地方税法 第68条(法人の道府県民税に係る滞納処分)
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- 法人の道府県民税に係る滞納者が次の各号のいずれかに該当するときは、道府県の徴税吏員は、当該法人の道府県民税に係る地方団体の徴収金につき、滞納者の財産を差し押さえなければならない。
- 一滞納者が督促を受け、その督促状を発した日から起算して十日を経過した日までにその督促に係る法人の道府県民税に係る地方団体の徴収金を完納しないとき。
- 二滞納者が繰上徴収に係る告知により指定された納期限までに法人の道府県民税に係る地方団体の徴収金を完納しないとき。
- 2.第二次納税義務者又は保証人について前項の規定を適用する場合には、同項第一号中「督促状」とあるのは、「納付の催告書」とする。
- 3.法人の道府県民税に係る地方団体の徴収金の納期限後第一項第一号に規定する十日を経過した日までに、督促を受けた滞納者につき第十三条の二第一項各号のいずれかに該当する事実が生じたときは、道府県の徴税吏員は、直ちにその財産を差し押さえることができる。
- 4.滞納者の財産につき強制換価手続が行われた場合には、道府県の徴税吏員は、執行機関(破産法(平成十六年法律第七十五号)第百十四条第一号に掲げる請求権に係る法人の道府県民税に係る地方団体の徴収金の交付要求を行う場合には、その交付要求に係る破産事件を取り扱う裁判所)に対し、滞納に係る法人の道府県民税に係る地方団体の徴収金につき、交付要求をしなければならない。
- 5.道府県の徴税吏員は、第一項から第三項までの規定により差押えをすることができる場合において、滞納者の財産で国税徴収法第八十六条第一項各号に掲げるものにつき、既に他の地方団体の徴収金若しくは国税の滞納処分又はこれらの滞納処分の例による処分による差押えがされているときは、当該財産についての交付要求は、参加差押えによりすることができる。
- 6.前各項に定めるものその他法人の道府県民税に係る地方団体の徴収金の滞納処分については、国税徴収法に規定する滞納処分の例による。
- 7.前各項の規定による処分は、当該道府県の区域外においても行うことができる。
この条文の基本情報
法人の道府県民税に係る滞納処分とは何ですか?
定義法人の道府県民税に係る滞納処分とは、地方税法第68条に定められた規定で、「法人の道府県民税に係る滞納者が次の各号のいずれかに該当するときは、道府県の徴税吏員は、当該法人の道府県民税に係る地方団体の徴収金につき、滞納者の財産を差し押さえ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第68条(法人の道府県民税に係る滞納処分)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第68条の条文原文は「法人の道府県民税に係る滞納者が次の各号のいずれかに該当するときは、道府県の徴税吏員は、当該法人の道府県民税に係る地方団体の徴収金につき、滞納者の財産を差し押さえ…」で始まります。
- 地方税法第68条は第三目に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第68条の前の条は地方税法第67条です。
- 地方税法第68条の次の条は地方税法第69条です。
- 地方税法第68条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第68条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第68条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/68
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法68条は、法人の道府県民税の滞納者が督促状発送から10日を経過した日までに完納しないとき、徴税吏員に財産の差押えを義務づける。処分は県外でも行える。
Q · 法人県民税の督促状を放っておいたら、本当に会社の財産を差し押さえられるの?
差し押さえられる。10日経過後は差押えが法律上の義務になる
地方税法68条1項1号により、督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに法人の道府県民税を完納しないと、道府県の徴税吏員は財産を差し押さえなければなりません。判決は不要で、手続は国税徴収法の滞納処分の例によります(6項)。県外の財産にも及びます(7項)。一括で払えない場合は、納期限から6か月以内に換価の猶予(15条の6)を申請し、分割納付の計画を出すことが現実的な出口です。
解説
条文の言い回しは「差し押さえることができる」ではなく、「差し押さえなければならない」である。法人の道府県民税を滞納した会社に督促状が出され、その発送日から数えて10日を経過した日までに完納しなければ、道府県の徴税吏員(県税事務所で税金の取り立てを担当する職員)は差押えをしなければならない。裁判所の判決はいらない。役所が自分で強制執行できる「自力執行権」があるからだ。差押えの対象は預金、売掛金、不動産、車両と幅広く、手続は国税徴収法の滞納処分の例による(6項)。さらに7項によって、他県の銀行支店にある口座でも差し押さえられる。ただし、これは「10日を過ぎたら必ず翌日に口座が凍る」という意味ではない。担当者に事情を説明し、換価の猶予(差し押さえた財産の売却を待ってもらい、分割で納める制度)を申請した会社と、督促状を放置した会社とでは、同じ滞納額でも行き着く先がまったく違う。分かれ目は10日という短い時間の使い方にある。
法的な位置づけ
地方税法68条は、法人の道府県民税に係る地方団体の徴収金の滞納処分を定める規定であり、督促後10日経過または繰上徴収の納期限経過による差押え義務、繰上徴収事由発生時の即時差押え、強制換価手続への交付要求、参加差押え、国税徴収法の準用、道府県の区域外での処分について定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.督促状の発送日と10日経過日を特定する 督促状に記載された発送日を確認し、その日を1日目として数えて10日を経過した日を特定する。カレンダーに赤丸を付け、それより前に動くことを社内で共有する
- 2.県税事務所の担当者に連絡する 督促状に記載の県税事務所へ電話し、滞納額・延滞金の見込みと、一括納付が困難な事情を伝える。口頭の約束で終わらせず、換価の猶予の申請書式を入手する
- 3.資金繰り表と納付計画を作る 今後12か月の入出金を整理した資金繰り表を作り、毎月いくら納付できるかを示す計画を作成する。事業継続に支障がある事情を数字で説明できるようにする
- 4.換価の猶予を書面で申請する 納期限から6か月以内に、地方税法15条の6に基づく換価の猶予を書面で申請する。財産目録や収支の明細など、自治体が求める添付書類をそろえて提出する
- 5.認められた計画どおりに分割納付する 猶予が認められたら、計画どおりに毎月納付する。不履行があると猶予が取り消され、差押えに進むおそれがあるため、資金が足りなくなりそうなら事前に担当者へ相談する
よくある質問 AI による整理
Q1滞納処分とは何ですか?
税金を滞納した人の財産を、役所が裁判所の判決なしに差し押さえ、売却して税金に充てる手続です。地方税では国税徴収法の例により行われます。
Q2法人県民税の督促状はいつ届きますか?
地方税の督促状は、原則として納期限後20日以内に発送されます。督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに完納しないと、差押えが義務になります。
Q3法人住民税の滞納で差し押さえられるものは何?
預金、売掛金、不動産、車両、有価証券など、会社の財産全般が対象です。とくに預金と売掛金は換価が早いため、最初に狙われやすい財産です。
Q4売掛金を差し押さえられたら取引先にばれますか?
ばれます。債権差押えでは、取引先(第三債務者)に債権差押通知書が送られ、支払先が道府県に切り替わります。滞納の事実が取引先に伝わります。
Q5第二次納税義務者も差押えの対象になりますか?
なります。68条2項により、第二次納税義務者や保証人には「督促状」に代えて「納付の催告書」が送られ、その後の流れは滞納者本人と同じです。
Q6会社が破産したら県税はどうなりますか?
68条4項により、徴税吏員は破産事件を扱う裁判所に交付要求をしなければなりません。租税等の請求権として破産手続の中で配当を受ける形になります。
Q7赤字でも法人県民税を払わないと差押えされますか?
されます。所得がなくても均等割は毎年かかり、それを滞納すれば金額が小さくても68条の差押え義務の対象になります。
Q8差押えに不服があるときはどうすればいいですか?
処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求ができます(行政不服審査法18条)。審査請求をしても差押えは原則として止まらない点に注意が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1督促状を無視したら、本当にいきなり口座を差し押さえられるんですか?
あり得る。本条1項1号は、督促状の発送から10日を経過しても完納がなければ差押えを義務づけており、事前の予告状を出す法的義務はない。実務では「差押予告書」を送る自治体が多いが、それはあくまで運用である。実務のポイント:徴税側は事前調査で預金がどの銀行にあるかを把握しており、給料日や売掛金の入金日を狙って差し押さえることがある
Q2一括では払えません。分割にしてもらえる方法はありますか?
申請による換価の猶予(地方税法15条の6)を使えば、原則として1年以内の分割納付が認められる余地がある。申請は納期限から6か月以内が原則で、猶予の期間中は延滞金が一部免除されることもある。実務のポイント:窓口で口頭で「分割にしてください」と頼むだけでは、法的な猶予ではなく単なる納付約束として扱われ、延滞金が満額かかり続けることがある。必ず書面の申請に乗せること
間違えやすい点 AI による整理
- 「税金の滞納でも、裁判で負けない限り財産は取られない」と思われがちだが、実際は逆である。地方税は国税徴収法の例による滞納処分の対象なので(6項)、役所は判決なしに預金や売掛金を差し押さえられる。民間の借金の督促とは、手続の速さがまったく違う
- 経営者から見れば、担当者は「待ってくれるかどうかを自分の気分で決める人」に映る。だが法律から見れば、担当者は「10日を過ぎたら差し押さえなければならない」と義務づけられている側の人間である。ここを取り違えて情に訴えても、担当者には待つ権限がない。動かせるのは、換価の猶予などの法定の制度に乗せるための書類と納付計画だけだ
- 「県税だから、県外の銀行口座に資金を移しておけば安全だ」という発想は、問いの立て方そのものが間違っている。7項によって、処分は道府県の区域外でも行える。しかも財産を隠したり移したりすれば、滞納処分を逃れる罪(地方税法の罰則)に問われるリスクまで背負うことになる(現行条番号は要確認)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 役割 | 地方税法68条:督促後10日経過で差押えを義務づける | 地方税法15条の6:申請による換価の猶予で差押財産の売却を待つ 地方税法15条の7:無財産等の場合に滞納処分を停止する |
| 発動のきっかけ | 督促状発送から10日経過日までの未完納、または繰上徴収の納期限経過 | 滞納者の申請(原則として納期限から6か月以内) 徴税側の判断(滞納処分できる財産がない、生活の窮迫、所在不明など) |
| 滞納者への効果 | 預金・売掛金・不動産などが差し押さえられる | 原則1年以内の分割納付、延滞金の一部免除の余地 執行が止まり、停止が3年続けば納付義務が消滅する |
| 滞納者が取るべき行動 | 10日経過日より前に連絡し、制度に乗る準備をする | 書面で申請し、納付計画を守る 財産・収入の状況を正直に開示する |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾では税務機関が自ら差し押さえるのではなく、繳納期間満了後に法務部行政執行署へ移送して強制執行する。日本のような徴税吏員の自力執行とは構造が異なる
韓国も地方税について独自の徴収法を持ち、督促後の未納に対して行政が自ら差押えを行う自力執行型であり、日本と近い構造をとる
期限内に納付しない場合、税務機関は県級以上の責任者の承認を経て預金の引落しや財産の差押え・売却ができる。承認手続が明文化されている点が特徴
ドイツも租税債権の行政上の執行(Verwaltungsvollstreckung)を認める。地方税(Gewerbesteuer 等)は各州の行政執行法によることが多い
連邦税では、IRS が通知・待機期間を経て裁判所の関与なく財産を差し押さえる levy 制度がある。州税は各州法による
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 売上が落ちた年、法人税は赤字でゼロだったが、法人の道府県民税の均等割(所得がなくても会社の規模に応じてかかる定額の部分)を払い忘れていた。督促状は経理担当の机の上で開封されないまま埋もれた。一か月後、メインバンクの法人口座の残高が突然ゼロになり、給料日前の振込みができなくなった
- もし最大の取引先から「御社の売掛金について県から債権差押通知書が届いた。支払いは県に対して行う」と電話が来たら、どうなるか。滞納額そのものより、取引先に「この会社は税金を払えていない」と知られた信用の傷のほうが、はるかに重くのしかかる
- 督促状の日付は先週の月曜日だった。期限まで残りは3日。完納できる資金はないが、県税事務所に電話して納付計画を出すだけの時間なら、まだ残っている
取るべき行動
被害を受けた側:滞納している会社の取引先や、ほかの債権者として巻き込まれた場合の手順:1. 債権差押通知書が届いたら、支払先を滞納会社から道府県に切り替え、二重払いを防ぐ2. 差押えの前から持っている反対債権があれば、相殺を主張できるか確認する(民法511条) 3. 自社も滞納会社への強制執行を準備している場合は、租税が優先する原則(地方税法14条)を前提に、回収の見込みを計算し直す
訴えられた側:督促状を受けた滞納法人の手順:1. 督促状の発送日を確認し、10日経過日を特定する2. その前に県税事務所へ連絡し、資金繰り表を添えて換価の猶予(地方税法15条の6)を申請する3. すでに差し押さえられた場合は、事業の継続に支障がある事情を示し、猶予と差押えの解除を求める4. 処分そのものに違法があると考えるなら、審査請求を検討する5. 財産の移転や隠匿は絶対にしない
時効(請求できる期限):督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに完納しなければ、差押えが義務になる(本条1項1号)。申請による換価の猶予は、原則として納期限から6か月以内に申請する(地方税法15条の6)。差押えに対する審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。徴収権の消滅時効は、法定納期限の翌日から5年(地方税法18条)で、差押えによって時効の進行がリセットされる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条1項の「差し押さえなければならない」は徴税吏員に差押え義務を課す規定と解されるが、実務上は換価の猶予・徴収の猶予・滞納処分の停止など同法の他の制度と併せて運用され、差押えの時期や対象の選択には一定の判断の余地が残るとされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:地方税法(昭和25年法律第226号)の制定により、法人の道府県民税に係る滞納処分の規定として設けられた
- 2.平成16年(2004年) 改正:破産法(平成16年法律第75号)の制定に伴い、4項に破産事件を取り扱う裁判所に対する交付要求の規定が整備された
- 地方税法 第13条の2繰上徴収の要件、3項の直ちに差押えの前提
- 地方税法 第14条地方税優先の原則、差押財産の配当順位
- 地方税法 第15条の6申請による換価の猶予、差押え回避の出口
- 地方税法 第15条の7滞納処分の停止、無財産時の執行打切り
- 地方税法 第18条徴収権の5年消滅時効
- 国税徴収法 第62条債権差押えの手続、第三債務者への通知
- 国税徴収法 第86条参加差押えの要件、5項が準拠
- 破産法 第114条租税等の請求権の届出、4項の交付要求先
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