地方公務員法 第38条の3(違反行為の疑いに係る任命権者の報告)
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任命権者は、職員又は職員であつた者に前条の規定(同条第八項の規定に基づく条例が定められているときは、当該条例の規定を含む。)に違反する行為(以下「規制違反行為」という。)を行つた疑いがあると思料するときは、その旨を人事委員会又は公平委員会に報告しなければならない。
この条文の基本情報
違反行為の疑いに係る任命権者の報告とは何ですか?
定義違反行為の疑いに係る任命権者の報告とは、地方公務員法第38条の3に定められた規定で、「任命権者は、職員又は職員であつた者に前条の規定(同条第八項の規定に基づく条例が定められているときは、当該条例の規定を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方公務員法第38条の3(違反行為の疑いに係る任命権者の報告)は、日本の地方公務員法に含まれる条文です。
- 地方公務員法第38条の3の条文原文は「任命権者は、職員又は職員であつた者に前条の規定(同条第八項の規定に基づく条例が定められているときは、当該条例の規定を含む。」で始まります。
- 地方公務員法第38条の3は第六節の二 退職管理に置かれています。
- 地方公務員法の公布日は昭和25年12月13日です。
- 地方公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 地方公務員法第38条の3の前の条は地方公務員法第38条の2です。
- 地方公務員法第38条の3の次の条は地方公務員法第38条の4です。
- 地方公務員法第38条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第38条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000261 - 本サイト収録
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第38条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000261/38_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方公務員法38条の3は、職員や元職員に働きかけ規制等に違反した疑いがあるとき、任命権者に人事委員会または公平委員会への報告を義務づける。確証は必要ない。
Q · 役所のOBが元部下に口利きしている疑いがあるとき、役所は内部で処理して終わりにできるの?
できない。疑いの段階で人事委員会等への報告が義務
地方公務員法38条の3により、任命権者(市長、教育委員会、議会の議長など)は、職員または元職員が38条の2の働きかけ規制等に違反した疑いがあると思料するとき、人事委員会または公平委員会に報告しなければなりません。確証は要件ではありません。働きかけを受けながら届け出なかった現職員(38条の2第7項違反)も報告の対象になります。報告後は、任命権者による調査(38条の4)と人事委員会等の関与(38条の5)へ進みます。
解説
役所のOBが古巣に口を利きに来たとき、組織の中で握りつぶせば終わり、と考える人は多い。地方公務員法38条の3は、その抜け道をふさぐ条文である。前条(38条の2)は、再就職した元職員が、在職中に担当していた契約や処分について現職職員に働きかけることを禁じている。本条は、その違反の「疑い」を任命権者(職員の採用・異動・懲戒を決める権限者。市長、教育委員会、議会の議長など)が持った時点で、人事委員会または公平委員会へ報告することを義務づける。ポイントは三つある。第一に、報告のきっかけは確証ではなく「疑いがあると思料するとき」で足りる。第二に、報告先は任命権者から独立した第三者機関である。第三に、対象には元職員だけでなく現職員も入る。働きかけを受けたのに届け出なかった現職員(38条の2第7項違反)も報告の対象になるからだ。自治体と取引する企業でも役所の職員でも、この仕組みを知っているかどうかで、OBとの付き合い方ははっきり変わる。
法的な位置づけ
地方公務員法第38条の3は、退職管理制度における任命権者の報告義務を定める規定である。任命権者は、職員または職員であった者が同法38条の2(同条第8項に基づく条例の規定を含む)に違反する規制違反行為を行った疑いがあると思料するときは、その旨を人事委員会または公平委員会に報告しなければならない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.疑いの端緒を記録する 職員からの届出、投書、取引先からの情報など、規制違反行為をうかがわせる情報を受けたら、日時・情報源・内容を記録する。この段階で真偽を確かめきる必要はない
- 2.38条の2の類型に当てはまるか整理する 関係する元職員の離職日と在職中の担当業務、働きかけの対象となった契約・処分、38条の2第6項の適用除外(法令に基づく権利行使など)の該当性を時系列で整理する
- 3.人事委員会または公平委員会へ報告する 疑いがあると思料した時点で、確証を待たずに人事委員会または公平委員会へ報告する。様式や手続は各自治体の規則・要綱に従う
- 4.調査を行い、人事委員会等の求めに応じる 任命権者として調査を進め(38条の4)、人事委員会・公平委員会から調査の要求や意見があれば対応する(38条の5)。現職員に届出懈怠等があれば懲戒(29条)も検討する
よくある質問 AI による整理
Q1地方公務員法38条の3とは?
元職員の働きかけ規制などに違反した疑いがあるとき、任命権者が人事委員会または公平委員会に報告するよう義務づける条文です。
Q2規制違反行為とは何ですか?
地方公務員法38条の2(条例で上乗せした規制を含む)に違反する行為です。元職員による現職職員への働きかけや、現職員の届出懈怠が含まれます。
Q3任命権者とは誰のことですか?
職員の任命・人事・懲戒の権限を持つ者です。首長のほか、教育委員会、議会の議長、選挙管理委員会、警視総監・道府県警察本部長などがあたります。
Q4人事委員会がない市町村では報告先はどこ?
人事委員会を置かない地方公共団体では、公平委員会が報告先になります。条文も「人事委員会又は公平委員会」と定めています。
Q5天下りの口利きは違法?
元職員が離職後2年間、在職中に担当した契約・処分について現職職員に働きかけることは38条の2で禁じられています。違反すると罰則の対象になりえます。
Q6OBの口利き 通報できる?
働きかけを受けた現職員には人事委員会等への届出義務があります(38条の2第7項)。住民や企業の情報も、任命権者が疑いを持つきっかけになります。
Q7元職員の働きかけ規制 いつまで?
原則として離職後2年間です。ただし、在職中に自ら決定した契約・処分については期間の制限なく働きかけが禁じられます(38条の2第5項)。
Q8報告の後はどうなる?
任命権者が調査を行い(38条の4)、人事委員会・公平委員会は調査を求めたり意見を述べたりできます(38条の5)。違反があれば罰則や懲戒につながります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1OBの人に「昔のよしみで」って頼まれて、断ったんですけど、それでも報告しなきゃダメですか?
必要である。38条の2第7項は、働きかけを受けた職員に人事委員会または公平委員会への届出を義務づけており、断ったかどうかは関係ない。届け出なければ、あなた自身が規制違反行為の当事者として本条の報告対象になりうる。実務のポイント:実務で問題になるのは、口利きに応じた職員より、黙っていた職員が後から芋づる式に名前が出てくるケースである。最初に届け出た人が、いちばん守られる立場になる。
Q2任命権者が報告しなかったら、罰則とかあるんですか?
本条の報告義務違反について、条文上の直接の罰則は置かれていない。ただし人事委員会・公平委員会は、任命権者に調査を求め、意見を述べることができる(38条の5)。報告を怠った幹部職員が懲戒処分の対象になる可能性もある。実務のポイント:報告しなかった事実は、後で問題が表に出たときに「組織ぐるみの隠蔽」として報道される材料になる。罰則がないことは、軽く扱ってよいという意味ではない。
間違えやすい点 AI による整理
- 「元職員はもう懲戒できないのだから、役所には手の打ちようがない」と思われがちだ。実際には、懲戒ではなく、報告(本条)、調査(38条の4、38条の5)、罰則(60条以下)という別のルートが用意されている。組織の外に出た人間を追うために作られた回路である
- 前提から誤っているのは「証拠がそろってから人事委員会に上げればよい」という発想だ。条文の要件は「疑いがあると思料するとき」であり、立証は報告後の調査の仕事になる。確証を待って報告を遅らせること自体が、制度の趣旨に反する
- 現職員から見れば「OBの頼みはきっぱり断ったのだから、自分は無関係」。しかし法律から見れば、働きかけを受けながら届け出なかったこと自体が38条の2第7項違反であり、本条の報告対象になりうる。断ったことと届け出たことは別物で、この差が自分を守るかどうかを分ける
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の中身 | 38条の3:任命権者の人事委員会等への報告義務 | 38条の2:元職員の働きかけ禁止と現職員の届出義務 38条の4:任命権者による規制違反行為の調査 |
| 義務を負う者 | 任命権者 | 元職員(働きかけ禁止)と現職員(届出) 任命権者 |
| 発動のきっかけ | 規制違反行為の疑いがあると思料するとき | 離職後の働きかけ、または働きかけを受けたとき 規制違反行為の疑いがあると思料するとき |
| 外部機関の関与 | 人事委員会・公平委員会へ情報を送る入口 | 現職員の届出先が人事委員会・公平委員会 38条の5により人事委員会等が調査要求・意見 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は離職後3年間、離職前5年間の職務と直接関係する営利事業への就任を制限する「旋回ドア条項」を置く。日本のように任命権者から独立機関への報告回路を条文で定める設計とは異なる
韓国は退職公職者による在職中の職務に関する請託・斡旋を禁止し、公職者倫理委員会が管理する。行為規制の点で日本の38条の2に近い
ドイツは退職後の職業活動に届出・禁止の仕組みを置き、職務上の利益と衝突する場合は禁止できる。事前届出型で、日本の働きかけ規制とは発想が異なる
米国連邦は元職員の古巣への接触(contact)を刑事罰付きで一定期間禁止する。地方公務員については州法・自治体の倫理条例に委ねられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 市の建設課を定年退職した元課長が、翌年から地元ゼネコンの顧問に就いた。元部下のあなたの携帯に「来月の入札、仕様をうちに合う形にできないか」と電話が来た。断っただけでは終わらない。あなたには人事委員会または公平委員会へ届け出る義務があり(38条の2第7項)、その情報をつかんだ任命権者にも本条の報告義務が生じる
- 元職員を顧問に迎えた会社の総務担当として、どこまでが働きかけに当たるのか把握しているだろうか? 元職員が在職中に担当していた契約について、離職後2年以内に現職職員へ口利きすれば規制違反行為になりうる。会社が知らなかったと言っても、自治体側で報告と調査が始まれば、取引関係そのものに疑いの目が向く
- 人事課に匿名の投書が届いた。「OBのA氏が福祉課に補助金の件で何度も来ている」。確証はない。それでも任命権者が疑いを持った時点で、報告の義務は動き出す
取るべき行動
被害を受けた側:現職員としてOBから働きかけを受けた場合:1. 通話や面談の日時、場所、発言内容をすぐ記録する2. 38条の2第7項に基づき、人事委員会または公平委員会へ届け出る(様式や窓口は自治体の規則による) 3. 上司や人事課にも共有し、任命権者が本条の報告を行える状態を作る4. 働きかけに応じて職務上の判断を変えることは絶対にしない。応じた時点で自分も刑事責任を問われうる
訴えられた側:元職員として規制違反行為の疑いをかけられた場合:1. 接触の目的が、法令に基づく権利の行使や入札手続での通常の説明など、38条の2第6項の適用除外に当たるかどうかを確認する2. 在職中の担当業務と接触内容の関係、離職からの期間(原則2年)を時系列で整理する3. 調査(38条の4、38条の5)には記録をもとに誠実に対応する。罰則の対象になりうるため、早い段階で弁護士に相談する
時効(請求できる期限):本条の報告義務に特定の期限や時効はなく、「疑いがあると思料するとき」に速やかに報告することが求められる。前提となる働きかけ規制は、原則として離職後2年間(38条の2第1項)。ただし在職中に自ら決定した契約・処分については期間の制限がない(同条第5項)。罰則の詳細は60条以下を参照(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)改正(平成28年(2016年)4月1日施行) 地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律により、退職管理の適正化の一環として新設。元職員の働きかけ規制(38条の2)とあわせ、任命権者による人事委員会・公平委員会への報告義務を定めた
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 新設:地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律により、退職管理の適正化の一環として新設。元職員の働きかけ規制(38条の2)とあわせ、任命権者による人事委員会・公平委員会への報告義務を定めた。平成28年(2016年)4月1日施行
- 地方公務員法 第38条の2元職員の働きかけ禁止と職員の届出義務
- 地方公務員法 第38条の4任命権者による規制違反行為の調査
- 地方公務員法 第38条の5人事委員会等による調査要求と意見
- 地方公務員法 第38条の6退職管理の適正確保のための措置
- 地方公務員法 第29条懲戒処分、現職員の届出懈怠への対応
- 入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律 第8条職員による入札等の妨害の処罰(通称 官製談合防止法)
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