地方税法 第14条(地方税優先の原則)
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地方団体の徴収金は、納税者又は特別徴収義務者の総財産について、本節に別段の定がある場合を除き、すべての公課(滞納処分の例により徴収することができる債権に限り、かつ、地方団体の徴収金並びに国税及びその滞納処分費(以下本章において「国税」という。)を除く。以下本章において同じ。)その他の債権に先だつて徴収する。
この条文の基本情報
地方税優先の原則とは何ですか?
定義地方税優先の原則とは、地方税法第14条に定められた規定で、「地方団体の徴収金は、納税者又は特別徴収義務者の総財産について、本節に別段の定がある場合を除き、すべての公課(滞納処分の例により徴収することができる債権に限り、か…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第14条(地方税優先の原則)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第14条の条文原文は「地方団体の徴収金は、納税者又は特別徴収義務者の総財産について、本節に別段の定がある場合を除き、すべての公課(滞納処分の例により徴収することができる債権に限り、か…」で始まります。
- 地方税法第14条は第七節 地方税優先の原則及び地方税と他の債権との調整に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第14条の前の条は地方税法第13条の4です。
- 地方税法第14条の次の条は地方税法第14条の2です。
- 地方税法第14条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第14条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第14条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/14
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法14条は、地方団体の徴収金を、納税者の総財産から国税を除くすべての公課その他の債権に先立って徴収すると定める。ただし法定納期限等以前の抵当権には劣後する。
Q · 滞納している住民税と、銀行の抵当権や取引先への借金は、どっちが先に回収されるの?
原則は税が先。ただし先に登記した抵当権は税に勝つ
地方税法14条により、住民税や固定資産税などの地方税は、差押えや競売の配当で私的な債権より先に回収されるのが原則です。ただし同節の別段の定めにより、その税の法定納期限等以前に設定・登記された抵当権や質権は税に優先し、強制換価手続の費用も先に支払われます。国税とは同順位で、先に差し押さえた側が優先します。順位は「税か民間か」ではなく、時間の先後で決まります。
解説
「すべての公課その他の債権に先だつて徴収する」。地方税法14条のこの一句によって、滞納者の財産から回収しようとする債権者の列に、都道府県や市町村が先頭から入ることになる。取引先の売掛金、知人の貸金、カード会社の請求も、強制換価(差押えた財産を売って現金化し、債権者に配る手続)の配当では、原則として住民税・固定資産税・自動車税の後ろに回る。ただし条文は「本節に別段の定がある場合を除き」と書いている。滞納税の法定納期限等より前に登記された抵当権は税に勝ち、国税と地方税は同じ順位で、先に差し押さえた側が先に取る。つまり順位は「税か民間か」だけでは決まらず、「いつ登記したか、いつ差し押さえたか」という時間の先後で決まる。お金を貸す、不動産を買う、取引先と長く付き合う。どの立場でも、相手の滞納税を確かめずに動けば、配当の場面で行政に先を越されることになる。
法的な位置づけ
地方税法14条は地方税優先の原則を定める規定であり、地方団体の徴収金が、納税者又は特別徴収義務者の総財産について、国税及び地方団体の徴収金を除く公課その他の一般債権に先立って徴収される旨を規定する。担保権との優劣、国税との調整などの例外は同節の後続規定に委ねられている。
手順
- 1.相手の納税証明書を取り寄せる 融資・担保設定・不動産購入の前に、相手方に市区町村・都道府県の納税証明書(未納税額のない証明)の提出を求め、地方税の滞納の有無を確認する
- 2.登記簿で差押登記と既存担保を確認する 対象不動産の登記事項証明書を取得し、甲区の差押登記・参加差押登記、乙区の先順位抵当権を確認する。税の差押えが既にあれば取引条件を見直す
- 3.抵当権の設定登記を早期に完了する 契約締結と同時に抵当権設定登記を申請し、相手方の滞納税の法定納期限等より前に登記を入れることで、後から税が差し押さえても配当で劣後しない地位を確保する
- 4.配当表を確認し、必要なら配当異議を申し出る 競売で配当表が示されたら、税の法定納期限等と自らの担保権の設定日を照合する。順位に誤りがあれば配当期日に配当異議を申し出る(民事執行法89条)
よくある質問 AI による整理
Q1地方税優先の原則とは?
地方税法14条が定める原則で、滞納者の財産を換価して配当するとき、住民税・固定資産税などの地方税が国税以外の公課や一般債権より先に回収されるというルールです。
Q2抵当権と固定資産税の滞納 どっちが優先?
抵当権の設定登記が、その固定資産税の法定納期限等以前であれば抵当権が優先します。登記が後なら税が先に配当を受けます。基準は登記日と法定納期限等の先後です。
Q3法定納期限等とは何ですか?
担保権と税の優劣を判定する基準日です。原則は法律上の納期限ですが、更正・決定による税などでは通知書の発送日等に置き換わる場合があり、税目ごとに確認が必要です。
Q4競売の配当で税金が引かれるのはなぜ?
自治体や税務署が交付要求をして配当に参加し、地方税法14条・国税徴収法8条の優先権で一般債権より先に配当を受けるためです。配当表の上位に税が載るのはこのためです。
Q5国民健康保険料と住民税 どっちが優先?
地方税が優先します。国民健康保険料は滞納処分の例により徴収できる「公課」で、地方税法14条により地方税の後ろに並びます。ただし「国民健康保険税」の形なら地方税そのものです。
Q6特別徴収の住民税を滞納すると会社はどうなる?
特別徴収義務者である会社の総財産が地方税優先の対象となり、預金や売掛金が差し押さえられれば、他の債権者より先に税へ充てられます。経営者個人の信用問題にも直結します。
Q7税金の優先権は財産を譲渡しても追いかける?
原則として追いかけません。税の優先は配当順位のルールで、抵当権のような追及効はありません。ただし低額譲受人などには第二次納税義務が課される場合があります。
Q8強制換価手続の費用と税金はどっちが先?
手続費用が先です。競売や滞納処分そのものにかかった費用は、債権者全体のための費用として、地方税より優先して配当されるよう同節で定められています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1カードの支払いと住民税の滞納、どっちを先に払えばいいの?
差押えのリスクで考えるなら税である。地方税は滞納処分(裁判所を通さず役所が自分で差し押さえる手続)ができ、強制換価の場面では地方税法14条により私的な債権より先に回収される。カード会社は判決などの債務名義がなければ差し押さえられない。実務のポイント:役所の徴収担当は、滞納者が他の借金の返済を優先していると分かると、預金や給与の差押えに素早く動く傾向がある。先に税の分割納付を相談しておく人ほど、生活口座を守りやすい
Q2国税と地方税の両方を滞納してたら、どっちが先に取られるの?
両者は同順位で、どちらかが当然に優先するわけではない。地方税法14条は国税を「公課」から除いて別扱いにしている。実際の順番は、先に差し押さえた側が優先する差押先着手(地方税法14条の6、国税徴収法12条)で決まる。実務のポイント:税務署と市役所は、相手が先に差し押さえた財産にも交付要求で配当を求めてくる。一つの窓口と話がまとまれば終わり、とは限らない。分割納付の交渉は、国税と地方税の両方の窓口で並行して進める必要がある
Q3会社が倒産したら、給料と税金はどっちが先に払われるの?
手続で変わる。破産以外の強制換価では、地方税法14条により税が給与債権の先取特権(民法306条、308条)より優先する。破産手続では、開始前3か月分の給料は財団債権(破産法149条)となり、納期限から1年以内の税なども財団債権(破産法148条)として並ぶ。実務のポイント:未払賃金立替払制度(賃金の支払の確保等に関する法律)を使えば、配当を待たずに未払給料の一部を国から立て替えてもらえる。配当の順番争いに加わる前に、労働基準監督署へ相談したほうが早い
間違えやすい点 AI による整理
- 「税金は何があっても最優先」という理解は半分しか合っていない。14条自体が「本節に別段の定」という例外を予定しており、滞納税の法定納期限等より前に設定された抵当権や質権は税に優先する。さらに競売手続の費用も税より先に払われる。税の優先は絶対の王座ではなく、時間の先後で崩れる相対的な順位である
- 「国税と地方税はどちらが先か」という問いの立て方そのものがずれている。条文は国税を「公課」から除いており、国税と地方税は互いに優劣のない同順位として扱われる。勝負を分けるのは税の種類ではなく、どちらが先に差押えをしたか(差押先着手)、どちらが先に交付要求をしたかという手続の速さである
- 特別徴収義務者である会社の経営者は、天引きした住民税を「一時的に借りている運転資金」くらいに考えがちである。法律から見れば、それは本来市町村に納めるべき地方団体の徴収金であり、会社の総財産から他の債権者より優先して取り立てられる。経営者の感覚と法律の扱いのこの差が、資金繰りが悪化したときに会社の口座を一気に凍らせる
- 税の優先は滞納者の「財産そのもの」についてくると思われがちだが、実際には差押えや強制換価の配当で働く順位のルールであり、抵当権のような追及効(財産が第三者に移っても追いかけていく力)は原則としてない。ただし不当に安く譲り受けた人には第二次納税義務が及ぶ場合があり、「移せば逃げられる」わけでもない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の内容 | 地方税法14条:地方税は国税以外の公課・一般債権に優先(総則的原則) | 地方税法14条の6:差押えをした地方税・国税が交付要求の税に優先(差押先着手) 地方税法14条の10:法定納期限等以前に設定された抵当権は地方税に優先 |
| 比較の相手方 | 一般債権・公課 | 他の地方税・国税 抵当権者(銀行など) |
| 順位を決める基準 | 債権の性質(税か否か) | 差押えの時間的先後 抵当権設定と法定納期限等の先後 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾も税の普通債権への優先を定め、土地増値税・地価税・房屋税は抵当権にも優先する点で日本より税の地位が強い
韓国も地方税・国税の優先を定め、法定期日前に設定された担保権を保護する構造で日本と類似する
中国は税が無担保債権に優先し、欠税が担保設定前に発生していれば担保権にも優先すると定める
ドイツは1999年の倒産法施行で租税の倒産優先権を廃止し、租税債権は原則として一般債権と同列に扱われる
米国は連邦税リーエンが成立するが、通知の登録前に権利を取得した購入者や担保権者には対抗できない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先の社長に300万円を貸したが返ってこない。ようやく判決を取って社長名義の土地を競売にかけたら、配当表では滞納していた固定資産税と住民税が先に引かれ、あなたの手元にはほとんど残らなかった。登記簿の「差押」欄を最初に見ていれば、貸す前に気付けた
- あなたが経営する小さな会社では、従業員の給与から住民税を天引きしていた(特別徴収)。資金繰りが苦しくなり、市への納付を三か月止めた。もし会社の預金や売掛金がまとめて差し押さえられたら、どうなる? 預かった税金を納めていないという事実が、他の債権者より先に会社の口座を空にする
- 中古マンションの購入を検討している。売主に固定資産税の滞納があり、まだ差押登記はついていない。決済日まであと5日。その間に市が差押登記を入れれば取引そのものが止まる。売主の納税証明書を、今日中に取り寄せてもらうべきである
- 実家の母から「市役所から督促状が来ているけど、カードの支払いを先にしてもいい?」と LINE が来た。短く答えるなら、後回しにしてよいのはカードのほうである。差押えのとき優先されるのは税金だからだ
- 銀行員のあなたは、融資先の不動産に抵当権を設定する担当になった。融資先には前年度の事業税の滞納がある。抵当権の設定登記がその滞納税の法定納期限等より前か後かで、競売のときに銀行が税に勝つか負けるかが決まる。審査書類に納税証明書がない融資案件は、それだけで危うい
取るべき行動
被害を受けた側:税に先を越された債権者の立場である。1. 登記簿謄本で抵当権設定日と差押登記の日付を確認し、滞納税の法定納期限等と比べる。抵当権が先なら税に優先する2. 配当表に納得できなければ、配当期日に配当異議を申し出る(民事執行法89条) 3. 滞納者が財産を安く第三者へ移していないかを調べる4. 今後の取引では、担保設定前に納税証明書の提出を条件にする
訴えられた側:税を滞納している本人の立場である。1. 督促状を放置しない。督促から10日を過ぎると差押えが可能になる税目が多い2. 差押え前に窓口で分割納付・徴収猶予(地方税法15条)・換価の猶予を相談する3. 特別徴収した住民税は優先して納める。経営者の信用と会社の口座を守るための最低限である4. 破産を検討するなら、税は原則として免責されない(破産法253条)ことを前提に資金計画を立てる
時効(請求できる期限):地方税の徴収権は法定納期限の翌日から5年で時効により消滅する(地方税法18条)。ただし督促・差押え・交付要求などで時効は更新される。差押えは、督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに完納されない場合に可能となる税目が多い(住民税は地方税法331条など、税目ごとに規定)。延滞金の割合は毎年変動する(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:地方税法14条は地方税の一般的優先権を宣言する総則規定であり、具体的な優劣は同節の差押先着手、交付要求先着手、担保権との調整規定によって決まる。国税徴収法8条以下と並行する構造をとる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:地方税法(昭和25年法律第226号)の制定により、地方団体の徴収金の優先徴収が規定された
- 地方税法 第14条の6差押先着手による地方税の優先(現行効力を要確認)
- 地方税法 第14条の7交付要求先着手による優先(現行効力を要確認)
- 地方税法 第14条の10法定納期限等以前の抵当権の優先(現行効力を要確認)
- 地方税法 第15条徴収猶予、滞納処分の回避手段
- 地方税法 第18条徴収権の5年消滅時効
- 国税徴収法 第8条国税優先原則、地方税と同順位の並行規定
- 破産法 第148条破産時に一定の租税を財団債権とする特則
- 破産法 第253条租税等の請求権を非免責債権とする
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