課に確認する。書面を先に出しておけば、当日うまく話せなくても中身が記録に残る
- 4.公開の聴取で陳述し、記録への記載を確認する 当日は用意した書面を読み上げ、条項番号と自分の土地の位置を明示する。建築主事を置かない市町村なら、2項の送付にあたり市町村長の意見を付すよう求めることも検討する
よくある質問 AI による整理
Q1建築協定とは何ですか?
区域内の土地所有者等の全員の合意で作る、建築基準法より厳しい私的な建築ルールです(70条)。特定行政庁の認可が公告されると、その後に土地を取得した人にも効力が及びます(75条)。
Q2公開による意見の聴取はいつ行われますか?
71条の縦覧期間(公告の日から20日以上)が満了した後です。72条1項は市町村の長に対して聴取を開く義務を課しており、任意の手続ではありません。日程は公告や回覧で知らされます。
Q3建築協定は誰に効力が及びますか?
協定に署名した土地所有者等だけでなく、認可の公告後に区域内の土地を取得した人にも及びます(75条)。署名していない将来の住民まで拘束する点が建築協定の最大の特徴です。
Q4意見の聴取に出席できるのは誰ですか?
条文は「関係人」と定めています。区域内の土地所有者、借地権者のほか、協定の効力を受ける立場にある者が含まれると解されています。公開の手続なので傍聴の可否は担当課に確認してください。
Q5建築協定は登記簿で確認できますか?
登記簿には記載されません。市町村の建築指導担当窓口で協定書と区域図を確認するか、売買時の重要事項説明(宅建業法35条)で確認するのが実務上の調べ方です。
Q6建築協定のデメリットは何ですか?
階数、用途、外構、塀の素材などが法令より厳しく制限され、物置やカーポートの設置が制約される場合があります。買い手が絞られ、売却時の価格に影響することもあります。
Q7建築主事を置かない市町村ではどうなりますか?
72条2項により、市町村の長は聴取後遅滞なく、聴取の記録を添えて建築協定書を都道府県知事に送付します。協定書の内容に意見があるときは、その意見も付さなければなりません。
Q8建築協定に有効期間はありますか?
協定書に有効期間を定めることとされており(70条)、期間が満了すれば効力は失われます。継続するには改めて手続が必要です。期間は協定書の写しで確認できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1意見の聴取って、行かなかったらどうなるんですか?
手続はそのまま進む。72条が義務づけているのは市町村長が聴取を開くことで、関係人の出席までは強制しない。欠席者の沈黙は記録に残らず、協定は認可の公告後に土地を取得した人まで拘束する(75条)。実務のポイント:担当課に事前連絡すると、陳述の順番や持ち時間、意見書の事前提出の可否を教えてくれることが多い。書面で出しておけば、当日うまく話せなくても中身が記録に残る
Q2認可されてしまった建築協定、あとから争えますか?
筋としては74条の変更(全員の合意が必要)か76条の廃止(過半数の合意)の手続を踏む。認可処分そのものを審査請求や取消訴訟で争う道も論じられるが、処分性の扱いは実務上、解釈が分かれている。実務のポイント:現実に効くのは運用側で、物置やカーポート、生垣の樹種といった線引きは協定運営委員会の解釈で決まる例が多い。委員会に入る方が訴訟より早く結果が出る
間違えやすい点 AI による整理
- 「反対意見を言えば認可を止められるのか」という問いの立て方自体がずれている。建築協定の締結には土地所有者等の全員の合意が必要で(70条)、合意が本当に揃っていないなら、そもそも認可の要件を欠く。聴取で意味を持つのは反対の人数ではなく、合意の中身が本物か、協定の内容が73条の認可基準に適合しているか。争う軸を間違えた発言は、記録の中で空回りする
- 建築協定は当事者同士の私的な約束だ、という理解そのものは正しい。深刻なのはその先で、認可の公告後に区域内の土地を取得した人にも効力が及ぶ(75条)。署名した人が全員転居した後も、ルールだけが土地に残り続ける。私的な約束なのに、約束していない人を何十年も縛る
- 住民から見れば聴取は「説明会」だが、行政から見れば認可処分の適法性を支える手続記録を作る場である。感情的な不満も記録には残るが、73条の認可基準に紐づかない意見は判断材料にならない。この見え方の落差が、出席したのに何も変わらなかったという結末を生む
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続段階 | 72条:縦覧満了後の公開の意見聴取 | 71条:申請の公告と縦覧(20日以上) 73条:聴取後の認可審査と認可の公告 |
| 関係人ができること | 出頭して意見を述べ、公の記録に残す | 協定書と区域図を読む(閲覧のみ) 結果を受け取る(認可・不認可の公告) |
| 主体 | 市町村の長(必要的義務) | 特定行政庁・市町村の長(公告と縦覧) 特定行政庁(認可基準への適合判断) |
| 見落としたときの影響 | 沈黙が記録に残らず、賛成と区別されない | 協定の中身を知らないまま聴取日を迎える 公告後は新たな取得者まで拘束される(75条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では行政処分前の聴聞が行政程序法の総則で一般化されており、建築協定に相当する私的規約の承継効は公寓大廈管理條例の規約規定が担う。日本のように建築法典内に聴取手続を個別に置く構造ではない
韓国も行政手続法の総則で意見聴取・聴聞・公聴会を類型化して規律しており、個別法よりも一般法が手続保障の中心となる点で日本と設計思想が異なる
ドイツでは地区の建築規律は原則として自治体の Bebauungsplan により公法的に行われ、公衆参加手続が二段階(frühzeitige Beteiligung と Auslegung)で制度化されている。私人間合意に公的拘束力を与える建築協定型の制度とは出発点が異なる
米国では区画分譲時の CC&Rs が土地に付着して後続の取得者を拘束し(covenants running with the land)、登記により公示される。日本の建築協定は登記されない代わりに行政庁の認可と公告が公示機能を担う点が対照的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 回覧板に挟まれた紙で、縦覧期間の満了と来週の意見聴取を知ったらどう動く? あなたの土地は協定区域の端にかかっている。出席して記録に残すか、黙って認可を待つか。この一回を逃すと、次に正面から意見を言える場は協定の変更(74条)のときで、しかも変更には区域内の全員の合意が要る。何年先になるか誰にも分からない
- あなたは協定を進める自治会の側にいる。聴取の場で一人の地主が「自分は聞いていない」と述べ、その一言が記録に残る。認可権者はその記録を読んで判断するので、事前の説明を尽くしたかどうかがここで表に出る
- 土地を人に貸している地主の立場。借地権が設定された土地では、合意を要する者の範囲が借地権者側に寄る扱いがあり(70条3項)、地主が蚊帳の外で話が進むことがある。それでも地主は72条の「関係人」に当たると解されており、聴取で意見を述べる余地は残る。ここで黙れば、自分が選んでいない縛りが自分の土地に乗ったまま返ってくる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 縦覧期間中に協定書の全文、区域図、有効期間、違反時の措置を写しておく(71条) 2. 意見は「協定書の第何条のこの文言が、自分の土地のこの部分にこう及ぶ」と特定して書面化し、当日読み上げる3. 聴取は公開なので、記録の作り方(逐語か要旨か)と意見書の事前提出の可否を担当課に確認する4. 建築主事を置かない市町村なら、市町村長にも意見を付して知事へ送るよう求める(2項)
訴えられた側:1. 全員の合意(70条)の証跡を、署名だけでなく説明の経緯まで揃える。借地権が設定された土地は、合意を要する者の範囲を先に確定しておく(70条3項) 2. 反対意見は封じにいかず、協定書の文言修正で吸収できるかを検討する。認可後の変更には再び全員の合意が必要になる(74条) 3. 当日は物置、カーポート、生垣の樹種といった運用の実例を示す。理念の説明だけでは記録上の説得力が弱い
時効(請求できる期限):本条自体に期間の定めはない。前提として71条の縦覧期間は公告の日から20日以上で、聴取はその満了後に行う。2項の知事への送付は「遅滞なく」。認可処分を争う場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)、取消訴訟は6か月(行政事件訴訟法14条)。ただし建築協定の認可の処分性の扱いは実務上、解釈が分かれている(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(実務通用の理解):72条1項の公開による意見の聴取は市町村の長に課された必要的手続であり、これを欠いたまま認可に至れば手続の瑕疵となり得る。もっとも聴取は関係人の出席を強制するものではなく、欠席者があっても手続は進行すると解されている
手続保障説:建築協定は認可の公告により合意していない将来の取得者まで拘束する(75条)ため、私的自治の産物に公的拘束力を与える転換点に、非公開の書面審査ではなく公開の聴取を挟むことに独自の意義があるとする理解
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:建築基準法の制定に伴い、建築協定の章が置かれ、認可前の公開による意見の聴取と、建築主事を置かない市町村における都道府県知事への協定書送付の仕組みが定められた
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