出入国管理及び難民認定法 第75条の2
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- 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金に処する。
- 一第二十三条第二項の規定に違反して在留カードを受領しなかつた者
- 二第二十三条第三項の規定に違反して、在留カードの提示を拒み、又は在留カード電磁的記録の内容を確認するために必要な措置を受けることを拒んだ者
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第75条の2は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第75条の2の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第75条の2は第九章 罰則に置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第75条の2の前の条は出入国管理及び難民認定法第75条です。
- 出入国管理及び難民認定法第75条の2の次の条は出入国管理及び難民認定法第75条の3です。
- 出入国管理及び難民認定法第75条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第75条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第75条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/75_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点入管法75条の2は、在留カードの受領拒否・提示拒否・IC記録確認の拒否を一年以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金で罰する。単なる不携帯は75条の3の罰金のみ。
Q · 警察官に在留カードを見せるよう言われて断ったら、どうなるの?
拒めば一年以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金の対象です
入管法第75条の2第2号により、入国審査官・入国警備官・警察官など法令が定める職員から職務の執行に当たって提示を求められた在留カードの提示を拒むと、一年以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金に処されえます。IC チップの読み取り(電磁的記録の確認措置)を拒む行為も同じ刑です。一方、家に忘れただけなら第75条の3の罰金刑にとどまります。
解説
「在留カードを家に忘れた」と「在留カードを見せない」。日本語では似た言葉だが、法的には別世界にある。忘れただけなら別条(第75条の3)の20万円以下の罰金どまり。だが提示を求められて拒めば、本条により一年以下の拘禁刑が科されうる。身体拘束を伴う刑だ。第二号はさらに新しい。在留カードの IC チップに入った電磁的記録、その読み取りに応じることを拒む行為も同じ刑で処罰される。偽造カードが出回った結果、券面を見せるだけでは足りなくなったからだ。第一号は逆方向で、在留カードの交付を受けに行かなかった中長期在留者を罰する。受け取らない、見せない、読ませない。本条はこの三つの「拒絶」を同じ重さで処罰する。そしてあなたが知っておくべきは、この刑が前科として残り、在留期間更新や永住許可の「素行の善良性」審査に静かに効いてくることだ。
法的な位置づけ
入管法第75条の2は、在留カード制度の実効性を担保する罰則規定であり、第23条第2項の受領義務に違反して在留カードを受領しなかった者、及び同条第3項に違反して在留カードの提示又は在留カード電磁的記録の内容確認措置を拒んだ者に対し、一年以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金を定める。
よくある質問 AI による整理
Q1在留カードの提示義務とは?
中長期在留者が、入国審査官・入国警備官・警察官など法令が定める職員から職務上求められたとき、在留カードを見せなければならない義務です(入管法23条3項)。
Q2在留カードの提示を拒否した場合の罰金はいくら?
入管法75条の2により、一年以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金です。罰金で済む場合でも刑事罰であり、前科として記録に残ります。
Q3在留カードを受け取りに行かないとどうなる?
入管法23条2項の受領義務に違反し、75条の2第1号により一年以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金の対象になりえます。交付通知の期限は必ず守りましょう。
Q4在留カードの提示拒否で前科はつく?
起訴されて有罪となれば、罰金刑でも前科になります。起訴猶予や不起訴で終われば前科はつきませんが、捜査を受けた記録(前歴)は残ります。
Q5在留カードの提示拒否は永住申請に影響する?
影響しえます。永住許可ガイドラインの素行善良要件では罰金刑も審査対象となり、刑の執行終了からの経過期間などが見られます。
Q6在留カードの提示拒否で強制送還される?
本条の法定刑は一年以下で、「一年を超える拘禁刑」を要件とする退去強制事由には原則として当たりません。ただし在留期間更新の審査では不利に働きえます。
Q7在留カード提示拒否の時効は何年?
公訴時効は3年です。長期五年未満の拘禁刑又は罰金にあたる罪であり、刑事訴訟法250条2項が適用されます。起算点は犯罪行為が終わった時です。
Q8在留カードの提示を拒否したら逮捕される?
法定刑に拘禁刑が含まれるため、要件を満たせば逮捕されえます。逮捕後は最大23日間身柄を拘束され、その間に起訴・不起訴が決まります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1家に忘れただけなのに、警察に捕まることってありますか?
携帯を怠っただけなら別条(第75条の3)の20万円以下の罰金にとどまり、本条の拘禁刑の対象ではない。ただし身元確認のためその場で時間を取られることはある。実務のポイント:現場で最も差が付くのは「持っていない」と述べるか「見せない」と拒むかの一言。前者は携帯義務の問題、後者は本条第二号の提示拒否になる。同じ状況でも、口にした言葉一つで適用条文が跳ね上がる。
Q2大家さんやバイト先に在留カードのコピーや原本を渡せと言われたら、断れますか?
断れる。第23条3項の提示義務の相手方は入国審査官・入国警備官・警察官など法令が定める職員に限られ、私人に対する提示義務はない。雇用主は就労可否の確認という実務上の必要はあるが、原本を預かる権利はない。実務のポイント:技能実習の場面では、実習実施者等が技能実習生の旅券や在留カードを保管することが法律で明確に禁じられている(外国人技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律48条)。原本を取り上げられたら、それ自体が出入国在留管理庁への申告事由になる。
Q3IC チップの読み取りを断ったら、本当に犯罪になるんですか?
第二号は「在留カード電磁的記録の内容を確認するために必要な措置を受けることを拒んだ者」を、券面の提示拒否と同じ刑で処罰する。偽造カード対策として、券面だけでは真贋判定ができなくなったためだ(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:読み取り用のアプリケーションは出入国在留管理庁が一般に公開しており、雇用主も自分で真贋確認ができる。求められる前に自分のカードを読み取って何が表示されるか把握しておくと、現場でのやり取りが劇的に短くなる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「在留カードを見せる義務があるのか」という問いの立て方そのものがずれている。義務の有無ではなく、求めてきた相手が誰で、その職務の執行に当たっての要求かどうかが分岐点だ。第23条3項が想定するのは入国審査官・入国警備官・警察官など法令が定める職員であり、大家や店舗の従業員に対する提示義務はない。なお、職務執行性を欠く要求がどこまで義務の範囲外かは実務上、解釈が分かれている。
- 「携帯義務があることは知っている」という人は多い。だが知っている深さが足りない。忘れた場合の罰金刑と、拒んだ場合の拘禁刑では、その後の人生の設計が変わる。罰金でも前科は前科であり、永住許可ガイドラインの素行善良要件の審査で不利に働く。刑の重さだけでなく、在留審査への波及まで見ている人はほとんどいない。
- 「券面を見せれば終わり」という理解は、第二号の存在で更新が必要になった。電磁的記録の確認措置を受けることは独立した義務であり、IC チップの読み取りに応じないことは、券面の提示とは別の処罰対象になりうる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処罰される行為 | 75条の2:在留カードの受領拒否・提示拒否・電磁的記録確認措置の拒否 | 75条の3:中長期在留者の在留カード不携帯 76条:中長期在留者以外の外国人の旅券等の不携帯・提示拒否 |
| 法定刑 | 一年以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金 | 二十万円以下の罰金(拘禁刑なし) 十万円以下の罰金(現行額は要確認) |
| 名宛人 | 中長期在留者(特別永住者は特例法で別途規律) | 中長期在留者 短期滞在者など在留カードを持たない外国人 |
| 現場で分かれ目になる一言 | 「見せない」「読ませない」=拒絶の意思表示 | 「今は持っていない」=携帯義務の問題 旅券を持っていない、又は提示を拒む |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も外国人に居留証等の携帯・提示義務を課すが、違反は行政上の過料で処理され、日本のような拘禁刑の選択肢はない点が大きく異なる
韓国も外国人に旅券・外国人登録証の携帯と提示を義務付け、違反に罰則を置く。日本と同じく外国人に限った常時証明負担の構造
ドイツは外国人に旅券・滞在許可証の提示義務を課し、違反は主に秩序違反(過料)として扱われる
米国は成人外国人に登録証明書の常時携帯を義務付け、違反は軽罪として罰金又は短期の拘禁となりうる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 深夜、コンビニの前で職務質問。財布は持っているが在留カードは部屋のパスポートケースの中。「今は持っていません」と答えるのと「なんで見せなきゃいけないんですか」と言い返すのでは、成立する罪が違う。
- もし警察官が読み取り端末を出してきて、あなたが「券面は見せたのだから十分だ」と断ったら、どうなるか。第二号は電磁的記録の確認措置を、券面の提示とは別個の義務として置いている。券面を見せた事実は、読み取り拒否の免罪符にならない。真贋を機械で確認させることまでが義務の射程だ。
- 転職に伴う在留資格変更が許可され、地方出入国在留管理局から新しい在留カードの交付のため出頭するよう通知が来た。繁忙期を理由に二度飛ばし、三度目の通知には期限が書かれている。残り14日。受け取らないこと自体が第一号の犯罪になりうると気付いたのは、その通知の文面を隅まで読んだときだった。
- 外国人スタッフを雇う飲食店に実地調査が入り、スタッフが在留カードの提示を渋った。店長のあなたは「うちの従業員だから大丈夫です」と庇う。その庇い方が最悪で、スタッフに拘禁刑の前科が付けば、その人の在留期間更新は一気に不利になる。庇うべきは提示させないことではなく、提示させた上で弁護士に繋ぐことだ。
- 取調室に座っているのはあなた。「拒否した」と調書に書かれようとしている。だが実際は日本語の要求内容が聞き取れず、黙って立っていただけだった。拒絶の意思があったかどうか、その一点が一年以下の拘禁刑と不起訴を分ける。調書に署名する前に言うべきことがある。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 提示を求めてきた相手の身分(警察官・入国審査官・入国警備官など法令が定める職員か)と、職務執行中かを確認する2. 確認できたら提示する。争うのはその場ではなく事後だ3. 不当と感じたら、日時・場所・相手の所属と氏名を記録し、提示した上で入管業務に強い弁護士に相談する4. 拒否したその瞬間に本条の犯罪が成立しうるため、正当性の主張は必ず後に回す。現場で正しさを競った側が前科を負う
訴えられた側:1. 取調べを受けたら黙秘権を行使し、在留資格を扱える弁護士を呼ぶ。当番弁護士は初回無料2. 「拒んだ」のか「持っていなかった」のかを事実として分解する。この区別が罪名と法定刑を左右する3. 起訴前に、拒絶の意思がなかったこと(言語の壁、要求内容を理解していなかった、機械の意味が分からなかった)を検察官に説明し、起訴猶予を狙う4. 略式命令に応じる前に、罰金前科が在留期間更新と永住審査に与える影響を弁護士と確認する
時効(請求できる期限):本罪の公訴時効は3年(法定刑の長期が一年以下の拘禁刑であり、長期五年未満の罪にあたるため。刑事訴訟法250条2項)。起算点は犯罪行為が終わった時。逮捕された場合の身柄拘束は最大23日(逮捕72時間+勾留10日+延長10日)で、その間に検察官が起訴・不起訴を決める
改正沿革 AI による整理
- 平成21年(2009年)改正・平成24年(2012年)施行 外国人登録法の廃止と在留カード制度の導入に伴い、在留カードの受領義務違反・提示義務違反を処罰する規定が置かれた。ただし条番号の変遷と新設か改正かの区別は人的検証を要する
- 令和4年(2022年)公布・令和7年(2025年6月1日)施行 刑法改正による懲役と禁錮の統合に伴い、法定刑の表記が「懲役」から「拘禁刑」に置き換わった
- 令和6年(2024年)改正関連 在留カード電磁的記録の内容確認措置を受けることの拒否が処罰対象として追加された。施行時期と条文確定版は人的検証を要する
改正の年表
- 1.平成21年(2009年)公布・平成24年(2012年)施行 改正:外国人登録法の廃止と在留カード制度の導入。在留カードの受領義務・提示義務の違反を処罰する規定が整備された。条番号の変遷は要人的検証
- 2.令和4年(2022年)公布・令和7年(2025年)施行 改正:刑法等の一部改正による懲役・禁錮の拘禁刑への一本化に伴い、本条の法定刑の表記が「拘禁刑」に改められた
- 出入国管理及び難民認定法 第23条在留カードの受領・携帯・提示義務の本体規定
- 出入国管理及び難民認定法 第75条の3携帯義務違反、罰金のみの軽い類型(現行効力を要確認)
- 出入国管理及び難民認定法 第76条旅券携帯義務違反、より軽い罰金刑(現行効力を要確認)
- 出入国管理及び難民認定法 第19条の3名宛人となる中長期在留者の範囲確定(現行効力を要確認)
- 出入国管理及び難民認定法 第24条退去強制事由、刑罰と在留資格の接続点
- 日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法 第17条特別永住者証明書による別建て規律、本条の適用外(現行効力を要確認)
- 刑事訴訟法 第250条本罪の公訴時効期間を決定する根拠
- 外国人技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律 第48条在留カードの保管禁止、雇用側への逆向き規制
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