地方公務員法 第27条(分限及び懲戒の基準)
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- 全て職員の分限及び懲戒については、公正でなければならない。
- 2.職員は、この法律で定める事由による場合でなければ、その意に反して、降任され、又は免職されず、この法律又は条例で定める事由による場合でなければ、その意に反して、休職され、又は降給されることがない。
- 3.職員は、この法律で定める事由による場合でなければ、懲戒処分を受けることがない。
この条文の基本情報
分限及び懲戒の基準とは何ですか?
定義分限及び懲戒の基準とは、地方公務員法第27条に定められた規定で、「全て職員の分限及び懲戒については、公正でなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方公務員法第27条(分限及び懲戒の基準)は、日本の地方公務員法に含まれる条文です。
- 地方公務員法第27条の条文原文は「全て職員の分限及び懲戒については、公正でなければならない。」で始まります。
- 地方公務員法第27条は第五節 分限及び懲戒に置かれています。
- 地方公務員法の公布日は昭和25年12月13日です。
- 地方公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 地方公務員法第27条の前の条は地方公務員法第26条の6です。
- 地方公務員法第27条の次の条は地方公務員法第28条です。
- 地方公務員法第27条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第27条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000261 - 本サイト収録
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第27条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000261/27
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方公務員法27条は、分限・懲戒の公正原則を定め、法律や条例に定める事由がなければ職員を意に反して降任・免職・休職・降給・懲戒できないとする規定。
Q · 公務員は法律で守られているから、クビにならないって本当?
法律に書かれた理由があれば免職される。理由のない処分はできない
地方公務員法27条が保障しているのは、「法律や条例に定める事由がなければ、本人の意に反して降任・免職・休職・降給されず、懲戒処分も受けない」ことです。免職されないという保障ではありません。勤務実績不良・心身の故障・適格性の欠如・廃職や過員(28条)、法令違反や非行(29条)に当たれば免職もありえます。また、本人が退職願を出した退職は「意に反する」処分ではないため、この保護の対象外になります。
解説
「公務員はクビにならない」という言い方は、半分しか正しくない。地方公務員法27条が保障しているのは、クビにならないことではない。法律や条例に書かれた理由がない限り、本人の意思に反して降任・免職・休職・降給されないこと、そして法律に定めのない理由では懲戒処分を受けないこと、の二つである。裏を返せば、法律に書かれた理由があれば公務員も免職される。勤務実績がよくない、心身の故障、職に必要な適格性を欠く、職の廃止や過員(28条)、法令違反や全体の奉仕者にふさわしくない非行(29条)などだ。そして1項の「公正でなければならない」という短い一文が、実際の争いでは最も効いてくる。同じ非違行為なのに自分だけ重い処分を受けた、手続がおかしい、処分の重さが釣り合わない、といった主張の足場になるからだ。処分を受けた職員がまず手にすべきは弁護士の名刺ではなく、処分説明書(49条)と、その裏にある審査請求の期限である。
法的な位置づけ
地方公務員法27条は、地方公務員の分限及び懲戒の基準を定める規定である。分限・懲戒の公正原則を宣言し、降任・免職は同法所定の事由、休職・降給は同法又は条例所定の事由、懲戒処分は同法所定の事由がある場合に限り、職員の意に反して行えるとする。具体的な事由は同法28条及び29条が定める。
よくある質問 AI による整理
Q1分限処分とは何ですか?
公務の能率を保つために、職員を降任・免職・休職・降給する処分です。制裁ではない点で懲戒処分と異なり、事由は地方公務員法28条と条例が定めます。
Q2地方公務員の懲戒処分の種類は?
戒告・減給・停職・免職の4種類だけです(地方公務員法29条1項)。訓告や厳重注意は懲戒処分ではなく、事実上の措置にとどまります。
Q3公務員の退職勧奨は断れる?
断れます。退職勧奨は任意の退職を促す事実行為で、応じる義務はありません。回数や態様が度を越えた勧奨は違法とされた最高裁判例もあります。
Q4懲戒処分の審査請求はいつまで?
処分があったことを知った日の翌日から3か月以内、かつ処分の日の翌日から1年以内です(地方公務員法49条の3)。期限を過ぎると取消訴訟にも進めません。
Q5訓告は懲戒処分に入る?
入りません。法律に定めのない処分は懲戒として行えないため(27条3項)、訓告は事実上の注意にとどまります。ただし人事評価や昇給で考慮されることはあります。
Q6分限免職でも退職金は出る?
分限免職は制裁ではないため、退職手当は原則として支給されます。懲戒免職の場合は、条例により全部または一部が不支給となることがあります。
Q7会計年度任用職員に身分保障はある?
条件付採用期間(1か月)を過ぎれば27条2項が適用されます。ただし任期満了による雇止めは分限免職ではないため、27条では争えません。
Q8処分説明書をもらえないときはどうする?
任命権者に交付を請求できます(地方公務員法49条2項)。請求から15日以内に交付される必要があり、処分事由の確認と審査請求準備の出発点になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1仕事ができないって理由だけで、公務員ってクビになるんですか?
なりえます。28条1項1号は、人事評価や勤務の状況を示す事実に照らして勤務実績がよくない場合を分限事由としている。ただし、いきなり免職になることは通常なく、指導・研修・配置転換を経ても改善しないことを示す記録が求められる。実務のポイント:分限免職の争いでは、任命権者がどれだけ改善の機会を与えたかが最大の争点になる。その記録が薄ければ、処分は崩れやすい
Q2懲戒処分の重さって、誰がどうやって決めてるんですか?
任命権者の裁量で決まる。ただし社会観念上著しく妥当を欠く場合は違法になる(最判昭和52.12.20神戸税関事件)。27条1項の公正原則も判断の枠をはめている。実務のポイント:多くの自治体は、人事院の懲戒処分の指針をもとに独自の量定基準を作っている。まず所属自治体の基準を情報公開請求などで手に入れ、自分の処分がその標準例から外れていないかを確かめるのが第一歩である。最判平成24.1.16は、戒告を超える減給以上の処分には慎重な考慮が必要だとした
Q3起訴されただけで休職になるって、推定無罪じゃないの?
28条2項2号は、刑事事件に関し起訴された場合を分限休職の事由としている。これは有罪の判断ではなく、公務への信頼と職務遂行への支障を考えた措置であり、懲戒とは別の軌道で動く。実務のポイント:起訴休職中の給与の扱いは条例で決まり、自治体によって違う。無罪が確定しても、休職期間の給与が自動的に全額戻るとは限らないため、条例の規定を早めに確認しておく
間違えやすい点 AI による整理
- 公務員は法律で守られているから、何があっても免職にはならないと思われがちだ。実際には、28条の分限免職(勤務実績不良・適格性欠如など)と29条の懲戒免職という二つの出口が法律にはっきり書かれている。27条は免職を禁止する条文ではなく、「理由の書かれていない免職」を禁止する条文である
- 「減給」と「降給」は同じだと思っている人は多い。しかし法律上は別物である。減給は懲戒処分で、一定期間、給料の一部を減らす制裁だ。降給は分限処分で、給料の格付けそのものを下げる。つまり制裁ではなく、能率を保つための措置という位置付けになる。どちらの処分なのかで、根拠規定も、争うときの論点も、将来の昇給への響き方も変わる
- 分限処分を受けた本人から見れば「罰を受けた」と感じる。しかし法律から見れば、分限は制裁ではなく公務の能率を保つための措置である。この落差は小さくない。分限免職なら退職手当は原則として支給されるが、懲戒免職なら条例により全部または一部が不支給になりうる。処分の名前一つで、数百万円から数千万円の差が生まれる
- 「非常勤だから身分保障は関係ない」と考えるのは問いの立て方がずれている。会計年度任用職員にも、条件付採用期間(1か月)を過ぎれば27条2項が適用される(29条の2)。ただし任期満了による雇止めは分限免職ではないため、27条では争えない。問題は「身分保障があるかどうか」ではなく、「その終わり方が処分なのか、任期満了なのか」である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 27条:分限・懲戒の公正原則と、法定事由がなければ処分できないという総則 | 28条:降任・免職・休職の具体的な分限事由 29条:懲戒事由と戒告・減給・停職・免職の4種 |
| 処分の性質 | 分限と懲戒の双方に枠をはめる | 制裁ではなく公務能率を保つための措置 義務違反・非行に対する制裁 |
| 事由の根拠 | 降任・免職・懲戒は法律、休職・降給は法律又は条例 | 勤務実績不良、心身の故障、適格性欠如、廃職・過員、起訴など 法令違反、職務上の義務違反、全体の奉仕者にふさわしくない非行 |
| 退職手当への影響 | 処分の種類次第で大きく変わる | 分限免職は原則支給 懲戒免職は条例により全部又は一部不支給がありうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では、公務員の身分保障と懲戒・免職事由が複数の法律に分かれて規定されている。救済は公務人員保障暨培訓委員会への復審・申訴を経て行政訴訟に進む流れで、日本の審査請求前置と構造が似ている。
韓国の地方公務員法も、刑の宣告・懲戒又は同法の事由によらなければ意に反して休職・降任・免職されないと定める。日本の27条2項とほぼ同じ構造である。
ドイツの州公務員は終身任用を原則とし、身分関係の終了事由と懲戒手続が法律で厳格に定められている。職業官吏制度の伝統的原則(基本法33条5項)が憲法上の根拠となっている。
米国では、州・地方公務員が継続雇用について財産的利益を持つ場合、解雇前に告知と弁明の機会を与えることがデュー・プロセス上必要とされる。具体的な事由は各州の civil service 法が定める。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 市役所の窓口担当が、上司から「君は適格性に欠けるから、自分から辞めた方が経歴に傷がつかない」と何度も呼び出される。退職願に署名すれば、それは「本人の意に反しない」退職になり、27条2項の保護の外に出てしまう。署名するかどうかは、身分保障を自分で手放すかどうかの選択である
- 県立高校の教員が、同じ職場で同じ私的飲酒トラブルを起こした同僚は戒告だったのに、自分は停職3か月だった。これは27条1項の「公正」の問題になる。他の処分例との比較は、裁量権の逸脱・濫用を主張するときの中心的な材料になる
- 精神疾患で長期療養に入った職員に、人事課から「分限休職の手続に入る」と通知が届いたらどうなる? 休職自体は28条2項に基づく処分で、懲戒ではない。ただし医師の診断が前提になるため、主治医の意見書をどう出すかで休職期間も復職の条件も変わる
- あなたは人事担当として、ある職員の懲戒処分案を起案している。条例に根拠のない「訓告」を懲戒処分として扱った瞬間、27条3項違反になる。懲戒処分は戒告・減給・停職・免職の四種類だけ(29条1項)。訓告や厳重注意は、あくまで事実上の措置として扱わなければならない
- 処分説明書を受け取ってから、もう2か月半が過ぎていた。人事委員会への審査請求の期限は、処分を知った日の翌日から3か月(49条の3)。残りは2週間しかない。この期限を過ぎると取消訴訟にも進めない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 処分説明書(49条)の交付を求め、分限か懲戒か、根拠となる条・号、処分事由の記載を確認する2. 同じ職場や同じ自治体の過去の処分例、公表されている懲戒処分の指針と比べ、処分が重すぎないか整理する3. 人事委員会または公平委員会へ審査請求を行う(49条の2)。取消訴訟はこの裁決を経なければ起こせない(51条の2) 4. 退職願の提出を求められても即答せず、面談記録を残し、職員団体や弁護士に相談する
訴えられた側:1. 任命権者の人事担当として、処分理由を28条または29条のどの号に当てはめるのかを起案段階で特定する2. 訓告や厳重注意を懲戒処分として扱わない(27条3項) 3. 同種事案の処分例と比べ、量定が突出していないか検証し、判断過程を記録に残す4. 本人に弁明の機会を与え、処分説明書を交付する。手続の欠落は、処分の中身が正しくても取消事由になりうる
時効(請求できる期限):審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内、かつ処分の日の翌日から1年以内(地方公務員法49条の3)。取消訴訟は裁決を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。審査請求を経ないと原則として提訴できない(地方公務員法51条の2)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:27条は分限・懲戒の事由を法定することで恣意的人事を封じる身分保障規定であり、労働基本権制限の代償措置の一つと位置付けられる。1項の公正原則は、平等取扱いと比例原則の観点から裁量行使を統制する根拠となる。
分限・懲戒二元論:分限は公務能率の維持を目的とする非制裁的措置、懲戒は義務違反に対する制裁と目的を区別する。そのため、同一の事実に基づく場合でも、根拠規定・審査の視点・退職手当の扱いが異なるとされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:地方公務員法(昭和25年法律第261号)の制定とともに、分限及び懲戒の基準として新設された。
- 地方公務員法 第28条降任・免職・休職の具体的分限事由
- 地方公務員法 第29条懲戒事由と戒告・減給・停職・免職の四種
- 地方公務員法 第29条の2条件付採用・臨時的任用職員への適用除外
- 地方公務員法 第49条の3不利益処分に対する審査請求期間
- 地方公務員法 第51条の2取消訴訟の審査請求前置
- 労働契約法 第22条公務員への労働契約法の適用除外
- 行政事件訴訟法 第8条裁決前置を定める法律がある場合の例外
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