地方公務員法 第28条の3(管理監督職への任用の制限)
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任命権者は、採用し、昇任し、降任し、又は転任しようとする管理監督職に係る管理監督職勤務上限年齢に達している者を、その者が当該管理監督職を占めているものとした場合における異動期間の末日の翌日(他の職への降任等をされた職員にあつては、当該他の職への降任等をされた日)以後、当該管理監督職に採用し、昇任し、降任し、又は転任することができない。
この条文の基本情報
管理監督職への任用の制限とは何ですか?
定義管理監督職への任用の制限とは、地方公務員法第28条の3に定められた規定で、「任命権者は、採用し、昇任し、降任し、又は転任しようとする管理監督職に係る管理監督職勤務上限年齢に達している者を、その者が当該管理監督職を占めているものとした場合…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方公務員法第28条の3(管理監督職への任用の制限)は、日本の地方公務員法に含まれる条文です。
- 地方公務員法第28条の3の条文原文は「任命権者は、採用し、昇任し、降任し、又は転任しようとする管理監督職に係る管理監督職勤務上限年齢に達している者を、その者が当該管理監督職を占めているものとした場合…」で始まります。
- 地方公務員法第28条の3は第五節 分限及び懲戒に置かれています。
- 地方公務員法の公布日は昭和25年12月13日です。
- 地方公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 地方公務員法第28条の3の前の条は地方公務員法第28条の2です。
- 地方公務員法第28条の3の次の条は地方公務員法第28条の4です。
- 地方公務員法第28条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第28条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000261 - 本サイト収録
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第28条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000261/28_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方公務員法28条の3は、管理監督職勤務上限年齢に達した者を、異動期間の末日の翌日以後、その管理監督職に採用・昇任・降任・転任させることを禁じる規定である。
Q · 60歳を過ぎた地方公務員を課長に昇任させてもいいの?
原則不可。上限年齢を過ぎると管理職に就けない
地方公務員法28条の3により、任命権者は、管理監督職勤務上限年齢(原則60歳、条例で定める)に達した者を、異動期間の末日の翌日以後、その管理監督職に採用・昇任・降任・転任させることができません。一度降任した人を同じ職に戻すことも禁じられます。本人や首長が望んでいても変わらず、例外は28条の4の特例任用などに限られます。
解説
60歳の誕生日を過ぎた職員が、翌年度に課長へ昇任する。民間なら美談で済む人事でも、自治体では法律違反になりうる。令和5年4月から、地方公務員の定年は段階的に65歳へ引き上げられている。その代わりに入ったのが「役職定年」(管理監督職勤務上限年齢制)である。本条は、この制度の抜け道を塞ぐ条文だ。上限年齢(原則60歳、条例で定める)に達した人が、異動期間(原則、上限年齢に達した日以後の最初の4月1日まで)を過ぎた場合、任命権者(職員の採用や異動を決める権限を持つ人。例:知事、市長、教育委員会)はその人をその管理監督職に就けられない。採用、昇任、降任(今より下の職に下げること)、転任(同格の別の職へ移すこと)のどの形でも同じである。「一度係長に下ろして、翌年また課長に戻す」「定年延長で残った元部長を、別の部の部長に回す」。こうした手は使えない。例外は28条の4の特例任用などに限られ、しかも要件は厳しい。あなたが50代後半なら、最後の昇任チャンスの日付は、もうカレンダー上で決まっている。
法的な位置づけ
地方公務員法28条の3は、管理監督職勤務上限年齢制(役職定年制)における任用制限を定める規定であり、上限年齢に達した者について、異動期間の末日の翌日以後、当該管理監督職への採用、昇任、降任及び転任を禁止する。同法28条の2の降任等義務と対をなし、28条の4の特例任用が主な例外となる。
よくある質問 AI による整理
Q1地方公務員の役職定年とは?
管理職が上限年齢(原則60歳)に達すると、異動期間内に管理職以外の職へ降任等される制度です。令和5年4月から、定年の段階的な65歳への引上げとあわせて導入されました。
Q2管理監督職勤務上限年齢は何歳?
原則は60歳です。具体的な年齢は各自治体の条例で定められ、職務の特殊性などによっては60歳と異なる年齢が置かれる場合もあります。
Q3役職定年の異動期間はいつまで?
原則として、上限年齢に達した日の翌日から、その後最初の4月1日までです。条例で別の期間を定めることもでき、この期間の末日の翌日以後の任用が禁止されます。
Q4役職定年で給料は下がる?
降任により管理職手当がなくなるのが一般的です。加えて、60歳を超える職員の給料を当分の間おおむね7割水準とする措置を、多くの自治体が条例で定めています。
Q5公立学校の校長や教頭も役職定年の対象?
公立学校の校長や教頭は、一般に管理監督職として扱われ、対象になります。上限年齢や対象となる職は、各自治体の条例と規則で確認する必要があります。
Q6管理監督職の範囲はどう決まる?
原則として管理職手当が支給される職が管理監督職に当たり、具体的な範囲は条例や人事委員会規則などで定められます。役職名だけでなく手当の支給で判断します。
Q760歳を過ぎても係長には昇任できる?
本条が制限するのは管理監督職への任用だけです。管理監督職に当たらない係長級などの職への昇任は、本条では禁止されていません。条例上の職の区分を確認してください。
Q8上限年齢の直前に課長へ昇任したらどうなる?
昇任自体はできますが、上限年齢に達すると28条の2により、異動期間内に管理監督職以外の職へ降任等されます。在任期間が極端に短くなる点を踏まえた判断が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q160歳で係長に下りたら、65歳の定年まで管理職に戻る可能性はゼロなんですか?
原則としてゼロである。本条は、上限年齢に達した人をその管理監督職に再び就けることを禁じている。例外は28条の4の特例任用などに限られる。実務のポイント:特例任用は、代わりの人を確保しにくい医師や技術職などのポストで使われる傾向があり、一般行政職ではまれとされる。「特例でなんとかする」という口約束だけでは足りない。本当に使えるかは、要件と前例を人事課に確認するのが先である
Q2民間から市の部長級公募に応募したいんですが、61歳だとダメですか?
その職が管理監督職で、上限年齢が60歳なら、本条によって常勤職員として採用することはできない。ただし、任期付職員として採用する枠組みでは扱いが異なる可能性がある(条例と個別規定の確認が必要)。実務のポイント:公募要項に年齢要件が書かれていなくても、人事課は上限年齢で機械的に判定する。応募する前に、その採用が任期付か常勤かを問い合わせるだけで、無駄な準備を避けられる
Q3上司が「一度降任して、来年また課長に戻すから」と言ってくれています。信じて大丈夫?
信じてはいけない。上限年齢を過ぎた人を、降任の後に同じ管理監督職へ戻すことは、本条がはっきり禁じている。実務のポイント:仮に発令されても違法な任用として是正の対象になり、支払われた管理職手当が住民監査請求で問題にされる余地も残る。本当に残す必要があるなら、正面から28条の4の特例任用の手続を踏むよう求めたほうが、本人にとっても上司にとっても安全である
間違えやすい点 AI による整理
- 役職定年は「今の役職から外される」ルールだと思われがちだが、本条が効くのは「これから就く役職」のほうである。上限年齢を過ぎた後の昇任、一度降任した人の再登用、民間からの中途採用もまとめて止まる
- 「降任された後、何年かしたらまた管理職に戻れるだろうか」。この問い自体が成り立たない。上限年齢は年齢そのもので判定される。翌年になっても若返ることはないので、特例任用を除けば、戻る道は構造的に存在しない
- 職員の側から見れば、本人も上司も首長も望んでいる、誰も困らない人事に見える。しかし法律から見れば、任命権者の権限の外にある行為である。当事者全員が合意していても違法性は消えない。その人事で支払われた給与や手当の扱いが後から問題になる。この落差に気付かずに発令するのが、いちばん危ない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 28条の3:上限年齢到達者を管理監督職に「就ける」行為(入口) | 28条の2:在職中の管理監督職を「外す」義務(出口) 28条の4:上限年齢到達後も引き続き在職させる例外(特例任用) |
| 任命権者への効果 | 採用・昇任・降任・転任による任用を禁止 | 異動期間内に管理監督職以外の職などへの降任等を義務付け 要件を満たせば、異動期間を延長して引き続き在職させることを許容 |
| 基準となる時点 | 異動期間の末日の翌日(降任等された職員は降任等の日)以後 | 上限年齢に達した日の翌日から最初の4月1日までの異動期間 延長後の期間の末日 |
| 違反・誤運用のリスク | 違法な任用として是正の対象、手当支出が住民監査請求で問題になりうる | 降任等を怠れば制度の趣旨に反し、同じく是正の対象 要件を欠く延長は特例として認められず、本条違反の問題に戻る |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の公務員は65歳の屆齡退休が基本で、管理職のみに年齢上限を設けて任用を制限する制度は法律上置かれていない
韓国も60歳の定年を定めるが、管理職に限った年齢上限と任用制限という日本型の役職定年は法律上設けられていない
ドイツはAltersgrenzeによる退職を定めるが、管理職ポストだけに年齢上限を課す一般的な仕組みはない
米国は40歳以上の年齢を理由とする雇用上の差別を原則禁止しており、年齢で管理職任用を一律に制限する日本の制度とは発想が逆
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 人事課長のあなたは、頼りになるベテラン部長を手放したくない。「形だけ参事に降任して、翌年度また部長に戻そう」。この案は本条にまともにぶつかる。発令すれば違法な任用となり、その間に払った管理職手当が住民監査請求で問題にされる余地も残る
- 課長補佐として10年。課長試験には合格したのに、60歳を過ぎた翌年度になっても内示が来ない。上司が冷たいわけではない。任命権者の手が法律で縛られているのである
- 民間企業で部長を務めた61歳のあなたが、地元の市の部長級公募を見つけて応募しようとしている。常勤の管理監督職として採用される道は、本条でふさがれている可能性が高い。任期付採用の枠組みなら扱いが変わるかもしれないため、応募前に採用区分を確認する必要がある
- 上限年齢に達するまで、あと1年。管理職選考の受験時期や昇任の最終ラインは、誕生日から逆算して決まる。今年の面談で意思を示さなければ、次の機会は来ない
- 公立小学校の教頭。校長の選考に合格していても、条例で定めた上限年齢を超えてしまえば、校長には登用されない。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分の職と目指す職の上限年齢を、自治体の条例(職員の定年等に関する条例など)で確認する2. 誕生日から異動期間の末日を計算し、昇任の最終ラインを特定する3. 60歳以降の役割や給料の扱い(条例で減額される仕組みが一般的)について、人事に書面での説明を求める4. 不当な降任などを受けた場合は、人事委員会または公平委員会への審査請求(49条の2)や、勤務条件に関する措置要求(46条)を検討する
訴えられた側:1. 発令の前に、候補者の年齢と各職の上限年齢を必ず照合する2. 残したい人材については、28条の4の特例任用の要件(公務の運営に著しい支障が生じる事情など)を満たすか検討し、その理由を記録する3. 違法な任用に気付いたら速やかに発令を是正し、支出済みの手当の扱いを確認する4. 管理監督職の範囲と上限年齢を条例・規則で明確にし、グレーな職を残さない
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。基準になるのは異動期間の末日(原則、上限年齢に達した日以後の最初の4月1日。条例で別に定めることもできる)で、その翌日以後の任用が禁止される。不利益処分に対する審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内、かつ処分の日の翌日から1年以内(地方公務員法49条の3)。措置要求(46条)に期限の定めはない。住民監査請求は、原則として財務会計行為の日から1年以内(地方自治法242条2項)
改正沿革 AI による整理
- 令和3年(2021年)公布、令和5年(2023年)4月1日施行 地方公務員法の一部を改正する法律(令和3年法律第63号)により、定年の段階的な65歳への引上げと管理監督職勤務上限年齢制(役職定年制)が導入され、その任用制限として本条が置かれた。改正前の28条の3(定年による退職の特例)は、28条の7へ移動した
改正の年表
- 1.令和3年(2021年) 新設:地方公務員法の一部を改正する法律(令和3年法律第63号)により、定年の段階的な65歳への引上げとともに管理監督職勤務上限年齢制を導入し、その任用制限として本条を新設(令和5年4月1日施行)。改正前の28条の3(定年による退職の特例)は28条の7へ移動した。
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