航空法 第111条の7(航空運送事業基盤強化方針)
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- 国土交通大臣は、世界的規模の感染症の流行その他の本邦航空運送事業者を取り巻く環境の著しい変化により、本邦航空運送事業者が経営する航空運送事業に甚大な影響が生じ、我が国の国際航空輸送網及び国内航空輸送網の形成に支障を来すおそれがあると認められる事態(以下「甚大影響事態」という。)が発生した場合においては、利用者の利便に対する重大な影響を回避するとともに、安全かつ安定的な輸送を確保するため、当該甚大影響事態に対処するための航空運送事業の基盤強化に関する方針(以下「航空運送事業基盤強化方針」という。)を定めなければならない。
- 2.航空運送事業基盤強化方針においては、当該甚大影響事態に対処するため、定期航空旅客運送事業者(本邦航空運送事業者であつて、路線を定めて一定の日時により航行する航空機により旅客の運送を行う航空運送事業を経営するものをいう。以下同じ。)が経営する航空運送事業に関し、次に掲げる事項を定めるものとする。
- 一航空運送事業の基盤強化の意義及び目標に関する事項
- 二航空運送事業の基盤強化のために政府が実施すべき施策に関する基本的な事項
- 三航空運送事業の実施に関連して必要となる空港の機能の確保のために政府が実施すべき施策に関する基本的な事項
- 四航空運送事業の基盤強化のために定期航空旅客運送事業者が講ずべき措置に関する基本的な事項
- 五前各号に掲げるもののほか、政府が実施する具体的施策その他の定期航空旅客運送事業者が経営する航空運送事業の基盤強化のために必要な事項
- 3.国土交通大臣は、航空運送事業基盤強化方針を定めようとするときは、財務大臣に協議しなければならない。
- 4.国土交通大臣は、航空運送事業基盤強化方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
- 5.国土交通大臣は、当該甚大影響事態の推移により必要が生じたときは、航空運送事業基盤強化方針を変更するものとする。
- 6.第三項及び第四項の規定は、航空運送事業基盤強化方針を変更し、又は廃止する場合について準用する。
この条文の基本情報
航空運送事業基盤強化方針とは何ですか?
定義航空運送事業基盤強化方針とは、航空法第111条の7に定められた規定で、「国土交通大臣は、世界的規模の感染症の流行その他の本邦航空運送事業者を取り巻く環境の著しい変化により、本邦航空運送事業者が経営する航空運送事業に甚大な影響が生じ、…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 航空法第111条の7(航空運送事業基盤強化方針)は、日本の航空法に含まれる条文です。
- 航空法第111条の7の条文原文は「国土交通大臣は、世界的規模の感染症の流行その他の本邦航空運送事業者を取り巻く環境の著しい変化により、本邦航空運送事業者が経営する航空運送事業に甚大な影響が生じ、…」で始まります。
- 航空法第111条の7は第七章 航空運送事業等に置かれています。
- 航空法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 航空法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 航空法第111条の7の前の条は航空法第111条の6です。
- 航空法第111条の7の次の条は航空法第111条の8です。
- 航空法第111条の7には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第111条の7 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000231 - 本サイト収録
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第111条の7(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000231/111_7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点航空法111条の7は、感染症の流行などで航空網の形成に支障を来すおそれがある甚大影響事態に、国土交通大臣が財務大臣と協議して航空運送事業基盤強化方針を定め、公表する義務を定める。
Q · 航空会社が危機に陥ったとき、国が支援するのに法律の根拠はあるの?
ある。航空法111条の7の基盤強化方針が根拠になる
航空法111条の7により、感染症の世界的流行などで航空網の形成に支障を来すおそれがある「甚大影響事態」が発生した場合、国土交通大臣は航空運送事業基盤強化方針を定めなければなりません。方針には政府が実施すべき施策と、定期航空旅客運送事業者が講ずべき措置の両方が盛り込まれます。策定にあたっては財務大臣との協議が必要で、定めた後は遅滞なく公表されます。個々の支援策そのものは別の法令や予算措置で実行されます。
解説
航空会社が危機に陥ったとき、政府はその場の判断で助けているわけではない。航空法111条の7は、世界的な感染症の流行などで日本の航空網そのものが崩れかねない「甚大影響事態」が起きた場合、国土交通大臣に「航空運送事業基盤強化方針」を定めることを義務づけている。ここで見落とされやすいのは、方針の中身が二本立てになっている点だ。一本目は政府が実施すべき施策、二本目は定期便を飛ばす航空会社が講ずべき措置である。つまり支援と引き換えに、会社側にも「やるべきこと」が書き込まれる。さらに財務大臣との協議が必須なので、方針は予算や税の減免と結びつく。そして策定後は遅滞なく公表しなければならない。地方路線が残るのか、運賃がどこまで戻るのか、空港のどの機能が維持されるのか。危機のときにこれを読み解く材料は、この公表された方針の中にある。ニュースの「航空業界に支援」という見出しの裏側に、法律で決められた手順がある。
法的な位置づけ
航空法第111条の7は、甚大影響事態における航空運送事業基盤強化方針の策定を定める規定である。国土交通大臣は、航空網の形成に支障を来すおそれがある事態が生じた場合、財務大臣と協議のうえ、政府の施策と定期航空旅客運送事業者の講ずべき措置を内容とする方針を定め、公表し、事態の推移に応じて変更する義務を負う。
よくある質問 AI による整理
Q1甚大影響事態とは何ですか?
世界的な感染症の流行などで本邦航空運送事業者に甚大な影響が生じ、国際・国内の航空輸送網の形成に支障を来すおそれがあると認められる事態です(航空法111条の7第1項)。
Q2航空運送事業基盤強化方針は誰が決めますか?
国土交通大臣が定めます。策定・変更・廃止の際には財務大臣との協議が必要で、決定後は遅滞なく公表しなければなりません。
Q3航空運送事業基盤強化方針には何が書かれますか?
基盤強化の意義と目標、政府が実施すべき施策、空港機能の確保策、定期航空旅客運送事業者が講ずべき措置、その他必要な事項の5項目です(本条2項)。
Q4航空運送事業基盤強化方針はどこで見られますか?
本条4項により策定後は遅滞なく公表されます。所管は国土交通省であり、同省の公表資料を確認するのが一次資料への近道です。
Q5なぜ財務大臣との協議が必要なのですか?
方針に盛り込まれる政府施策は、税の軽減や予算措置など財政と結びつくためです。協議を義務づけることで財政規律をかける仕組みになっています。
Q6航空運送事業基盤強化方針は途中で変わりますか?
変わり得ます。事態の推移により必要が生じたときは国土交通大臣が変更し、その際も財務大臣協議と公表が必要です(本条5項・6項)。
Q7航空会社にも義務が課されるのですか?
方針には定期航空旅客運送事業者が講ずべき措置に関する基本的事項が定められます。支援だけでなく事業者側の役割も書き込まれる構造です。
Q8コロナ以外でも甚大影響事態になりますか?
条文は感染症を「その他」の環境変化の一例として挙げており、感染症に限定されません。どの事態が該当するかは国土交通大臣の認定によります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1コロナのとき航空会社を支援したのって、法律に根拠があったんですか?
航空法111条の7は、感染症の流行などで航空網の形成に支障を来すおそれがある場合に、国土交通大臣が基盤強化方針を定める義務を規定している。財務大臣との協議が必須とされ(3項)、政府の施策と航空会社の措置の両方を盛り込む。実務のポイント:支援の中身そのもの(税の軽減や空港使用料の減免)は別の法令や予算措置で実行される。本条は個々の支援を直接与える条文ではなく、それらを束ねる設計図の位置づけである(最新の改正状況をご確認ください)
Q2LCC や貨物専用の航空会社もこの方針の対象になるんですか?
方針で措置を定める対象は「定期航空旅客運送事業者」、つまり路線を定めて一定の日時で旅客を運ぶ本邦の航空会社である(本条2項)。定期旅客便を飛ばす LCC は含まれ得るが、貨物専用やチャーター中心の事業者は定義上外れやすい。実務のポイント:定義から外れる事業者は、方針の中で役割を与えられない分、支援策の検討の場で存在感を持ちにくい。業界団体を通じて意見を届けるルートの確保が実務上は鍵になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「コロナで航空会社が国に助けてもらった」と聞くと、税金で一方的に救済したように思える。だが方針には、航空会社が講ずべき措置に関する事項も書き込むことになっている(本条2項4号)。法律の作りとしては片務的な救済ではなく、政府と事業者の双方に役割を割り振る設計である
- 感染症対策の条文だと思われがちだが、条文が挙げているのは「世界的規模の感染症の流行その他」の環境の著しい変化である。感染症は一例にすぎない。どの事態が甚大影響事態にあたるかは条文に列挙されておらず、国際紛争による燃料高騰などがどこまで含まれるかは、その時の国土交通大臣の認定にかかっている。視線を「コロナ」から「航空網が崩れるおそれ」に移さないと、この条文の射程を読み違える
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動場面 | 航空法111条の7:甚大影響事態という業界全体の危機時 | 航空法100条:平時の航空運送事業の許可 航空法112条:個別事業者に問題がある場合の事業改善命令(現行効力を要確認) |
| 国の関与の形 | 政府施策と事業者措置を束ねる方針の策定・公表(財務大臣協議あり) | 参入時の許可審査 個別事業者への命令による是正 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾はコロナ禍の航空業救済を時限的な特別条例と予算措置で行った。日本のように航空法本体に常設の危機対応方針制度を置く設計とは異なる
ドイツはコロナ禍で経済安定化基金を通じた出資等により大手航空会社を支援した。航空分野に限らない横断的な企業安定化の枠組みである
米国は Payroll Support Program により航空会社の給与支払を支援し、雇用維持や路線維持などの条件を付した。支援と事業者義務を組み合わせる点で本条の発想に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 地方空港の近くに住んでいて、唯一の東京便が減便されると聞いたら、その路線は守られるのか? 方針には、国内航空輸送網の形成と空港機能の確保が政府の施策として書き込まれる。公表された方針と国の施策の中で地元路線がどう扱われているかが、自治体に要望書を出すときの最初の論点になる
- 旅行会社の経営者として、次のパンデミックで国際線が止まる事態に備えた事業継続計画を作っている。感染症の流行などで政府が方針を定めれば、空港機能や航空網の維持に向けた施策が並ぶ。公表を待つのではなく、前回の方針を今のうちに読んでおくと、どの路線が早く戻るかの読みが立つ
改正沿革 AI による整理
- 令和3年(2021年)頃(要検証) 新型コロナウイルス感染症による航空需要の激減を受けた航空法等の一部改正で、甚大影響事態における航空運送事業基盤強化方針の策定制度として新設されたとみられる。改正年・法律番号は人的検証が必要
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