航空法 第13条の3
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型式証明又は前条第一項の承認を受けた者は、当該型式証明を受けた型式の航空機又は当該承認を受けた設計に係る航空機であつて耐空証明のあるものの使用者が第十六条第一項の規定による整備及び改造をするに当たつて必要となる技術上の情報であつて国土交通省令で定めるものを当該航空機の使用者に提供するよう努めなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 航空法第13条の3は、日本の航空法に含まれる条文です。
- 航空法第13条の3の条文原文は「型式証明又は前条第一項の承認を受けた者は、当該型式証明を受けた型式の航空機又は当該承認を受けた設計に係る航空機であつて耐空証明のあるものの使用者が第十六条第一項…」で始まります。
- 航空法第13条の3は第三章 航空機の安全性に置かれています。
- 航空法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 航空法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 航空法第13条の3の前の条は航空法第13条の2です。
- 航空法第13条の3の次の条は航空法第13条の4です。
- 航空法第13条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第13条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000231 - 本サイト収録
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第13条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000231/13_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点航空法13条の3は、型式証明等を受けた設計者に対し、使用者の整備・改造に必要な技術情報の提供に努めるよう求める規定。努力義務であり罰則はない。
Q · 飛行機のメーカーには、整備に必要な情報を使用者に渡す義務があるの?
努力義務はあるが罰則はなく、強制は難しい
航空法13条の3により、型式証明または13条の2の承認を受けた者は、耐空証明のある機体の使用者が16条1項の整備・改造を行うために必要な技術情報(国土交通省令で定めるもの)を提供するよう努めなければなりません。ただし文末は「努めなければならない」であり、罰則はありません。一方で、機体を安全基準に適合させ続ける義務は16条により使用者が負います。情報提供を確実にする実効的な手段は、購入・リース・サポート契約の条項です。
解説
空を飛ぶ機体の安全は、整備士の腕だけで決まるわけではない。整備の前提になる設計情報、つまり点検間隔、部品の寿命、不具合が見つかった際の改修方法を握っているのは、機体を設計したメーカー(型式証明(国が「この設計なら安全」と認めたお墨付き)の保有者)である。航空法13条の3は、型式証明または13条の2の承認を受けた者に対し、機体の使用者が16条1項の整備・改造を行うために必要な技術情報を提供するよう求めている。ただし、条文の文末は「努めなければならない」である。これは努力義務(守るよう努めることが求められるが、違反しても直ちに罰則や強制が働くわけではない義務)であり、罰則はない。一方で16条により、機体を安全基準に適合させ続ける義務は使用者が負う。義務は使用者側に重く、情報は設計者側にある。この非対称を知っているかどうかで、中古機の購入、整備委託、事故後の責任追及のすべてで打つ手が変わる
法的な位置づけ
航空法13条の3は、型式証明または同法13条の2第1項の承認を受けた者が、当該型式・設計に係る耐空証明のある航空機の使用者に対し、同法16条1項の整備及び改造に必要な技術上の情報のうち国土交通省令で定めるものを提供するよう努める義務を定める規定である。罰則を伴わない努力義務として位置づけられる。
手順
- 1.契約書の情報提供条項を確認する 購入・リース・サポート契約に、技術情報の提供期間・範囲・費用・更新義務の条項があるかを確認する。空白があれば締結前に追記を求める
- 2.メーカーに書面で情報提供を請求する 必要な整備マニュアル、サービスブレティン、部品寿命データを特定し、書面またはメールで請求する。送付日と回答内容を記録に残す
- 3.同型機の使用者と連携する 回答が得られない場合、同型機を運航する他の使用者や業界団体と情報を共有し、共同で請求する
- 4.航空局に相談し代替手段を確認する 情報欠落が耐空性維持に影響しうる場合、国土交通省航空局に相談し、代替的な整備方法や検査対応の可否を確認する
よくある質問 AI による整理
Q1航空法13条の3とは?
型式証明等を受けたメーカーが、耐空証明のある機体の使用者に整備・改造に必要な技術情報を提供するよう努める義務を定めた条文です。
Q2型式証明保持者の情報提供は義務ですか?
条文上は「努めなければならない」という努力義務です。罰則規定はなく、提供しないことだけを理由に処罰されることはありません。
Q3提供される技術情報の範囲はどこまで?
16条1項の整備・改造に必要な技術上の情報のうち、国土交通省令で定めるものに限られます。設計データ全般の開示までは求めていません。
Q4輸入した海外製の機体も対象になりますか?
対象になります。13条の2第1項の承認(輸入機の型式設計承認)を受けた者も情報提供に努めるべき者に含まれます。
Q5耐空証明のない機体にも適用される?
適用されません。条文は「耐空証明のあるもの」の使用者への提供に限定しています。保管中で耐空証明が切れた機体は対象外です。
Q6メーカーは整備情報を有料にしてもいい?
本条は無償提供まで要求していないため、有償提供やライセンス契約を採ること自体は直ちに違法とはいえません。条件は契約交渉で決まります。
Q7整備の責任は使用者とメーカーのどちら?
機体を安全基準に適合させ続ける整備義務は16条により使用者が負います。メーカーは13条の3で情報提供に努める立場です。
Q8整備情報が届かない場合はどこに相談?
安全上の懸念があれば国土交通省航空局に相談し、代替的な整備方法の可否を確認します。契約上の請求は弁護士への相談が有効です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1メーカーが整備資料を出してくれないんですが、法律違反で訴えられますか?
航空法13条の3は努力義務なので、条文だけを根拠に提供を強制するのは難しい。実務上、解釈が分かれる余地はあるが、訴えの軸になるのは契約である。実務のポイント:大手の運航者は、購入時の契約に資料の提供期間と更新義務を細かく書き込んでいる。中小の使用者ほどこの条項を落としており、後になって泣くことになる
Q2メーカーが倒産したら、その機体はもう飛ばせないんですか?
直ちに飛べなくなるわけではないが、16条の整備義務は使用者に残り続ける。型式証明が他社に承継されるケースもあり、承継先が情報提供の窓口になる。実務のポイント:倒産の前後に資料を一括で確保できた使用者と、できなかった使用者とでは、機体の残存価値が大きく変わる。噂の段階で動いた者が得をする
間違えやすい点 AI による整理
- 「メーカーには整備情報を出す法的義務があるのだから、出さなければ国が罰してくれる」と考えがちである。しかし、本条は努力義務であり、罰則規定はない。情報を引き出す実効的な手段は、購入契約、リース契約、サポート契約の条項であり、条文そのものではない
- 整備士の資格や認定事業場の体制ばかりが安全の要だと思われている。しかし、どれほど腕の良い整備士でも、部品の寿命データや改修指示がなければ正しい整備はできない。情報の欠落は、整備ミスとして表面化するまで誰の目にも見えない。この時間差の深刻さが過小評価されている
- 旅客の目から見れば、安全は航空会社の責任である。法律の目から見ても、16条で安全基準への適合を維持する義務を負うのは使用者である。ただし、その前提となる情報は13条の3によって設計者側に置かれている。事故後に「誰の責任か」を問うとき、この二層構造を無視すると、追及の矛先を一つ見落とす
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象者 | 13条の3:型式証明・型式設計承認を受けた設計者 | 16条:耐空証明のある機体の使用者 12条:型式証明を受けようとする者 |
| 義務の性質 | 技術情報の提供に努める努力義務(罰則なし) | 安全基準への適合を維持する整備・改造義務 設計が安全基準に適合することの証明取得 |
| 機体との関わり | 運航開始後の継続的耐空性を情報面で支える | 運航中の機体の状態を維持する 型式の設計段階で安全性を認める |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も型別検定と適航検定の二段構造をとり、民航局が継続的適航を監督する。設計者の情報提供の位置づけは個別条項の確認が必要
EU では型式証明保持者に継続的耐空性のための指示書の提供を求めており、日本の努力義務より強い構成となっている
米国では設計承認保持者に Instructions for Continued Airworthiness の提供を規則で求める。日本の努力義務との強度差は比較のポイント
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 地方の航空会社が、製造中止になった海外製の小型旅客機を使い続けている。メーカーの事業縮小でサービスブレティン(メーカーが出す改修・点検の技術通報)の発行が遅れ、部品の寿命データも届かない。それでも国の検査で問われるのは使用者の整備責任である
- メーカーから技術情報が届かないまま、耐空証明の更新が近づいていたらどうなるか。整備記録に空白が残れば検査で指摘され、機体は飛ばせなくなる。残り二か月のうちに、メーカーへの書面請求と代替データの確保を並行して進める必要がある
- あなたはメーカー側の技術サポート担当である。古い型式の問い合わせに「サポート終了」とだけ返信した。後にその機体で事故が起きた場合、本条違反だけで罰せられることはない。しかし、製造物責任法の指示・警告上の欠陥(危険を十分に伝えていなかったこと)の議論で、その返信メールが証拠として引用されうる
- 自家用セスナを中古で買った。前所有者がメーカーの技術資料を手放していた
- 友人の整備会社が海外メーカー機の改造を受注したが、メーカーは設計データの開示を有償ライセンス契約に限定してきた。本条は「提供するよう努める」と定めるだけで、無償提供までは要求していない。交渉の土台をどこに置くかを、友人から相談された
取るべき行動
被害を受けた側:1. メーカーへの情報提供の依頼は必ず書面またはメールで行い、送付日と回答内容を記録に残す2. 購入・リース契約、サポート契約に情報提供条項があるか確認し、あれば契約上の履行請求として構成する3. 同型機を運航する他の使用者や業界団体と連携し、共同で請求する4. 情報欠落によって安全上の懸念がある場合は、国土交通省(航空局)に相談し、代替的な整備方法の可否を確認する
訴えられた側:1. 提供済みの技術情報の範囲と時期を一覧化し、努力義務を尽くした記録を整える2. 有償提供やライセンス制を採る場合は、その合理性(知的財産の保護、品質管理)を文書で説明できるようにする3. サポート終了の際は、事前告知と最終版資料の一括提供を行い、製造物責任法上の指示・警告上の欠陥を問われるリスクを下げる4. 個別の問い合わせへの拒否回答の文言は、法務部門の確認を経てから送る
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はないが、契約に基づく情報提供請求には一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年、または権利を行使できる時から10年)が適用される。情報欠落が事故につながった場合の製造物責任は、損害と賠償義務者を知った時から3年(人の生命・身体の侵害は5年)、引渡しから10年である(製造物責任法5条)。(最新の改正状況をご確認ください)
- 航空法 第12条型式証明、情報提供義務者の範囲を画定
- 航空法 第13条の2輸入機の型式設計承認、義務者に含まれる
- 航空法 第16条使用者の整備・改造義務、情報の使い道
- 航空法 第10条耐空証明、対象機体の要件
- 製造物責任法 第3条指示・警告上の欠陥による無過失責任
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