地方税法 第54条(法人の道府県民税に係る虚偽の申告に関する罪)
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- 第五十三条第一項に規定する法人税法第七十一条第一項の規定による法人税に係る申告書(同法第七十二条第一項各号に掲げる事項を記載したものに限る。)又は同法第百四十四条の三第一項の規定による法人税に係る申告書(同法第百四十四条の四第一項各号に掲げる事項を記載したものに限る。)を提出する義務がある法人が第五十三条第一項の申告書又はこれに係る同条第三十四項の申告書に虚偽の記載をして提出した場合において、法人の代表者(法人課税信託の受託者である個人を含む。)、代理人、使用人その他の従業者でその違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
- 2.法人の代表者又は代理人、使用人その他の従業者がその法人の業務に関して前項の違反行為をした場合には、その行為者を罰するほか、その法人に対し、同項の罰金刑を科する。
この条文の基本情報
法人の道府県民税に係る虚偽の申告に関する罪とは何ですか?
定義法人の道府県民税に係る虚偽の申告に関する罪とは、地方税法第54条に定められた規定で、「第五十三条第一項に規定する法人税法第七十一条第一項の規定による法人税に係る申告書(同法第七十二条第一項各号に掲げる事項を記載したものに限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第54条(法人の道府県民税に係る虚偽の申告に関する罪)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第54条の条文原文は「第五十三条第一項に規定する法人税法第七十一条第一項の規定による法人税に係る申告書(同法第七十二条第一項各号に掲げる事項を記載したものに限る。」で始まります。
- 地方税法第54条は第二目に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第54条の前の条は地方税法第53条の3です。
- 地方税法第54条の次の条は地方税法第55条です。
- 地方税法第54条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第54条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第54条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/54
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法54条は、仮決算で中間申告する法人が道府県民税の申告書に虚偽記載をして提出した場合、行為者を1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処し、法人も罰する。
Q · 中間申告の数字に嘘を書いても、確定申告で精算すれば問題ないの?
嘘を書いて出した時点で罰則対象、会社も罰金
地方税法54条は、仮決算に基づいて法人税の中間申告をする法人が、法人の道府県民税の申告書に虚偽の記載をして提出した場合を処罰します。処罰対象は「税を免れたこと」ではなく「虚偽記載をして提出したこと」なので、後の確定申告で精算されても罪は消えません。行為者は1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金、2項の両罰規定で法人にも50万円以下の罰金が科されえます。
解説
罰せられるのは、決算期末の確定申告より前、期の途中で出す「中間申告」のうえでの嘘である。しかも中間申告のなかでも、仮決算(期首から6か月分だけで締めた暫定の決算)にもとづいて法人税の中間申告をする法人に限られる。仮決算を選ぶ理由はたいてい一つ、「前年実績の半分を納める予定申告より、今期の実際の数字で計算したほうが中間納付が安くなる」からだ。本条はこの「安くするための選択」の裏側に置かれた罰則である。法人の道府県民税の申告書(地方税法53条)に虚偽を書いて出せば、実際に書いた経理担当者や代表者は1年以下の拘禁刑(刑務所等に収容される刑。令和7年6月から懲役と禁錮を一本化したもの)または50万円以下の罰金になる。さらに2項の両罰規定(違反した個人と並んで会社も罰する仕組み)で、会社自体にも50万円以下の罰金が科される。押さえるべきは、条文が「税を免れたこと」ではなく「虚偽の記載をして提出したこと」を処罰対象にしている点だ。中間納付は確定申告で精算されるから最終的な損はない、という言い訳はこの条文の前では通らない
法的な位置づけ
地方税法54条は、仮決算に基づく法人税の中間申告書を提出する義務がある法人について、法人の道府県民税の申告書に虚偽の記載をして提出する行為を処罰する規定である。行為者は1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処され、2項の両罰規定により法人にも同項の罰金刑が科される。
よくある質問 AI による整理
Q1地方税法54条とは?
仮決算に基づき法人税の中間申告をする法人が、道府県民税の申告書に虚偽記載をして提出した場合の罰則です。行為者と法人の双方が処罰対象になります。
Q2両罰規定とは何ですか?
違反行為をした従業者等の個人を罰するほか、その業務主である法人にも罰金刑を科す仕組みです。地方税法54条2項がこれに当たります。
Q3予定申告の法人も地方税法54条の対象?
対象外です。本条は法人税法72条1項各号の事項を記載した、つまり仮決算による中間申告をする法人に限定されています。
Q4中間申告の虚偽記載 時効は何年?
公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。起算点は虚偽記載の申告書を提出した時と考えられます。
Q5中間申告の計算ミスも処罰される?
本罪は故意犯と解され、単純な計算誤りや会計判断の相違は通常処罰対象になりません。ただし故意かどうかは当時の資料から判断されます。
Q6虚偽の中間申告に気付いたらどうすれば?
すぐに税理士・税務に強い弁護士へ相談し、正しい数字での申告と納付による是正を図ります。早期の是正は情状に影響しうるとされます。
Q7法人住民税の虚偽申告は重加算金も課される?
刑事罰とは別に、隠蔽・仮装があれば行政上の制裁として重加算金が課されうります。刑事罰と行政上の加算金は別の制度です。
Q8地方税法54条の法定刑は?
行為者は1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金です。令和7年6月施行の刑法改正で「懲役」が「拘禁刑」に改められています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1仮決算で中間申告するのって、そもそも節税として問題ないんですか?
問題ない。法人税法72条が認める正当な方法であり、業績が落ちた期に中間納付を抑える手段として広く使われている。問題になるのは、その仮決算の数字に虚偽を書いた場合で、地方税法54条の罰則がかかる。実務のポイント:前年実績ベースの予定申告額が10万円以下の場合や、仮決算の税額が予定申告額を超える場合は、仮決算による中間申告ができないとされている(最新の改正状況をご確認ください)。選べるかどうか、まず税理士に確認すること
Q2経理担当として社長の指示どおり入力しただけでも、罰せられるんですか?
本条1項は「代表者、代理人、使用人その他の従業者でその違反行為をした者」を処罰対象にしているため、虚偽と知りながら書き込み提出に関わった担当者も対象になりうる。指示されたという事情は、主に情状として考慮される。実務のポイント:実務では、指示の記録を残し、異を唱えた形跡がある担当者ほど立場が守られやすい。口頭の指示はその場でメールにして確認を返すのが、自分を守る最小コストの手である
Q3会社が罰金を払えば、個人は処罰されないってことですか?
違う。本条2項は「その行為者を罰するほか」法人にも罰金刑を科すと定めている。個人と法人は別々に処罰されうる。実務のポイント:法人が受けた罰金刑は、建設業・宅建業など一部の許認可や公共調達の資格審査で欠格事由や指名停止の判断材料になることがある。50万円という金額より、その後の取引への影響のほうが重い場合がある
間違えやすい点 AI による整理
- 中間申告はあくまで暫定、本番は確定申告だと考えている人が多い。だが本条は確定申告ではなく、仮決算にもとづく中間申告の時点の虚偽記載を独立に処罰する。最終的に精算されれば帳消しになるという発想は、刑事責任の世界では成り立たない
- 「罰金50万円以下なら会社が払って終わり」と軽く見るのは深刻度の見誤りである。罰金も刑罰であり、行為者個人には前科が付く。さらに2項で法人にも別に罰金が科されるため、個人と会社がそれぞれ処罰対象になりうる
- 経理担当者から見れば「上司の指示どおり書いただけ」でも、条文が処罰するのは「その違反行為をした者」、つまり実際に虚偽を書き込み提出に関与した人である。指示した側の責任とは別に、手を動かした側の責任が問われうる。この視点の落差が、現場の担当者を最も危険な位置に立たせる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制裁の性質 | 地方税法54条:刑事罰(拘禁刑・罰金) | 地方税法55条の2:過少申告加算金(行政上の制裁) 地方税法55条の3:重加算金(行政上の制裁) |
| 成立要件 | 仮決算による中間申告をする法人が虚偽記載の申告書を提出 | 申告税額が過少であったこと 課税標準等の基礎となる事実の隠蔽・仮装 |
| 対象者 | 違反行為をした代表者・従業者等の個人+法人(両罰) | 納税義務者である法人 納税義務者である法人 |
| 前科の有無 | 刑罰のため前科が付く | 前科は付かない 前科は付かない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は詐術等による逃税結果を処罰の中心とし、虚偽記載の提出行為そのものを独立に罰する日本の構造とは異なる。法人の場合は代表者等に適用される
韓国も조세포탈を処罰し、양벌규정で法人を罰する点は日本の両罰規定と類似する
ドイツは不正確な申告による税額の過少確定(未遂を含む)を処罰。法人自体は刑事罰ではなく秩序違反法上の過料で対応する
米国は偽証罰の下で虚偽の申告書を提出する行為を、税額の多寡にかかわらず処罰する。虚偽記載の提出行為を罰する点で本条と発想が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 上半期の業績が急落した。社長から「仮決算で中間納付を抑えろ、ついでに売上の一部は下期に回しておけ」と指示された経理担当者のあなた。書類に数字を書き込み提出するのはあなた自身であり、本条の「従業者でその違反行為をした者」に当たる可能性がある。社長の指示だったという事情は、罪の成否ではなく情状の問題になるだけだ
- 中間納付は期末に精算されるのだから、少し数字をいじっても実害はないのでは? 法律の見方は違う。処罰対象は虚偽申告書の提出という行為そのものであり、最終的に納付額が正しく精算されても、提出した時点で犯罪は完成していると考えるのが条文の構造である
- 税理士に仮決算の数字を渡した後、在庫の計上漏れを自分で意図的に作っていたことに気付いた。中間申告の提出期限は事業年度開始から6か月経過後2か月以内。提出前なら数字を直すだけで済む。出してしまってからでは、話の次元が変わる
- 親会社の監査で、子会社の仮決算中間申告に架空の経費が載っていたことが発覚。行為者個人が罰せられるだけでなく、2項により子会社という法人にも罰金刑が科されうる。法人の前科は、入札参加資格や許認可の審査で問われることがある
取るべき行動
被害を受けた側:社内で虚偽記載の指示や事実を知った立場なら:1. 指示の内容と日時を記録し、メールや議事録を保全する2. 提出前であれば、正しい数字での申告を求め、指示を書面で確認する3. 社内の監査役・内部通報窓口に相談する。公益通報者保護法の保護対象になる場合がある4. 税理士にも事実を共有し、提出書類に虚偽が含まれないよう確認を依頼する
訴えられた側:1. 都道府県の税務担当や捜査機関から接触があったら、まず税務に強い弁護士に相談し、単独で説明しない2. 虚偽記載が単なる計算誤りや会計判断の相違なのか、故意なのかが核心になる。当時の判断資料・会計基準の検討記録を確保する3. 誤りが判明している場合は、確定申告や修正申告で速やかに是正し、納付を済ませる。情状に影響しうる4. 会社として、両罰規定による法人処罰に備え、再発防止策を整える
時効(請求できる期限):本条の罪の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号:長期5年未満の拘禁刑または罰金にあたる罪)。起算点は虚偽の申告書を提出した時。法人税の中間申告書の提出期限は事業年度開始の日以後6か月を経過した日から2か月以内(法人税法71条・72条、最新の改正状況をご確認ください)
学説
判例・通説(過失推定説):両罰規定による法人処罰は、従業者の選任・監督上の過失を推定するものと解され、法人は注意義務を尽くしたことを立証すれば免責されうる。
通説(故意犯):本罪は過失犯処罰の明文がないため故意犯と解され、虚偽であることの認識が必要。単純な計算誤りや会計判断の相違は原則として処罰対象外となる。
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等の一部改正に伴う関係法律整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:地方税法(昭和25年法律第226号)の制定。法人の道府県民税の申告制度とあわせて罰則が整備された
- 2.令和7年(2025年) 改正:令和4年の刑法等改正に伴う関係法律整理により、令和7年6月1日から法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた
- 地方税法 第53条法人の道府県民税の申告納付義務、本罪の前提
- 地方税法 第55条法人の道府県民税の更正及び決定
- 地方税法 第55条の2過少申告加算金、行政上の制裁(現行効力を要確認)
- 地方税法 第55条の3重加算金、隠蔽仮装への行政制裁(現行効力を要確認)
- 法人税法 第72条仮決算による中間申告、本罪の対象申告
- 法人税法 第159条法人税のほ脱犯、国税側の脱税罪
- 刑事訴訟法 第250条公訴時効期間の算定根拠
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