建築基準法 第97条の6(経過措置)
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この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
この条文の基本情報
経過措置とは何ですか?
定義経過措置とは、建築基準法第97条の6に定められた規定で、「この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第97条の6(経過措置)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第97条の6の条文原文は「この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に…」で始まります。
- 建築基準法第97条の6は第六章 雑則に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第97条の6の前の条は建築基準法第97条の5です。
- 建築基準法第97条の6の次の条は建築基準法第98条です。
- 建築基準法第97条の6には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第97条の6 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第97条の6(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/97_6
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法97条の6は、同法に基づく命令を制定・改廃する際、その命令自身で罰則を含む所要の経過措置を定められると規定する。範囲は合理的に必要と判断される限度に限られる。
Q · 政令や省令が改正されたら、今動いている自分の案件は新旧どちらの基準で見られるの?
条文本文ではなく、改正命令の附則が適用日を決めます
建築基準法97条の6は、同法に基づく政令・省令を制定または改廃する際、その命令自身で所要の経過措置を定める権限を認めています。したがって、確認申請日・着工日・完了検査日のどれで新旧を切るかは、法律本文ではなく改正政令や改正省令の附則に書かれます。罰則に関する経過措置も含めて定められますが、「制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内」という限定が付されています。改正情報を読むときは本文の基準値より先に附則の適用日を確認する必要があります。
解説
建築基準法の条文そのものは一字も変わっていないのに、ある日を境に建てられる建物が変わる。動いているのは法律ではなく、その下にぶら下がる建築基準法施行令や国土交通省令だ。97条の6は、その命令を作る・改める・廃止するときに、命令自身の附則で「いつから新ルールを適用し、どこまで旧ルールを残すか」を決めてよいと定めた授権規定である。しかも括弧書きで「罰則に関する経過措置を含む」と明記されている。つまり政令の附則一行で、あなたが旧基準のまま工事を続けられるかも、旧規定違反として処罰の対象に残るかも決まる。改正情報を追うとき本文の新しい基準値だけ読んで附則を飛ばす人は、自分の案件がどの日付で切られるのかを知らないまま現場を進めることになる。
法的な位置づけ
建築基準法97条の6は経過措置の委任を定める規定であり、同法に基づく政令・省令を制定または改廃する際に、当該命令自身で、罰則に関する経過措置を含む所要の経過措置を定める権限を認めるものである。その範囲は、制定または改廃に伴い合理的に必要と判断される限度に限定される。
よくある質問 AI による整理
Q1経過措置とは何ですか?
法令の改正時に、旧規定の適用をどこまで残すかを定める調整ルールです。建築基準法では改正政令・改正省令の附則に置かれ、その授権根拠が97条の6です。
Q2建築基準法の改正はいつから適用されますか?
施行日と、個別案件に新基準が及ぶ日は別です。確認申請日・着工日・完了検査日のどれで切るかは、改正命令の附則が事案ごとに定めています。
Q3政令で罰則の経過措置を決められますか?
できます。建築基準法97条の6が罰則に関する経過措置を含めて命令に委任しており、憲法73条6号が求める法律の個別委任を満たす形になっています。
Q4経過措置はどこを見れば書いてありますか?
改正政令・改正省令の末尾にある附則です。e-Gov 法令検索で改正令を開き、本文ではなく附則の「経過措置」の見出しを確認してください。
Q5既存不適格と経過措置の違いは何ですか?
既存不適格は建築基準法3条2項という法律段階の不遡及です。経過措置は政令・省令段階で附則に書かれる個別調整で、根拠条文が異なります。
Q6工事の途中で政令が改正されたらどうなりますか?
多くの改正令は着工済みや確認済みの工事を旧基準のまま扱う経過措置を置きます。ただし内容は改正ごとに違うため、附則の適用日を個別に確認する必要があります。
Q7旧様式の申請書はいつまで使えますか?
省令改正の附則に「なお従前の例による」などの形で定められます。期限を過ぎた旧様式は窓口で差し戻され、確認済証の交付が遅れる原因になります。
Q8経過措置の内容に意見を出せますか?
改正命令のパブリックコメント期間が実質的な窓口です。意見は本文の基準値に集中しがちで、附則の適用日に具体的支障を書く提出は極端に少数です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1法律が変わったら、今住んでる家も建て直さないといけないんですか?
原則として不要です。建築基準法3条2項が、施行の際に既に存在する建築物には新しい規定を適用しないと定めており(既存不適格)、政令や省令の改正では、その命令の附則に置かれる経過措置が同じ役割を果たします。その附則を書く権限の根拠が97条の6です。実務のポイント:増築や大規模の修繕、用途変更をすると、この保護が外れて建物全体を現行基準に合わせる義務が生じる場合があります。リフォーム見積もりが想定の倍に膨らむ原因の多くがここです。
Q2政令で罰則の経過措置まで決められるって、憲法的に問題ないんですか?
憲法73条6号は、政令に罰則を置くには個別の法律の委任が必要と定めています。97条の6はまさにその委任にあたり、さらに「その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内」という限定が枷として付いています。実務のポイント:この範囲を超えた経過措置は委任の限界を超えるものとして、その効力を争う余地があります。附則の一行が法律の委任の枠に収まっているかを確認する視点は、実務ではほとんど使われていません。
間違えやすい点 AI による整理
- 「法改正はいつから施行されるのか」という問いの立て方自体が、建築の世界では粗すぎる。施行日と、あなたの案件に新基準が適用される日は別物であることが多い。確認申請を出した日、工事に着手した日、完了検査を受ける日のどれで切るかは、その命令の附則が個別に決めている。施行日だけ調べて安心した人が、現場で不適合を指摘される
- 経過措置は国会が法律で決めるものだと思われがちだが、97条の6はその設計を命令自身に委ねている。したがって改正政令・改正省令のパブリックコメント期間こそが、経過措置の中身に外から手を触れられる実質的に唯一の窓口である
- 「罰則に関する経過措置」という一言を、事務的な付け足しとして読み流している人は多い。実際にはこれは、改正前の違反を改正後も処罰できるか、逆に軽くなった刑をどこまで及ぼすかという刑罰の射程の話である。だからこそ本条は「合理的に必要と判断される範囲内」という枷を同じ一文の中にはめている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 97条の6:命令に経過措置を定めさせる授権規定 | 3条2項:法律自身が定める不遡及(既存不適格) 97条:国土交通大臣の権限を地方支分部局等に委任する規定 |
| 効果が現れる場所 | 改正政令・改正省令の附則 | 建築基準法本文(法律段階) 権限行使の主体(誰が処分するか) |
| 罰則との関係 | 罰則に関する経過措置を明文で含む | 罰則の適用可否には直接触れない 罰則と無関係(組織法的規定) |
| 限界づけ | 制定・改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内 | 増築・大規模の修繕・用途変更で保護が外れる 法律が定める委任先の範囲内 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は施行日と從新從優原則を中央法規標準法という総則的法律で一括処理し、建築技術規則の授権は建築法97條に置く。経過措置の授権を各法律に個別に書き込む日本とは条文配置が異なる
韓国は2021年の行政基本法で法適用基準を一般法として明文化した。個別法の附則に経過措置を置く実務は日本と共通するが、上位に横断的な一般原則規定がある点が異なる
ドイツは基本法80条1項が委任の内容・目的・程度を法律で特定すべきことを明示的に要求する。建築規制は州の所管であり、経過規定も州建築法規ごとに置かれる
米国は罰則規定の廃止・改正時に旧法違反の訴追を維持する一般的 savings statute を連邦法で置き、建築基準の遡及免除は地方条例の grandfather clause で処理する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、着工済みの現場の途中で関係する政令が改正されたら、その建物はどちらの基準で検査を受けるのか? 答えは条文本文ではなく、改正政令の附則にしか書かれていない。完了検査まであと二か月という段階で初めて附則を読み、設計変更と再申請が必要だと判明する現場は毎年出る。日付を一週間読み違えただけで、工期も追加費用も跳ね上がる
- 省令改正後も旧様式の書類を使い続けた。窓口で差し戻され、確認済証の交付が二週間遅れる。旧様式をいつまで使えるかは、その省令の附則にだけ書いてある。
学説
通説:本条は経過措置の定立を命令に委ねる授権規定であり、「合理的に必要と判断される範囲内」という限定が委任の外枠を画する。罰則に関する経過措置を含む旨の明記は、憲法73条6号但書が要求する法律の個別委任を満たすための立法技術である。
有力説:罰則に関する経過措置については、憲法39条の遡及処罰禁止と刑法6条の刑の変更に関する原則が外枠として働き、命令の附則がこれらを超える処罰範囲を設定することは委任の限界を超えると解される。
- 建築基準法 第3条既存不適格建築物への不遡及、法律段階の経過措置
- 建築基準法 第6条確認申請時点でどの基準が適用されるかの場面
- 建築基準法 第97条大臣権限の委任、本条とは別系統の授権規定
- 建築基準法 第98条罰則本体、罰則経過措置の適用対象
- 刑法 第6条犯罪後の刑の変更、罰則経過措置の一般原則
- 内閣法 第11条政令で義務を課すには法律の委任が必要
- 国家行政組織法 第12条省令の罰則にも法律の委任を要する
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