航空法 第58条(航空日誌)
クイックジャンプ
- 航空機の使用者は、航空日誌を備えなければならない。
- 2.航空機の使用者は、航空機を航空の用に供した場合又は整備し、若しくは改造した場合には、遅滞なく航空日誌に国土交通省令で定める事項を記載しなければならない。
- 3.前二項の規定は、第十一条第一項ただし書の規定による許可を受けた場合には、適用しない。
この条文の基本情報
航空日誌とは何ですか?
定義航空日誌とは、航空法第58条に定められた規定で、「航空機の使用者は、航空日誌を備えなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 航空法第58条(航空日誌)は、日本の航空法に含まれる条文です。
- 航空法第58条の条文原文は「航空機の使用者は、航空日誌を備えなければならない。」で始まります。
- 航空法第58条は第一節 航空機の運航に置かれています。
- 航空法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 航空法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 航空法第58条の前の条は航空法第57条です。
- 航空法第58条の次の条は航空法第59条です。
- 航空法第58条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第58条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000231 - 本サイト収録
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第58条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000231/58
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点航空法58条は、航空機の使用者に航空日誌の備付けを義務付ける。航空の用に供したときや整備・改造したときは、遅滞なく省令事項を記載させる。試験飛行等の許可時は適用外。
Q · 航空日誌を付ける法的な義務があるのは、パイロット?それとも運航する会社?
所有者ではなく、機体を運航する使用者に義務があります
航空法58条は、航空日誌を備える義務と記載する義務を「航空機の使用者」に課しています。使用者とは、所有者に限らず実際に機体を運航する者を指します。機長や整備士が実際に記入していても、法的な責任は使用者の側に残ります。航空の用に供したとき、整備したとき、改造したときは、国土交通省令で定める事項を遅滞なく記載しなければなりません。11条1項ただし書の許可を受けた試験飛行などは適用外です。
解説
機体の価値と安全を証明するのは、外から見える状態よりも一冊の記録である。航空法58条は、航空機の使用者に航空日誌を備えさせる。使用者とは所有者に限らず、実際にその機体を運航する者を指す。さらに、航空の用に供したとき、整備したとき、改造したときは、遅滞なく国土交通省令で定める事項を記載させる。法律が機体ごとに「履歴書」を書かせているわけだ。中古機を買う、リース機を借りる、遊覧飛行の会社を選ぶ。どの場面でも、日誌の空白や辻褄の合わない記載は、機体の過去に誰も説明できない時間があるというサインになる。使用者の側が記載を後回しにすれば、整備記録の信頼性が崩れ、耐空性(安全に飛べる状態にあること)の説明も、事故が起きたときの弁明も弱くなる。義務が外れるのは、第11条第1項ただし書の許可を受けた試験飛行などの場合に限られる。日誌を書くことは、飛ぶための前提条件である。
法的な位置づけ
航空法第58条は、航空日誌の備付けと記載の義務を定める規定である。航空機の使用者に対し、航空日誌を備えること、ならびに航空機を航空の用に供し、整備し、または改造した場合に、国土交通省令で定める事項を遅滞なく記載することを義務付ける。義務を負うのは所有者ではなく使用者であり、試験飛行等の許可を受けた場合は適用が除外される。
手順
- 1.使用者と記載担当者を確定する 機体を運航するのが誰か(自社・クラブ・共同所有者)を確認し、58条の義務を負う使用者を特定する。そのうえで、飛行後と整備後にそれぞれ誰が記載するかを書面で決めておく
- 2.飛行・整備・改造の直後に記載する 航空の用に供した後、整備や改造が終わった直後、作業者が現場にいるうちに、省令で定める事項を航空日誌に記載する。「週末にまとめて」は遅滞なくの要件を疑われる原因になる
- 3.一次資料と定期的に照合する 毎月など定期的に、日誌と作業指示書・飛行記録を照合し、空白や不整合がないか確認する。漏れを見つけたら、追記であることが分かる形で補正する
- 4.売買・リースの前に全冊の連続性を確認する 中古機の購入やリース機の受入れでは、契約前に全期間の航空日誌の提出を条件にし、記録が連続しているかを整備事業者と一緒に確認する
よくある質問 AI による整理
Q1航空日誌とは何ですか?
航空機ごとの飛行・整備・改造の履歴を記録する公的な帳簿です。航空法58条で、航空機の使用者に備付けと記載が義務付けられています。
Q2航空日誌 いつまでに記載する?
飛行・整備・改造の後に「遅滞なく」記載する必要があります(航空法58条2項)。条文に具体的な日数の定めはないため、作業直後に記載するのが安全です。
Q3航空日誌にはどんな種類がある?
機体に搭載するものと地上に備え付けるものなどに分かれ、具体的な種類と記載事項は国土交通省令(航空法施行規則)で定められています。最新の規定を確認してください。
Q4航空日誌を書かないとどうなる?
航空法違反となり、立入検査(134条)で指摘を受けるおそれがあります。罰則の内容は改正で変わることがあるため、最新の条文を確認してください。
Q5試験飛行でも航空日誌は必要?
11条1項ただし書の許可を受けた試験飛行などの場合は、58条1項・2項は適用されません(同条3項)。許可がない飛行には原則どおり記載義務がかかります。
Q6航空日誌の記載ミスは後から直せる?
直すこと自体はできますが、追記・訂正であることが分かる形で行うべきです。日付をさかのぼらせた記載は、記載漏れよりも重い問題になりかねません。
Q7航空日誌の保存期間は決まっている?
航空法58条自体には保存期間の定めがありません。保存の扱いは省令や国土交通省の運用によるため、最新の施行規則と通達を確認する必要があります。
Q8リース機の航空日誌は誰が管理する?
58条の義務を負うのは所有者ではなく使用者なので、運航する借主側が負います。リース契約で日誌の管理と引継ぎの方法を明記しておくことが重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1航空日誌って、パイロットが書くもの?それとも会社が書くもの?
法的な義務者は「航空機の使用者」である(本条1項・2項)。機長や整備士が実際に記入していても、日誌を備えて記載させる責任は運航する側にある。実務のポイント:共同所有機やクラブでの運航では「使用者は誰か」が曖昧なまま飛んでいることが多い。共同使用の取り決めに記載担当を明記していないと、記載漏れが見つかったときに全員が「自分ではない」と言い出す
Q2日誌が一部なくなってる中古機って、買っても大丈夫なんですか?
購入自体が違法になるわけではない。ただし、使用者には備付けと記載の義務があり(本条)、航空の用に供するには機体に航空日誌を備え付けておく必要もある(59条)。欠落期間の整備や改造を裏付けられないと、追加の点検費用や評価のリスクを買い手が背負うことになる。実務のポイント:機体の売買では、日誌の連続性が価格交渉の中心的な材料になる。欠落が見つかってから値引きを求めるより、契約前に全冊を提出させることを条件にした方が圧倒的に強い
Q3ドローンを飛ばすときも、航空日誌を付けないといけないんですか?
本条の対象は航空法2条にいう「航空機」で、無人航空機は別に定義されている。そのためドローンには本条ではなく、無人航空機の章にある飛行日誌の規定が適用され、特定飛行を行う場合に記録が求められる。実務のポイント:ドローンの飛行日誌は、国の要領で飛行記録・日常点検記録・点検整備記録の三つに分かれている。飛行記録だけを付けて点検記録を忘れる人が多く、行政から指摘を受けやすいポイントになっている(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 日誌はパイロットが個人的に付けるものだと思われがちだが、条文が義務を課しているのは「航空機の使用者」である。実際の記入を機長や整備士が担うことはあっても、日誌を備えて記載させる法的責任は運航する側に帰属する。共同所有やクラブでの運航では、この点の取り決めが抜け落ちやすい
- 整備した側から見れば、作業は終わった時点で完了している。法律から見れば、遅滞なく記載されていない整備は、検査でも事故調査でも証明できない作業である。現場の「済み」と法律上の「済み」の落差に、運航者は検査や事故の場面で初めて気付く
- 「ドローンにも航空日誌が必要か」という問いは、前提がずれている。無人航空機は航空法上「航空機」とは別の概念として定義されているため、本条の対象ではない。ドローンについては、無人航空機の章に置かれた飛行日誌の規定(令和4年(2022年)12月施行)が別に記録義務を定めている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 58条:航空日誌の備付けと記載の義務 | 59条:航空の用に供する際に機体に備え付ける書類 134条:国による報告徴収と立入検査 |
| 義務の主体 | 航空機の使用者 | 航空機を航空の用に供する者 国土交通大臣(検査する側) |
| 日誌との関係 | 日誌を作成し、継続して記載させる根拠 | 航空日誌を機内に備え付けさせる根拠 日誌の記載状況を確認する手段 |
| 適用除外 | 11条1項ただし書の許可を受けた場合 | 条文で定める例外に従う — |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾でも航空器の運航記録と維修紀錄の保存が求められる。義務主体と記載事項の細目は規則で定める構造が日本と似ている
EU 加盟国では、継続的耐空性の管理と整備記録を EU 規則(Part-M)が統一的に規律している
米国は所有者・運航者に整備記録の保存を義務付け、保存すべき記録の種類と期間を連邦規則で具体的に定めている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 日誌が三か月分抜けている中古の単発機は、値引き交渉の材料で済むのか、それとも買ってはいけない機体なのか? 空白期間の整備・改造を、作業指示書や部品の証明書類など別の資料で裏付けられるかが分かれ目になる。裏付けがなければ、その三か月は誰にも証明できない時間として残る
- あなたは小さな遊覧飛行会社の運航責任者である。連休の繁忙期、整備後の記載を「週末にまとめて」と後回しにしていた。そこへ国土交通省から立入検査(航空法134条)の連絡が入る。検査まであと二日。手元の作業メモと日誌を突き合わせる夜が始まる
- 整備士がエンジン部品を交換した。日誌に記載されるまで、その作業は書類の上では存在しない。
- 飛行クラブを始めるという友人から相談された。機体はリース会社の所有だが、日誌を備えて記載する義務を負うのは、使用者である友人の側である。リース契約の場では、誰もその点を説明していなかった
取るべき行動
被害を受けた側:1. 購入またはリースした機体の日誌に空白や不整合を見つけたら、まず写しを確保し、売主・貸主に欠落期間の作業指示書や部品の証明書類を書面で請求する2. 耐空証明(安全に飛べることの国の証明)や今後の整備への影響を、整備事業者に評価してもらう3. 契約上の表明保証や、民法562条以下の契約不適合責任(約束どおりの品質でなかった場合の売主の責任)に基づく請求を検討する。通知期限に注意する
訴えられた側:1. 立入検査や指摘を受けたら、記載漏れの範囲を自分から洗い出し、飛行記録や作業記録などの一次資料と突き合わせる2. 後から補記するときは日付を偽らず、追記であることが分かる形で補正する。日付をさかのぼらせた記載は、記載漏れよりはるかに重い問題を招く3. 飛行や整備の直後に誰が記載するのかを決め直し、再発防止策を説明できるようにしておく
時効(請求できる期限):記載は飛行・整備・改造の後「遅滞なく」行う必要がある(本条2項)。条文に具体的な日数の定めはない。購入した機体の契約不適合は、不適合を知った時から1年以内に売主へ通知しなければならない(民法566条)。商人間の売買では、商法526条の検査・通知義務にも注意する。罰則の内容は最新の改正状況をご確認ください
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:航空法(昭和27年法律第231号)の制定時に、航空機の使用者による航空日誌の備付けと記載の義務を定めた
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める