地方公務員法 第28条の7(定年による退職の特例)
クイックジャンプ
- 任命権者は、定年に達した職員が前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において、次に掲げる事由があると認めるときは、同項の規定にかかわらず、条例で定めるところにより、当該職員に係る定年退職日の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を定め、当該職員を当該定年退職日において従事している職務に従事させるため、引き続き勤務させることができる。ただし、第二十八条の五第一項から第四項までの規定により異動期間(これらの規定により延長された期間を含む。)を延長した職員であつて、定年退職日において管理監督職を占めている職員については、同条第一項又は第二項の規定により当該定年退職日まで当該異動期間を延長した場合に限るものとし、当該期限は、当該職員が占めている管理監督職に係る異動期間の末日の翌日から起算して三年を超えることができない。
- 一前条第一項の規定により退職すべきこととなる職員の職務の遂行上の特別の事情を勘案して、当該職員の退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として条例で定める事由
- 二前条第一項の規定により退職すべきこととなる職員の職務の特殊性を勘案して、当該職員の退職により、当該職員が占める職の欠員の補充が困難となることにより公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として条例で定める事由
- 2.任命権者は、前項の期限又はこの項の規定により延長された期限が到来する場合において、前項各号に掲げる事由が引き続きあると認めるときは、条例で定めるところにより、これらの期限の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を延長することができる。ただし、当該期限は、当該職員に係る定年退職日(同項ただし書に規定する職員にあつては、当該職員が占めている管理監督職に係る異動期間の末日)の翌日から起算して三年を超えることができない。
- 3.前二項に定めるもののほか、これらの規定による勤務に関し必要な事項は、条例で定める。
この条文の基本情報
定年による退職の特例とは何ですか?
定義定年による退職の特例とは、地方公務員法第28条の7に定められた規定で、「任命権者は、定年に達した職員が前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において、次に掲げる事由があると認めるときは、同項の規定にかかわらず、条例で定めると…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方公務員法第28条の7(定年による退職の特例)は、日本の地方公務員法に含まれる条文です。
- 地方公務員法第28条の7の条文原文は「任命権者は、定年に達した職員が前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において、次に掲げる事由があると認めるときは、同項の規定にかかわらず、条例で定めると…」で始まります。
- 地方公務員法第28条の7は第五節 分限及び懲戒に置かれています。
- 地方公務員法の公布日は昭和25年12月13日です。
- 地方公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 地方公務員法第28条の7の前の条は地方公務員法第28条の6です。
- 地方公務員法第28条の7の次の条は地方公務員法第29条です。
- 地方公務員法第28条の7には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第28条の7 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000261 - 本サイト収録
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第28条の7(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000261/28_7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方公務員法28条の7は、公務に著しい支障が出る条例所定の事由があるとき、任命権者が定年職員を1年以内ごと・通算3年まで同じ職務で勤務延長できると定める。
Q · 地方公務員は定年になっても、そのまま同じ仕事を続けられるの?
条例の事由があれば可能だが、決めるのは任命権者
地方公務員法28条の7により、職務遂行上の特別の事情や、職務の特殊性で欠員補充が難しいことなどから公務の運営に著しい支障が生ずる条例所定の事由があれば、任命権者は定年に達した職員を退職させず、同じ職務で勤務延長させることができます。期限は1年以内で、更新のたびに事由が続いているかが審査され、通算3年が上限です。本人に延長を請求する権利はありません。
解説
定年退職日が来ても、翌日も同じ席に座って同じ仕事を続ける地方公務員がいる。再任用ではない。一度も退職していないのだ。地方公務員法28条の7の勤務延長は、定年で辞めるという原則(前条28条の6)の例外である。ただし、使える理由は二つしかない。一つは、その人が抜けると職務遂行上の特別な事情で公務の運営に著しい支障が出る場合。もう一つは、職務が特殊で欠員を埋められず、公務の運営に著しい支障が出る場合。どちらも条例で定めた事由に当てはまる必要がある。延長は1年以内ごとで、定年退職日の翌日から通算3年が上限になる。押さえておくべき点は、条文のどこにも職員本人の申出権が書かれていないことだ。決めるのは任命権者(職員の採用や異動を決める権限を持つ首長や教育委員会など)である。「続けたい」と言っても延長の根拠にはならない。延長の根拠になるのは「この人がいないと業務が回らない」という事実と、それを裏付ける記録だけである。
法的な位置づけ
勤務延長とは、地方公務員法第28条の7に基づき、定年により退職すべき職員について、職務遂行上の特別の事情または職務の特殊性による欠員補充の困難から公務の運営に著しい支障が生ずる条例所定の事由がある場合に、任命権者が期限を定めて当該職員を退職させず、定年退職日に従事していた職務に引き続き従事させる制度である。
よくある質問 AI による整理
Q1地方公務員の勤務延長とは?
定年退職日を迎えた職員を退職させず、同じ職務で引き続き勤務させる制度です。地方公務員法28条の7が根拠で、条例で定める事由が必要です。
Q2勤務延長は何年まで?
1回の期限は1年以内で、更新も1年以内ごとです。通算で定年退職日の翌日から3年が上限です(本条2項ただし書)。
Q3勤務延長の条件は?
職務遂行上の特別の事情、または職務の特殊性による欠員補充の困難から、公務の運営に著しい支障が生ずる条例所定の事由があることです。
Q4勤務延長中の給料は変わる?
勤務延長は退職しないまま同じ職務を続ける制度なので、身分は継続します。具体的な給与の取扱いは各自治体の給与条例によるため、条例を確認してください。
Q5勤務延長は誰が決める?
任命権者です。首長、教育委員会、議会の議長などが該当します。条文に職員本人の申出権は書かれていません。
Q6勤務延長の手続きはいつまでに必要?
定年退職日を過ぎると法律上当然に退職となるため、延長の判断と条例に基づく手続は定年退職日より前に済ませる必要があります。
Q7教員も勤務延長できる?
公立学校の教員も地方公務員なので、本条と条例の事由に当てはまれば対象になり得ます。任命権者は教育委員会で、個別の扱いは条例と運用によります。
Q8勤務延長を途中で打ち切ることはある?
更新時に任命権者が事由の継続を認めなければ延長は終わります。後任が育つなどして支障がなくなれば、更新されないのが制度の建前です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1定年後も同じ課長のポストに残れるんですか?
定年退職日の時点で課長のままでいるには、役職定年のあとも28条の5によって異動期間が定年退職日まで延長されている必要があります。そのうえで本条の事由があれば、勤務延長で同じポストに残れる可能性があります。実務のポイント:役職定年の延長を受けていない管理職は、定年の時点ですでに管理職ではないので、課長として延長される道はそこで閉じています
Q2勤務延長してもらえなかったら、不服申し立てはできますか?
定年退職は、28条の6によって法律上当然に生じる効果です。勤務延長をしないことは、不利益処分(49条)として争うのは難しいと一般に解されています。実務のポイント:延長を求める交渉の相手は人事委員会ではありません。任命権者の人事ヒアリングです。争えるかどうかを考えるより、延長の判断が固まる前の秋に業務の実態を資料で伝えるほうが実際には効果があります
間違えやすい点 AI による整理
- 勤務延長と再任用を同じものだと思っている人は多い。再任用は一度退職してから改めて任用されるので、職務も身分も給料もいったん切り替わる。勤務延長は退職しないまま、定年退職日に就いていた職務を続ける制度である。仕組みがまったく違う
- 「最長3年まで延ばせる」ことは知られていても、3年が保証されているわけではない。期限は1年以内で、更新のたびに「条例の事由が引き続きある」と任命権者が認める必要がある(本条2項)。後任が育った時点で延長は終わる
- 職員から見れば、勤務延長は長年の貢献への評価に見える。しかし法律から見れば、公務運営の支障を避けるための手段にすぎない。本人の功績や家計の事情は要件に含まれていない。このずれに気付かず早めに再就職先を探さないでいると、延長されなかった年の4月に行き場を失う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制度の性質 | 28条の7:定年退職の例外として退職させずに勤務を継続 | 28条の6:定年に達した後の定年退職日に当然退職 22条の4:定年前に退職した者を短時間勤務の職に再任用 |
| 職務・身分 | 定年退職日に従事していた職務をそのまま継続 | 退職により身分が終了 一度退職したうえで新たに任用され、職も勤務形態も切り替わる |
| 期間 | 1年以内ごとの期限、通算3年が上限 | 定年に達した日以後最初の3月31日までの間で条例で定める日 条例等の定めによる(定年相当年齢まで) |
| 決定要件 | 条例所定の事由+任命権者の認定(本人の申出権なし) | 年齢到達で自動的に発生 本人の選考・任命権者の任用判断 |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾も屆齡退休を原則としつつ、機関の業務上の必要がある場合に延長服務を認める仕組みを持つ。承認手続や上限年数は日本と異なるため、原典で確認が必要
ドイツでは公務上の利益がある場合などに Ruhestand の開始を先送りできる。州公務員の扱いは各州法による
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 離島の町立診療所にいる医師は一人だけで、3月末に定年を迎える。後任の公募には半年間だれも応募しなかった。欠員の補充が難しいという第2号の事由に当てはまる典型例で、町は勤務延長で1年つなぎながら、その間に採用活動を続けることになる
- 人事課のあなたは、課長から「あの係長は優秀だから延長してやってくれ」と頼まれた。もし条例の事由に当てはまらないまま延長したら、どうなる? 議会や住民監査で「お手盛り人事」と追及されたとき、説明できる記録が何も残っていないことになる
- 大規模災害の復旧工事が続いていて、現場を知り尽くしている土木技師の定年退職日まであと40日。延長の判断と条例の手続きを3月31日までに済ませないと、その人は法律上当然に退職する
- 延長2年目の更新の時期が来た。後任が育っていたので、延長は打ち切りになった。延長が毎年の審査だということは、最初から条文に書いてある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 勤務延長は任命権者の判断で行われ、本人に請求する権利はない。延長されることを前提にしない2. 自分の自治体の定年・勤務延長に関する条例を読み、延長事由を確認する3. 担当業務が延長事由に当たると考えるなら、秋の人事ヒアリングで業務の属人性や後任の採用状況を資料にして伝える4. 同時に、定年前再任用短時間勤務(22条の4)や民間への再就職も並行して検討する。延長されなかったことは不利益処分に当たりにくく、争える余地は狭いと解されている
訴えられた側:人事担当・任命権者の立場なら、次のように進める。1. 延長の理由が条例のどの号の事由に当たるかを決裁文書に明記する2. 後任を採用するための努力(公募の回数や応募状況)を記録に残す3. 管理監督職であれば、28条の5による異動期間の延長をしていたかを確認する4. 延長期限は1年以内に設定し、更新のたびに事由が続いているか審査し直す。議会や住民監査で追及されたとき、この記録が身を守る材料になる
時効(請求できる期限):延長の期限は定年退職日の翌日から1年以内で、更新も1回ごとに1年以内、通算で定年退職日の翌日から3年が上限である(管理監督職で異動期間を延長した職員は、その異動期間の末日の翌日から3年)。定年退職日は定年に達した日以後最初の3月31日までの間で条例が定める日なので、延長の判断はそれより前に済ませる必要がある
学説
一般的解釈:勤務延長は公務運営上の支障を回避するための任命権者の裁量的措置であり、職員に延長請求権はない。延長しないことは定年退職という法律上当然の効果を妨げないにとどまり、不利益処分として争うのは難しいと一般に解されている。
改正沿革 AI による整理
- 令和3年(2021年)改正、令和5年(2023年)4月1日施行 定年の段階的引上げと管理監督職勤務上限年齢制(役職定年)の導入に伴う改正。従来28条の3にあった勤務延長の規定が本条に移り、管理監督職に関するただし書と通算3年の上限の起算点が整えられた(改正の詳細は要検証)
改正の年表
- 1.昭和56年(1981年) 新設:地方公務員に定年制を導入する改正で、勤務延長の規定が旧28条の3として設けられた(昭和60年3月31日施行)
- 2.令和3年(2021年) 改正:定年の段階的引上げと管理監督職勤務上限年齢制の導入に伴う改正で、勤務延長の規定が本条に移り、管理監督職に関するただし書が加えられた(令和5年4月1日施行)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める