航空法 第17条(修理改造検査)
クイックジャンプ
- 耐空証明のある航空機の使用者は、当該航空機について国土交通省令で定める範囲の修理又は改造をする場合には、その計画(次条第一項の承認を受けた設計(同条第三項の承認があつたときは、その変更後のもの。同条において同じ。)又は国土交通省令で定める輸入した航空機の修理若しくは改造のための設計に係るものを除く。)及び実施について国土交通大臣の検査を受け、これに合格しなければ、これを航空の用に供してはならない。
- 2.第十条の二第一項の滑空機であつて、耐空証明のあるものの使用者は、当該滑空機について前項の修理又は改造をする場合において、耐空検査員の検査を受け、これに合格したときは、同項の規定にかかわらず、これを航空の用に供することができる。
- 3.第十一条第一項ただし書の規定は、第一項の場合に準用する。
- 4.国土交通大臣又は耐空検査員は、第一項又は第二項の検査の結果、当該航空機が、国土交通省令で定めるところにより、第十条第四項各号の基準に適合すると認めるときは、これを合格としなければならない。
この条文の基本情報
修理改造検査とは何ですか?
定義修理改造検査とは、航空法第17条に定められた規定で、「耐空証明のある航空機の使用者は、当該航空機について国土交通省令で定める範囲の修理又は改造をする場合には、その計画(次条第一項の承認を受けた設計(同条第三項の承認…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 航空法第17条(修理改造検査)は、日本の航空法に含まれる条文です。
- 航空法第17条の条文原文は「耐空証明のある航空機の使用者は、当該航空機について国土交通省令で定める範囲の修理又は改造をする場合には、その計画(次条第一項の承認を受けた設計(同条第三項の承認…」で始まります。
- 航空法第17条は第三章 航空機の安全性に置かれています。
- 航空法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 航空法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 航空法第17条の前の条は航空法第16条です。
- 航空法第17条の次の条は航空法第18条です。
- 航空法第17条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第17条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000231 - 本サイト収録
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第17条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000231/17
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点航空法17条は、耐空証明のある航空機に省令範囲の修理・改造をする使用者に対し、計画と実施について国土交通大臣の検査に合格するまで航空の用に供することを禁じている。
Q · 耐空証明がある飛行機なら、大きな修理や改造をしてもそのまま飛ばせるの?
飛ばせない。省令範囲の修理・改造は検査合格が必要
航空法17条1項により、耐空証明のある航空機でも、国土交通省令で定める範囲の修理又は改造をした場合は、その計画と実施について国土交通大臣の検査に合格するまで航空の用に供することができません。承認済みの設計等に沿う場合は計画の検査が除かれ、滑空機は耐空検査員の検査で足ります。合格前の試験飛行は、3項が準用する11条1項ただし書の許可を受ければ可能です。
解説
耐空証明は一度取れば終わりの免許証ではない。機体の骨格や性能に関わる大きな修理・改造(範囲は国土交通省令で定める)をした瞬間、その機体は「証明のある機体」のまま、空に出られない状態になる。航空法17条によれば、使用者(機体を運航する者。所有者とは限らない)は、作業の計画と実施の両方について国土交通大臣の検査を受け、合格しなければ航空の用に供してはならない。ここで見落とされやすいのが「計画」も検査の対象だという点である。作業を終えてから書類を出すのでは順番が逆だ。ただし、承認済みの設計や省令で定める輸入機用の設計に沿う場合は、計画の検査が除かれ、実施の検査だけになる。滑空機(グライダー)なら、大臣ではなく耐空検査員(国が認めた民間の検査担当者)の検査で足りる。さらに4項は、基準に適合していれば合格としなければならないと定める。検査官の気分で落とされるものではない。不合格なら、どの基準に適合しないのかを具体的に問い返せる立場にある
法的な位置づけ
航空法17条の修理改造検査とは、耐空証明のある航空機について国土交通省令で定める範囲の修理又は改造を行う際、使用者がその計画及び実施について国土交通大臣の検査を受け、合格するまで当該航空機を航空の用に供することを禁じる制度である。滑空機については耐空検査員の検査による代替が認められている。
手順
- 1.作業が省令範囲の修理・改造に当たるか確認 整備会社の見積段階で、予定作業が国土交通省令で定める範囲の修理又は改造に該当するかを部材・系統単位で確認し、判断根拠を書面で受け取る
- 2.計画検査の要否を判定 18条1項の承認を受けた設計、または省令で定める輸入機用の設計を使う場合は計画検査が除かれる。該当しない場合は着工前に計画の検査を申請する
- 3.試験飛行の許可を並行申請 合格前に試験飛行で確認したい場合は、17条3項が準用する11条1項ただし書に基づく大臣の許可申請を、検査の予約と同時に進める
- 4.実施の検査を受け合格を確認 作業完了後、国土交通大臣(滑空機は耐空検査員)の実施検査を受ける。不合格の場合は不適合とされた基準項目を具体的に確認し、是正後に再検査を受ける
よくある質問 AI による整理
Q1修理改造検査とは何ですか?
耐空証明のある航空機に省令範囲の修理・改造をする際、計画と実施について国土交通大臣の検査を受ける制度です。航空法17条が根拠で、合格前は航空の用に供せません。
Q2修理改造検査が必要な修理の範囲はどこで決まる?
航空法17条1項は範囲を国土交通省令に委ねています。具体的な該当性は航空法施行規則等で確認し、判断に迷う場合は事前に当局へ照会するのが確実です。
Q3修理改造検査を受けずに飛ばすと違法?
違法です。17条1項は合格しなければ航空の用に供してはならないと定めており、航空法には罰則も置かれています。法定刑は最新の改正状況を確認してください。
Q4修理改造検査の計画検査が省略できるのはどんな場合?
次条(18条)1項の承認を受けた設計、または国土交通省令で定める輸入機の修理・改造用設計に係る場合は、計画の検査が除かれ、実施の検査のみとなります。
Q5グライダーの修理に国の検査は必要?
耐空証明のある滑空機なら、17条2項により耐空検査員の検査に合格すれば飛ばせます。国土交通大臣の検査を待たずに済むのが大きな違いです。
Q6修理後、検査合格前に試験飛行できる?
原則できませんが、17条3項が11条1項ただし書を準用しているため、国土交通大臣の許可を受ければ試験飛行等を行えます。
Q7修理改造検査で不合格になったらどうする?
17条4項は基準適合なら合格としなければならないと定めます。不適合とされた基準項目を具体的に確認し、是正して再検査を受けるのが最短ルートです。
Q8修理改造検査の義務を負うのは誰?
航空機の「使用者」です。所有者や整備会社ではなく、実際に機体を運航する者が検査を受け、合格前に飛ばさない義務を負います。
この条文についての質問 AI による整理
Q1整備会社が全部やってくれるんだから、検査も向こうの責任ですよね?
17条1項が義務を課すのは航空機の使用者です。手続の実務を整備会社が代行するのは普通ですが、合格前に航空の用に供してはならない義務は使用者に残ります。実務のポイント:トラブルの多くは、整備側が「軽微」と判断した作業が、実は省令の範囲だったというズレから生まれます。見積段階で区分の判断根拠を書面にさせておくと、後で責任の所在が一目で分かります
Q2修理が終わって、試しに飛ばして確認したいだけなんですが、それもダメですか?
検査合格前は原則として飛ばせませんが、3項が11条1項ただし書を準用しているため、国土交通大臣の許可を受ければ試験飛行などが可能です。実務のポイント:試験飛行の許可申請と修理改造検査の予約を別々に順番待ちさせる事業者が多いですが、並行して動かせば数週間単位で工期が縮むことがあります
Q3グライダーも旅客機と同じ手続が必要なんですか?
耐空証明のある滑空機であれば、2項により、大臣ではなく耐空検査員の検査に合格すれば飛ばせます。対象となる修理・改造の範囲自体は1項と同じ考え方です。実務のポイント:検査員の数は限られており、合宿シーズン前は予約が詰まりがちです。修理が決まった時点で検査員の日程を先に押さえるのが、クラブ運営で詰まないコツです
Q4検査を受けずに飛ばしてしまったら、どれくらい重い処分になりますか?
航空法は検査を経ない航空機の使用について罰則を設けており、事業者であれば事業上の行政処分につながるおそれもあります(具体的な法定刑は最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:処分の重さを分けるのは、違反に気付いた後の動きです。自分から飛行を止め、経緯を記録して当局に報告した事業者と、隠して飛ばし続けた事業者とでは、扱いが大きく変わります
間違えやすい点 AI による整理
- 「耐空証明があるから、修理後もそのまま飛ばせる」と考えがちだが、省令の範囲の修理・改造をすれば、検査に合格するまで航空の用に供することはできない。証明の存在は免罪符にならない
- 検査は完成した機体を見るものだと思われているが、17条1項が対象とするのは「計画」と「実施」の二段階である。計画を通さずに着工すると、仕上がりが完璧でも手続の順番という一点で詰む。手戻りの深刻さは、作業の質とは別の次元にある
- 「整備を外注したのだから、法的責任も外注先にある」という前提自体が誤っている。17条の名宛人は使用者であり、整備会社との契約関係は、国に対する義務の所在を変えない。損害は契約で外注先に請求できても、飛ばしてよいかの判断は自分に返ってくる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 航空法17条:耐空証明取得後の省令範囲の修理・改造 | 航空法10条:耐空証明の取得そのもの 航空法11条:耐空証明のない航空機の使用禁止 |
| 検査主体 | 国土交通大臣(滑空機は耐空検査員でも可) | 国土交通大臣 検査規定ではなく使用禁止の規定 |
| 合格・適合の基準 | 10条4項各号の基準への適合(4項で合格義務) | 10条4項各号の基準(強度・構造・性能等) 耐空証明の有無で判断 |
| 試験飛行の扱い | 3項で11条1項ただし書を準用、大臣許可で可 | 直接の定めなし 1項ただし書で大臣許可により可 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も適航証書取得後の重大な修理・改装について民航局の検定を要する仕組みで、日本と同じくシカゴ条約付属書8系の枠組みに立つ
韓国は修理・改造について国土交通部長官の承認制を採り、承認前の運航を制限する点で日本と類似する
ドイツは EU 共通規則に従い、変更(Subpart D)と修理(Subpart M)の設計承認を EASA または承認組織が担う。国内官庁単独の検査構造とは異なる
米国は大修理・大改造を FAA Form 337等で記録・承認させ、有資格整備士による復帰承認を軸とする。民間資格者への委任が日本より広い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 中古の単発機を買い、古いアナログ計器を最新のグラスコックピットに換装したいと考えている。その改造が省令の範囲に入れば、工場に機体を入れる前に計画を検査に回さなければならない。作業後に慌てても、計画段階の検査はやり直せない
- もし整備会社が「軽い修理です」と言って、実は主翼の構造部材を交換していたら、どうなる? 検査を受けずに飛ばした責任を負うのは、整備会社ではなく使用者であるあなたの側だ
- グライダー部の会計担当として、部の機体の胴体補修費を見積もっている。滑空機なら耐空検査員の検査で済むため、大臣の検査を待つよりスケジュールも費用も読みやすい。来月の合宿までに間に合うかは、検査員の予約を今週中に押さえられるかで決まる
- 遊覧ヘリ会社で、繁忙期の三週間前に機体を損傷させた。修理後に試験飛行をしたいが、検査に合格する前の飛行は原則できない。3項が準用する11条1項ただし書の許可を取れば試験飛行の道が開く。許可申請と検査予約を同時に動かさないと、繁忙期の売上がまるごと消える
- 検査で不合格と告げられた。理由は口頭で「基準を満たしていない」だけ。4項は適合なら合格としなければならないと定めている。どの基準のどの項目かを書面で求めることが、再申請の最短ルートになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 購入した機体や運航委託先の機体について、過去の修理・改造が検査を経ているか、整備記録と検査の合格記録を照合する2. 記録の欠落が見つかったら、売主や整備会社に経緯の説明と資料提出を書面で求める3. 契約不適合責任(民法562条以下)や損害賠償を検討し、再検査の費用と運休損失を数値化しておく4. 検査で不合格となったら、適合しない基準項目の書面での提示を求める
訴えられた側:1. 問題の作業が省令の範囲の修理・改造に当たるか、作業内容を部材単位で整理する2. 承認済み設計の利用で計画検査が除かれる場合か確認する3. 当面の飛行は止め、必要なら11条1項ただし書の許可を得て試験飛行で確認する4. 当局から照会があれば、整備会社の作業記録と自社の判断経緯を時系列でまとめ、航空法に詳しい弁護士と対応方針を決める
時効(請求できる期限):特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。整備会社や売主への契約不適合の請求は、不適合を知った時から1年以内の通知が必要(民法566条)。罰則の公訴時効は法定刑に応じて刑事訴訟法250条で決まる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
行政法上の羈束行為論:17条4項は「適合すると認めるときは、これを合格としなければならない」と定めており、要件充足時に合格処分を義務付ける羈束的な規定と読める。不合格処分には行政手続法8条の理由提示が及ぶと解される
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める