出入国管理及び難民認定法 第44条の7(違反事件の引継ぎ)
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入国警備官は、第四十四条の二第一項又は第六項の規定により容疑者を監理措置に付する旨の決定がされたとき(第四十四条の規定による容疑者の引渡しがされたときを除く。)は、速やかに違反調査を終え、調書及び証拠物とともに、当該容疑者に係る違反事件を入国審査官に引き継がなければならない。
この条文の基本情報
違反事件の引継ぎとは何ですか?
定義違反事件の引継ぎとは、出入国管理及び難民認定法第44条の7に定められた規定で、「入国警備官は、第四十四条の二第一項又は第六項の規定により容疑者を監理措置に付する旨の決定がされたとき(第四十四条の規定による容疑者の引渡しがされたときを除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第44条の7(違反事件の引継ぎ)は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第44条の7の条文原文は「入国警備官は、第四十四条の二第一項又は第六項の規定により容疑者を監理措置に付する旨の決定がされたとき(第四十四条の規定による容疑者の引渡しがされたときを除く。」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第44条の7は第二節 容疑者の身柄に関する措置に置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第44条の7の前の条は出入国管理及び難民認定法第44条の6です。
- 出入国管理及び難民認定法第44条の7の次の条は出入国管理及び難民認定法第44条の8です。
- 出入国管理及び難民認定法第44条の7には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第44条の7 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第44条の7(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/44_7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点入管法44条の7は、容疑者が監理措置に付されたとき、入国警備官が速やかに違反調査を終え、調書と証拠物とともに事件を入国審査官へ引き継ぐ義務を定める。
Q · 監理措置になったら、入管の手続はそこで終わるの?
いいえ。事件は審査官に引き継がれ手続は続きます
出入国管理及び難民認定法44条の7により、容疑者を監理措置に付する決定がされると、入国警備官は速やかに違反調査を終え、調書と証拠物を添えて違反事件を入国審査官に引き継がなければなりません。監理措置は収容せずに手続を進める仕組みであり、退去強制手続そのものは続きます。引継ぎ後は、入国審査官による違反審査(45条)が始まります。
解説
入管の現場には、二種類の職員がいる。取り締まる側の入国警備官と、判定する側の入国審査官だ。この二つは同じ役所の中にありながら、役割が厳格に分かれている。44条の7が定めるのは、その境界線を越える瞬間のルールである。あなた、あるいはあなたの職場の外国人スタッフが「監理措置」に付される決定を受けたとき、つまり収容されずに監理人の監督下で手続を進めることになったとき、入国警備官は速やかに調査を終え、調書と証拠物を添えて事件を入国審査官へ引き継がなければならない。ここで押さえるべきは「調書及び証拠物とともに」という文言だ。あなたが取調べで署名した供述調書は、警備官の手元に留まらず、審査官の判断材料として必ず引き渡される。つまり調査段階で口にした一言が、その後の違反審査の出発点になる。そして「速やかに」という縛りは、身体を拘束されていない者を役所の都合で無期限に宙吊りにさせないための、時間の歯止めである。
法的な位置づけ
出入国管理及び難民認定法44条の7は、監理措置に付された容疑者の違反事件について、入国警備官から入国審査官への引継ぎを定める規定である。第44条の2第1項または第6項による監理措置決定があったときは、入国警備官は速やかに違反調査を終え、調書及び証拠物とともに事件を入国審査官に引き継ぐ義務を負う。収容された容疑者の引渡し(44条)とは別の経路にあたる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.監理措置決定の内容と条件を確認する 監理措置決定書を受け取ったら、監理人、住居、就労の可否、届出事項などの条件を書き出す。条件違反は措置の取消しにつながるため、本人と監理人の双方で共有する
- 2.引継ぎ前に有利な資料を提出する 入国警備官が調査を終える前に、在職証明、家族関係、日本での生活歴を示す資料を提出する。調査段階で提出した資料は、証拠物として調書とともに入国審査官へ引き継がれる
- 3.調書の内容を署名前に確認する 取調べの調書は読み聞かせの際に一文ずつ確認し、記憶と違う点や曖昧な点があれば、その場で訂正を求める。署名後の調書が審査の出発点になる
- 4.違反審査に向けて専門家に相談する 事件が入国審査官に引き継がれた後は、違反審査、口頭審理、異議申出と短期の期限が続く。引継ぎ期間中に入管業務に詳しい弁護士へ相談し、主張の骨格と期限表を準備する
よくある質問 AI による整理
Q1入管法44条の7とは何ですか?
監理措置に付された容疑者の違反事件を、入国警備官が調査を終えて調書・証拠物とともに入国審査官へ引き継ぐ義務を定めた規定です。
Q2監理措置とは何ですか?
退去強制手続中の容疑者を収容せず、監理人の監督の下で生活しながら手続を進める制度です。決定は入管法44条の2に基づいて行われます。
Q3監理措置の後、どれくらいで次の連絡が来ますか?
条文は「速やかに」と定めるだけで日数の定めはありません。引継ぎの後、入国審査官による違反審査の呼出しが届くのが通常の流れです。
Q4監理措置中に働くことはできますか?
原則として就労は制限され、許可を受けた場合に限られます。条件に違反すると監理措置が取り消され、収容に切り替わるおそれがあります。
Q5入管の違反調査の調書は後で訂正できますか?
訂正を求めるのに最も確実な時機は署名前の読み聞かせの場面です。署名後の調書は審査官へ引き継がれ、判断資料として扱われます。
Q6違反審査の認定に不服がある場合はどうすればいいですか?
認定の通知を受けた日から3日以内に、特別審理官への口頭審理を請求できます(入管法48条)。期限が短いため早めの準備が必要です。
Q7監理措置と仮放免の違いは何ですか?
監理措置は監理人の監督を前提に収容せず手続を進める制度で、仮放免は2023年改正後は主に健康上・人道上の理由で一時的に収容を解く制度です。
Q8監理措置になっても強制送還されることはありますか?
あります。監理措置は収容の代わりの措置にすぎず、違反審査などを経て退去強制事由があると判断されれば、退去強制令書が発付されえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1監理措置になったら、もう強制送還はないってことですか?
違う。監理措置は身体を収容しない形で手続を続ける仕組みであり、退去強制手続そのものは継続する。だからこそ44条の7は、警備官に事件を入国審査官へ引き継ぐことを義務づけている。実務のポイント:収容されなかった人ほど危機感が薄れ、審査の準備を始めるのが遅れる。実務では、この油断が在留特別許可を目指す上で最も大きな失点になっている
Q2取調べで作られた調書って、あとで見せてもらえるんですか?
調書は本条により証拠物とともに入国審査官へ引き継がれ、以後の判断資料になる。署名前に読み聞かせを受け、訂正を申し立てることができるので、その場で内容を確定させるのが基本である。実務のポイント:後から「あれは違う」と言っても、署名済みの調書を覆すのは極めて難しい。訂正を求める唯一の実効的なタイミングは署名前であり、そこで粘れるかどうかで審査の出発点が変わる
Q3入国警備官と入国審査官って、何が違うんですか?
入国警備官は違反の調査と摘発を担う側、入国審査官は退去強制事由に当たるかを判定する側である。44条の7は、監理措置の決定がされたときに事件を後者へ渡すことを義務づけ、調べる者と判断する者の役割を分けている。実務のポイント:この区別を知らないまま、取調べの場で在留を認めてほしいと訴え続ける人が多い。情状の主張が効くのは審査官と、その先の法務大臣の裁決の場面である
間違えやすい点 AI による整理
- 監理措置になった=収容を免れた=一段落、と受け止められがちだ。だが監理措置は退去強制手続からの解放ではなく、身体拘束を伴わない形での手続の継続にすぎない。本条はむしろ、手続が次の段階へ進むことを義務づける規定である。安心する場面ではなく、次の準備を始める合図だ
- 「調書は取調べのメモのようなもの」という感覚を持つ人がいるが、深刻度の認識が足りない。調書は証拠物と一緒に審査官へ引き渡され、以後の判断の基礎資料となる。署名する時点で、それが別の判断者に読まれることを想定しているかどうかで、署名の重みがまったく違う
- 「速やかにと書いてあるから、役所が動かなければ違法だ」と考えるのは、問いの立て方が誤っている。訓示的な文言であり、これ自体を根拠に手続を止めることは通常できない。本条の実益は、遅れを攻撃する武器ではなく、次の段階が確実に来ることを予告する時刻表にある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用される場面 | 44条の7:容疑者が監理措置に付されたとき | 44条:収容令書により容疑者を収容したとき 45条:引継ぎ・引渡しを受けた入国審査官の審査 |
| 義務を負う者 | 入国警備官(調査の終了と事件の引継ぎ) | 入国警備官(容疑者の身柄の引渡し) 入国審査官(退去強制事由該当性の審査) |
| 時間の縛り | 「速やかに」(日数の明示なし) | 収容から48時間以内の引渡し 速やかな審査(引継ぎ・引渡し後) |
| 引き継がれるもの | 違反事件(調書及び証拠物とともに) | 容疑者の身柄(調書及び証拠物とともに) 審査結果として認定または不該当の判断 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も暫予収容に代えて収容代替処分を認める仕組みを持つ。手続の担い手の分け方は日本と異なるため、個別の確認が必要
ドイツでは退去強制の執行と拘禁は区別され、拘禁には裁判所の関与が必要。日本の警備官・審査官の二段構造とは制度設計が異なる
米国では摘発を担う行政機関と、退去手続を審理する移民裁判官が組織的に分かれている。拘禁に代わる監視プログラムも運用されている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 在留資格の期限が切れたまま働いていた従業員が入管に呼ばれ、監理措置の決定を受けて戻ってきた。会社としては「これで終わり」と思いがちだが、事件はこれから入国審査官の手に渡り、違反審査が本番を迎える。引継ぎ後に届く出頭通知こそが、退去強制手続の本戦の号砲である
- 取調べで「認めれば早く帰れる」と言われ、記憶が曖昧なまま調書に署名した。その調書は警備官の引き出しにしまわれるのではなく、44条の7により審査官へそのまま渡される。あなたが署名した紙は、あなたの知らない場所で、次の判断者の目の前に置かれる
- 監理人を引き受けた知人から「いつ次の連絡が来るのか」と相談された。条文は「速やかに」としか書いておらず、日数の明示がない。ならばこちらから引継ぎの有無を確認する余地がある。行政手続は待つ人ではなく、聞く人に動く
- もし調査が不十分なまま引き継がれたら、どうなる? 審査官はその調書と証拠物を土台に判断する。土台が歪んでいれば、その上の判断も歪む。反論すべき場所は審査官の前であって、警備官の取調室ではない
- 監理措置の届出義務を怠ると、措置が取り消されて収容に切り替わりうる。引継ぎ待ちの静かな期間こそ、住所変更や就労の可否といった条件を一つも踏み外してはならない時間帯である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 監理措置決定書と、署名した調書の写しの交付を求め、手元に記録を残す2. 引継ぎ前に、在職証明・家族関係・日本での生活歴などの有利な資料を提出し、証拠物として一緒に渡るようにする3. 監理人の届出義務と自分の遵守事項を書き出し、住所変更や就労条件を一つも踏み外さない体制を作る4. 引継ぎ後に来る違反審査の出頭通知に備え、この段階で入管業務に詳しい弁護士へ相談する
訴えられた側:1. 調査段階の供述は審査官へそのまま渡ることを前提に、記憶が曖昧な点は曖昧なまま記載させ、訂正を求める権利を行使する2. 監理措置の条件を確認し、違反すれば収容へ切り替わりうることを家族と共有する3. 在留特別許可を目指すなら、審査官の前で出す主張の骨格を引継ぎ期間中に組み立てる4. 手続の各段階(違反審査、口頭審理、異議申出)の期限を一覧化し、代理人と共有する
時効(請求できる期限):本条自体は「速やかに」と定めるのみで日数の明示はない。実務上の時間圧は引継ぎ後の段階にあり、違反審査の認定に不服なら口頭審理の請求、その判定に不服なら異議の申出と、それぞれ短期の期限が続く(各期限は改正の影響を受けうるため、最新の条文と入管の教示書面を必ず確認すること)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.令和5年(2023年) 新設:入管法改正で監理措置制度が創設されたのに伴い、監理措置に付された容疑者の違反事件を入国警備官から入国審査官へ引き継ぐ手続として新設(施行は2024年)
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