航空法 第132条の91
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無人航空機を飛行させる者は、飛行中航空機との衝突又は接触のおそれがあつたと認めたときその他前条第一項各号に掲げる事故が発生するおそれがあると認められる国土交通省令で定める事態が発生したと認めたときは、国土交通省令で定めるところにより国土交通大臣にその旨を報告しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 航空法第132条の91は、日本の航空法に含まれる条文です。
- 航空法第132条の91の条文原文は「無人航空機を飛行させる者は、飛行中航空機との衝突又は接触のおそれがあつたと認めたときその他前条第一項各号に掲げる事故が発生するおそれがあると認められる国土交通省…」で始まります。
- 航空法第132条の91は第四節に置かれています。
- 航空法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 航空法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 航空法第132条の91の前の条は航空法第132条の90です。
- 航空法第132条の91の次の条は航空法第132条の92です。
- 航空法第132条の91には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第132条の91 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000231 - 本サイト収録
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第132条の91(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000231/132_91
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点航空法132条の91は、無人航空機を飛ばす者が航空機とのニアミスや制御不能などの重大インシデントを認めたとき、国土交通大臣へ報告する義務を定める。衝突していなくても対象となる。
Q · ドローンがヘリとニアミスしたけど、ぶつかっていない。それでも国に報告しなきゃいけないの?
必要。接触しなくても、おそれを認めたら報告義務がある
航空法132条の91により、無人航空機を飛行させる者は、飛行中の航空機との衝突・接触のおそれを認めたとき、国土交通大臣へ報告しなければなりません。制御不能や飛行中の発火、重傷に至らない負傷など、国土交通省令で定める事態も対象です。許可・承認が不要な趣味の飛行でも、100g以上の機体であれば適用されます。報告はDIPS等を通じて行います(最新の省令をご確認ください)。
解説
ドローンを墜落させた人、人をケガさせた人だけが国に報告すればよいと思われがちだが、それは誤りである。何も壊れず、誰もケガをしなかった「ヒヤリ」の瞬間にも、報告義務は発生する。航空法132条の91は、無人航空機を飛ばす者に対し、飛行中の航空機(ヘリや小型機など、人が乗る機体)と衝突・接触しそうになったときや、国土交通省令が定める「事故の一歩手前」の事態が起きたときに、国土交通大臣への報告を義務付けている。省令が定める事態としては、ドローンが制御不能になった、飛行中に発火した、重傷に至らない程度に人を負傷させた、などが代表例である(最新の省令をご確認ください)。重要なのは、許可も承認も要らない趣味の飛行であっても、100g 以上の無人航空機を飛ばしている限り本条の対象になる点である。「無事だったから黙っておこう」という判断は、法律上は通らない。報告はドローン情報基盤システム(DIPS)などを通じて行う。この義務を知っている操縦者は、ヒヤリとした瞬間にまずログと映像を保全し、そのうえで落ち着いて報告に向かう。
法的な位置づけ
航空法第132条の91は、無人航空機の重大インシデント報告義務を定める規定である。無人航空機を飛行させる者は、飛行中の航空機との衝突又は接触のおそれがあったと認めたとき、その他事故発生のおそれがあると認められる国土交通省令で定める事態が発生したと認めたときに、国土交通大臣へ報告しなければならない。
手順
- 1.機体を安全に着陸させ、安全を確保する ニアミスや制御不能を認めたら、まず機体を安全な場所に着陸させる。負傷者がいれば救護を最優先し、事故(132条の90)に当たるかも併せて判断する
- 2.フライトログと映像を即座に保全する 機体のフライトログ、送信機の画面録画、周囲の撮影映像を上書きされる前に保存する。発生時刻・位置・高度・回避操作の内容をメモしておく
- 3.省令の重大インシデントに当たるか確認する 航空機との接近、制御不能、飛行中の発火、重傷に至らない負傷など、国土交通省令の該当事態かを確認する。迷う場合は報告する方向で動く
- 4.DIPS等で国土交通大臣へ直ちに報告する DIPSの事故等報告機能などから、事実のみを記載して報告する。推測は推測と明記し、保険会社・元請けへの通知は別途行う
よくある質問 AI による整理
Q1ドローンの重大インシデントとは何ですか?
事故には至らないものの、事故発生のおそれがあった事態です。航空機とのニアミスのほか、制御不能、飛行中の発火、重傷に至らない負傷などが省令で定められています。
Q2ドローンの事故・重大インシデントの報告方法は?
主にドローン情報基盤システム(DIPS)の報告機能を使い、国土交通大臣(実務上は地方航空局等)へ報告します。発生日時、場所、高度、状況などを事実ベースで記載します。
Q3ドローンのニアミス報告はいつまでに必要?
省令上、発生を認めたら「直ちに」報告するのが原則です。数日寝かせてから報告すると、遅れそのものが問題視されるおそれがあります(最新の省令をご確認ください)。
Q4ドローンが制御不能になっただけでも報告が必要?
必要です。人や物に被害がなく、自動帰還で無事に戻った場合でも、制御不能は省令が定める重大インシデントの代表例とされています。
Q5ドローンのバッテリーが飛行中に発煙・発火したら報告対象?
飛行中の発火は重大インシデントの例として挙げられています。発煙が発火に当たるか迷う場合は、映像とログを保全したうえで報告に向かうのが安全です。
Q6ドローンの事故と重大インシデントの違いは?
人の死傷や物件の損壊などが実際に生じれば事故(132条の90)、生じる手前で止まった事態が重大インシデント(132条の91)です。事故では救護等の措置義務も加わります。
Q7ドローンの重大インシデントを報告しないと違法?
本条は義務規定であり、報告を怠れば航空法違反となります。罰則の有無や内容は改正状況により変わりうるため、最新の条文をご確認ください。
Q8業務委託でドローンを飛ばした場合、報告するのは誰?
条文上の義務者は「無人航空機を飛行させる者」です。元請けや発注者がいても、実際に飛ばした操縦者側が報告義務を負うと考えて準備するべきです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ヘリが近くを飛んだだけで、ぶつかってもいません。それでも報告しないとダメ?
条文は「衝突又は接触のおそれがあつたと認めたとき」と書いており、実際に接触したかどうかは要件ではない(航空法132条の91)。慌てて回避操作をしたなら、それ自体があなた自身が「おそれ」を認めた証拠になりうる。実務のポイント:ドクターヘリや報道ヘリの側も、ドローンを目撃すれば運航会社や当局へ報告する運用が広がっている。相手側の報告だけが上がり、あなたの報告がない、という構図が一番まずい
Q2報告したら、それを理由に罰金とか許可取消しとかになりませんか?
本条は安全情報を集めるための報告義務であり、報告そのものを処分の理由とする規定ではない。ただし、報告内容が後の行政指導や民事・刑事手続で一切使われないという明文の保障も見当たらない。実務上の扱いには幅がある。実務のポイント:交通事故の報告義務は自己負罪拒否特権に反しないとした最高裁判例(最大判昭和37.5.2)があり、「不利になるから黙る」は法的な盾にならないと考えておくのが安全である
Q3100g 未満のトイドローンでも対象になりますか?
航空法上の「無人航空機」は100g 以上の機体を指すため(航空法2条22項)、100g 未満の模型航空機は原則として本条の対象外である。ただし小型無人機等飛行禁止法の規制や、民法上の賠償責任は重さに関係なく及ぶ。実務のポイント:重量はバッテリー込みで判定される。軽量化した機体でも大容量バッテリーやカメラを付けると100g を超え、気付かないうちに航空法の世界に入っていることがある
間違えやすい点 AI による整理
- 「報告するのは事故を起こしたときだけ」と思っている操縦者が多いが、本条の対象は事故の手前で踏みとどまった事態である。むしろ何も壊れなかったケースこそが本条の守備範囲であり、「結果オーライ」は報告を免除する理由にならない
- 国家資格(無人航空機操縦者技能証明)を持つプロだけの義務だと考えるのは前提から誤っている。条文の主語は「無人航空機を飛行させる者」であり、資格の有無、許可・承認の要否、業務か趣味かを問わない。週末に公園外の空き地で飛ばしている人も、100g 以上の機体であれば射程に入る
- 操縦者から見れば報告は「自分の失敗を国に差し出す行為」に映る。だが法律から見れば、報告しないことのほうが重い意味を持つ。後日その飛行が第三者の映像や管制記録から発覚したとき、問われるのはニアミスそのものより「なぜ報告しなかったのか」である。この落差が、隠した側を追い詰める
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる事態 | 132条の91:航空機との衝突・接触のおそれ、制御不能・発火・軽傷など事故の手前の事態 | 132条の90:人の死傷、物件の損壊、航空機との衝突・接触など実際に生じた事故 |
| 被害の有無 | 被害がなくても報告義務が生じる | 被害(死傷・損壊等)の発生が前提 |
| 課される義務 | 国土交通大臣への報告 | 飛行の中止、負傷者の救護、危険防止措置、国土交通大臣への報告 |
| 制度の狙い | 事故の芽となるヒヤリハット情報を集め、空域ルールの見直しに活かす | 事故の被害拡大防止と原因究明 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も遙控無人機の事故等について民用航空局への通報を求める枠組みを持つ。対象事態の細目は規則レベルで定める点が日本と類似
EU共通のオカレンス報告制度で、事故に至らない事象も報告対象とし、報告者の保護(Just Culture)を明文化している点が特徴
米国Part 107は重傷や一定額以上の物損を伴う事故についてFAAへの報告を求める。ニアミス単体の報告義務は日本より限定的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 河川敷で空撮中、低空を飛ぶドクターヘリが視界の端に入った。慌てて高度を下げ、接触はしなかった。誰にも見られていないし、機体も無傷。これが本条でいう「衝突又は接触のおそれ」であり、報告義務が生じる典型例である
- もし農薬散布中のドローンが突然操縦を受け付けなくなり、数十メートル漂流してから自動帰還したら、どうなる? 物も人も無事でも、「制御不能」は省令が定める重大インシデントの代表例である。業務での飛行なら、元請けへの報告と国への報告は別物として両方こなす必要がある
- イベント会場の撮影で、着陸時にプロペラが観客の手をかすめ、絆創膏で済む程度の傷を負わせた。重傷ではないから事故(前条)には当たらないかもしれないが、重大インシデントとして報告対象になりうる。相手が笑って許してくれたことと、国への報告義務は別の話である
- 撮影仕事を終えて帰宅したその晩、バッテリーが飛行中に発煙していた映像に気付いた。発火に当たるかどうかで迷っている時間はない。報告は「直ちに」が原則であり、翌週まで寝かせれば、それ自体が後で問題になる
- 友人から「趣味で飛ばしてたらヘリとニアミスした、許可も取ってない飛行だから黙ってたほうがいいよね?」と相談された。許可の要不要と、本条の報告義務は別の軸で動いている
取るべき行動
被害を受けた側:1. ヘリや小型機の操縦者としてドローンとのニアミスに遭った場合、時刻・位置・高度・ドローンの特徴をすぐ記録し、所属組織と管制機関へ連絡する2. 地上で軽傷を負わされた場合は、写真と診断記録を残し、操縦者の氏名と機体の登録記号を確認する3. 操縦者が報告していない様子なら、最寄りの地方航空局などへ情報提供できる4. 治療費等の請求は民法709条の不法行為で組み立てる
訴えられた側:1. 機体を安全に着陸させ、フライトログ・送信機録画・周辺映像を即座に保全2. 該当事態が省令の重大インシデントに当たるかを確認し、当たる、または迷うなら直ちに報告(DIPS 等) 3. 人を負傷させた場合は救護を最優先し、事故(132条の90)に当たるかも併せて判断4. 保険会社・元請けへの通知を別途行う5. 報告内容は事実のみを記載し、推測は推測と明記する
時効(請求できる期限):報告は省令上「直ちに」行うことが求められる(最新の改正状況をご確認ください)。本条自体に時効の定めはない。負傷者がいる場合の損害賠償請求権は、損害および加害者を知った時から5年、行為時から20年(民法724条、724条の2)
改正沿革 AI による整理
- 令和3年(2021年)改正、令和4年(2022年)12月施行とみられる レベル4飛行(有人地帯での目視外飛行)解禁に向けた制度整備の一環として、事故報告(132条の90)と並んで重大インシデント報告の規定が整備されたとみられる。新設か既存規定の移動かを含め、人的検証が必要
改正の年表
- 1.令和3年(2021年) 新設:レベル4飛行(有人地帯での目視外飛行)の制度整備に伴う航空法改正で、事故報告(132条の90)と並び重大インシデント報告義務が規定された。令和4年(2022年)12月施行。
- 航空法 第132条の90無人航空機の事故時の措置と報告義務
- 航空法 第132条の85飛行禁止空域の規制(現行効力を要確認)
- 航空法 第132条の86飛行方法の規制(現行効力を要確認)
- 航空法 第2条無人航空機の定義(第22項)
- 重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律 第10条重要施設上空の飛行禁止の特則(通称 小型無人機等飛行禁止法)
- 民法 第709条負傷・損壊時の損害賠償の根拠
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