航空法 第107条の3(混雑空港に係る特例)
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- 混雑空港(当該空港の使用状況に照らして、航空機の運航の安全を確保するため、当該空港における一日又は一定時間当たりの離陸又は着陸の回数を制限する必要があるものとして国土交通省令で指定する空港をいう。以下同じ。)を使用して国内定期航空運送事業を経営しようとする本邦航空運送事業者は、混雑空港ごとに、当該混雑空港を使用して運航を行うことについて国土交通大臣の許可を受けなければならない。
- 2.前項の許可を受けようとする本邦航空運送事業者は、当該混雑空港を使用空港とする路線に係る運航計画を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。
- 3.国土交通大臣は、第一項の許可をしようとするときは、次の基準によつて、これをしなければならない。
- 一運航計画が航空機の運航の安全上適切なものであること。
- 二競争の促進、多様な輸送網の形成等を通じて利用者の利便に適合する輸送サービスを提供するものであること等当該混雑空港を適切かつ合理的に使用するものであること。
- 4.国土交通大臣は、第一項の許可をしようとするときは、同項の本邦航空運送事業者の当該混雑空港の従前の使用状況に配慮してこれをしなければならない。
- 5.第一項の許可の有効期間は、許可の日からその日の属する単位期間(当該混雑空港に係る同項の指定の日以後の期間を五年を超えない範囲内において国土交通省令で定める年数ごとに区分した各期間をいう。)の末日までの期間とする。
- 6.第一項の許可を受けた本邦航空運送事業者は、第二項の運航計画を変更しようとするときは、国土交通大臣の認可を受けなければならない。
- 7.第三項の規定は、前項の認可について準用する。
- 8.第六項の本邦航空運送事業者は、当該混雑空港を使用して行う国内定期航空運送事業を廃止しようとするときは、その六月前(利用者の利便を阻害しないと認められる国土交通省令で定める場合にあつては、その二月前)までに、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
- 9.第一項の本邦航空運送事業者についての前条の規定の適用については、同条第一項から第三項までの規定中「運航計画」とあるのは「次条第一項の混雑空港を使用空港としない路線に係る運航計画」と、同条第四項中「国内定期航空運送事業」とあるのは「国内定期航空運送事業(次条第一項の混雑空港を使用して行うものを除く。)」とする。
- 10.第一項の混雑空港の指定があつたときは、当該指定の時において当該混雑空港を使用して国内定期航空運送事業を経営している本邦航空運送事業者は、国土交通省令で定めるところにより、当該指定の日に同項の許可を受けたものとみなす。
- 11.混雑空港について第一項の指定が解除されたときは、当該解除の時において当該空港を使用して国内定期航空運送事業を経営している本邦航空運送事業者は、国土交通省令で定めるところにより、前条第一項又は第二項の規定による届出をしたものとみなす。
この条文の基本情報
混雑空港に係る特例とは何ですか?
定義混雑空港に係る特例とは、航空法第107条の3に定められた規定で、「混雑空港(当該空港の使用状況に照らして、航空機の運航の安全を確保するため、当該空港における一日又は一定時間当たりの離陸又は着陸の回数を制限する必要があるものとし…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 航空法第107条の3(混雑空港に係る特例)は、日本の航空法に含まれる条文です。
- 航空法第107条の3の条文原文は「混雑空港(当該空港の使用状況に照らして、航空機の運航の安全を確保するため、当該空港における一日又は一定時間当たりの離陸又は着陸の回数を制限する必要があるものとし…」で始まります。
- 航空法第107条の3は第七章 航空運送事業等に置かれています。
- 航空法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 航空法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 航空法第107条の3の前の条は航空法第107条の2です。
- 航空法第107条の3の次の条は航空法第108条です。
- 航空法第107条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第107条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000231 - 本サイト収録
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第107条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000231/107_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点航空法107条の3は、国土交通省令で指定された混雑空港を使って国内定期便を運航する航空会社に、空港ごとの国土交通大臣の許可を義務づける。許可は最長5年の単位期間の末日で失効する。
Q · 羽田の便数って、航空会社が自由に増やしたり減らしたりできるの?
できない。混雑空港の発着は空港ごとに大臣の許可制
航空法107条の3により、国土交通省令で混雑空港に指定された空港を使って国内定期便を運航するには、空港ごとに国土交通大臣の許可が必要です。審査は運航の安全性と、競争の促進や多様な輸送網の形成を通じた利用者利便を基準とし、従前の使用状況にも配慮します。許可は最長5年の単位期間の末日で失効し、運航計画の変更には認可、路線の廃止には原則6か月前の届出が求められます。
解説
羽田から地方へ飛ぶ一便は、航空会社が自由に決めているわけではない。国土交通省令で「混雑空港」に指定された空港を使って国内定期便を飛ばすには、空港ごとに国土交通大臣の許可が必要である。ほかの空港なら運航計画の届出(107条の2)で済むのに、混雑空港だけは許可制に切り替わる。発着回数に物理的な上限がある以上、枠は希少な資源であり、誰に配るかは安全性と「利用者の利便」という基準で大臣が判断する(3項)。しかも許可には有効期限があり、最長5年の単位期間の末日で切れる(5項)。つまり枠はずっと持っていられる財産ではなく、期間ごとに配り直される借り物である。ただし4項が「従前の使用状況に配慮」すると定めているため、既存の大手が実績を盾に枠を守りやすい構造も最初から組み込まれている。新規参入が難しいこと、地方路線が突然消えること、運賃が下がりにくいこと。どれもこの一条の運用にさかのぼる。
法的な位置づけ
航空法107条の3は混雑空港の使用許可を定める規定である。離着陸回数の制限が必要として国土交通省令で指定された混雑空港を使用する国内定期航空運送事業について、空港ごとの国土交通大臣の許可を要件とし、許可の基準、有効期間(単位期間の末日まで)、運航計画変更の認可、事業廃止の事前届出、指定・解除時のみなし規定を定める。
手順
- 1.使用空港が混雑空港に該当するか確認 新規路線や運航計画の見直しを検討する際、使用予定の空港が国土交通省令で混雑空港に指定されているかを確認する。該当すれば107条の2の届出ではなく107条の3の許可が必要になる
- 2.運航計画を記載した許可申請書を提出 混雑空港ごとに、当該空港を使用空港とする路線の運航計画を記載した申請書を国土交通大臣に提出する。安全性と利用者利便(競争促進・多様な輸送網)への寄与を説明できる資料を添える
- 3.運航計画の変更は事前に認可を取得 便の時間帯や便数など運航計画を変更する場合、社内決裁だけで実施せず、事前に国土交通大臣の認可を受ける。審査は許可と同じ基準で行われる
- 4.路線廃止は6か月前までに届出 混雑空港を使う国内定期便を廃止する場合、廃止予定日の6か月前(省令で定める場合は2か月前)までに国土交通大臣へ届け出る。社内決裁の日程はこの期限から逆算して組む
よくある質問 AI による整理
Q1混雑空港とはどこのことですか?
運航の安全確保のため離着陸回数を制限する必要があるとして国土交通省令で指定された空港です。具体的な指定空港は省令で確認します。
Q2発着枠の有効期間はいつまで?
許可の日から、その日が属する単位期間の末日までです。単位期間は5年を超えない範囲で国土交通省令が定めます(航空法107条の3第5項)。
Q3混雑空港の路線を廃止するには何か月前に届出が必要?
原則として廃止の6か月前までに国土交通大臣へ届け出ます。利用者の利便を阻害しないと省令で定める場合は2か月前までです(8項)。
Q4混雑空港の便の時間を変更できる?
運航計画の変更には国土交通大臣の認可が必要です(6項)。審査には許可と同じ安全性・利用者利便の基準が準用されます(7項)。
Q5発着枠の許可基準は何ですか?
運航計画が安全上適切であること、競争の促進や多様な輸送網の形成などを通じて混雑空港を適切かつ合理的に使用することです(3項)。
Q6発着枠の不許可に不服を申し立てられる?
不許可は行政処分にあたり、審査請求(原則3か月以内)や取消訴訟(原則6か月以内)で争う余地があります。期限の起算点に注意します。
Q7空港が新たに混雑空港に指定されたら既存便はどうなる?
指定の時点でその空港を使って国内定期便を運航している事業者は、指定の日に許可を受けたものとみなされます(10項)。運航は継続できます。
Q8混雑空港の指定が解除されたらどうなる?
解除時に運航している事業者は、107条の2の運航計画の届出をしたものとみなされ、許可制から届出制に戻ります(11項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1羽田の発着枠って、航空会社同士で売り買いできるんですか?
107条の3の仕組みでは、枠は混雑空港ごとに大臣が個々の事業者に与える許可であり、市場で自由に売買する財産としては設計されていない。運航計画を変えるにも認可が要る(6項)。実務のポイント:提携先が運航する便の座席を共同運航で売ることで、他社の枠を実質的に活用する手法がある。これが競争をゆがめるかどうかは、配分を議論するたびに問題になってきた
Q2新しい航空会社が羽田に入れないのは、法律のせいなんですか?
法律が参入を禁じているわけではない。3項は「競争の促進」をはっきり許可基準に入れている。ただし4項が既存事業者の従前の使用状況への配慮も求めるため、枠に空きが出にくいのが実情である。実務のポイント:配分の見直しでは、新規参入や中堅の会社向けに枠が別に用意されたことがある。参入のチャンスは常にあるわけではなく、見直しの時期に集中している
Q3地元の路線がなくなりそうなとき、住民にできることってありますか?
撤退は原則6か月前の届出が必要なので(8項)、その間に自治体を通じて動ける。許可基準の「利用者の利便」や「多様な輸送網の形成」(3項)に訴える材料をそろえるのが筋である。実務のポイント:効くのは署名より、搭乗実績、観光やビジネスの需要データ、自治体の財政支援策の三点セットである。配分の評価は数字で行われる
間違えやすい点 AI による整理
- 「人気路線は需要があるから増便され、不人気路線は自然に消える」と考えがちである。だが混雑空港では、需要より先に発着枠という天井がある。需要が十分あっても、枠がなければ一便も増やせない。市場の原理が働く前に、行政の配分という関門がある
- 発着枠は航空会社の「資産」だと思われている。法律の目から見れば、枠は単位期間の終わりに切れる期限付きの許可にすぎない(5項)。会社の決算書では路線網が企業価値の中心に見えるのに、法的には5年ごとに更新を受けなければならない利用権である。この落差が、経営破綻や合併のときに枠の扱いをめぐる争いを生む
- 「新規参入が少ないのは大手の努力が上だからだ」という問いの立て方自体がずれている。4項の「従前の使用状況への配慮」は、実績のある事業者が枠を維持しやすい方向に働く。参入の難しさは企業努力より、配分ルールの設計に左右される部分が大きい。ただ、どこまで既存事業者を優遇すべきかは政策上の争点であり、評価が分かれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 航空法107条の3:混雑空港を使用する国内定期便 | 航空法107条の2:混雑空港を使用しない路線の運航計画 航空法100条:航空運送事業そのものの経営 |
| 行政の関与 | 混雑空港ごとの大臣の許可、変更は認可 | 運航計画の届出 事業の許可 |
| 期限 | 許可は単位期間(最長5年)の末日で失効 | 届出制のため有効期間の定めなし 事業許可自体に単位期間の失効規定なし |
| 廃止時の手続 | 原則6か月前(省令で定める場合は2か月前)の届出 | 107条の2の定めによる(最新条文を要確認) 事業の休廃止に関する別の規定による(要確認) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も航空会社の運航を主管機関(交通部民用航空局)の許可にかからせ、混雑空港の時間帯配分を行政が管理する点で同系統。条文単位の対応は要確認
韓国は国土交通部が運航許可とスロット配分を管理する。仁川・金浦の枠配分は行政主導である点で日本と近い
EU は独立したスロット調整者が配分し、使用実績(use it or lose it)による継続権を認める。行政許可ではなく調整者制度である点が日本と異なる
米国は FAA が一部の高密度空港でスロットを規制する。スロットは財産権ではないとしつつ、事業者間の移転を一定範囲で認める点が日本と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの地元空港と羽田を結ぶ一日三便が、次の配分見直しで二便に減ると報道された。航空会社の気まぐれに見えるが、実際には羽田の発着枠という限られた資源を、大臣が許可の基準に沿って配り直した結果である。自治体が利用促進策をまとめて枠の維持を訴えられるのは、見直しが決まる前までだ
- 地方路線の撤退を決めた航空会社の経営企画部に、あなたは所属している。混雑空港を使う路線を廃止するなら、原則6か月前までに大臣への届出が要る(8項)。来年度の事業計画に撤退を入れるなら、逆算すると届出の締切は今月である
- もし新規参入の航空会社が羽田の枠を申請して不許可になったら、どうなる? 不許可は行政処分(役所が特定の相手に直接下す具体的な決定)にあたり、審査請求や取消訴訟で争う道が開かれる
- 新しい空港が混雑空港に指定された。その時点でもう就航している会社は、指定日に許可を受けたものとみなされる(10項)。いきなり運航できなくなることはない
- 運航計画を少し変えて、朝の便を夕方へ移したいとする。混雑空港の路線では、これも大臣の認可事項になる(6項)。社内で決めればその日から動かせる話ではなく、審査は許可と同じ基準で行われる(7項)
取るべき行動
被害を受けた側:1. 不許可や認可の拒否を受けた航空会社なら、まず処分理由が3項の安全基準か利便基準のどちらに基づくのかを書面で特定する2. 国交省が公表している審査基準や配分の考え方と照らし合わせ、基準の適用がずれていないか検証する3. 行政不服審査法による審査請求、または行政事件訴訟法による取消訴訟を検討する4. 路線を失う自治体の場合、法的な争いより、次の配分見直しに向けて利用実績と地域の支援策を数字で用意する方が効果が大きい
訴えられた側:1. 混雑空港を使う運航計画を変える前に、認可が要るかどうかを確認する(6項)。無許可や無認可で運航すると、罰則や事業改善命令の対象になりうる(最新の改正状況をご確認ください) 2. 路線を廃止するなら6か月前の届出期限から逆算し、社内決裁の日程を組む3. 次の単位期間の配分に向けて、利用者利便への貢献(地方路線の維持、運賃施策)の実績を記録しておく。4項の「従前の使用状況」で評価される材料になる
時効(請求できる期限):路線廃止の届出は廃止の6か月前まで(省令で定める場合は2か月前、8項)。許可の有効期間は単位期間(最長5年)の末日まで(5項)。不許可処分を争う場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)
改正沿革 AI による整理
- 平成11年(1999年)改正(要確認) 需給調整規制の廃止に伴い、混雑空港について路線ごとの規制に代わる空港単位の使用許可制度を導入したとされる。導入時期とその後の改正の有無は人による検証が必要
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:需給調整規制の廃止に伴い、混雑空港について空港単位の使用許可制度を導入したとされる。施行日とその後の改正内容は e-Gov の改正履歴で要確認
- 航空法 第107条の2非混雑空港の運航計画届出、本条9項で読み替え
- 航空法 第100条航空運送事業の許可、事業参入の前提
- 航空法 第101条航空運送事業の許可基準
- 航空法 第112条事業改善命令(現行効力を要確認)
- 行政手続法 第5条許可申請に対する審査基準の設定と公表
- 行政事件訴訟法 第14条不許可処分取消訴訟の出訴期間
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