航空法 第16条(使用者の整備及び改造の義務)
クイックジャンプ
- 耐空証明のある航空機の使用者は、航空機の整備をし、及び必要に応じ改造をすることにより、当該航空機を第十条第四項の基準に適合するように維持しなければならない。
- 2.耐空証明のある航空機の使用者は、次の各号のいずれかに該当する装備品等以外の装備品等を当該航空機に装備してはならない。
- 一第二十条第一項第六号の能力について同項の認定を受けた者が、当該認定に係る製造及び完成後の検査をし、かつ、国土交通省令で定めるところにより、第十条第四項第一号の基準に適合することを確認した装備品等
- 二第二十条第一項第二号の能力について同項の認定を受けた者が、国土交通省令で定めるところにより、第十条第四項第一号の基準に適合することを確認した当該認定に係る航空機の装備品等
- 三第二十条第一項第七号の能力について同項の認定を受けた者が、当該認定に係る修理又は改造をし、かつ、国土交通省令で定めるところにより、第十条第四項第一号の基準に適合することを確認した装備品等
- 四その他国土交通省令で定める装備品等
この条文の基本情報
使用者の整備及び改造の義務とは何ですか?
定義使用者の整備及び改造の義務とは、航空法第16条に定められた規定で、「耐空証明のある航空機の使用者は、航空機の整備をし、及び必要に応じ改造をすることにより、当該航空機を第十条第四項の基準に適合するように維持しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 航空法第16条(使用者の整備及び改造の義務)は、日本の航空法に含まれる条文です。
- 航空法第16条の条文原文は「耐空証明のある航空機の使用者は、航空機の整備をし、及び必要に応じ改造をすることにより、当該航空機を第十条第四項の基準に適合するように維持しなければならない。」で始まります。
- 航空法第16条は第三章 航空機の安全性に置かれています。
- 航空法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 航空法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 航空法第16条の前の条は航空法第15条です。
- 航空法第16条の次の条は航空法第17条です。
- 航空法第16条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第16条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000231 - 本サイト収録
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第16条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000231/16
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点航空法16条は、耐空証明のある航空機の使用者に、整備・改造で機体を基準適合状態に保つ義務を課し、認定事業場が適合を確認した部品等以外の装備を禁じている。
Q · 飛行機の整備や部品の管理は、法律上だれの責任なの?
機体の使用者の責任。外注しても義務は移らない
航空法16条1項により、耐空証明のある航空機の使用者は、整備と必要に応じた改造によって機体を10条4項の基準に適合した状態に維持しなければなりません。2項は装備できる部品等を限定しており、20条の認定事業場が国土交通省令に従って基準適合を確認したもの等でなければ装備できません。耐空証明は検査時点の評価にすぎず、その後の安全維持は使用者の継続的な義務です。
解説
耐空証明(国が「この機体は安全基準を満たしている」と認める公的な合格証)は、検査に合格した日の状態を証明しているにすぎない。翌日に部品が摩耗しても、証明書の紙はそのまま有効に見える。航空法16条は、この空白を使用者(その機体を実際に運航・管理する者。所有者とは限らない)の義務で埋めている。1項は、整備をし、必要なら改造もして、機体を常に10条4項の基準に合った状態で維持する義務を課す。2項はさらに踏み込み、取り付けてよい部品を限定している。国の認定を受けた事業場(20条の認定事業場)が、国土交通省令の定めに従って基準適合を確認した部品などでなければ、機体に装備することはできない。カタログ上同じ型番でも、出所を書類で示せない部品は法的には「付けてはならない物」である。遊覧ヘリに乗る、自家用機を共同所有する、中古部品を売買する。どの立場でも、問うべきは「証明書はあるか」ではない。「部品一つ一つの来歴を書類でたどれるか」である。
法的な位置づけ
航空法第16条は、耐空証明を受けた航空機の使用者に課される耐空性維持義務と装備品等の装備制限を定める規定である。1項は整備・改造による10条4項基準への継続的適合を求め、2項は認定事業場による基準適合確認を経た装備品等その他国土交通省令で定めるもの以外の装備を禁止する。
手順
- 1.部品の受入時に来歴書類を確認する 装備予定の部品が届いたら、取付け前に認定事業場による基準適合確認を示す書類が付いているか、型番・製造番号と書類の記載が一致しているかを照合する。書類に欠けや不整合があれば受入保留とする
- 2.出所不明の部品を隔離する 来歴を書類でたどれない部品は、正規部品と物理的に分けて保管し、誤って装備されないよう表示する。調達先への照会結果も記録に残す
- 3.整備・改造の記録を受け取り確認する 整備を外注した場合も、使用者として作業記録と装備した部品の書類を受け取り、内容を確認した痕跡を残す。不明点はその場で整備事業者に問い合わせる
- 4.売買・リース返却前に記録の欠落を点検する 中古機の売買やリース返却の前に、整備記録と部品来歴を時系列で並べ、欠落がないか点検する。欠落があれば基準適合を回復するための措置と費用を見積もる
よくある質問 AI による整理
Q1航空法16条とは何ですか?
耐空証明のある航空機の使用者に、整備・改造で機体を基準適合状態に維持する義務と、確認済み部品以外の装備禁止を定めた条文です。
Q2航空機の「使用者」とは誰のことですか?
機体を実際に運航・管理する者を指し、所有者と一致するとは限りません。リース機ではリースを受けた運航者が使用者になることが一般的です。
Q3耐空証明があれば整備しなくても飛べる?
飛べません。耐空証明は検査時点の評価で、その後も16条1項により使用者が整備で基準適合を維持し続ける義務を負います。
Q4航空機に付けていい部品の条件は?
20条の認定を受けた事業場が国土交通省令に従い基準適合を確認した装備品等、その他省令で定める装備品等に限られます(16条2項)。
Q5認定事業場とは何ですか?
航空法20条に基づき、製造・整備・改造などの能力について国土交通大臣の認定を受けた事業場です。部品の基準適合確認の担い手になります。
Q6航空機の改造は自由にできる?
自由ではありません。改造後も10条4項の基準に適合していることが必要で、改造後の確認手続(19条)なども関係します。
Q7航空法16条に違反するとどうなる?
航空法の罰則章による刑事罰の対象となり得るほか、基準不適合と判断されれば耐空証明の効力停止等の行政上の措置もあり得ます。
Q8自家用の小型機にも航空法16条は適用される?
適用されます。16条は耐空証明のある航空機すべての使用者が対象で、エアラインか個人の自家用機かを区別していません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1整備を全部業者に任せてたら、オーナーの自分は責任ないですよね?
そうはならない。16条1項の義務を負うのは使用者で、外注しても義務そのものは移らない。業者の作業ミスは業者の責任にもなるが、業者の選び方や記録の確認といった使用者側の管理も問われる。実務のポイント:事故調査や行政の立入検査で最初に見られるのは、作業の中身より、使用者が整備記録を受け取って確認していた痕跡である
Q2メーカー純正と同じ型番の中古部品なら、付けても問題ないんじゃないですか?
型番が同じでも足りない。16条2項は、認定事業場などが国土交通省令に従って基準適合を確認した装備品等に限って装備を認めている。実務のポイント:航空業界では、出所を書類でたどれない部品は「疑わしい部品」として扱われ、現物がどれだけきれいでも使われない。価格が極端に安い部品ほど、書類の確認に時間をかけるべきである
間違えやすい点 AI による整理
- 「耐空証明の有効期間(原則1年)のうちは安全が保証されている」と考えがちだが、逆である。証明はあくまで検査時点の評価で、その後に基準を保つ責任は16条1項によって使用者が日々負い続ける。基準に適合しないと国が認めれば、有効期間の途中でも効力停止があり得る(14条の2)
- 部品の良し悪しは性能で決まると思われている。だが16条2項が問うのは性能ではなく、確認の経路である。認定事業場などによる基準適合の確認を経ていない部品は、新品同様で純正品と同等の性能があっても装備できない。偽造部品や出所不明部品の混入を防ぐには、性能検査より書類のほうが確実だからである
- 「整備は整備士の仕事で、オーナーの自分には関係ない」という見方は、立場を取り違えている。16条の名宛人は整備士ではなく使用者である。整備を外注しても維持義務そのものは移らない。事故後の民事・刑事の追及でも、使用者の管理体制が真っ先に調べられる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 航空法16条:耐空証明取得後の機体の維持と装備部品 | 航空法10条:耐空証明の付与と適合すべき基準 航空法20条:製造・整備等を行う事業場の認定 |
| 義務を負う者 | 耐空証明のある航空機の使用者 | 耐空証明を申請する者(国が検査) 認定を受けようとする事業場 |
| 時間軸 | 耐空証明がある間ずっと続く継続的義務 | 検査時点での一時点の評価 認定の範囲での業務遂行 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も航空器の適航と部品の適航検定を民航局の管理下に置く。条番号単位の対応は要確認
EU 域内では継続的耐空性を EU 規則が統一的に規律し、部品の適合性証明書類による管理を求める
米国も所有者・運航者に耐空状態の維持責任を負わせる点で16条1項と同じ発想に立つ
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 観光地の遊覧ヘリに家族で乗る前、運航会社の整備体制を確かめる方法はあるのか? 機体に耐空証明があることは前提にすぎない。日々の整備記録と部品の出所管理ができているかどうかを左右するのが16条である
- あなたは小型機を仲間と共同で所有し、使用者として登録している。ネットオークションで同じ型番の中古計器を半額で見つけ、整備士に取り付けを頼もうとした。基準適合を確認した書類が付いていなければ、16条2項違反になるのはあなた自身である
- 整備会社の部品調達担当として、海外ブローカーから届いた部品の書類に不審な点を見つけた。出荷は明日である。その一箱を通すかどうかで、取引先エアラインの機体全体の適法性が変わる
- リース機の返却期限まであと30日。過去の整備記録に欠落が見つかった。記録で示せない整備は、整備しなかったものとして扱われかねない
- 飛行クラブの練習機で、教官が「このくらいの改造なら書類はいらない」と言った。この一言を信じた側も、使用者として責任を負う
取るべき行動
被害を受けた側:1. 整備不良が疑われるトラブルに遭った乗客や委託者は、日時・便名・機体登録記号・異常の状況をすぐに記録する2. 国土交通省(地方航空局)への情報提供を検討する。行政による調査は、民間人が整備記録に近づく現実的な入口になる3. 損害が出た場合は、運航者に対して民法709条・715条、契約関係があれば415条で請求を組み立てる。部品自体に欠陥があれば、製造物責任法3条でメーカーも相手方にできる4. 整備記録の保全を早い段階で書面で求める
訴えられた側:1. 違反の指摘を受けたら、まず対象機の運航を止める。基準不適合のまま飛ばせば、過失が故意の問題に変わる2. 整備記録、部品の受入書類、認定事業場の確認書類を時系列でそろえ、どこで来歴が途切れたかを特定する3. 外注先に原因がある場合でも、使用者としての監督の実態を説明できるように準備する4. 罰則や行政処分への対応は、航空法に詳しい弁護士に早めに相談する
時効(請求できる期限):16条の維持義務は、耐空証明がある間ずっと続く継続的な義務で、特定の期限はない。罰則(航空法第11章)の公訴時効は法定刑に応じて刑事訴訟法250条で決まる(最新の改正状況をご確認ください)。民事の損害賠償は、損害と加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年)、不法行為の時から20年(民法724条、724条の2)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:航空法(昭和27年法律第231号)の制定。その後の改正で装備品等の確認主体や認定制度との関係が整理されている(改正経過は e-Gov で要確認)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める