航空法 第56条の2
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- 国土交通大臣は、前条第一項の指定をし又は指定をした事項に変更を加える場合には、空港の附近の土地の所有者その他の利害関係を有する者の利益を著しく害することとならないように配慮しなければならない。
- 2.第三十八条第三項、第三十九条第二項及び第四十条の規定は、前条第一項の指定をし又は指定をした事項に変更を加える場合に準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 航空法第56条の2は、日本の航空法に含まれる条文です。
- 航空法第56条の2の条文原文は「国土交通大臣は、前条第一項の指定をし又は指定をした事項に変更を加える場合には、空港の附近の土地の所有者その他の利害関係を有する者の利益を著しく害することとならな…」で始まります。
- 航空法第56条の2は第五章 航空路、空港等及び航空保安施設に置かれています。
- 航空法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 航空法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 航空法第56条の2の前の条は航空法第56条です。
- 航空法第56条の2の次の条は航空法第56条の3です。
- 航空法第56条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第56条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000231 - 本サイト収録
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第56条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000231/56_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点航空法56条の2は、国土交通大臣が延長進入表面等を指定・変更する際、周辺地主等の利益を著しく害さないよう配慮し、告示・意見聴取等の手続を踏むことを定める。
Q · 空港の高さ制限が自分の土地に新しくかかりそうなとき、何かできることはある?
指定前の告示・意見聴取の段階で具体的な不利益を示せる
航空法56条の2により、国土交通大臣は延長進入表面等を指定・変更する際、周辺の土地所有者など利害関係者の利益を著しく害さないよう配慮しなければなりません。また2項により、空港設置許可と同様の告示・現地掲示・意見聴取の手続が準用されます。ただし求められるのは「配慮」であり同意ではないため、建築計画や投下費用など具体的な不利益を書面で示すことが重要です。
解説
建物の高さを縛るのは、都市計画や建築基準法だけではない。空港の周りには、国土交通大臣が指定する「見えない天井」がある。航空法56条で指定される延長進入表面・円錐表面・外側水平表面がそれで、指定されると56条の3により、その面より上に出る建物・樹木・物件は原則として置けなくなる。範囲は空港から最大で半径約24km に及ぶ。ここで歯止めになるのが本条である。1項は、大臣が天井を引くときや引き直すときに、土地の所有者など利害関係者(その土地や計画に法律上の利益を持つ人)の利益を「著しく害することとならないように配慮しなければならない」と定める。2項は、空港設置許可のときと同じ告示・現地掲示・意見聴取の手続を踏ませる。つまり天井は勝手に降りてこない。線が引かれる前に、あなたが声を上げられる時間がある。ただし求められているのは「配慮」であって「同意」ではない。声を上げなければ、配慮される材料もない。
法的な位置づけ
航空法第56条の2は、延長進入表面等の指定に関する手続的保障規定であり、国土交通大臣が同法56条1項の指定またはその変更を行う際、空港付近の土地所有者等の利益を著しく害さないよう配慮する義務を課すとともに、同法38条3項、39条2項および40条の告示・意見聴取等の手続を準用する旨を定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.告示・現地掲示の内容を記録する 延長進入表面等の指定・変更の告示や現地掲示を見つけたら撮影・保存し、自分の土地が指定範囲に入るか、天井の高さが何メートルか、意見提出の期限はいつかを確認する
- 2.空港事務所等へ高さを照会する 管轄の空港事務所等に、自分の土地での制限表面・延長進入表面等の高さを照会し、現在の建物や将来の計画が天井に抵触するかを把握する
- 3.「著しく害する」不利益を数字で整理する 将来の建築計画・事業計画、土地取得価格、投下済み費用、高さ制限による減収見込みなど、利益を著しく害することを示す具体的資料をそろえる
- 4.意見聴取の機会に書面で提出する 準用される意見聴取の手続で、具体的計画と金額を示した意見書を期限内に提出し、提出日と内容の控えを保管する
- 5.指定後の対応方針を専門家と固める 指定後に争う場合、指定の処分性は実務上解釈が分かれるため、行政事件に詳しい弁護士と早期に方針を決める。設計変更や56条の3の例外協議も並行して検討する
よくある質問 AI による整理
Q1延長進入表面とは何ですか?
空港の進入表面を延長した範囲の上空に国土交通大臣が指定する高さの上限面です。指定されると航空法56条の3により、その面を超える物件は原則設置できません。
Q2外側水平表面とは?どこまで及ぶ?
空港を中心に広い円形の上空を覆う高さの上限面で、範囲は空港から最大約24km に及びます。航空法56条で指定され、高層建築や鉄塔、風車が影響を受けます。
Q3空港の高さ制限 調べ方は?
管轄の空港事務所等に制限表面・延長進入表面等の高さを照会するのが基本です。設計が固まる前に照会すると、図面の引き直しコストを避けられます。
Q4延長進入表面の指定に反対できる?
告示・意見聴取の手続で意見を出せます。ただし本条が求めるのは「著しく害さない配慮」であり同意ではないため、反対だけでは指定は止まりません。
Q5空港 高さ制限 風力発電 できる?
外側水平表面等の指定区域内で天井を超える風車は、56条の3により原則設置できません。立地選定段階で高さ照会し、指定手続では計画を具体的に示すことが重要です。
Q6空港周辺の高さ制限 クレーンも対象?
対象になりえます。56条の3は物件の設置だけでなく留置も禁じるため、工事中のタワークレーンの高さも天井との関係で問題になります。
Q7延長進入表面の指定 いつ告示される?
指定や変更の都度、準用される告示・現地掲示の手続で公表されます。滑走路延長など空港拡張の報道は、指定が引き直される合図になります。
Q8空港の高さ制限 損失補償はある?
本条自体は補償を定めず、配慮義務と手続を定めるのみです。補償の可否は別途の規定や個別事情によるため、指定前に不利益を記録しておくことが交渉の土台になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの土地、空港からかなり遠いんですけど、それでも高さ制限ってかかるんですか?
かかる可能性がある。航空法56条で指定される外側水平表面は空港を中心に広い範囲の上空を覆い、指定されると56条の3で天井を超える物件は原則として置けない。普通の戸建てなら天井に届かないことがほとんどだが、鉄塔や風車、高層建築では現実の問題になる。実務のポイント:空港事務所への高さ照会は、設計が固まる前の段階でも受け付けてもらえることが多い。設計後に気付くと、図面の引き直し費用だけで大きな損失になる
Q2指定に反対の意見を出しても、どうせ国の言いなりで終わりじゃないですか?
反対の声だけでは指定を止める力は弱い。本条1項の配慮義務は「著しく」害さないことが基準で、同意は要件ではない。ただ、2項で準用される意見聴取の記録は、配慮の検討材料として手続上に残る。実務のポイント:効くのは感情的な反対ではなく、具体的な計画と金額で不利益を示した意見書である。後で損失補償や訴訟を検討する場合も、指定前に不利益を申し出ていた記録が交渉の土台になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「配慮義務があるなら、地主が反対すれば指定はされない」と考えるのは誤りである。本条が求めるのは利益を「著しく」害さないための配慮であって、利害関係者の同意ではない。軽い不利益は指定の正当化を妨げない。反対の声の大きさではなく、どれだけ具体的な不利益を示せるかが、配慮を引き出す材料になる
- 空港の高さ制限といえば滑走路の延長線上だけの話だと思われがちだが、それは49条の制限表面の話にすぎない。本条が関わる外側水平表面は、空港を中心に広い円で上空を覆う。空港が見えない場所に住んでいても、高層建築や鉄塔、風車の計画なら当事者になりうる
- 問題は「指定に従うかどうか」ではない。指定された後で、その処分性(取消訴訟で争える「処分」に当たるか)を認めてもらえるかは実務上、解釈が分かれている。事後の訴訟に期待するより、告示・意見聴取の段階で動く方が確実である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 56条の2:指定時の配慮義務と告示・意見聴取手続 | 56条:延長進入表面等を指定する権限 56条の3:指定表面を超える物件の設置・留置の禁止 |
| 名宛人 | 国土交通大臣(指定する側) | 国土交通大臣(指定する側) 指定区域内で物件を設置・留置する者 |
| 地主への効果 | 指定前に意見を述べ、配慮を求める機会 | 上空に高さの上限が設定される 天井を超える建物・樹木・物件が原則不可 |
| 49条との違い | 延長進入表面・円錐表面・外側水平表面の指定手続 | 指定により広域の表面を設定 49条は空港設置に伴う制限表面の基本型(進入表面・水平表面等) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も航空站周辺の一定範囲で建築物等の高さを制限し、既存物件の撤去等には補償規定を置く。手続面より補償面の明文が目立つ
ドイツは空港周辺に建築保護区域(Bauschutzbereich)を設け、一定高さを超える建築に航空当局の同意を要する仕組みをとる
米国は FAA への事前通知と障害物評価の仕組みで航行空域を保護し、高さ制限の実効的な規制は州・地方のゾーニングに委ねられる部分が大きい
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし自宅近くの掲示板に「延長進入表面の指定」という告示が貼られたら、どうなる? 読み飛ばせば、将来その土地に建てられる高さの上限が、あなたの関与なしに決まってしまう可能性がある
- あなたは風力発電の事業者で、空港から15km 離れた丘陵地に高さ150m 級の風車を計画している。用地交渉も終わった段階で、空港の滑走路延長に伴う指定変更の告示が出た。計画の高さが新しい天井を超えるなら、56条の3で設置できなくなる。今やるべきは、意見聴取の場で具体的な事業計画と投下済みコストを数字で示し、「著しく害する」状態であることを記録に残すことだ
- 意見を出せる期間は限られている。回覧板を読み飛ばしたその数週間が、二十年先の土地活用を決めることがある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 告示・現地掲示の内容を記録し、自分の土地が指定範囲に入るか、天井の高さが何メートルかを確認する2. 将来の建築計画や事業計画、取得価格、投下済み費用など「著しく害する」ことを示す具体的資料をそろえる3. 意見聴取の機会に書面で提出し、提出日と内容の控えを残す4. 指定後に争う場合、指定の処分性は実務上、解釈が分かれるため、行政事件に詳しい弁護士と早めに方針を固める
訴えられた側:1. 空港周辺で高い建築物・鉄塔・風車・クレーンを計画する事業者は、着手前に管轄の空港事務所等で制限表面と延長進入表面等の高さを照会する2. 指定・変更の告示が出ていないかを定期的に確認し、事業計画との衝突を早めに把握する3. 衝突する場合は意見聴取の段階で計画の合理性を示し、高さ・位置の設計変更も並行して検討する4. 56条の3の例外に当たる余地がないか、所管庁と事前に協議する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。意見提出の期間は準用される告示手続で個別に定められるため、告示文で必ず確認する。指定を処分として争う場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月(行政事件訴訟法14条)だが、指定の処分性自体に争いがある(最新の改正状況をご確認ください)
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