地方税法 第331条(市町村民税に係る滞納処分)
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- 市町村民税に係る滞納者が次の各号の一に該当するときは、市町村の徴税吏員は、当該市町村民税に係る地方団体の徴収金につき、滞納者の財産を差し押えなければならない。
- 一滞納者が督促を受け、その督促状を発した日から起算して十日を経過した日までにその督促に係る市町村民税に係る地方団体の徴収金を完納しないとき。
- 二滞納者が繰上徴収に係る告知により指定された納期限までに市町村民税に係る地方団体の徴収金を完納しないとき。
- 2.第二次納税義務者又は保証人について前項の規定を適用する場合には、同項第一号中「督促状」とあるのは、「納付又は納入の催告書」とする。
- 3.市町村民税に係る地方団体の徴収金の納期限後第一項第一号に規定する十日を経過した日までに、督促を受けた滞納者につき第十三条の二第一項各号の一に該当する事実が生じたときは、市町村の徴税吏員は、直ちにその財産を差し押えることができる。
- 4.滞納者の財産につき強制換価手続が行われた場合には、市町村の徴税吏員は、執行機関(破産法第百十四条第一号に掲げる請求権に係る市町村民税に係る地方団体の徴収金の交付要求を行う場合には、その交付要求に係る破産事件を取り扱う裁判所)に対し、滞納に係る市町村民税に係る地方団体の徴収金につき、交付要求をしなければならない。
- 5.市町村の徴税吏員は、第一項から第三項までの規定により差押をすることができる場合において、滞納者の財産で国税徴収法第八十六条第一項各号に掲げるものにつき、すでに他の地方団体の徴収金若しくは国税の滞納処分又はこれらの滞納処分の例による処分による差押がされているときは、当該財産についての交付要求は、参加差押によりすることができる。
- 6.前各項に定めるものその他市町村民税に係る地方団体の徴収金の滞納処分については、国税徴収法に規定する滞納処分の例による。
- 7.前各項の規定による処分は、当該市町村の区域外においても行うことができる。
この条文の基本情報
市町村民税に係る滞納処分とは何ですか?
定義市町村民税に係る滞納処分とは、地方税法第331条に定められた規定で、「市町村民税に係る滞納者が次の各号の一に該当するときは、市町村の徴税吏員は、当該市町村民税に係る地方団体の徴収金につき、滞納者の財産を差し押えなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第331条(市町村民税に係る滞納処分)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第331条の条文原文は「市町村民税に係る滞納者が次の各号の一に該当するときは、市町村の徴税吏員は、当該市町村民税に係る地方団体の徴収金につき、滞納者の財産を差し押えなければならない。」で始まります。
- 地方税法第331条は第六款に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第331条の前の条は地方税法第330条です。
- 地方税法第331条の次の条は地方税法第332条です。
- 地方税法第331条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第331条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第331条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/331
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法331条は、住民税の滞納者が督促状発送日から起算して10日を経過した日までに完納しないとき、徴税吏員に財産の差押えを義務付ける。手続は国税徴収法の例による。
Q · 住民税を滞納すると、どのくらいで財産を差し押さえられるの?
督促状から約10日で、判決なしに差し押さえられうる
地方税法331条1項により、督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに住民税を完納しないと、市町村の徴税吏員は財産を差し押さえなければなりません。民間の債権回収と違い、訴訟や判決は不要です。手続は国税徴収法の例により、預金・給与・不動産などが対象になります。ただし給与には差押禁止額があり、換価の猶予(同法15条の6)を申請して分割納付する道もあります。
解説
住民税の滞納には、裁判所が登場しない。民間の貸主が給料を差し押さえるには、まず訴訟で判決を取る必要がある。ところが市町村の徴税吏員(役所で税金の取立てを担当する職員)は、判決なしで自分の判断だけで差し押さえることができる。条件は二つで足りる。督促状を送ったこと、そして督促状の日付から数えて11日目が終わっても完納されていないこと。しかも条文は「差し押えなければならない」と書いている。差し押さえるかどうかを役所が自由に選べる書き方ではなく、法律上は義務である。実務では催告書や電話を挟むことが多いが、それは役所の配慮であって、法律が求めている手続ではない。予告なしに銀行口座が押さえられても、それだけで違法にはならない。手続の細部は国税徴収法の例による(第6項)。つまり国税の取立てと同じ道具を使える。預金・給与・不動産・生命保険の解約返戻金まで差押えの対象になり、自宅の捜索もありうる。さらに第7項により、別の市に引っ越しても、元の市は新しい住所地の財産を差し押さえられる。ただし、この仕組みには守りの手段もある。給与には差押禁止額があり、分割納付のための換価の猶予という制度もある。差押えを止められるのは、督促状が届いてから実際に差し押さえられるまでの短い期間だけである。
法的な位置づけ
地方税法331条は市町村民税の滞納処分を定める規定であり、督促後10日の経過または繰上徴収の納期限経過を要件として、市町村の徴税吏員に滞納者の財産の差押えを義務付ける。交付要求、参加差押え、区域外での処分についても定め、細部は国税徴収法の滞納処分の例による。
手順
- 1.督促状の日付を確認して期限を計算 督促状に記載された発付日を確認し、その日を1日目として数えた11日目(10日を経過した日)をカレンダーに書き込む。この日までが差押え前に動ける期間の目安になる
- 2.収支資料をそろえて納税課に連絡 給与明細、家計の支出、家族構成がわかる資料を用意し、期限前に市町村の納税課へ電話または来庁で相談を申し込む。現実的に毎月払える金額を先に計算しておく
- 3.換価の猶予を申請 一括納付で生活の維持が困難になる場合、地方税法15条の6に基づく換価の猶予を申請し、分割納付計画を示す。申請期限は原則として納期限から6か月以内のため早めに提出する
- 4.差押え後は禁止財産と不服申立てを確認 差押えを受けた場合、差押調書の謄本と通帳の入金履歴を突き合わせ、給与・年金・児童手当など差押禁止の給付が含まれていないか確認する。違法の疑いがあれば期限内に審査請求を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1住民税の差し押さえはいつから?
督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに完納しないと、差押えの要件がそろいます(地方税法331条1項1号)。法律上は差押えが義務です。
Q2住民税の差押えに裁判所の判決は必要?
不要です。市町村の徴税吏員は自力執行権を持ち、督促と期間経過だけで差押えができます。民間の借金と違い、訴訟や強制執行の申立ては要りません。
Q3住民税の滞納で生命保険も差し押さえられる?
差し押さえられることがあります。国税徴収法の例により、生命保険の解約返戻金請求権も差押えの対象になり、取立てのため解約されることがあります。
Q4住民税の滞納は何年で時効になる?
徴収権は法定納期限の翌日から5年で時効により消滅します(地方税法18条)。ただし差押えなどがあると時効は進行しなくなり、放置すれば消えるとは限りません。
Q5住民税の滞納で家族の口座も差し押さえられる?
原則として差押えの対象は滞納者本人の財産に限られます。ただし家族名義でも実質的に本人の財産と認定される預金は、対象になる可能性があります。
Q6住民税の差押えを解除する方法は?
完納すれば解除されます。分割納付の場合も、換価の猶予(地方税法15条の6)が認められると差押えの解除を求められることがあるため、窓口で相談します。
Q7住民税の差押えが違法になるのはどんな場合?
差押禁止の給付が振り込まれた直後の預金を差し押さえた場合や、徴収額を明らかに超える超過差押えなどです。違法の疑いがあれば審査請求を検討します。
Q8住民税の滞納は勤務先に知られる?
給与が差し押さえられると、勤務先に債権差押通知書が届くため知られます。預金や不動産の差押えだけであれば、勤務先に通知は行きません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1住民税の差押えって、給料を全部持っていかれるんですか?
全額ではない。国税徴収法76条の例により、税金や社会保険料を差し引いた後の額から、本人について月10万円、生計を共にする親族1人につき4.5万円を基礎とする金額などが差押禁止となる(同法施行令34条)。実務のポイント:扶養家族の人数を役所が正確に把握していないと、差押禁止額が少なく計算される。家族構成を自分から届け出れば、手元に残る額が変わることがある
Q2督促状を無視していたら、もう手遅れですか?
差押え前ならまだ間に合う。法律上は差押えが義務とされているが(地方税法331条1項)、納税者から換価の猶予の申請や納税相談があれば、実務では分割納付で合意することが多い。実務のポイント:窓口では「いくら払えるか」より「毎月確実に払えるか」が見られる。無理な高額を約束して一度でも払えないと、次の交渉はかなり難しくなる
Q3引っ越して別の市に住んでいれば、前の市は手を出せないですよね?
手を出せる。地方税法331条7項により、差押えは市の区域外でも行える。銀行の預金は全国どこの支店でも照会されうる(国税徴収法141条の例による調査)。実務のポイント:個人の住民税の徴収が都道府県に引き継がれることもある(地方税法48条)。各地にある滞納整理機構に案件が移ると、取立ての強さが一段上がると言われる
間違えやすい点 AI による整理
- 「差押えの前には必ず予告が来る」と思われがちだが、法律上必要なのは督促状だけである。「差押予告」と書かれた催告書は役所が任意で送っているもので、届かないまま預金が押さえられても、そのこと自体を理由に違法を主張するのは難しい
- 住民税の滞納を、クレジットカードの支払い遅れと同じ感覚で見ていると判断を誤る。民間の債権者が差押えまでに必要とする訴訟、判決、強制執行の申立てが、住民税ではまるごと省略される。延滞金は条文上、最大で年14.6% の割合でかかる(地方税法326条。実際は特例により低い割合になっている。最新の改正状況をご確認ください)。後回しにした分だけ不利が積み上がる
- 「口座のお金は全部持っていかれる」と諦めるのは、問いの立て方そのものが誤っている。考えるべきは「何が差押禁止か」である。給与には差押禁止額があり、児童手当のような差押禁止の給付が振り込まれた直後の預金を差し押さえた事例では、裁判所が違法と判断したものもある(広島高松江支判平成25.11.27、鳥取県の事例)。どの部分が守られるかを分けて考えれば、取り戻せるお金がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 地方税法331条:督促後の財産差押え(滞納処分) | 地方税法329条:市町村民税の督促(差押えの前提手続) 地方税法15条の6:申請による換価の猶予 |
| 発動のタイミング | 督促状発付日から起算して10日を経過した日までに未完納 | 納期限後20日以内に督促状を発する 原則として納期限から6か月以内に滞納者が申請 |
| 納税者への効果 | 預金・給与・不動産等が差し押さえられる(義務規定) | 差押えの要件の起点となり、時効の進行にも影響 財産の換価が猶予され、分割納付が可能になる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では稽徴機関自身は差し押さえず、滞納から30日経過後に法務部行政執行署へ移送して強制執行する。徴税吏員が自ら差し押さえる日本の構造との最大の違い
韓国も地方税の体納処分として行政機関による差押えを認め、日本と同様に裁判所の判決を要しない
ドイツも租税債権について行政執行(Verwaltungsvollstreckung)を認め、財務官庁が自ら差押えを行える
米国連邦税では IRS が通知後に levy(差押え)を行える。地方税(固定資産税等)は州法により tax lien や tax sale で回収される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 家賃を払おうと ATM に行ったら、残高が0円になっていた。通帳には「サシオサエ」の記帳がある。前年に会社を辞めた後、自宅に届いていた住民税の納付書を放置していた。役所からの封書は二通ほど開けずに置いてあった
- 督促状の日付は9月1日。今日は9月9日。11日目が終わると、法律上は差押えの要件がそろう。役所の窓口が開いている平日はあと2日しかない。納付相談の予約を今日中に入れるかどうかで、来月の給料が手元に残るかが決まる
- 給与を差し押さえられたら、会社にはバレるのか? 必ず知られる。役所は勤務先に「債権差押通知書」を送り、会社は経理担当者を通じてあなたの給与の一部を役所へ直接払うことになる。会社は第三債務者(あなたにお金を払う義務がある立場)として、通知に従う法的義務を負う
- あなたは小さな同族会社の役員である。会社の地方税が滞納になり、ある日あなた個人宛てに「納付催告書」が届いた。第二次納税義務者(会社が払えないとき代わりに責任を負わされる人)に指定されたのである。第2項により、この催告書は督促状と同じ役割を持つ。そこから11日目が終わると、あなた個人の財産も差押えの対象になる
- 大阪に転居して3年たったころ、以前住んでいた横浜市から、大阪の銀行口座が差し押さえられた。引っ越せば追ってこない、という発想は通用しない。第7項は市の区域外での差押えを明文で認めている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 通帳の記帳と、市から届く差押調書の謄本で、何がいつ差し押さえられたかを確認する2. 押さえられた預金の元が給与・年金・児童手当などの差押禁止給付かどうかを入金履歴で突き合わせる3. 生活が成り立たなければ、差押えの解除と換価の猶予(地方税法15条の6)を窓口で求める。資力がまったくなければ、滞納処分の停止(同15条の7)に当たらないか確認する4. 違法の疑いがあれば、審査請求を検討する(取消訴訟の前に審査請求が必要になる。同19条の12)
訴えられた側:1. 督促状の日付を確認し、差押えの要件がそろう日(11日目の終わり)より前に納税課へ連絡する2. 収入・支出・家族構成がわかる資料を持って行き、現実的な月額の分割納付を自分から示す3. 換価の猶予を申請する(納期限から6か月以内が原則。最新の改正状況をご確認ください) 4. 第二次納税義務者として請求された場合は、指定の要件(地方税法11条以下)を本当に満たしているかを先に検証する
時効(請求できる期限):督促状は納期限後20日以内に発送される(地方税法329条)。督促状の日付から数えて11日目が終わっても完納していなければ差押えの要件がそろう。審査請求は、原則として処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条。地方税法19条の4に期限の特例あり)。徴収権は法定納期限の翌日から5年で時効により消滅するが(地方税法18条)、差押えなどにより時効の進行は止まる
学説
通説:331条1項の「差し押えなければならない」は徴税吏員に差押えの職務上の義務を課す趣旨だが、換価の猶予や滞納処分の停止の制度と併せて運用され、実務では納税相談を経た分割納付が広く認められている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:現行地方税法(昭和25年法律第226号)の制定により、市町村民税の滞納処分の規定として設けられた
- 地方税法 第329条市町村民税の督促、差押えの前提手続
- 地方税法 第13条の2繰上徴収事由、第3項の即時差押え
- 地方税法 第15条の6申請による換価の猶予
- 地方税法 第15条の7滞納処分の停止と納税義務の消滅
- 地方税法 第18条徴収権の5年消滅時効
- 国税徴収法 第47条国税の差押要件、本条の同型規定
- 国税徴収法 第76条給与の差押禁止額の例による適用
- 国税徴収法 第142条捜索権限の例による適用
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