建築基準法 第77条の43(秘密保持義務等)
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- 指定認定機関(その者が法人である場合にあつては、その役員。次項において同じ。)及びその職員(認定員を含む。次項において同じ。)並びにこれらの者であつた者は、認定等の業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
- 2.指定認定機関及びその職員で認定等の業務に従事するものは、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
この条文の基本情報
秘密保持義務等とは何ですか?
定義秘密保持義務等とは、建築基準法第77条の43に定められた規定で、「指定認定機関(その者が法人である場合にあつては、その役員。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第77条の43(秘密保持義務等)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第77条の43の条文原文は「指定認定機関(その者が法人である場合にあつては、その役員。」で始まります。
- 建築基準法第77条の43は第四節 指定認定機関等に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第77条の43の前の条は建築基準法第77条の42です。
- 建築基準法第77条の43の次の条は建築基準法第77条の44です。
- 建築基準法第77条の43には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第77条の43 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第77条の43(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/77_43
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法77条の43は、指定認定機関の職員および退職者に秘密の漏示・盗用を禁じ、認定業務従事者を罰則の適用上は公務に従事する職員とみなす規定である。
Q · 民間の指定認定機関の職員に、公務員と同じルールが適用されるのですか?
民間の検査員でも、罰則の適用では公務員として扱われます
建築基準法77条の43は二段構えです。1項は、指定認定機関とその役員・職員・認定員、そして退職者に対し、認定等の業務で知り得た秘密の漏示と盗用を禁じます。2項は、認定等の業務に従事する者を刑法その他の罰則の適用について法令により公務に従事する職員とみなします。したがって職務に関して金品を渡せば刑法198条の贈賄罪、受け取れば197条以下の収賄罪の問題になります。ただし、みなされるのは罰則の適用の場面だけで、公務員法上の身分保障が付くわけではありません。
解説
建材メーカーが新しい外壁パネルを世に出すには、型式適合認定という関門を通る必要がある。ところが、その審査を担うのは役所ではなく、国土交通大臣が指定した民間の指定認定機関だ。申請者は配合比、製造ラインの詳細、試験の生データまで差し出す。競合に一枚見られただけで数年分の開発投資が消える情報を、民間企業の職員に預ける構図である。第七十七条の四十三は、この構図を成り立たせるために打ち込まれた二本の杭だ。1項は、機関本体、役員、職員、認定員、さらに「これらの者であつた者」、つまり退職者まで名宛人にして、秘密を漏らすことも盗用することも禁じる。2項はもっと踏み込む。罰則の適用については、彼らを法令により公務に従事する職員とみなす。給料は民間企業から出ているのに、刑法の世界では公務員として扱われる。だから彼らに金品を渡せば贈賄罪の問題になり、彼らが受け取れば収賄罪の問題になる。
法的な位置づけ
建築基準法77条の43は、指定認定機関の秘密保持義務とみなし公務員を定める規定である。1項は機関本体、役員、職員、認定員及びこれらの者であつた者に対し、認定等の業務に関して知り得た秘密を漏らし又は盗用することを禁じ、2項は認定等の業務に従事する者を、刑法その他の罰則の適用について法令により公務に従事する職員とみなす。
手順
- 1.申請前に営業秘密の範囲を区分表示する 認定申請書を綴じる段階で、配合比・製造ライン情報・試験生データのうち営業秘密に当たる項目を別紙で区分し、営業秘密として取り扱われたい旨を明記する。漏洩を疑った後では作成できない証拠であり、不正競争防止法の秘密管理性要件も同時に満たしにいく
- 2.一致点を時系列で記録する 競合製品との一致を疑ったら、自社提出資料の提出日と、相手方製品の開発着手時期・発表時期を時系列で突き合わせる。どの項目がどこまで一致するかを項目単位で表にする
- 3.指定認定機関へ書面で事実関係を照会する 口頭ではなく書面で、当該資料の取扱者、保管方法、退職者の有無を照会する。回答が得られるかどうか、回答の内容そのものが後の証拠になる
- 4.国土交通大臣への申告を準備し、三本の手段を並べる 監督官庁である国土交通大臣への申告を準備したうえで、本条違反の告発、不正競争防止法の営業秘密侵害罪、民事の損害賠償・差止めの三本を机に並べてから交渉に入る。指定の取消し・業務停止という監督権限を背後に置くと、機関側の対応温度が変わる
よくある質問 AI による整理
Q1指定認定機関とは何ですか?
建材や工法の型式適合認定などの審査を、国に代わって行うものとして国土交通大臣に指定された民間機関です。給与は民間から出ますが、業務の実質は国の権限の代行です。
Q2みなし公務員とは何ですか?
民間の立場のまま、特定の法令の適用場面に限って公務員と同じ扱いを受ける者のことです。本条2項では、刑法その他の罰則の適用についてのみ公務に従事する職員とみなされます。
Q3型式適合認定とは何ですか?
建築材料や工法があらかじめ基準に適合していることの認定を受け、個別の確認審査を簡略化できる仕組みです。根拠は建築基準法68条の10で、申請には配合比や試験データの提出が必要です。
Q4指定認定機関の職員が秘密を漏らすとどうなりますか?
本条1項違反として建築基準法の罰則の対象になり得るほか、不正競争防止法21条の営業秘密侵害罪が別途問題になります。法定刑は改正が重なる分野のため、最新の条文をご確認ください。
Q5指定認定機関を監督しているのはどこですか?
国土交通大臣です。指定を与える権限とともに、業務停止や指定の取消しという監督権限を持ちます。機関の対応に不満がある場合、この監督権限が最も強い圧力源になります。
Q6認定申請で提出した資料は競合他社に見られますか?
本条1項が漏示も盗用も禁じているため、制度上は見られない建前です。実効性を上げるには、提出時に営業秘密に当たる項目を区分表示し、管理方法を記録に残しておくことが重要です。
Q7指定認定機関を退職した後に同業他社へ転職できますか?
転職自体は禁じられていません。ただし1項は「これらの者であつた者」も名宛人とするため、在職中に知り得た秘密を使う業務に就くと責任が生じます。転職後の担当業務の切り分けが要点です。
Q8提出資料を営業秘密として守ってもらうにはどうすればいいですか?
申請時に、営業秘密に該当する項目を別紙で区分表示し、取扱いを限定するよう書面で申し入れます。この一枚が、不正競争防止法の秘密管理性の要件を満たす証拠にもなります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1民間の検査会社の人に、お礼でお菓子を渡すくらいはいいんですよね?
その「民間の人」が、2項により罰則の適用上は公務に従事する職員とみなされる点が肝心である。職務に関する対価性が認められれば刑法197条以下の収賄罪、渡した側は198条の贈賄罪の問題になり、社会通念上の儀礼の範囲を超えるかが分かれ目になる。実務のポイント:指定機関の多くは内部規程で申請者からの受領を全面禁止している。断られたときに食い下がるほど、その経緯が記録に残る
Q2退職した元職員が情報を持ち出した場合、本当に刑事事件にできるんですか?
1項が「これらの者であつた者」と明記しているので、退職者もそのまま名宛人である。加えて不正競争防止法21条の営業秘密侵害罪は法定刑が格段に重く、こちらが本命になる場面も多い(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:営業秘密侵害罪は秘密管理性が要件になる。勝敗は漏洩の瞬間ではなく、資料を提出した瞬間の表示と管理方法で半分決まっている
Q3そもそも何が「秘密」なんですか。提出した書類が全部そうなるんですか?
判例上の秘密は、一般に知られていないことと、保護に値する利益があることで判断される。公表済みのカタログ値や誰でも入手できる規格情報までは含まれず、どこまでが秘密かは実務上も解釈が分かれている論点である。実務のポイント:申請時に「別紙の項目は営業秘密として取り扱われたい」と一枚添えるだけで、後の該当性争いは目に見えて減る。費用はゼロ、効果は訴訟一件分
Q4審査が遅いので担当者を強く叱責したら「公務執行妨害だ」と言われました。ハッタリですか。
全くのハッタリとは言い切れない。2項は罰則の適用一般について公務に従事する職員とみなすので、認定等の業務に従事する職員への暴行または脅迫は刑法95条の射程に入りうる。ただし単なる強い口調の抗議は、通常「暴行又は脅迫」には当たらない。実務のポイント:窓口や電話の録音は機関側が取っている場合が多い。強く出るほど相手の手札が増える
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば「民間の検査会社に書類を提出しただけ」の場面である。だが法律から見れば、公務に従事する職員とみなされる相手に、国家の権限行使の一環として資料を渡している場面だ。この落差を知らないまま、担当者に菓子折りを持参したり、飲み会に誘ったりする営業担当者が現実にいる。民間取引の常識でやった行為が、刑法の条文に乗るのはこの落差のせいである
- 守秘義務があること自体は多くの人が知っている。知られていないのはその深度だ。第一に、在職中だけでなく「これらの者であつた者」、つまり退職者にも期限の定めなく及ぶ。第二に、禁止されているのは「漏らす」だけではなく「盗用する」、つまり誰にも言わず自分の仕事に使う行為も同じ重さで並んでいる。転職先で黙って活かす行為は、漏洩より軽いどころか、条文上は並列である
- 「みなし公務員なのだから、職員には公務員なみの身分保障があるはずだ」という理解は正確ではない。2項がみなすのは、あくまで刑法その他の罰則の適用についてのみ。給与も雇用も民間企業のままで、公務員法上の身分保障は一切付いてこない。一方で、収賄罪の主体になる負担と、公務執行妨害罪に守られる側という保護は、どちらも罰則の適用として及ぶ。義務だけの片道切符でもなければ、待遇が上がる話でもない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 名宛人 | 建築基準法77条の43:指定認定機関・役員・職員・認定員および退職者 | 建築基準法77条の25:指定確認検査機関とその役職員(同種の守秘義務規定) 不正競争防止法21条:営業秘密を不正取得・使用・開示した者一般 |
| 禁止行為 | 業務に関して知り得た秘密の漏示および盗用 | 確認検査の業務に関して知り得た秘密の漏示および盗用 不正の利益を図る目的等での営業秘密の取得・使用・開示 |
| 公務員扱い | 2項により罰則の適用について公務に従事する職員とみなす | 同様のみなし公務員規定が置かれている(現行の条番号は要確認) みなし公務員規定なし |
| 実務上の主戦場 | 贈収賄と監督官庁による指定取消し・業務停止 | 確認検査の中立性確保 刑事告訴と民事の差止め・損害賠償(秘密管理性が勝敗を分ける) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は刑法本体に「法により委託を受けて委託機関の権限に関する公共事務に従事する者」を公務員と定義する条項を置き、個別法ごとのみなし規定を要しない設計。日本が個別法にみなし規定を分散配置するのと対照的である
韓国も建築関係法令に罰則適用上の公務員擬制条項を置く方式を採る。日本と構造が近いが、具体的な条番号と対象範囲は要確認
ドイツは刑法総則の Amtsträger 定義に「その他公行政の任務を遂行するために任命された者」を含め、Beliehene を包括的に取り込む。個別法のみなし規定ではなく総則で処理する点が日本との違い
米国は建築検査の第三者化が州・自治体単位で進み、連邦贈収賄規定の public official 概念に「合衆国のために行動する者」を含める。営業秘密の開示禁止は Trade Secrets Act が担うが、対象は主に連邦公務員である
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 指定認定機関の認定員として三年働いたあなたに、大手建材メーカーから声がかかった。年収は一・五倍、入社は来月一日、返事の期限まであと五日。だが在職中に見た競合他社の配合データは、退職届を出した瞬間に頭から消えるわけではない。「これらの者であつた者」というたった七文字が、辞めた後もあなたを名宛人として縛り続ける。転職の可否ではなく、転職後に何の業務に就くかを今週中に切り分けておかないと、入社初日から刑事リスクを抱える
- もし、認定審査を少しでも早く通したい一心で、担当の認定員に商品券を渡したらどうなる? 民間企業同士なら社内規程違反で始末書が関の山だが、ここでは刑法198条の贈賄罪が視野に入る。2項のみなし公務員規定が、民間会社への手土産を刑事事件の入口に変える
- 自社の新型パネルの申請資料が、なぜか競合の新製品と細部まで似ていた。調べると、指定認定機関の元職員がその競合に移っていた。ここで使える条文は、あなたの手元に二本ある
- 建材メーカーの技術部長として、型式適合認定の申請書を作っている。求められるのは耐火試験の生データ、製造ラインの写真、原材料の配合比。「そこまで出すのか」と思うが、出さなければ認定は下りない。この極端に非対称な情報提供を制度として成立させている見返りが、相手側に課されたこの守秘義務である。見返りの中身を知らないまま出す人と、知って出す人では、資料の綴じ方が変わる
- 工期が押している施工業者の立場で、認定の遅れに腹を立てて窓口の職員を怒鳴りつけた。民間会社の社員に文句を言っただけのつもりが、2項により、その職員は罰則の適用上は公務に従事する職員である。暴行や脅迫の域に入れば、刑法95条の公務執行妨害罪の射程に入ってくる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 漏洩を疑ったら、自社の提出資料と相手方製品の一致点を時系列で記録し、提出日と相手方の開発着手時期を突き合わせる2. 指定認定機関に書面で事実関係を照会、回答の有無と内容そのものが後の証拠になる3. 並行して監督官庁である国土交通大臣への申告を検討、指定の取消し・業務停止という監督権限が最も効く圧力源である4. 刑事は本条違反の告発と不正競争防止法の営業秘密侵害罪、民事は損害賠償と差止め、この三本を同時に机に並べてから交渉に入る
訴えられた側:1. まず「秘密」該当性を検証する。公知の情報や、業務を通じて身につけた一般的な技能・知見は秘密に当たらない可能性があり、この線引きは実務上も解釈が分かれている2. 退職時に守秘義務の範囲を書面で確認し、転職先の担当業務と重なる領域を事前に切り離す3. 既に疑われているなら、在職中に自分がアクセスした資料の範囲をログで特定し、転職先での独自開発の経緯を示す記録を固める4. 金品の授受が絡むなら、みなし公務員である前提で、民間同士の慣行を基準に説明しないこと
時効(請求できる期限):秘密保持義務そのものに期限はなく、退職後も無期限に及ぶ(本条1項「これらの者であつた者」)。刑事責任の公訴時効は、秘密漏示の罰則が拘禁刑1年以下の水準であることから3年(刑事訴訟法250条2項、最新の改正状況をご確認ください)。民事の損害賠償請求権は、損害および加害者を知った時から3年、不法行為時から20年(民法724条)。不正競争防止法に基づく差止請求権にも同法所定の期間制限がある
学説
通説:本条にいう「秘密」とは、一般に知られていないこと(非公知性)と、秘匿することに保護に値する利益があることの二要件で判断される。公表済みのカタログ値や誰でも入手できる規格情報は含まれず、業務を通じて身につけた一般的な技能・知見との線引きは実務上も解釈が分かれている
改正沿革 AI による整理
- 制度創設時期(要検証) 指定認定機関による型式適合認定等の仕組みは、建築規制の性能規定化と確認検査業務の民間開放を行った改正の一環として整備されたものであり、本条の守秘義務およびみなし公務員規定もその枠組みに属する。ただし新設年次と条番号の変遷は一次資料での確認を要する
改正の年表
- 1.平成10年(1998年) 改正:建築規制の性能規定化と確認検査業務の民間開放を行った改正により、指定機関による型式適合認定等の枠組みが整備され、本条の守秘義務およびみなし公務員規定もその枠組みに属する。ただし新設年次および条番号の変遷は一次資料での確認を要する
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