地方税法 第21条(不納煽動に関する罪)
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- 納税義務者又は特別徴収義務者がすべき課税標準額の申告(これらの申告の修正を含む。以下本条において「申告」と総称する。)をしないこと、虚偽の申告をすること、税金の徴収若しくは納付をしないこと、又は納入金の納入をしないことを煽動した者は、三年以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金に処する。
- 2.申告をさせないため、虚偽の申告をさせるため、税金の徴収若しくは納付をさせないため、又は納入金の納入をさせないために、暴行又は脅迫を加えた者も、また、前項の拘禁刑又は罰金に処する。
この条文の基本情報
不納煽動に関する罪とは何ですか?
定義不納煽動に関する罪とは、地方税法第21条に定められた規定で、「納税義務者又は特別徴収義務者がすべき課税標準額の申告(これらの申告の修正を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第21条(不納煽動に関する罪)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第21条の条文原文は「納税義務者又は特別徴収義務者がすべき課税標準額の申告(これらの申告の修正を含む。」で始まります。
- 地方税法第21条は第一章 総則に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第21条の前の条は地方税法第20条の13です。
- 地方税法第21条の次の条は地方税法第22条です。
- 地方税法第21条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第21条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第21条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/21
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法21条は、地方税の申告・納付・納入をしないよう煽動した者を3年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金に処する。2項は暴行・脅迫で申告等を妨げる行為も同じ刑とする。
Q · 「税金を払うな」と人に呼びかけると、地方税法で罪になるの?
制度批判は対象外。不払いの実行を促す煽動は処罰対象
地方税法21条1項は、地方税の不申告・虚偽申告・不納付・納入金の不納入を煽動した者を、3年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金に処します。煽られた人が実際に滞納しなくても成立しうる煽動独立罪です。ただし、増税への批判や制度への反対意見は表現の自由の範囲であり、処罰されるのは特定の不納付などを実行させる勢いのある刺激に限られると理解されています。2項は暴行・脅迫による申告妨害も同じ刑で処罰します。
解説
住民税も自動車税も固定資産税も、すべて「地方税」である。地方税法21条は、納めない本人ではなく、納めないよう「煽った側」を罰する。法定刑は3年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金だ。煽られた人が実際に滞納したかどうかは問われない。人に実行の決意を生じさせ、または既にある決意を強めるような勢いのある刺激を与えた時点で、罪が成立しうる(煽動独立罪)。とはいえ、増税を批判する、制度に反対意見を述べる、という行為はこれに当たらない。最高裁は国税の同種規定について、表現の自由(憲法21条)に違反しないと判断した(最大判昭和37.2.21)。そのうえで、処罰されるのは「特定の不納付・虚偽申告を実行させる」方向を持った刺激に限られる、というのが一般的な理解である。2項はさらに踏み込み、申告や納付をさせないために暴行や脅迫を加えた者も同じ刑で処罰する。境界線がどこにあるかを知っている人は、怒りを声にしても罪にはならない。知らない人は、正義のつもりで一線を越える。
法的な位置づけ
地方税法21条は、納税義務者または特別徴収義務者による課税標準額の申告、税金の徴収・納付、納入金の納入をしないこと、または虚偽の申告をすることを煽動する行為、およびこれらを目的とする暴行・脅迫を処罰する規定である。煽動を受けた者の実行を要件としない独立罪として構成され、申告納税秩序と地方財政の基盤を保護する。
よくある質問 AI による整理
Q1不納煽動罪とは?
地方税の不申告・虚偽申告・不納付・納入金の不納入を他人に煽動する行為を処罰する罪です。地方税法21条1項が根拠です。
Q2地方税法21条の罰則は?
3年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金です。1項の煽動型と2項の暴行・脅迫型のどちらも同じ法定刑です。
Q3煽動された人が結局税金を払ったら罪にならない?
なりえます。煽動は相手の実行を要件としない独立罪とされ、勢いのある刺激を与えた時点で成立しうるからです。
Q4地方税法21条の公訴時効はいつまで?
3年です。法定刑の上限が拘禁刑3年のため、刑事訴訟法250条2項6号が適用され、行為が終わった時から数えます。
Q5特別徴収義務者に「納めるな」と呼びかけるのは違法?
違法となりえます。旅館の入湯税や会社が天引きした住民税など、預かった納入金の納入をしないよう煽動する類型が条文に明記されています。
Q6地方税法21条は憲法違反ではない?
最高裁は国税の同種規定について、表現の自由を定めた憲法21条に違反しないと判断しています(最大判昭和37年2月21日)。
Q7地方税法21条の対象になる税金は?
住民税、事業税、自動車税、軽自動車税、固定資産税、入湯税など地方税全般です。所得税などの国税は国税通則法の規定が別にあります。
Q8暴行や脅迫で申告をやめさせたら何罪?
地方税法21条2項で3年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金です。刑法の暴行罪・脅迫罪・強要罪も同時に問題になりえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1「こんな税金払う必要ない」ってツイートしただけで捕まるんですか?
それだけで直ちに処罰されるわけではない。地方税法21条1項の煽動に当たるには、特定の不申告や不納付を実行させる方向で、決意を生じさせ、または強めるような勢いのある刺激が必要とされる。意見や不満の表明は表現の自由で守られる。実務のポイント:実際に問題になりやすいのは、具体的な納期限や税目を挙げ、不払いの手順まで指示するような投稿である。主張を一般論にとどめるだけで、リスクはほぼ消える
Q2取引先に申告を少なくしろと脅されて、言われた通りにしてしまいました。私も罪になりますか?
脅した側は地方税法21条2項で処罰されうる。ただし、過少申告したあなた自身の責任が自動的に消えるわけではない。加算金や、悪質な場合は各税目の罰則の問題が残る。実務のポイント:税務当局から指摘される前に修正申告を出すと、加算金の扱いで有利になる場合が多い。脅迫の記録があれば、事情説明の説得力も増す。動くのは早いほどよい
Q3国の税金(所得税とか)で同じことをしたら、別の法律になるんですか?
国税には国税通則法126条に同じ構造の煽動罪があり、法定刑も同水準である。住民税・事業税・自動車税・固定資産税などの地方税が地方税法21条、所得税・法人税・消費税などの国税が国税通則法、という使い分けになる。実務のポイント:「税金を払うな」という一つの呼びかけが国税と地方税の両方にまたがると、両方の条文が問題になりうる。どの税目を名指ししたかで、適用される法律が変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「払わないのは本人の責任で、呼びかけた自分は無関係」と思われがちだが、21条はまさに呼びかけた側を処罰対象にしている。しかも煽られた人が実際に滞納しなくても、煽動行為そのもので罪が成立しうる
- 「煽動罪があるなら、増税反対デモも危ない」と心配する人がいるが、問いの立て方が少しずれている。制度批判や政策への反対は表現の自由の中核であり、21条の対象ではない。問われるのは、特定の申告・納付・納入をしないよう実行を促す勢いのある刺激があったかどうかである
- 罰金が「20万円以下」と聞いて軽く見る人が多い。だが選択刑として3年以下の拘禁刑が並んでおり、有罪になれば前科がつく。さらに2項の暴行・脅迫型では、刑法の暴行罪・脅迫罪・強要罪も同時に問題になる。数字の小ささと、人生への影響の大きさは比例しない
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は逃漏税罪の教唆・幇助を処罰する構成で、日本のように不申告・不納付の煽動自体を独立罪とする明文はない
韓国は申告をしないことや納付をしないことの煽動・教唆を「誠実申告妨害行為」として処罰しており、日本と構造が近い
ドイツは犯罪行為への公然たる呼びかけを一般規定で処罰する。単なる不納付は犯罪ではないため、脱税(AO § 370)への呼びかけが中心となる
フランスは「租税の集団的拒否」の組織化や、公衆への納税拒否の扇動を処罰する規定を置き、組織的不払い運動を直接の対象とする
米国連邦法は脅迫・威力による税務執行妨害を処罰する。言論による納税拒否の呼びかけは修正1条の保護が強く、処罰範囲は狭い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- SNS で「自動車税の納付書、今年はみんなで無視しよう。一斉不払いで役所を困らせろ」と投稿し、リポストが数千件に達した。自分は税金を払っている。それでも、煽動した側として21条1項の射程に入りうる
- もし温泉街の旅館組合の役員が、加盟旅館に「客から預かった入湯税は、抗議の意味で市に納めるな」と通知を回したらどうなる? 入湯税を預かる旅館は特別徴収義務者である。預かり金を納めないよう呼びかけた行為は「納入金の納入をしないことを煽動」した類型に当てはまりうる
- 取引先の社長から「うちとの取引を続けたいなら、事業税の申告は少なめに出しておけ。断ったら取引は切る」と言われた。申告期限まであと10日。不当な利益をちらつかせて虚偽申告を迫るこの圧力が「脅迫」に当たるかは、告げられた内容しだいだ。録音とメモを今日から残す
- 居酒屋で酔った勢いで「住民税なんか払うな」と叫んだ。それだけで直ちに有罪になるわけではない。特定の人に向けた具体性と、行動を促す勢いがあるかが問われる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 申告や納付をやめるよう暴行・脅迫を受けたら、日時・発言内容・場所をその日のうちに記録し、可能なら録音する2. 圧力に従って申告や納付をしなかった場合でも、延滞金や加算金を負うのは原則としてあなた自身なので、期限内の申告・納付は止めない3. 市区町村や都道府県の税務担当に事情を伝えて相談記録を残す4. 暴行や具体的な脅しがあれば警察に被害相談し、刑法の脅迫罪・強要罪とあわせて告訴を検討する
訴えられた側:1. 問題となった投稿や文書を削除する前に、その原本と経緯を保存しておく(削除しても成立済みの行為は消えず、文脈を示す証拠が自分の側から失われる) 2. 制度批判・政策への反対意見の表明だったのか、特定の不納付を実行させる呼びかけだったのか、文言と受け手を整理する3. 取調べには弁護人と方針を決めてから応じる。表現の自由に関わる事案の経験がある弁護士が望ましい4. 2項の暴行・脅迫型を疑われている場合、刑法上の罪との関係も含めて早期に弁護人へ相談する
時効(請求できる期限):公訴時効は3年(法定刑の上限が拘禁刑3年のため、刑事訴訟法250条2項6号)。煽動行為や暴行・脅迫が終わった時から起算する。被害者側にとっての期限は、各税目の申告期限・納期限であり、遅れれば延滞金が日割りで発生する(最新の改正状況をご確認ください)
学説
判例・通説:煽動は実行の決意を生じさせ、または助長する勢いのある刺激をいい、被煽動者の実行を要しない独立罪である。公共の福祉による制約として表現の自由と両立すると解する
限定解釈説:煽動独立罪は言論の萎縮効果が大きいため、不納付の実行が差し迫る具体的危険を伴う場合に限って処罰すべきとし、一般的な制度批判や抗議表明を射程から明確に除外すべきと主張する
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた(令和7年6月1日施行)
- 地方税法 第1条納税義務者・特別徴収義務者等の定義
- 地方税法 第22条同章の罰則、秘密漏えいに関する罪
- 地方税法 第321条の4給与からの住民税特別徴収義務者の指定
- 国税通則法 第126条国税における同構造の煽動罪
- 刑法 第223条強要罪、暴行脅迫型と競合しうる一般規定
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