地方公務員法 第64条
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第三十八条の二第一項、第四項又は第五項の規定(同条第八項の規定に基づく条例が定められているときは、当該条例の規定を含む。)に違反して、役職員又はこれらの規定に規定する役職員に類する者として人事委員会規則で定めるものに対し、契約等事務に関し、職務上の行為をするように、又はしないように要求し、又は依頼した者(不正な行為をするように、又は相当の行為をしないように要求し、又は依頼した者を除く。)は、十万円以下の過料に処する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方公務員法第64条は、日本の地方公務員法に含まれる条文です。
- 地方公務員法第64条の条文原文は「第三十八条の二第一項、第四項又は第五項の規定(同条第八項の規定に基づく条例が定められているときは、当該条例の規定を含む。」で始まります。
- 地方公務員法第64条は第五章 罰則に置かれています。
- 地方公務員法の公布日は昭和25年12月13日です。
- 地方公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 地方公務員法第64条の前の条は地方公務員法第63条です。
- 地方公務員法第64条の次の条は地方公務員法第65条です。
- 地方公務員法第64条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第64条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000261 - 本サイト収録
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第64条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000261/64
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方公務員法64条は、再就職者が元の職場の職員に契約等事務について職務上の行為を要求・依頼した場合、不正な依頼でなくても10万円以下の過料に処すると定める。
Q · 市役所を辞めた元職員が、古巣の後輩に「普通に処理してくれ」と頼むだけでも違法になるの?
不正でない依頼でも10万円以下の過料の対象になる
地方公務員法64条により、再就職者が離職前5年間に在籍した組織の役職員に対し、契約等事務について職務上の行為をするよう、またはしないよう要求・依頼すると、内容が不正でなくても10万円以下の過料に処されます。規制期間は原則離職後2年ですが、在職中に自ら決定した契約・処分については期限がありません。不正な行為を頼んだ場合は60条の刑事罰となります。法令に基づく申請や公表情報の請求など38条の2第6項の適用除外に当たる接触は対象外です。
解説
古巣にかけた電話一本で、かけた側に10万円以下の過料が科されることがある。自治体を辞めて建設会社や設備業者、コンサル会社などへ再就職した元職員が、元の職場の現職職員に「あの入札の日程、少し前倒しできないか」「検査の指摘、今回は見送ってくれ」と頼む。頼む中身が不正でなくても、それだけで違法になる。地方公務員法38条の2が、再就職者が契約等事務(入札・契約の締結・検査・許認可など、自治体と企業が利害で向き合う事務)について職務上の働きかけをすることを禁じており、その違反への制裁が本条の過料である。規制期間は原則として離職後2年。在職中に自分で決めた契約や処分については期限がない。不正な行為を頼んだ場合は60条の刑事罰(1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金)に格上げされる。本条が狙うのはその一歩手前、「悪いことは頼んでいない」という灰色の口利きだ。頼まれた職員には人事委員会または公平委員会(人事委員会を置かない自治体の人事機関)へ届け出る義務がある。元上司が後輩に頼んだ時点で、後輩は元上司を届け出るか、自分が義務違反を負うかの二択に立たされる。
法的な位置づけ
地方公務員法64条は、同法38条の2第1項・第4項・第5項(同条第8項に基づく条例による規制を含む)に違反し、再就職者が役職員またはこれに類する者として人事委員会規則で定める者に対し、契約等事務に関して職務上の行為をするよう、またはしないよう要求・依頼した行為を、不正な行為の依頼を除いて10万円以下の過料に処する秩序罰規定である。
よくある質問 AI による整理
Q1地方公務員法64条とは?
自治体を離職した再就職者が、古巣の職員に契約等事務について働きかけることを禁じた38条の2違反に、10万円以下の過料を科す規定です。
Q2再就職者の依頼禁止はいつまで?
原則は離職後2年間です。ただし在職中に自ら決定した契約や処分に関する依頼は、期間の制限なく禁止されます(38条の2第5項)。
Q3契約等事務とは何ですか?
自治体が締結する売買・請負などの契約や、企業に対する許認可・検査などの処分に関する事務を指し、再就職先企業と利害が向き合う場面が対象です。
Q4元職員の口利きは違法?
契約等事務についての職務上の要求・依頼なら、内容が正当でも違法です。不正な内容なら60条の刑事罰、正当な内容なら64条の過料となります。
Q5口利きを受けた職員が届け出ないとどうなる?
現職職員には人事委員会または公平委員会への届出義務があり、怠ると法令違反として29条に基づく懲戒処分の対象となりえます。
Q6口利きの届出先はどこ?
人事委員会を置く自治体は人事委員会、置かない自治体は公平委員会です。具体的な手続は各自治体の規則で定められているため人事課で確認できます。
Q7元職員を雇った会社も処罰される?
本条の過料の対象は要求・依頼をした本人です。ただし会社の指示であれば、自治体の運用によっては入札参加や評判の面で企業側にも影響が及びえます。
Q8条例で規制を広げることはできる?
できます。38条の2第8項に基づく条例で規制を拡大した場合、その条例違反の要求・依頼も本条の過料の対象に含まれます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1退職した先輩に入札の日程を聞かれただけでも、届け出ないといけないんですか?
既に公表されている日程を聞かれただけなら、38条の2第6項の適用除外(公表情報の提供の請求)に当たる可能性がある。一方、未公表の日程や「早めてほしい」という依頼を含んでいれば、届出の対象になりうる。実務のポイント:迷ったら届け出る方が安全である。届出は相手の処分を確定させる手続ではない。人事委員会などが判断するための入口にすぎない
Q210万円払えば終わりで、前科もつかないなら大したことないのでは?
法律上の過料は刑罰ではなく、非訟事件手続法による手続で裁判所が科すため、前科にはならない。ただし不正な行為を頼んだと認定されれば60条の刑事罰(1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金)に移る。実務のポイント:実害が大きいのは金額よりも再就職先への影響である。自治体によっては規制違反をした再就職者が所属する企業を公表したり、入札参加で不利に扱ったりする運用があり、顧問として雇った意味がなくなる
間違えやすい点 AI による整理
- 「不正な便宜を頼まなければセーフ」と考える元職員は多いが、本条が罰するのはまさに不正でない依頼である。不正な依頼は60条の刑事罰、正当な内容の依頼は本条の過料という二段構えになっており、「ただスケジュールを聞いただけ」「普通に処理してくれと言っただけ」でも契約等事務に関する職務上の行為の要求・依頼に当たれば違法になる。ただし法令に基づく申請や届出、公表済み情報の請求など、38条の2第6項の適用除外に当たるものは除かれる
- 過料は罰金ではないので軽い、と受け止めるのは半分だけ正しい。前科はつかず、刑事手続にも乗らない。見落とされているのは、発覚の経路が元部下の届出という点だ。届出制度がある以上、口利きは表に出るのが前提の設計になっている。金額の10万円より、元の職場での信用と、再就職先の入札参加資格に及ぶ影響の方がはるかに重い
- 「元職員側の問題で、頼まれた現職には関係ない」という見方は、立場を逆に見ている。法律が本当に守ろうとしているのは現職職員の判断の独立性であり、そのために現職職員に届出義務を課している。頼まれた職員が沈黙すれば、制度はその職員を義務違反者として扱いうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性格 | 地方公務員法64条:38条の2違反のうち不正でない要求・依頼への制裁 | 地方公務員法60条:不正な行為の要求・依頼などへの刑事罰 地方公務員法38条の2:再就職者による依頼等の禁止そのもの(行為規範) |
| 制裁の内容 | 10万円以下の過料(秩序罰、前科なし) | 1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金(刑罰) 本条自体に制裁なし(64条・60条が担保) |
| 科す手続 | 非訟事件手続法に基づき裁判所が決定 | 刑事訴訟手続(捜査・起訴・公判) 現職職員の届出を受け人事委員会・公平委員会が調査 |
| 依頼内容の違法性 | 正当な内容でも対象 | 不正な行為・相当の行為をしないことの依頼に限る 正当・不正を問わず禁止 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は離職後3年間、離職前5年間の職務と直接関係する営利事業の役職就任を制限する方式で、古巣への働きかけそのものを過料で罰する日本とは規制の切り口が異なる
韓国は退職公職者による在職者への不正な請託・斡旋を禁止し、在職者側の申告義務も設ける点で日本の二面構造と近い
ドイツは退職後の職業活動を届出制とし、公務上の利益を害するおそれがあれば禁止できる事前規制型で、依頼行為への過料という事後制裁型の日本とは異なる
米国は元職員が元の所属機関に対し一定期間ロビー活動を行うことを刑事罰付きで禁じるクーリングオフ型で、日本の過料より制裁が重い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 市の土木課長を定年退職して1年、地元の建設会社に顧問として入った。昔の部下に「次の工事の設計変更、うちに有利に出してくれとは言わない。ただ早めに方針だけ教えてくれ」と電話した。見返りも不正もないつもりでも、38条の2の要求・依頼に当たりうる。本条の過料の射程に入る
- 元部長から飲み会の席で「例の委託契約の検査、そろそろ通してやってくれよ」と言われたら、若手職員のあなたはどうする? 聞き流して終わりにはできない。受けた要求や依頼は人事委員会または公平委員会に届け出る義務がある。黙っていれば、今度はあなたが懲戒処分の対象になりうる
- 総務部で再就職者の管理を担当している。4月に退職した元局長が、出入り業者の役員に就任したという情報が入った。離職後2年の規制期間がいつ終わるのか、担当していた契約はどれか。今のうちに整理して現場に周知しなければ、夏の入札シーズンに口利きが起きても誰も気付けない
- 業者の営業担当として、元市職員の上司から「昔のツテで担当者に話を通してくる」と言われた。会社の指示で元職員が働きかけた場合でも、要求・依頼をした本人が制裁の対象になるのは変わらない。会社にとっても、入札参加資格や評判への打撃は避けられない
取るべき行動
被害を受けた側:(要求・依頼を受けた現職職員の場合)1. その場では「規制に触れるのでお受けできません」とだけ伝え、議論に乗らない2. 日時・場所・相手・具体的な発言をその日のうちにメモに残す3. 自治体の人事委員会規則(または公平委員会規則)で定める手続に従い届け出る。窓口が分からなければ人事課に確認する4. 自分が担当する事務の処理は、通常の決裁ルートのまま一切変えない
訴えられた側:(働きかけを疑われた再就職者の場合)1. 離職日、離職前5年間に在籍した組織、在職中に自分で決定した契約・処分を洗い出し、規制の範囲に入るかを確認する2. 接触が法令に基づく申請・届出、公表済み情報の請求など38条の2第6項の適用除外に当たるなら、その根拠を示す3. 不正な行為の依頼と認定されると60条の刑事罰になるため、早い段階で弁護士に相談する4. 今後の接触はすべて会社の正式な窓口を通す
時効(請求できる期限):規制期間は原則として離職後2年(38条の2第1項・第4項)。在職中に自ら決定した契約・処分に関する依頼は期間の制限がない(同条第5項)。過料を科す期間については明文の時効規定がなく、実務上は解釈が分かれている(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)公布、平成28年(2016年)4月1日施行 地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律により、退職管理の規定(38条の2以下)とともに新設。国家公務員の再就職規制に準じ、再就職者による不正でない依頼に過料を科した
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:地方公務員法制定。この時点では再就職者の働きかけ規制および本条の過料規定は存在しなかった
- 2.平成26年(2014年) 新設:地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律により、退職管理の規定(38条の2以下)とともに本条を新設。平成28年(2016年)4月1日施行
- 地方公務員法 第38条の2再就職者による依頼等の禁止の本体規定
- 地方公務員法 第60条不正な行為の要求・依頼に対する刑事罰
- 地方公務員法 第63条在職中の不正行為と再就職の結び付きへの重罰
- 地方公務員法 第29条届出義務を怠った現職職員の懲戒根拠
- 国家公務員法 第113条国家公務員版の同種過料規定(現行効力を要確認)
- 非訟事件手続法 第119条法律上の過料を裁判所が科す手続
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