地方公務員法 第26条の5(自己啓発等休業)
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- 任命権者は、職員(臨時的に任用される職員その他の法律により任期を定めて任用される職員及び非常勤職員を除く。以下この条及び次条(第八項及び第九項を除く。)において同じ。)が申請した場合において、公務の運営に支障がなく、かつ、当該職員の公務に関する能力の向上に資すると認めるときは、条例で定めるところにより、当該職員が、三年を超えない範囲内において条例で定める期間、大学等課程の履修(大学その他の条例で定める教育施設の課程の履修をいう。第五項において同じ。)又は国際貢献活動(国際協力の促進に資する外国における奉仕活動(当該奉仕活動を行うために必要な国内における訓練その他の準備行為を含む。)のうち職員として参加することが適当であると認められるものとして条例で定めるものに参加することをいう。第五項において同じ。)のための休業(以下この条において「自己啓発等休業」という。)をすることを承認することができる。
- 2.自己啓発等休業をしている職員は、自己啓発等休業を開始した時就いていた職又は自己啓発等休業の期間中に異動した職を保有するが、職務に従事しない。
- 3.自己啓発等休業をしている期間については、給与を支給しない。
- 4.自己啓発等休業の承認は、当該自己啓発等休業をしている職員が休職又は停職の処分を受けた場合には、その効力を失う。
- 5.任命権者は、自己啓発等休業をしている職員が当該自己啓発等休業の承認に係る大学等課程の履修又は国際貢献活動を取りやめたことその他条例で定める事由に該当すると認めるときは、当該自己啓発等休業の承認を取り消すものとする。
- 6.前各項に定めるもののほか、自己啓発等休業に関し必要な事項は、条例で定める。
この条文の基本情報
自己啓発等休業とは何ですか?
定義自己啓発等休業とは、地方公務員法第26条の5に定められた規定で、「任命権者は、職員(臨時的に任用される職員その他の法律により任期を定めて任用される職員及び非常勤職員を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方公務員法第26条の5(自己啓発等休業)は、日本の地方公務員法に含まれる条文です。
- 地方公務員法第26条の5の条文原文は「任命権者は、職員(臨時的に任用される職員その他の法律により任期を定めて任用される職員及び非常勤職員を除く。」で始まります。
- 地方公務員法第26条の5は第四節の二 休業に置かれています。
- 地方公務員法の公布日は昭和25年12月13日です。
- 地方公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 地方公務員法第26条の5の前の条は地方公務員法第26条の4です。
- 地方公務員法第26条の5の次の条は地方公務員法第26条の6です。
- 地方公務員法第26条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第26条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000261 - 本サイト収録
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第26条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000261/26_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方公務員法26条の5は、常勤の地方公務員が任命権者の承認を得て、最長3年、職を保有したまま大学院等での履修や国際貢献活動のため休業できる制度を定める。休業中は無給。
Q · 地方公務員は、職を辞めずに大学院や海外ボランティアへ行けるの?
行けるが権利ではなく、任命権者の承認が必要
地方公務員法26条の5により、常勤の職員は申請して任命権者の承認を受ければ、3年を超えない範囲で条例で定める期間、大学等課程の履修または国際貢献活動のために休業できます。休業中も職は保有しますが、給与は支給されません。承認は「公務の運営に支障がない」ことと「公務に関する能力の向上に資する」ことが要件で、任命権者の裁量に委ねられています。臨時的任用職員、任期付職員、非常勤職員は対象外です。
解説
役所に勤める正規職員は、最長3年まで職員の身分を保ったまま、大学院に通ったり、海外でボランティアをしたりできる。ただし、休業中の給与はゼロである。地方公務員法26条の5は、この「自己啓発等休業」を定めている。まず押さえるべきは、これが権利ではない点だ。条文は「承認することができる」としか書いていない。任命権者(あなたの人事権を持つ首長や教育委員会など)は、「公務の運営に支障がないか」と「公務に関する能力の向上につながるか」の二つを見て判断する。つまり申請書は、自分の夢を語る作文としては通らない。役所にどう還元できるかを示す提案書として書く必要がある。次に、休業中も職は残るが、給与は1円も出ない(3項)。さらに、休職や停職の処分を受ければ承認は自動的に効力を失い(4項)、途中で通学やボランティアをやめれば承認は必ず取り消される(5項)。期間の細かい中身は各自治体の条例で決まるため、自分の自治体の条例を先に確認した人から順に、この制度を使いこなしている。
法的な位置づけ
自己啓発等休業とは、地方公務員法26条の5に基づき、任命権者が常勤職員の申請を承認することにより、3年を超えない範囲で条例で定める期間、職員が職を保有したまま職務に従事せず、大学等課程の履修または国際貢献活動を行う無給の休業をいう。承認の可否は任命権者の裁量に属し、休職・停職処分により失効する。
手順
- 1.自治体の条例・規則を確認する 自己啓発等休業に関する条例と人事委員会規則を読み、対象となる教育施設・国際貢献活動の範囲、休業期間の上限、申請期限、給与・退職手当上の扱いを確認する
- 2.出願前に所属長・人事課へ打診する 大学院出願や協力隊応募の前に、所属長と人事課へ休業構想を伝え、人員配置への影響と代替要員の案をすり合わせる。前年度の人員計画に組み込ませることが承認の近道になる
- 3.公務への還元を明示した申請書を作成する 研究テーマや活動内容を所属部署の懸案事項・自治体計画と結び付け、「公務に関する能力の向上に資する」ことを具体的に示した申請書を作成し、合格通知等と併せて提出する
- 4.休業中の服務と報告を管理する 休業中も職を保有しているため、報酬を伴う活動は38条の許可を事前に得る。在学証明書や活動報告を定期的に提出し、復職後の配置について人事課と連絡を保つ
よくある質問 AI による整理
Q1自己啓発等休業とは何ですか?
地方公務員法26条の5に基づき、常勤職員が職を保有したまま、大学等での履修や海外での国際貢献活動のために無給で休業できる制度です。
Q2自己啓発等休業は最長何年取れますか?
法律上の上限は3年です。実際の期間は各自治体の条例で定められ、大学等の履修と国際貢献活動で上限を分けている自治体もあります。
Q3会計年度任用職員は自己啓発等休業を取れますか?
取れません。1項が臨時的任用職員、任期を定めて任用される職員、非常勤職員を対象から除外しており、会計年度任用職員もこれに当たります。
Q4通信制大学や放送大学でも自己啓発等休業の対象になりますか?
対象となる教育施設は「大学その他の条例で定める教育施設」です。通信制課程を含むかは自治体の条例・規則次第なので、申請前に人事課で確認が必要です。
Q5JICA 海外協力隊に自己啓発等休業で参加できますか?
国際貢献活動として条例で定めるものに該当すれば可能です。派遣前の国内訓練も準備行為として休業期間に含められると条文が明記しています。
Q6自己啓発等休業中のボーナスや退職金はどうなりますか?
休業中は給与が支給されず、期末・勤勉手当や退職手当の算定期間にも影響します。除算の割合は各自治体の給与条例・退職手当条例で決まります。
Q7自己啓発等休業中に大学院を中退したらどうなりますか?
履修を取りやめた場合、任命権者は承認を取り消さなければなりません(5項)。休業は終了し、職務に復帰することになります。
Q8自己啓発等休業中の共済掛金は払う必要がありますか?
組合員資格は継続し、育児休業のような掛金免除の規定はないのが一般的です。無給でも本人負担が生じ得るため、所属の共済組合に事前確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1休業中に大学院の TA や研究補助のバイトをしてもいいんですか?
休業中も職は保有しているため(26条の5第2項)、報酬を得る活動には38条の営利企業等従事制限がかかり、任命権者の許可が必要になる。実務のポイント:TA の給与は少額でも許可なしに受け取ると服務違反になり得る。休業の申請と同時に兼業許可の申請も出しておくと、後から問題にされない
Q2戻ってきたら、元の部署に戻れるんですか?
条文が保障しているのは「職」を保有することで、元の部署の席ではない(2項)。休業中に異動が発令されることもある。実務のポイント:復職時の配置は、休業中に人事課とどれだけ連絡を取っていたかで大きく変わる。学んでいる内容の報告を年に一度でも送っている人は、それを活かせる部署に戻されやすい
間違えやすい点 AI による整理
- 育児休業と同じように、申請すれば取れる権利だと思われがちである。しかし条文は「承認することができる」であり、任命権者の裁量に任されている。職場の人員事情だけで断られることもあり得るので、申請より先に根回しと代替要員の案を用意した人が通りやすい
- 無給であることは知っていても、その影響の広さまで計算している人は少ない。給与が止まるだけでなく、期末手当・勤勉手当や昇給、退職手当の算定期間にも跳ね返る。どの程度除算されるかは各自治体の給与条例と退職手当条例で決まる(最新の条例をご確認ください)。3年休めば、生涯の収入差は休業期間中の給与合計より大きくなり得る
- 「休業中は公務員ではないから、何をしても自由」という発想の前提がそもそも誤っている。2項により職は保有したままで、職務に従事しないだけだ。信用失墜行為の禁止(33条)、守秘義務(34条)、政治的行為の制限(36条)は休業中も外れない。海外で SNS に書いた一言が懲戒の対象になることもある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 休業の目的 | 26条の5:大学等課程の履修または国際貢献活動 | 26条の4(修学部分休業):大学等での修学 26条の6(配偶者同行休業):外国で勤務等をする配偶者との生活 |
| 休業の形態 | 全日休業(職務に従事しない) | 1週間の勤務時間の一部のみ勤務しない 全日休業(職務に従事しない) |
| 期間の上限 | 3年を超えない範囲で条例で定める期間 | 修学に必要と認められる期間として条例で定める期間 3年を超えない範囲で条例で定める期間 |
| 給与 | 支給しない | 勤務しない時間分を減額 支給しない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では公務員が国内外の進修のため留職停薪(職を保有したまま無給)となる仕組みがあり、機関の同意を要する点で日本と構造が近い
韓国の地方公務員法も休職制度の中に自己開発のための休職を置き、任命権者の判断による点で日本と類似する
ドイツでは州ごとの官吏法が無給休暇を定め、職務上の利益に反しないことを要件とする例が多い
米国の地方公務員は州・自治体ごとの Leave Without Pay 規則に委ねられ、統一的な法律上の制度はない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 県庁勤務8年目。社会人向けの公共政策大学院に合格した。退職して進学するか、自己啓発等休業で職を残したまま2年間通うか。同じ合格通知でも、条例を読んだかどうかで、修了後の人生の選択肢は大きく変わる
- JICA 海外協力隊の二次選考に合格したが、派遣前の国内訓練まであと2か月しかない。休業の申請が承認されるまでの期間を考えると、人事課への相談は今週中に始めないと間に合わない。条文は国内での訓練も国際貢献活動に含めているので、訓練開始日を休業の始まりにする設計で申請を組み立てる
- 大学院に休業で通っていた職員が、半年で授業に出なくなり、実家の家業を手伝い始めた。人事課に知られたら、どうなるのか? 5項により承認は必ず取り消され、職場に戻ることになる。家業の中身によっては、38条の営利企業従事制限の問題も出てくる
- 人事課の担当者として、部下から3年間の休業申請を受けた。人手不足の係で、代わりの職員の当てはない。「公務の運営に支障」を理由に不承認にするなら、その根拠をどこまで説明できるかがあなたの側に問われる
- 会計年度任用職員として4年働き、正規職員と同じ業務をこなしている。それでも自己啓発等休業は使えない。1項が非常勤職員と任期付きの職員を対象から外しているからだ
取るべき行動
被害を受けた側:申請が不承認になった場合:1. まず不承認の理由を書面で求める。「支障」の中身が人員不足だけなのかを確かめる2. 時期をずらす、期間を短くする、国際貢献活動に切り替えるなど、条件を変えた再申請を検討する3. 不承認そのものは申請に対する判断であり、49条の2の審査請求の対象になるかは実務上解釈が分かれる。勤務条件として人事委員会・公平委員会に措置要求(46条)を出す道もある4. 教員であれば、教育公務員特例法の大学院修学休業も並行して検討する
訴えられた側:承認の取消しや失効を告げられた場合:1. 取消しの事由(5項の履修中止か、条例で定める事由か)を特定させ、在籍証明や活動記録で事実関係を争う2. 休学が一時的なものか、やむを得ない事情によるものかを説明する資料を早めに出す3. 取消しは不利益処分に当たるとして、処分説明書の交付を求めたうえで人事委員会・公平委員会への審査請求(49条の2)を検討する。対象になるかは実務上解釈が分かれる4. 復職後の配置と給与の扱いを文書で確認する
時効(請求できる期限):本条そのものに特定の時効はない。休業期間は3年以内で、条例で定める期間に限られる。不利益処分に対する審査請求は、処分説明書を受け取った日の翌日から3か月以内、処分があった日の翌日から1年以内(地方公務員法49条の3)。申請期限は各自治体の条例と規則で定められている(最新の条例をご確認ください)
学説
通説的理解:自己啓発等休業の承認は任命権者の裁量に属し、職員に休業の請求権はない。ただし裁量判断も、公務の運営への支障と能力向上への寄与という法定要件に即して行う必要があり、考慮すべき事項を考慮しない判断は裁量権の逸脱・濫用となり得る
改正沿革 AI による整理
- 平成19年(2007年)ごろ 地方公務員法の一部改正で自己啓発等休業制度が設けられたとされる。国家公務員の自己啓発等休業に関する法律と同時期の整備である。その後、会計年度任用職員制度の導入などに伴う文言の整理があったかどうかは要確認
改正の年表
- 1.平成19年(2007年) 新設:地方公務員法の一部改正により自己啓発等休業制度が設けられた。国家公務員の自己啓発等休業制度の整備と同時期の措置
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