地方税法 第281条(道府県法定外普通税の脱税等に関する罪)
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- 偽りその他不正の行為により道府県法定外普通税の全部又は一部を免れたときは、その違反行為をした者は、五年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
- 2.第二百七十五条第二項の規定により徴収して納入すべき道府県法定外普通税に係る納入金の全部又は一部を納入しなかつたときは、その違反行為をした者は、五年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
- 3.第一項の免れた税額又は前項の納入しなかつた金額が百万円を超える場合には、情状により、当該各項の罰金の額は、当該各項の規定にかかわらず、百万円を超える額でその免れた税額又は納入しなかつた金額に相当する額以下の額とすることができる。
- 4.第一項に規定するもののほか、第二百七十一条の規定により申告し、又は報告すべき事項について申告又は報告をしないことにより、道府県法定外普通税の全部又は一部を免れたときは、その違反行為をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
- 5.前項の免れた税額が五十万円を超える場合には、情状により、同項の罰金の額は、同項の規定にかかわらず、五十万円を超える額でその免れた税額に相当する額以下の額とすることができる。
- 6.法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して第一項、第二項又は第四項の違反行為をした場合には、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、当該各項の罰金刑を科する。
- 7.前項の規定により第一項又は第二項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、これらの項の罪についての時効の期間による。
この条文の基本情報
道府県法定外普通税の脱税等に関する罪とは何ですか?
定義道府県法定外普通税の脱税等に関する罪とは、地方税法第281条に定められた規定で、「偽りその他不正の行為により道府県法定外普通税の全部又は一部を免れたときは、その違反行為をした者は、五年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第281条(道府県法定外普通税の脱税等に関する罪)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第281条の条文原文は「偽りその他不正の行為により道府県法定外普通税の全部又は一部を免れたときは、その違反行為をした者は、五年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科…」で始まります。
- 地方税法第281条は第二章 道府県の普通税に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第281条の前の条は地方税法第280条です。
- 地方税法第281条の次の条は地方税法第282条です。
- 地方税法第281条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第281条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第281条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/281
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法281条は、不正の行為で道府県法定外普通税を免れた者に五年以下の拘禁刑か百万円以下の罰金を科す。罰金は免れた税額まで加重でき、法人も罰せられる。
Q · 県が独自に作った税をごまかしたら、どのくらいの罰になるの?
最長五年の拘禁刑。罰金は免れた税額相当額まで上がりうる
地方税法281条1項により、偽りその他不正の行為で道府県法定外普通税を免れると、五年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金、またはその併科となります。預かった特別徴収分を納入しない場合も同じです(2項)。免れた額が百万円を超えれば、罰金はその額まで引き上げられます(3項)。申告をしないだけで免れた場合も三年以下の拘禁刑等の対象です(4項)。従業員が業務として行えば、会社にも罰金が科されます(6項)。
解説
県の税金、しかも県が条例で独自に作った税をごまかしても、せいぜい過料(刑罰ではない金銭的な制裁)で済むだろう。そう考える人は多いが、本条は国税の脱税犯と同じ骨格をしている。偽りその他不正の行為で道府県法定外普通税(地方税法に名前のない、県が総務大臣の同意を得て独自に設けた普通税)を免れれば、五年以下の拘禁刑か百万円以下の罰金、またはその両方が科される。客などから預かって県に納めるべき税(特別徴収分)を納めなかった場合も同じ重さである。押さえるべき点は三つある。免れた額が百万円を超えれば、罰金の上限はその額まで引き上げられる。嘘の帳簿を作らなくても、申告をしないまま免れれば三年以下の拘禁刑の対象になる。社員が会社の業務でやれば、会社も罰金を負う。地方自治法上、条例で定められる刑罰は二年以下の拘禁刑までであり、条例だけでは科せない重さを国の法律が直接用意している形だ。県税だから軽いという前提は、ここで崩れる。
法的な位置づけ
地方税法第281条は、道府県法定外普通税に係る逋脱犯・不納入犯・不申告逋脱犯の罰則規定である。偽りその他不正の行為による逋脱および特別徴収納入金の不納入には五年以下の拘禁刑等、申告・報告をしないことによる逋脱には三年以下の拘禁刑等を定め、罰金の税額相当額までの加重と法人等への両罰規定を置く。
よくある質問 AI による整理
Q1道府県法定外普通税とは何ですか?
地方税法に税目の定めがなく、道府県が条例で独自に設ける使い道を限定しない税です。新設・変更には総務大臣との協議と同意が必要です(地方税法259条)。
Q2法定外普通税の脱税の罰則は?
偽りその他不正の行為で免れた場合、五年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金、またはその両方です(地方税法281条1項)。罰金は免れた税額まで加重されることがあります。
Q3特別徴収した税を納めないと犯罪になる?
なります。地方税法275条2項により徴収して納入すべき納入金を納入しなければ、五年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金の対象です(281条2項)。
Q4県税を申告しないと刑事罰はある?
あります。地方税法271条の申告・報告をせずに道府県法定外普通税を免れた場合、三年以下の拘禁刑若しくは五十万円以下の罰金、またはその併科です(281条4項)。
Q5地方税の脱税で罰金はいくらまで?
原則は百万円以下(不申告逋脱は五十万円以下)です。免れた税額がこれを超えると、情状によりその税額相当額まで引き上げられます(281条3項・5項)。
Q6地方税の脱税で会社も罰せられる?
罰せられます。代表者や従業員が業務として違反した場合、行為者のほかに法人や事業主にも各項の罰金刑が科されます(281条6項・両罰規定)。
Q7地方税の脱税の時効は何年?
公訴時効は1項・2項の罪が5年、4項の罪が3年です。法人に罰金を科す場合も、1項・2項の罪は5年となります(281条7項)。
Q8条例で懲役5年は定められる?
定められません。地方自治法14条3項で条例の刑罰の上限は二年以下の拘禁刑です。地方税法281条は、国の法律として五年の刑を直接定めています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1税理士に任せていた申告が間違ってたら、私も捕まるんですか?
第1項で罰せられるのは、偽りその他不正の行為で税を免れた者です。単純な計算ミスや解釈の誤りは、通常これに当たりません。国税の同じ文言について最高裁(最大判昭和42.11.8)は、税を免れる意図で賦課徴収を困難にする工作を要すると解しています。実務のポイント:争点になるのは意図です。事実を税理士に正確に伝えていたことを示すメールが残っていれば、それが最も強い防御になります。
Q2会社が罰金を払えば、担当の社員は罰せられずに済みますか?
済みません。第6項は「行為者を罰するほか」その法人にも罰金を科すと定めており、行為者個人と会社の両方が対象です。実務のポイント:社内で責任を負う社員が実際の行為者と一致しないことがあります。捜査で行為者として扱われないためにも、誰の指示で何をしたのかが分かる記録を、自分の手元にも残しておくべきです。
Q3市の独自税をごまかした場合も、この条文が適用されるんですか?
本条が対象とするのは道府県法定外普通税です。市町村の法定外普通税(例えば熱海市の別荘等所有税)には、地方税法の市町村税の部分に別の罰則があります。実務のポイント:同じ「独自税」という言葉でも、県税か市町村税か、普通税か目的税かで適用される条文が変わります。調査通知に書かれた税目名と根拠条文を最初に確認することが、弁護方針を立てる出発点になります。
間違えやすい点 AI による整理
- 「申告しなかっただけなら追徴課税で済む」と思われがちだが、第4項は不申告によって免れた場合を、三年以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金の対象としている。偽りの工作がなくても刑事罰の入口に立つ。第1項より軽いのは事実だが、軽いことと罰がないことは別物である
- 罰金百万円以下という数字を見て、高額の税を免れたほうが得だと計算する人がいる。第3項がその計算を壊す。免れた税額が百万円を超えれば、罰金はその税額相当額まで引き上げられる。核燃料税のように一社の税額が非常に大きくなる税では、上限は事実上、免れた額そのものになる。そのうえで、本来の税と延滞金・重加算金の負担は刑事罰とは別に残る
- 経理担当者の立場から見れば「会社の方針に従っただけ」でも、法律から見れば違反行為をしたのはあなた自身である。第6項は行為者を罰したうえで会社にも罰金を科す二段構えであり、会社が罰されるからといって個人が免除されるわけではない。この見え方の差が、指示に従った社員を被告人席に座らせる
- 「宿泊税をごまかしたら本条が適用される」と考えるなら、問いの立て方がずれている。東京都や大阪府などの宿泊税は法定外目的税(使い道が決まった税)であり、本条が対象とする法定外普通税ではない。罰則は別の条文が定めている。まず、その税が普通税か目的税かを確認する必要がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の内容 | 地方税法281条:法定外普通税の逋脱・不納入・不申告逋脱への刑事罰 | 地方税法271条:法定外普通税の申告・報告義務 地方税法275条:法定外普通税の特別徴収と納入義務 |
| 本条との接点 | 義務違反に刑罰を結びつける側 | 違反すると281条4項(不申告逋脱)の前提になる 275条2項の納入義務違反が281条2項の構成要件になる |
| 違反時の帰結 | 拘禁刑・罰金(税額相当額まで加重、両罰規定) | 条例の定めによる決定・更正のほか、免れれば281条4項 督促・滞納処分のほか、不納入なら281条2項 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では地方税も稅捐稽徵法の逃漏税捐罪の対象となる。詐術等による逃税と、代徴人・源泉徴収義務者の不納付をそれぞれ罰する二本立ての構造は本条1項・2項と類似する
韓国は地方税の逋脱罪を地方税基本法に一本化しており、税目ごとではなく地方税全般を対象とする点で日本と異なる
ドイツは租税通則法の脱税罪が国税・地方税を通じて基本となり、市町村税は各州の地方公課法が準用する構造をとる
連邦税では脱税未遂と、徴収・納付義務の故意の懈怠を別罪とする。州・地方税は各州法による
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたは原子力関連施設を持つ事業者の経理課長である。県の核燃料税の申告で、課税標準になる数量を社内の判断で少なめに報告するよう上から指示された。実行すれば第1項の構成要件(犯罪が成立するための条件)に近づくのはあなた自身であり、第6項によって会社にも罰金が科されうる。「上の指示だった」は、行為者としての責任を消してくれない
- 特別徴収義務者(顧客などから税を預かり、代わりに県へ納める役目を負う事業者)に指定された会社が資金繰りに詰まり、預かった税を運転資金に回したらどうなるのか? 自分の税をごまかしたわけではないが、第2項は「納入しなかった」こと自体を五年以下の拘禁刑の対象にしている。預かり金は会社のお金ではない
- 県税事務所から調査日程の連絡が来た。残りは一週間しかない。過去の申告漏れに心当たりがあるなら、調査が始まる前に自主的に修正申告と納付を済ませるかどうかで、悪質性の評価や刑事告発の判断が変わりうる
- 申告書を出さないまま三年が過ぎた。経理担当の友人は「嘘は書いていないから、追徴されるだけ」と言っている。しかし第4項は、不申告で免れた場合を独立した犯罪としている
取るべき行動
被害を受けた側:不正に気づいた社内担当者や自治体職員の立場で考える。1. 申告書、帳簿、特別徴収の預かり記録の原本を確保し、改ざんされる前に写しを取る2. 社内の内部通報窓口を使い、公益通報者保護法による保護を受けられるかを確認する3. 県税事務所へ情報提供する前に、守秘義務の範囲を弁護士に相談する4. 自分が行為者側に巻き込まれていないか、指示の記録を整理する
訴えられた側:1. 調査担当者への説明は、経緯を整理してから行う。その場しのぎの説明は「偽りその他不正の行為」の認定材料になりうる2. 税務に強い弁護士と税理士に早めに相談し、修正申告と納付の時期を決める3. 第1項と第4項のどちらが問題になる事案か(積極的な工作があったのか、単純な不申告か)を切り分けて争点にする4. 法人の場合は、第6項に関わる会社側の管理体制の記録も整える
時効(請求できる期限):公訴時効は、第1項と第2項の罪(長期五年)が5年、第4項の罪(長期三年)が3年である(刑事訴訟法250条2項)。一般に納期限が過ぎた時点で既遂となり、そこから起算すると解されている。第7項により、第1項と第2項の罪で法人などに罰金を科す場合も、罰金刑だけの3年ではなく行為者と同じ5年となる。これとは別に、偽りその他不正の行為による税額の更正は法定納期限から7年まで可能である(地方税法17条の5、最新の改正状況をご確認ください)
学説
判例・通説:「偽りその他不正の行為」は、逋脱の意図をもって賦課徴収を不能または著しく困難にする偽計その他の工作を要すると解され、単なる過誤や解釈の相違による過少申告は含まれない。国税逋脱犯の解釈が地方税にも参照される
立法趣旨の整理:条例による罰則は地方自治法14条3項の上限に服するため、高額になりうる独自課税の実効性を確保する観点から、刑の上限を国の法律で一律に定めたものと整理される
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等の一部改正に伴う整理により、「懲役」が「拘禁刑」に改められた(改正
改正の年表
- 1.令和4年(2022年)公布・令和7年(2025年)施行 改正:刑法等の一部改正に伴う関係法律の整理により、「懲役」が「拘禁刑」に改められた
- 地方税法 第259条法定外普通税の新設と総務大臣同意
- 地方税法 第271条第4項の申告・報告義務の根拠
- 地方税法 第275条第2項の特別徴収・納入義務の根拠
- 地方税法 第17条の5不正行為時の更正期間7年
- 地方自治法 第14条条例罰則の上限二年以下拘禁刑
- 刑事訴訟法 第250条公訴時効期間の算定根拠
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