地方公務員法 第38条の4(任命権者による調査)
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- 任命権者は、職員又は職員であつた者に規制違反行為を行つた疑いがあると思料して当該規制違反行為に関して調査を行おうとするときは、人事委員会又は公平委員会にその旨を通知しなければならない。
- 2.人事委員会又は公平委員会は、任命権者が行う前項の調査の経過について、報告を求め、又は意見を述べることができる。
- 3.任命権者は、第一項の調査を終了したときは、遅滞なく、人事委員会又は公平委員会に対し、当該調査の結果を報告しなければならない。
この条文の基本情報
任命権者による調査とは何ですか?
定義任命権者による調査とは、地方公務員法第38条の4に定められた規定で、「任命権者は、職員又は職員であつた者に規制違反行為を行つた疑いがあると思料して当該規制違反行為に関して調査を行おうとするときは、人事委員会又は公平委員会にその旨を…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方公務員法第38条の4(任命権者による調査)は、日本の地方公務員法に含まれる条文です。
- 地方公務員法第38条の4の条文原文は「任命権者は、職員又は職員であつた者に規制違反行為を行つた疑いがあると思料して当該規制違反行為に関して調査を行おうとするときは、人事委員会又は公平委員会にその旨を…」で始まります。
- 地方公務員法第38条の4は第六節の二 退職管理に置かれています。
- 地方公務員法の公布日は昭和25年12月13日です。
- 地方公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 地方公務員法第38条の4の前の条は地方公務員法第38条の3です。
- 地方公務員法第38条の4の次の条は地方公務員法第38条の5です。
- 地方公務員法第38条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第38条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000261 - 本サイト収録
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第38条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000261/38_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方公務員法38条の4は、任命権者が再就職者の依頼等規制違反を調査する際、人事委員会または公平委員会への開始通知と、終了後遅滞ない結果報告を義務づける規定である。
Q · OB の口利き疑惑が出たら、役所の中で誰がどうやって調べるの?
任命権者が調べ、委員会に開始通知と結果報告をする
地方公務員法38条の4により、再就職者の依頼等規制(38条の2)に違反した疑いがあるとき、調査を行うのは知事・市長・教育委員会などの任命権者です。ただし調査を始める前に人事委員会または公平委員会へ通知する義務があり、委員会は調査の経過について報告を求め、意見を述べることができます。調査が終われば、任命権者は遅滞なく結果を委員会に報告しなければなりません。
解説
役所を辞めたOBが古巣の後輩に「あの工事、うちの会社に回してくれないか」と頼む。地方公務員法38条の2は、離職後2年間、離職前5年間に担当した職務に関わる契約や処分について、こうした依頼を禁じている。では疑いが出たとき、誰が調べるのか。答えは本条にあり、調べるのは任命権者(職員の採用や懲戒を決める者。例:知事、市長、教育委員会)自身である。身内が身内を調べる構造だが、握りつぶせない仕掛けが三つある。調査を始めるときは人事委員会または公平委員会(役所の人事を中立の立場で監視する第三者機関)に通知しなければならない。委員会は途中経過の報告を求め、意見を述べることができる。調査が終われば、任命権者は遅滞なく結果を報告しなければならない。開始から終了まで、調査は第三者に見られ続ける。職員であれ、OBを雇う地元企業であれ、住民であれ、この構造を知っているかどうかで、疑いが浮かんだときの動き方が変わる。
法的な位置づけ
地方公務員法38条の4は、再就職者による依頼等の規制違反行為に関する任命権者の調査手続を定める規定である。任命権者は調査の着手時に人事委員会または公平委員会へ通知し、調査終了時には遅滞なく結果を報告する義務を負う。委員会は調査の経過について報告を求め、意見を述べる権限を有し、調査権と監視権を分離する構造をとる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.規制違反の疑いを把握する 職員からの届出(38条の2)や報告(38条の3)、住民・事業者からの情報提供をもとに、元職員による依頼が離職後2年以内か、離職前5年間の職務に関わるかなど、規制の要件に当たる疑いがあるかを整理する
- 2.調査着手前に委員会へ通知する 任命権者は調査を始める前に、人事委員会または公平委員会へ調査を行う旨を通知する。通知を欠いたまま調査を進めると、本条1項違反の問題が生じる
- 3.調査を実施し経過報告に対応する 関係職員・元職員へのヒアリング、通話やメールの記録確認を行う。委員会から経過報告を求められた場合は応じ、述べられた意見を調査に反映できるよう記録を残す
- 4.調査終了後、遅滞なく結果を報告する 調査を終えたら遅滞なく、人事委員会または公平委員会に結果を報告する。現職職員に義務違反があれば懲戒(29条)の検討、不正行為の依頼が疑われれば刑事告発の検討へ進む
よくある質問 AI による整理
Q1地方公務員法38条の4とは?
再就職者の口利きなど規制違反の疑いについて、任命権者が行う調査の手続を定めた条文です。人事委員会または公平委員会への通知と結果報告が義務です。
Q2天下りの口利き 調査するのは誰?
調査の主体は知事・市長・教育委員会などの任命権者です。ただし着手時と終了時に人事委員会または公平委員会へ通知・報告しなければなりません。
Q3人事委員会と公平委員会はどう違う?
都道府県・政令指定都市には人事委員会、その他の市町村等には原則として公平委員会が置かれます。本条ではどちらも調査を監視する役割を担います。
Q4任命権者の調査 結果報告はいつまで?
条文は「遅滞なく」とだけ定め、日数の期限はありません。調査終了後、合理的な理由なく報告を遅らせることは本条の趣旨に反します。
Q5元職員も調査の対象になる?
なります。本条は調査対象を「職員又は職員であつた者」と明記しており、退職した OB も調査の対象に含まれます。
Q6人事委員会は調査に口を出せる?
できます。委員会は任命権者の調査の経過について報告を求め、意見を述べることができます(38条の4第2項)。
Q7調査結果は情報公開請求で見られる?
委員会への通知や結果報告は公文書となり、情報公開条例による開示請求の対象になりえます。ただし個人情報部分は不開示とされる可能性があります。
Q8任命権者が調査しないときはどうなる?
人事委員会または公平委員会は、任命権者に対して調査を行うよう求めることができます(38条の5)。委員会に情報を届けることが有効です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1OBに頼まれたけど断りました。それでも届け出ないとダメですか?
38条の2は、禁止された依頼を受けた職員に、人事委員会または公平委員会への届出を義務づけている。断ったかどうかに関係なく、依頼を受けた時点で届出の対象になる。実務のポイント:後に本条による調査が始まると、通話記録や OB 側の供述から「依頼を受けていた職員」が特定されることが多い。そのとき届出をしていなければ、断った事実よりも届け出なかった事実のほうが問題にされやすい
Q2役所が自分の OB を調べるなんて、結局もみ消されるんじゃないですか?
その懸念があるからこそ、本条は調査の開始時の通知と終了時の報告を人事委員会または公平委員会に対する義務とし、委員会に経過報告の要求や意見を述べる権限を与えている。実務のポイント:委員会は任命権者に調査を求めることもできる(38条の5)。任命権者だけに通報すると内部で止まるおそれがあるため、同じ内容を委員会にも同時に送っておくのが実務上の定石である
間違えやすい点 AI による整理
- 「OBの口利きが発覚したら、まず警察が動く」と考えるのは、問いの立て方が違う。多くの場合、最初に動くのは任命権者による内部調査である。刑事罰が科されるのは、職務上不正な行為をするよう依頼した場合など一部に限られる。大半の案件は、本条の調査、過料、そして任命権者が講じる措置という行政のルートで処理される
- 「退職した人は懲戒できないから、調べても意味がない」という見方は半分しか当たっていない。元職員を懲戒処分にすることはできない。しかし、本条はわざわざ「職員であつた者」を調査対象に含めている。依頼を受けた現職職員の側は、応じたり届出を怠ったりすれば懲戒(29条)の対象になりうる。調査の矛先は、OB だけでなく現職にも向いている
- 依頼を受けた現職職員は、自分を「OBに圧力をかけられた被害者」と感じている。しかし法律の側から見れば、その職員には人事委員会または公平委員会への届出義務がある(38条の2)。黙ってやり過ごしたことが、後から自分の義務違反として問われる。被害者のつもりでいた人が当事者に変わるのは、この認識のずれからである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 主体 | 38条の4:任命権者が調査し、委員会が監視 | 38条の5:人事委員会・公平委員会が任命権者に調査を求める 38条の2:依頼を受けた現職職員が委員会に届け出る |
| 発動のきっかけ | 任命権者が規制違反行為の疑いがあると思料したとき | 委員会が規制違反行為の疑いがあると思料したとき 職員が元職員から禁止された依頼を受けたとき |
| 義務か権限か | 開始通知と結果報告は義務、委員会の経過報告要求・意見陳述は権限 | 委員会の調査要求は権限 職員の届出は義務 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は離職公務員の再就職そのものを一定期間制限する旋転門規制が中心で、違反の調査・懲戒は監察院の弾劾や懲戒法院の手続に乗る。任命機関の内部調査を第三者委員会が監視する日本型の構造とは異なる
韓国は公職者倫理委員会が退職公職者の就業審査と行為制限を担い、第三者機関が審査主体となる点で日本より集中型である
ドイツは退職後の職務関連活動を届出・許可制とし、違反時は恩給上の不利益処分で担保する。調査は勤務先官庁が行う
米国連邦法は元職員の働きかけ自体を刑事規制し、司法省が訴追を担う。州・地方公務員は州ごとの倫理法・倫理委員会に委ねられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 市の土木課を定年退職して地元の建設会社に再就職した元課長が、入札の半年前に元部下へ電話をかけ、「仕様書の件、少し相談に乗ってほしい」と言った。元部下が人事委員会に届け出たことで、任命権者である市長部局は調査に入る。その着手は人事委員会へ通知され、委員会は途中経過の報告を求めることができる
- もし、あなたが OB を顧問に迎えた会社の総務担当で、その OB が役所に調査されていると噂で聞いたら、どうなる? 調査の対象は「職員又は職員であつた者」である。会社そのものは対象ではないが、ヒアリングへの協力を求められる可能性はある。OB と役所とのやり取りの記録を、今のうちに社内で確認しておくべきだ
- 調査結果の報告期限は「遅滞なく」とされている。調査を終えたのに任命権者が報告を何か月も寝かせていれば、それ自体が本条違反の疑いを生む
取るべき行動
被害を受けた側:1. OB から依頼を受けた職員は、日時・手段・内容をその日のうちに記録する2. 38条の2に基づき、人事委員会または公平委員会の規則で定める方法で届け出る。届け出ないこと自体がリスクになる3. 住民や競争相手の事業者は、任命権者への情報提供に加えて、人事委員会・公平委員会にも同じ情報を伝え、38条の5による調査要求を促す4. 後日、情報公開請求で調査の通知や結果報告の有無を確認する
訴えられた側:1. 調査の対象になったら、依頼をした時点で離職から2年以内だったか、案件が離職前5年間の職務に関わるものか、再就職先の契約や処分に関する依頼かという規制の要件を一つずつ確認する2. 単なる情報交換や法令上の例外に当たる事情があれば、根拠を添えて書面で出す3. 経過段階のうちに釈明を出し、委員会が意見を述べる前に記録に残す4. 職務上不正な行為を依頼したと疑われる場合は刑事罰の対象になりうるため、早い段階で弁護士に相談する
時効(請求できる期限):本条自体に日数の期限はない。ただし、調査を始めるときの通知は着手前に、結果の報告は調査終了後「遅滞なく」行わなければならない。規制の対象となるのは離職後2年間の依頼である(38条の2)。職務上不正な行為を依頼した罪(法定刑は1年以下の拘禁刑)の公訴時効は3年である(刑事訴訟法250条)(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)新設、平成28年(2016年)4月1日施行 地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律により、退職管理の適正化(再就職者による依頼等の規制)の一環として新設。任命権者による調査と、人事委員会・公平委員会への通知・報告の仕組みが設けられた
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 新設:地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律により、退職管理の適正化の一環として新設。平成28年(2016年)4月1日施行。任命権者による調査と、人事委員会・公平委員会への通知・報告の仕組みが設けられた
- 地方公務員法 第38条の2再就職者の依頼等規制と職員の届出義務
- 地方公務員法 第38条の3職員による規制違反行為の任命権者への報告
- 地方公務員法 第38条の5委員会による任命権者への調査要求
- 地方公務員法 第29条調査結果を受けた現職職員の懲戒
- 地方公務員法 第60条不正行為の依頼等に対する刑事罰
- 国家公務員法 第106条の7国家公務員版の再就職者依頼規制(現行効力を要確認)
- 入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律 第8条職員による入札妨害の処罰(通称 官製談合防止法)
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