地方税法 第332条(市町村民税に係る滞納処分に関する罪)
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- 市町村民税の納税者又は特別徴収義務者が滞納処分の執行を免れる目的でその財産を隠蔽し、損壊し、若しくは市町村の不利益に処分し、その財産に係る負担を偽つて増加する行為をし、又はその現状を改変して、その財産の価額を減損し、若しくはその滞納処分に係る滞納処分費を増大させる行為をしたときは、その者は、三年以下の拘禁刑若しくは二百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
- 2.納税者又は特別徴収義務者の財産を占有する第三者が納税者又は特別徴収義務者に滞納処分の執行を免れさせる目的で前項の行為をしたときも、同項と同様とする。
- 3.情を知つて前二項の行為につき納税者若しくは特別徴収義務者又はその財産を占有する第三者の相手方となつたときは、その相手方としてその違反行為をした者は、二年以下の拘禁刑若しくは百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
- 4.法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前三項の違反行為をした場合には、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、当該各項の罰金刑を科する。
- 5.法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものについて前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人がその訴訟行為につき当該法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
この条文の基本情報
市町村民税に係る滞納処分に関する罪とは何ですか?
定義市町村民税に係る滞納処分に関する罪とは、地方税法第332条に定められた規定で、「市町村民税の納税者又は特別徴収義務者が滞納処分の執行を免れる目的でその財産を隠蔽し、損壊し、若しくは市町村の不利益に処分し、その財産に係る負担を偽つて増加する行…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第332条(市町村民税に係る滞納処分に関する罪)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第332条の条文原文は「市町村民税の納税者又は特別徴収義務者が滞納処分の執行を免れる目的でその財産を隠蔽し、損壊し、若しくは市町村の不利益に処分し、その財産に係る負担を偽つて増加する行…」で始まります。
- 地方税法第332条は第六款に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第332条の前の条は地方税法第331条です。
- 地方税法第332条の次の条は地方税法第333条です。
- 地方税法第332条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第332条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第332条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/332
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法332条は、市町村民税の納税者や特別徴収義務者が滞納処分を免れる目的で財産を隠蔽・損壊等した場合、三年以下の拘禁刑または二百五十万円以下の罰金に処すと定める。
Q · 住民税の差押えを逃れるために財産を移したら犯罪になるの?
払えないだけでは罪にならないが、財産を隠すと犯罪になる
地方税法332条により、市町村民税の納税者や特別徴収義務者が滞納処分を免れる目的で財産を隠蔽・損壊したり、市町村に不利益な処分をしたりすると、三年以下の拘禁刑もしくは二百五十万円以下の罰金(併科あり)に処されます。財産を預かる第三者も同様です。事情を知って名義を引き受けた相手方は二年以下の拘禁刑もしくは百五十万円以下の罰金。法人には両罰規定が適用されます。
解説
住民税の滞納で役所から差押予告が届いた。その夜、預金を親の口座へ移し、車を友人名義に書き換える。この「逃がす」行為そのものが、地方税法332条の犯罪になる。法定刑は三年以下の拘禁刑もしくは二百五十万円以下の罰金で、両方を同時に科されることもある。税金を払えないこと自体は犯罪ではない。滞納処分(役所が裁判所を通さずに、あなたの財産を直接差し押さえて換金する手続)から財産を隠すことが犯罪になる。ここが分かれ目である。処罰されるのは本人だけではない。財産を預かっている第三者が同じ目的で隠せば同じ刑になる(2項)。事情を知りながら名義を引き受けた友人や家族も、二年以下の拘禁刑もしくは百五十万円以下の罰金の対象になる(3項)。滞納という民事的な問題に、財産を隠すという一手が加わった時点で、刑事事件に変わる。そして周りの人まで巻き込む。この境界線を知っているかどうかで、追い詰められたときに取る行動が変わる。
法的な位置づけ
地方税法332条は、市町村民税に係る滞納処分免脱罪を定める規定である。納税者・特別徴収義務者またはその財産を占有する第三者が、滞納処分の執行を免れる目的で財産を隠蔽・損壊・不利益処分し、負担を偽って増加させ、または現状改変により価額を減損させる等の行為を処罰し、情を知った相手方および法人等にも刑罰を及ぼす。
よくある質問 AI による整理
Q1滞納処分免脱罪とは何ですか?
税の滞納処分(差押え・換価)を免れる目的で財産を隠したり壊したりする行為を処罰する犯罪です。市町村民税については地方税法332条が定めています。
Q2住民税を滞納すると差押えはいつから?
督促状を発した日から起算して十日を経過しても完納されないとき、市町村は原則として差押えをしなければならないとされています(地方税法331条)。
Q3差押え前に預金を引き出すのは違法?
生活費や事業の支払いのための通常の引出しは直ちに違法ではありません。差押えを免れる目的で隠す・移す場合に地方税法332条の犯罪となりえます。
Q4滞納処分免脱罪の刑罰はどれくらい?
本人や財産を占有する第三者は三年以下の拘禁刑もしくは二百五十万円以下の罰金、または併科。情を知った相手方は二年以下の拘禁刑もしくは百五十万円以下の罰金です。
Q5特別徴収の住民税を納めないとどうなる?
従業員から天引きした住民税を納めない事業者は特別徴収義務者として滞納処分の対象になり、財産隠しをすれば地方税法332条1項の主体にもなります。
Q6滞納処分免脱罪で会社も処罰される?
はい。代表者や従業員が業務に関して違反した場合、行為者のほか法人にも各項の罰金刑が科されます(地方税法332条4項の両罰規定)。
Q7財産を家族に贈与すれば差押えは逃れられる?
逃れられません。市町村は第二次納税義務や詐害行為取消で取り戻しを図り、免れる目的が認定されれば贈与した本人と事情を知る家族の双方が刑事責任を問われえます。
Q8滞納処分免脱罪の時効は何年?
公訴時効は1項〜3項いずれも3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。起算点は財産隠しなどの犯罪行為が終わった時です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1住民税を払えないだけで逮捕されることってあるんですか?
払えないこと自体は犯罪ではない。滞納すれば督促と差押えという行政手続が進むだけである。犯罪になるのは、滞納処分を免れる目的で財産を隠したり、壊したり、名義を変えたりしたとき(地方税法332条1項)である。実務のポイント:徴収担当者が最も警戒するのは滞納額の大きさではない。督促後に急に動き出したお金である。差押え直前の預金引出しや名義変更は、そのまま記録として残る
Q2親の滞納を知ってて車を名義変更しちゃいました。私も罪になりますか?
差押えを免れさせることを知って名義を引き受けた場合、3項の相手方として二年以下の拘禁刑もしくは百五十万円以下の罰金の対象になりうる。民事面では、無償や著しい低額で受け取った財産について第二次納税義務を負う可能性もある(地方税法11条の8、現行効力を要確認)。実務のポイント:起訴にまで至る例は多くない。しかし財産の取戻しは高い確率で行われる。早めに元へ戻すことが、刑事と民事の両面で最も安上がりな解決になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「住民税くらいの少額なら、資産を移しても大ごとにはならない」と思われがちである。だが本条は滞納額の大小を要件にしていない。問われるのは行為と目的である。数十万円の滞納でも、差押えを免れる目的で財産を隠せば、法定刑は三年以下の拘禁刑のままである
- 名義を貸した側は「頼まれただけ」と考える。法律から見れば、事情を知って相手方になった時点で3項の行為者である。そのうえ、受け取った財産は第二次納税義務(本人の代わりに税金を払わされる責任)の対象にもなりうる。善意のつもりの協力が、刑事と納税の二重の負担として返ってくる
- 「どうすれば差押えを逃れられるか」という問いの立て方そのものがずれている。地方税は換価の猶予や徴収猶予、分割納付の相談という正規の出口を用意している。逃げ道を探して最初の一手を誤ると、本来使えたはずの猶予の交渉で信用を失う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる債権 | 市町村民税(地方税法332条) | 国税(国税徴収法187条) 民事の強制執行等で実現される債権(刑法96条の2) |
| 本人・占有者の法定刑 | 三年以下の拘禁刑もしくは二百五十万円以下の罰金、または併科 | 三年以下の拘禁刑もしくは二百五十万円以下の罰金、または併科 三年以下の拘禁刑もしくは二百五十万円以下の罰金、または併科 |
| 情を知った相手方 | 二年以下の拘禁刑もしくは百五十万円以下の罰金(3項) | 同型の相手方処罰規定あり 情を知って譲り受けた者等も処罰対象(同条各号) |
| 執行の主体 | 市町村が裁判所を通さず自力執行 | 税務署等が裁判所を通さず自力執行 裁判所の手続による強制執行 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では強制執行を受けようとする債務人の財産隠匿等を処罰する一般規定が中心で、租税専用の免脱罪とは構造が異なる
韓国は租税犯処罰法に滞納処分免脱を独立の犯罪として置き、日本と同様に情を知った相手方も処罰対象とする
ドイツは強制執行の妨害を一般的に処罰する規定で対応し、租税専用の同型規定とは異なる
米国内国歳入法典は差押え対象財産の隠匿・移転を重罪として規定する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし差押予告書が届いた翌日に、マンションの持分を配偶者へ贈与したら、どうなる? 市町村は詐害行為取消(財産を逃がす取引を取り消す手続)や第二次納税義務で財産を取り戻しにかかる。それに加えて、免れる目的が認定されれば本条の刑事責任も問われうる。贈与契約書の日付が、そのまま目的の証拠になる
- 従業員十名の飲食店を経営するあなたは、給与から天引きした住民税(特別徴収分)を三か月分納めていない。役所の差押えを恐れて、売上金を個人名義の別口座に毎日移し始めた。特別徴収義務者も1項の主体に明記されている。さらに4項の両罰規定により、法人にも二百五十万円以下の罰金が科されうる
- 兄から「税金の差押えが来るから、しばらく車をお前の名義にしてくれ」と頼まれた。事情を知って引き受けた時点で、あなたは3項の「相手方」になる
- 督促状の日付から十日が過ぎた。地方税法331条により、市町村は原則として差押えをしなければならない段階に入っている。残された時間で財産を動かすのか、窓口で分納の相談をするのか。どちらを選ぶかで、行政手続で済むか刑事事件になるかが分かれる
取るべき行動
被害を受けた側:名義移転や格安での売却を持ちかけられた側の場合:1. 依頼の背景に税の滞納や差押えがないかを確認し、あれば引き受けない2. すでに引き受けてしまったら、財産を元に戻すか、市町村の徴収担当に事情を説明する。早いほど事情を知っていたことの評価が軽くなりうる3. やり取りの記録(LINE、メール)は消さずに保存し、刑事弁護に詳しい弁護士へ相談する
訴えられた側:1. 財産の移動を直ちに止め、移した財産は可能な限り元に戻す2. 市町村の窓口で分納・徴収猶予・換価の猶予を申し出て、払う意思を書面で残す3. 財産を移したのが滞納処分を免れるためではなく、正当な事情(生活費、事業の支払いなど)によるものなら、その証拠を整える4. 捜査機関から連絡が来たら、供述する前に弁護士へ相談する。目的の有無が最大の争点になる
時効(請求できる期限):公訴時効は1項・2項・3項いずれも3年(刑事訴訟法250条2項6号、長期5年未満の拘禁刑または罰金)。起算点は財産を隠すなどの犯罪行為が終わった時。地方税の徴収権自体は法定納期限から5年で時効消滅する(地方税法18条)。(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等の一部を改正する法律に伴い、「懲役」が「拘禁刑」に改められた
- 改正履歴全体 法定刑の上限(拘禁刑の年数・罰金額)の引上げ時期など、過去の改正経緯は人の手による検証が必要
改正の年表
- 1.令和4年(2022年)公布・令和7年(2025年)施行 改正:刑法等の一部を改正する法律の施行に伴い、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた
- 地方税法 第331条市町村民税に係る滞納処分の根拠規定
- 地方税法 第324条市町村民税の脱税に関する罪(現行効力を要確認)
- 地方税法 第11条の8無償譲受人等の第二次納税義務(現行効力を要確認)
- 国税徴収法 第187条国税の滞納処分免脱罪、同型の規定
- 刑法 第96条の2強制執行妨害目的財産損壊等罪との対比
- 破産法 第253条租税債権は免責されない
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