地方公務員法 第28条(降任、免職、休職等)
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- 職員が、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、その意に反して、これを降任し、又は免職することができる。
- 一人事評価又は勤務の状況を示す事実に照らして、勤務実績がよくない場合
- 二心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えない場合
- 三前二号に規定する場合のほか、その職に必要な適格性を欠く場合
- 四職制若しくは定数の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合
- 2.職員が、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、その意に反して、これを休職することができる。
- 一心身の故障のため、長期の休養を要する場合
- 二刑事事件に関し起訴された場合
- 3.職員の意に反する降任、免職、休職及び降給の手続及び効果は、法律に特別の定めがある場合を除くほか、条例で定めなければならない。
- 4.職員は、第十六条各号(第二号を除く。)のいずれかに該当するに至つたときは、条例に特別の定めがある場合を除くほか、その職を失う。
この条文の基本情報
降任、免職、休職等とは何ですか?
定義降任、免職、休職等とは、地方公務員法第28条に定められた規定で、「職員が、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、その意に反して、これを降任し、又は免職することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方公務員法第28条(降任、免職、休職等)は、日本の地方公務員法に含まれる条文です。
- 地方公務員法第28条の条文原文は「職員が、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、その意に反して、これを降任し、又は免職することができる。」で始まります。
- 地方公務員法第28条は第五節 分限及び懲戒に置かれています。
- 地方公務員法の公布日は昭和25年12月13日です。
- 地方公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 地方公務員法第28条の前の条は地方公務員法第27条です。
- 地方公務員法第28条の次の条は地方公務員法第28条の2です。
- 地方公務員法第28条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第28条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000261 - 本サイト収録
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第28条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000261/28
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方公務員法28条は、勤務実績不良や心身の故障など法定事由がある場合に限り、職員を意に反して降任・免職・休職できると定める。拘禁刑以上の刑が確定すると原則失職する。
Q · 公務員って、法律上どんなときに本人の意思に反してクビや休職にされるの?
法定事由がなければ意に反する免職はできない
地方公務員法28条1項は、勤務実績不良、心身の故障、適格性の欠如、廃職・過員の4つの場合に降任・免職を認め、2項は心身の故障による長期休養と刑事事件での起訴の2つの場合に休職を認めます。これを分限処分といい、懲戒(29条)と違って制裁ではありません。また4項により、拘禁刑以上の刑が確定するなど16条の欠格事由(2号を除く)に該当すると、条例に特例がない限り処分を経ずに当然に失職します。
解説
「公務員は簡単にはクビにならない」という通説は、半分正しく、半分は危険な思い込みである。地方公務員法28条は、任命権者(あなたの人事権を握る知事・市町村長・教育委員会など)が、本人の同意なしに降任・免職・休職を命じられる場面を列挙している。降任・免職は4つ、休職は2つだ。これを「分限」という。非違行為(ルール違反や不祥事)への制裁である懲戒(29条)とは別物である。罰ではないため、あなたに落ち度がなくても発動されうる。うつ病による長期療養、刑事事件での起訴、所属ポストの廃止がその例だ。さらに4項は、そもそも処分を必要としない。拘禁刑以上の刑が確定すれば、執行猶予付きであっても、条例に特例がない限り辞令一枚なく職を失う。逆にいえば、法律と条例が定める事由に当たらない限り、あなたの意に反して身分を動かすことはできない(27条2項)。どの号を根拠にされたかを知ることが、防御の出発点になる。
法的な位置づけ
分限処分とは、地方公務員法28条に基づき、任命権者が公務の能率維持を目的として、職員の意に反して行う降任・免職・休職・降給をいう。非違行為への制裁である懲戒処分(同法29条)とは区別され、法律に定める事由がある場合に限り行うことができ、その手続と効果は条例で定められる。
手順
- 1.処分の根拠条項を書面で確認する 辞令を受けたら処分説明書で根拠が28条何項何号かを確認する。交付がなければ49条2項に基づき交付を請求する(請求から15日以内に交付義務)
- 2.反論材料を集める 心身の故障が理由なら主治医の意見書で就労可能性と回復見込みを文書化し、勤務実績不良が理由なら人事評価・指導記録の自己情報開示請求を行う
- 3.期限内に審査請求する 処分を知った日の翌日から3か月以内(処分の日の翌日から1年以内)に、人事委員会または公平委員会へ審査請求書を提出する
- 4.裁決後に取消訴訟を検討する 裁決に不服があれば、裁決を知った日から6か月以内に取消訴訟を提起する。4項の失職の場合は審査請求ではなく地位確認訴訟を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1分限処分とは何ですか?
公務の能率を保つため、職員の意に反して行う降任・免職・休職・降給のことです。地方公務員法28条が根拠で、制裁である懲戒とは区別されます。
Q2分限免職と懲戒免職の違いは?
分限免職は能力・健康・組織改廃を理由とする措置で制裁ではなく、懲戒免職は非違行為への制裁です。退職手当の扱いも大きく異なります。
Q3公務員 分限休職 期間はいつまで?
心身の故障による休職期間は条例で定められ、多くの自治体で最長3年です。起訴休職は原則として事件が裁判所に係属している間続きます。
Q4公務員 執行猶予 失職する?
拘禁刑以上の刑が確定すれば、執行猶予付きでも地方公務員法28条4項・16条により原則失職します。条例に特例がある場合は例外です。
Q5分限処分に不服があるときの方法は?
処分を知った日の翌日から3か月以内に人事委員会または公平委員会へ審査請求します。取消訴訟は裁決を経た後に提起します。
Q6勤務実績不良で降任されることはある?
あります。28条1項1号により、人事評価や勤務状況の事実に照らして勤務実績がよくない場合、降任・免職が可能です。記録の裏付けが必要です。
Q7分限休職中の給与はどうなる?
給与条例により減額されるのが一般的です。心身の故障による休職と起訴休職で支給割合が異なることが多く、各自治体の条例で確認が必要です。
Q8条件付採用期間中の職員も分限処分の保護を受けられる?
受けられません。地方公務員法29条の2により、条件付採用期間中の職員には28条1項から3項や審査請求の規定が適用されません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うつで休職になったら、そのままクビになっちゃうんですか?
自動的にそうなるわけではない。2項1号の分限休職の期間(多くの条例で最長3年)が満了しても回復していない場合に、1項2号による分限免職が検討される。多くの自治体の条例では、その判断に医師の診断が必要とされている。実務のポイント:人事当局は満了日から逆算して動く。満了の直前に診断書を出すのでは遅い。数か月前から試し出勤の記録を積み、主治医の「復職可能」の意見を先に出しておいた人が、職場に戻っている
Q2逮捕されただけで休職させられるんですか?
2項2号の要件は「起訴された場合」であり、逮捕や勾留だけでは起訴休職にはならない。不起訴であれば、この号は使えない。実務のポイント:条文は「できる」と書かれており、起訴されれば必ず休職になるわけではない。略式命令で罰金にとどまる事案では休職を発令しない運用もあり、自治体によって運用が分かれている。休職の判断が出る前に、起訴の形式と身柄の状況を人事に正確に伝えておくことが重要になる
Q3分限免職と懲戒免職って、退職金は違うんですか?
大きく違う。懲戒免職(29条)は、退職手当条例により全部または一部が支給されないことがある。一方、分限免職は制裁ではないため、原則として支給される。実務のポイント:見落とされやすいのが4項の失職である。多くの退職手当条例は、国の国家公務員退職手当法12条にならい、失職の場合も不支給となりうると定めている。過失による交通事故で執行猶予付きの判決を受けただけでも、退職金を失うおそれがある。条例に失職の特例があるかどうかを確認しておくべきだ
Q4担当業務が民間委託されたら、職員はクビになるんですか?
1項4号の「廃職又は過員」に当たれば、法律上は分限免職が可能である。ただし実務では、配置転換や他の職への任用によって免職を避けるのが通例である。実務のポイント:審査や訴訟では、任命権者が免職を避けるためにどれだけ努力したかが厳しく問われる傾向がある。欠員のある部署の一覧、転任の打診の有無、希望聴取の記録を早い段階で求めておくことが、後で効いてくる
間違えやすい点 AI による整理
- あなたの側から見れば、分限免職は「クビ」であり、懲戒と同じ不名誉に映る。だが法律上は制裁ではなく、組織の能率を保つための措置にすぎない。この落差は両方向に効く。「何も悪いことをしていない」は反論にならない一方で、退職手当は原則として支給されるし、懲戒免職のように「前科」のような記録も残らない。恥じて争いを諦めるのは、法律の構造を読み違えている
- 「失職を人事委員会に審査請求して取り消してもらう」という発想は、問いの立て方そのものが誤っている。4項の失職は任命権者の処分ではなく、法律上当然に生じる効果である。取り消す対象となる「処分」が存在しない以上、審査請求の対象にならない。争うのであれば、職員としての地位確認を求める訴訟を選ぶことになる
- 起訴されれば休職になりうることは、多くの人が知っている。知られていないのは、その重さである。無罪推定の原則があっても起訴休職は発令できる。期間は原則として事件が裁判所に係属している間続き、数年に及ぶこともある。その間の給与は条例により大きく減る。無罪が確定しても、減った給与が当然に全額戻る仕組みにはなっていない自治体もある(各自治体の給与条例をご確認ください)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 性質 | 28条1項〜3項 分限:公務能率維持のための措置(制裁ではない)/4項 失職:法律上当然の効果 | 29条 懲戒:非違行為に対する制裁 16条 欠格条項:職員となる資格そのものの欠如 |
| 本人の落ち度 | 不要(病気・起訴・廃職でも発動されうる) | 必要(法令違反・職務上の義務違反・非行) 刑の確定・懲戒免職歴など法定の欠格事由 |
| 争い方 | 分限処分は審査請求→取消訴訟、失職は地位確認訴訟 | 審査請求→取消訴訟 28条4項を経由して失職の成否を地位確認訴訟で争う |
| 退職手当 | 分限免職は原則支給、失職は条例により不支給となりうる | 懲戒免職は全部または一部不支給となりうる — |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も欠格事由に該当した公務員の任用を失効させる仕組みを持つ。羈押や徒刑執行中は職務が当然停止され、日本の起訴休職より発動時点が身柄拘束に結び付いている
韓国は当然退職・職権免職・休職を条文上分けて規定しており、日本の28条を分解したような構造をとる
ドイツでは故意犯で1年以上の自由刑が確定すると官吏関係が当然に終了する。職務不能の場合は免職ではなく退職(Ruhestand)に移行させるのが原則
米国連邦職員は業績不良・非行を理由とする adverse action に事前通知と MSPB への不服申立てが保障される。地方公務員は州・市の civil service 規定による
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 適応障害で病気休暇に入り、多くの自治体で上限とされる90日が近づいてきた。ある日、人事課から「休職の手続に入ります」と電話が来たら、何が起きるのか。2項1号の分限休職に移行し、休職期間の満了時に回復していなければ、1項2号の分限免職が視野に入る。満了日をまたぐ数週間に何を提出するかで、身分が残るかどうかが決まる
- あなたは課長として、指導を重ねても改善しない部下の分限降任を人事課に上申しようとしている。だが「勤務実績がよくない」は印象では足りない。人事評価の記録、具体的な指導・警告の日付、改善の機会を与えた経緯が一つでも欠ければ、人事委員会の審査で処分が取り消される。上申書を書く前に、記録の空白を数えるべきだ
- 通勤中の自家用車で歩行者に重傷を負わせ、過失運転致傷で拘禁刑1年・執行猶予3年が確定した。懲戒処分の通知は来ない。判決確定の時点で、身分はすでに法律上消えている
- 起訴状の写しが届いた翌週、「起訴休職」の辞令が出た。本人は無実を主張しており、公判は2年続く見込みだ。休職中の給与は多くの自治体で6割以内に減る。処分説明書を受け取った日から3か月以内に審査請求しなければ、休職の当否を争う道は閉じる
- 市立保育所の民営化が議会で可決された。保育士として採用されたあなたの職は、4号の「廃職又は過員」に当たりうる。実務では配置転換が先行することが多いが、免職を避ける努力が尽くされたかどうかが、後の争いで最大の争点になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 辞令と処分説明書で根拠の条項(28条何項何号)を確認する。説明書がなければ49条2項に基づき交付を請求する2. 心身の故障が理由なら、主治医の意見書で就労可能性と回復の見込みを文書にする3. 人事評価や指導の記録について、自己情報の開示請求を行う4. 処分を知った日の翌日から3か月以内に、人事委員会または公平委員会へ審査請求する。取消訴訟は裁決を経てからになる(51条の2) 5. 4項の失職であれば、審査請求ではなく地位確認訴訟を検討する
訴えられた側:1. 使う号を最初に確定させ、号ごとの要件を分けて立証を組み立てる2. 勤務実績の不良を理由とするなら、人事評価に加え、指導・警告・研修の日付入りの記録で改善の機会を与えた経緯を残す3. 心身の故障を理由とするなら、条例が定める医師の診断を必ず経る4. 適格性の欠如を理由とするなら、最判昭和48.9.14の「簡単に矯正できない持続性」の基準に照らす。降任で足りる場合に免職を選ばない5. 処分と同時に処分説明書を交付する
時効(請求できる期限):審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に行う。処分の日の翌日から1年を経過すると請求できない(地方公務員法49条の3)。取消訴訟は、裁決があったことを知った日から6か月以内に提起する(行政事件訴訟法14条)。処分説明書の交付請求を受けた任命権者は、15日以内に交付しなければならない(49条3項)。4項の失職は処分ではないため特定の期限はなく、地位確認訴訟で争うことになる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:分限は公務能率の維持を目的とする措置であり、職員の責任を問う懲戒とは目的を異にする。したがって同一事実について分限と懲戒を併せて行うことも理論上可能と解されている
通説:28条4項の失職は任命権者の処分を介さない法律上当然の効果であり、不利益処分に対する審査請求の対象とならず、地位確認訴訟によって争うべきものとされる
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)改正、平成28年(2016年)4月施行 人事評価制度の導入に伴い、1項1号を「人事評価又は勤務の状況を示す事実に照らして、勤務実績がよくない場合」と改正し、勤務実績の判断根拠を明文化した
- 令和元年(2019年)改正 成年被後見人等に係る欠格条項の削除により16条の号数が繰り上がったことに伴い、4項で除外する号の引用が改められた(要人的検証)
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:地方公務員法制定により、分限事由の限定列挙、手続・効果の条例委任、欠格該当による失職を定める
- 2.平成26年(2014年) 改正:人事評価制度の導入に伴い、1項1号を「人事評価又は勤務の状況を示す事実に照らして、勤務実績がよくない場合」に改め、2016年4月に施行
- 3.令和元年(2019年) 改正:成年被後見人等に係る欠格条項の削除に伴い16条の号数が繰り上がり、4項で除外する号の引用が改められた
- 4.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部改正に伴う整理により、欠格事由の「禁錮以上の刑」が「拘禁刑以上の刑」に改められ、2025年6月に施行
- 地方公務員法 第27条分限の公正原則と法定事由主義
- 地方公務員法 第29条制裁としての懲戒、分限との区別
- 地方公務員法 第16条欠格条項、4項失職の要件
- 地方公務員法 第29条の2条件付採用職員等への適用除外
- 地方公務員法 第49条の2不利益処分の審査請求
- 地方教育行政の組織及び運営に関する法律 第47条の2指導が不適切な教員の免職・転任の特則
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