地方公務員法 第38条の5(任命権者に対する調査の要求等)
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- 人事委員会又は公平委員会は、第三十八条の二第七項の届出、第三十八条の三の報告又はその他の事由により職員又は職員であつた者に規制違反行為を行つた疑いがあると思料するときは、任命権者に対し、当該規制違反行為に関する調査を行うよう求めることができる。
- 2.前条第二項及び第三項の規定は、前項の規定により行われる調査について準用する。
この条文の基本情報
任命権者に対する調査の要求等とは何ですか?
定義任命権者に対する調査の要求等とは、地方公務員法第38条の5に定められた規定で、「人事委員会又は公平委員会は、第三十八条の二第七項の届出、第三十八条の三の報告又はその他の事由により職員又は職員であつた者に規制違反行為を行つた疑いがあると思料す…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方公務員法第38条の5(任命権者に対する調査の要求等)は、日本の地方公務員法に含まれる条文です。
- 地方公務員法第38条の5の条文原文は「人事委員会又は公平委員会は、第三十八条の二第七項の届出、第三十八条の三の報告又はその他の事由により職員又は職員であつた者に規制違反行為を行つた疑いがあると思料す…」で始まります。
- 地方公務員法第38条の5は第六節の二 退職管理に置かれています。
- 地方公務員法の公布日は昭和25年12月13日です。
- 地方公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 地方公務員法第38条の5の前の条は地方公務員法第38条の4です。
- 地方公務員法第38条の5の次の条は地方公務員法第38条の6です。
- 地方公務員法第38条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第38条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000261 - 本サイト収録
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第38条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000261/38_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方公務員法38条の5は、人事委員会又は公平委員会が、職員の届出や任命権者の報告等で再就職者の規制違反行為の疑いを持ったとき、任命権者に調査を求めることができると定める。
Q · 天下りOBの口利きを役所が調べないとき、人事委員会が調査を求めることはできる?
できる。委員会は任命権者に調査を求められる
地方公務員法38条の5により、人事委員会又は公平委員会は、職員の届出、任命権者の報告、その他の事由から規制違反行為の疑いがあると思料するとき、任命権者に調査を求めることができます。調査を実施するのは任命権者ですが、38条の4第2項・第3項の準用により、委員会は調査の経過について報告を求め、意見を述べることができます。調査が終われば、任命権者は遅滞なく結果を委員会に報告しなければなりません。
解説
天下りOBが古巣の課長に電話を一本かけ、「今度の案件、うちの見積もりも見てやってくれ」と頼む。地方公務員法は平成26年(2014年)改正で、この種の働きかけを禁止した。ただし本当に難しいのは、取り締まる側の構造である。規制違反行為を調査するのは任命権者、つまり知事、市長、教育委員会などだ。ところがOBはその組織の元部下であり、ときには元上司でもある。身内の調査を身内に任せる構造に、法は一本のバイパスを通した。それが本条である。人事委員会または公平委員会は、次のいずれかをきっかけに規制違反行為の疑いを持てば、任命権者に調査を求めることができる。職員からの届出(38条の2第7項)、任命権者からの報告(38条の3)、さらに報道や外部からの情報提供といった「その他の事由」である。この求めによる調査には38条の4第2項・第3項が準用される。委員会は途中経過の報告を求めて意見を述べることができ、調査が終われば結果の報告を受ける。任命権者が黙って握り潰しにくい設計になっている。入札で不自然に外され続けている業者にとって、相談先は役所の担当課だけではない。
法的な位置づけ
地方公務員法38条の5は、退職管理における調査の要求を定める規定である。人事委員会又は公平委員会は、職員の届出、任命権者の報告その他の事由により、職員又は職員であった者に規制違反行為の疑いがあると思料するとき、任命権者に調査の実施を求めることができる。調査主体は任命権者のままとし、委員会には要求権と経過監視権のみを与える。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.働きかけの事実を記録する 再就職者(OB)からの依頼や口利きについて、日時、相手、案件名、発言内容をメモに残し、メール、着信履歴、面談記録を保存する。
- 2.要件への当てはまりを確認する 離職後2年以内の再就職者か、離職前5年間の職務に関わる契約・処分についての依頼か、38条の2の適用除外に当たらないかを確認する。条例による上乗せ規制の有無も調べる。
- 3.人事委員会・公平委員会に届出または情報提供する 職員は人事委員会規則・公平委員会規則が定める方式で38条の2第7項の届出を行う。業者や住民は委員会事務局宛てに、事実を特定した書面で情報提供する。
- 4.調査の経過と結果を追う 委員会が本条に基づき任命権者に調査を求めた後、任命権者から委員会への結果報告が行われる。報告書の作成後に情報公開請求を行い、対象文書を特定して開示を求める。
よくある質問 AI による整理
Q1地方公務員法38条の5とは何ですか?
人事委員会又は公平委員会が、再就職者による規制違反行為の疑いがあるとき、任命権者に調査を求めることができると定めた規定です。平成26年改正で新設されました。
Q2規制違反行為とは何を指しますか?
主に、再就職者が離職前の職務に関係する契約や処分について、現役職員に職務上の行為をするよう、またはしないよう依頼する行為と、それに応じた職員の行為などを指します(38条の2)。
Q3人事委員会と公平委員会の違いは?
都道府県と政令指定都市には人事委員会が置かれます。その他の市町村等には公平委員会が置かれ、共同設置や事務委託の形で運営されることが多いです。
Q4人事委員会は自分で調査できますか?
本条が与えるのは調査の「要求権」です。調査を実施するのは任命権者で、委員会は経過報告の要求や意見陳述を通じて関与します(38条の4第2項・第3項準用)。
Q5天下り 口利き 通報先はどこ?
職員であれば、人事委員会又は公平委員会への届出が法定ルートです(38条の2第7項)。外部の業者や住民は、委員会事務局に書面で情報提供する方法が考えられます。
Q6任命権者の調査結果は公開されますか?
本条自体に公表義務はありません。結果は委員会に報告されるため、情報公開条例に基づく開示請求の対象になりえますが、個人情報部分は不開示になりえます。
Q7調査要求を任命権者は拒否できますか?
条文上、拒否に関する明文の規定はありません。ただし要求後は経過報告と結果報告の枠組みが準用されるため、放置すれば説明責任が生じる設計になっています。
Q8天下り規制に違反するとどうなる?
依頼等を受けて応じた現役職員は懲戒処分(29条)の対象になりえます。再就職者側には罰則規定(60条・64条等)があるため、最新の条文をご確認ください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1元部長から口利きされたんだけど、上司に報告するだけじゃダメなんですか?
上司への報告だけでは、38条の2第7項の届出義務を果たしたことにならない可能性が高い。届出先は、法律上、人事委員会または公平委員会と明記されている。この届出は本条による調査要求の起点にもなる。実務のポイント:上司本人がOBと近い関係にあることは珍しくない。委員会あての届出は、組織内の力関係から情報を切り離すための設計だと理解しておけば、ためらいが減る
Q2業者の立場から、人事委員会に「調べてくれ」って言えるんですか?
業者や住民に正式な申立権はない。ただし本条は、調査要求のきっかけとして「その他の事由」を挙げており、外部からの情報提供も委員会が疑いを持つ材料になりうる。実務のポイント:匿名の噂話だけでは委員会も動きにくい。日時、相手、案件名を特定した書面にすれば、任命権者に調査を求める根拠を組み立てやすくなる。宛先は首長ではなく委員会事務局にする
間違えやすい点 AI による整理
- 「天下りそのものが違法かどうか」を問う人が多いが、問いの立て方がずれている。地方公務員法の退職管理規定が標的にしているのは、再就職すること自体ではない。再就職者が現役職員に対し、契約や処分について職務上の行為をするよう、またはしないよう頼む行為である。争点は再就職先ではなく、働きかけの中身にある
- 職員が人事委員会に届け出ればそこで終わる、と思われがちだが、届出は出発点にすぎない。本条によって委員会が任命権者に調査を求め、途中経過を追い、結果報告を受ける。一連の流れが公的な記録として積み上がる重さを、軽い口利きのつもりのOBは甘く見ている
- 住民や業者から見れば、公平委員会は職員の不利益処分への不服を聞く地味な機関にすぎない。しかし法律上は、退職管理の監視役という別の顔を持つ。この認識のずれのせいで、使えるはずのルートが知られないまま放置されている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 調査の起点 | 38条の5:委員会が疑いを持ったとき、任命権者に調査を要求 | 38条の3:任命権者が疑いを持ったとき、委員会に報告 38条の4:任命権者が自ら調査を行う |
| 行為主体 | 人事委員会又は公平委員会 | 任命権者 任命権者(委員会へ通知) |
| 委員会の関与 | 調査要求+経過報告要求・意見陳述・結果報告受領(準用) | 報告を受ける立場 経過報告要求・意見陳述・結果報告受領 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は離職後の就任制限を公務員服務法で定め、機関内の政風機構が監察を担う。日本のように独立委員会が任命権者に調査を要求する明文の仕組みとは構造が異なる
韓国は公職者倫理委員会が退職公職者の就業審査を担い、事前審査型の比重が大きい
ドイツは退職後の職業活動を届出・許可制で統制し、職務上の利益と衝突する活動を禁止できる
米国連邦は元職員の接触・代理を刑事罰で規制する。自治体職員は州法・自治体倫理条例によって扱いが異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし市の建設課に、2年前に退職した元部長から「うちの会社の見積もりを先に通してくれ」と電話が来たら、受けた職員はどう動くべきか? 黙っていれば、38条の2第7項の届出義務違反として懲戒処分(29条)の対象になりうる。届け出れば、それが本条の調査要求の起点になる
- 県庁を退職して地元の建設コンサルに再就職し、1年目のあなた。昔の部下との飲み会で「今度の案件、よろしくな」と軽く口にした。その一言が職員の届出に記載され、人事委員会が任命権者に調査を求める流れに入る。離職後2年以内で、離職前5年間の担当職務に関わる契約なら、規制の射程に入りうる
- 指名競争入札で3回続けて外れた。落札したのは、いつもOBが在籍する会社だ。次の入札公告まであと2週間ある。役所の担当課ではなく、人事委員会(町村なら公平委員会)の事務局に書面で情報提供する道がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 働きかけの日時、相手、案件名、発言内容をメモし、メールや着信履歴を保存する2. 職員なら、人事委員会規則または公平委員会規則が定める方法で38条の2第7項の届出を行う3. 業者や住民なら、委員会事務局に書面で情報提供し、本条の「その他の事由」による調査要求を促す4. 入札記録の情報公開請求も並行して行い、官製談合の疑いが強ければ警察や公正取引委員会への相談も検討する
訴えられた側:1. 問題とされた発言の日時、相手、文脈をすぐに記録として残す2. 離職後2年以内か、離職前5年間の職務に関わる契約・処分か、要件に当たるかを点検する(38条の2第1項) 3. 同条の適用除外(法令上の義務の履行や行政庁への申請など)に当たらないかを確認する4. 任命権者の調査には事実で答え、説明が食い違わないよう早めに弁護士と供述を整理する
時効(請求できる期限):本条自体に期限の定めはない。規制の対象となる働きかけは原則として離職後2年間である(38条の2第1項。条例による上乗せ規制がありうる)。任命権者は調査を終えたら「遅滞なく」委員会に結果を報告する(38条の4第3項を準用)。罰則との関係は最新の改正状況をご確認ください
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)法律第34号により新設、平成28年(2016年)4月1日施行 地方公務員法の改正により、退職管理規定(再就職者による依頼等の規制、届出、任命権者による調査など)が整備された。本条はその一部として新設され、人事委員会・公平委員会に任命権者への調査要求権を与えた
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 新設:地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律(平成26年法律第34号)により、退職管理規定の一部として新設。平成28年(2016年)4月1日施行。
- 地方公務員法 第38条の2再就職者の依頼等規制と職員の届出義務
- 地方公務員法 第38条の3任命権者の委員会への報告義務
- 地方公務員法 第38条の4任命権者の調査、本条で準用
- 地方公務員法 第29条規制違反職員に対する懲戒処分の根拠
- 地方公務員法 第64条再就職者の依頼等規制違反への過料(現行効力を要確認)
- 入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律 第8条職員の入札等妨害の刑事処罰(通称 官製談合防止法)
- 国家公務員法 第106条の4国家公務員の同種の依頼等規制(現行効力を要確認)
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