航空法 第61条(航空機の運航の状況を記録するための装置)
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- 国土交通省令で定める航空機には、国土交通省令で定めるところにより、飛行記録装置その他の航空機の運航の状況を記録するための装置を装備し、及び作動させなければ、これを航空の用に供してはならない。ただし、国土交通大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。
- 2.前項の航空機の使用者は、国土交通省令で定めるところにより同項の装置による記録を保存しなければならない。
この条文の基本情報
航空機の運航の状況を記録するための装置とは何ですか?
定義航空機の運航の状況を記録するための装置とは、航空法第61条に定められた規定で、「国土交通省令で定める航空機には、国土交通省令で定めるところにより、飛行記録装置その他の航空機の運航の状況を記録するための装置を装備し、及び作動させなければ、これ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 航空法第61条(航空機の運航の状況を記録するための装置)は、日本の航空法に含まれる条文です。
- 航空法第61条の条文原文は「国土交通省令で定める航空機には、国土交通省令で定めるところにより、飛行記録装置その他の航空機の運航の状況を記録するための装置を装備し、及び作動させなければ、これ…」で始まります。
- 航空法第61条は第一節 航空機の運航に置かれています。
- 航空法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 航空法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 航空法第61条の前の条は航空法第60条です。
- 航空法第61条の次の条は航空法第62条です。
- 航空法第61条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第61条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000231 - 本サイト収録
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第61条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000231/61
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点航空法61条は、省令で定める航空機に飛行記録装置等の装備と作動を義務づけ、これを欠けば飛行させてはならないと定める。記録の保存義務は使用者が負う。
Q · 飛行機のブラックボックスって、積んでおけば飛ばしていいの?
積むだけでは不十分で、作動させることも飛行の条件
航空法61条1項は、国土交通省令で定める航空機について、飛行記録装置その他の運航状況を記録する装置を「装備し、及び作動させなければ」航空の用に供してはならないと定めています。装置を積んでいても作動していなければ、国土交通大臣の許可がない限り飛行させることはできません。さらに2項により、記録の保存義務は機長個人ではなく航空会社などの使用者が負います。
解説
オレンジ色の箱が二つ、旅客機の尾部に積まれている。俗に「ブラックボックス」と呼ばれるが、実際は焼け跡の中でも見つけやすい蛍光オレンジだ。航空法61条は、国土交通省令で定める航空機に、飛行記録装置(高度・速度・操舵などの数値を記録する箱)その他の運航状況を記録する装置を「装備し、かつ作動させる」ことを、空を飛ぶ条件にしている。ここで見落とされやすいのは「作動させる」という言葉だ。積んであるだけでは足りない。スイッチが切れていれば、その機体は法的には飛ばしてはいけない機体になる。さらに2項は、記録を保存する義務を機長ではなく「使用者」、つまり航空会社など機体を運航する側に課している。事故の後に「記録が消えていた」と言われたら、まず誰がその保存義務を負っていたのかを問えばよい。真相解明の材料を守る責任者は、条文の上ですでに決まっている。
法的な位置づけ
航空法第61条は、国土交通省令で定める航空機について、飛行記録装置その他の運航の状況を記録するための装置の装備および作動を、航空の用に供するための要件とする規定である。国土交通大臣の許可を受けた場合は例外とされる。第2項は、当該航空機の使用者に対し、省令の定めるところにより装置の記録を保存する義務を課している。
手順
- 1.出発前点検で記録装置の作動を確認する 飛行記録装置・音声記録装置の作動表示を出発前点検項目に組み込み、確認者・確認時刻を記録に残す。装備されているだけでなく作動していることが飛行の条件である
- 2.故障時は例外扱いの可否を出発前に確認する 記録装置の故障表示が出たら、省令・運航規程の故障時の取扱い(運用許容基準など)に該当するか、または国土交通大臣の許可(61条1項ただし書)が必要かを確認し、判断経緯を記録する。曖昧なまま出発させない
- 3.事故・インシデント直後に記録の上書きを防ぐ 社内手順に従い記録装置の電源管理などの保全措置をとり、運輸安全委員会など調査機関へ引き渡すまでの経緯(時刻・担当者・措置内容)を書面化する
- 4.記録の保存方法と期間を社内規程にする 使用者の保存義務(61条2項)を履行するため、航空法施行規則の定める保存方法・期間に沿った社内規程を整備し、監査で説明できる状態にしておく
よくある質問 AI による整理
Q1飛行記録装置とは何ですか?
高度・速度・姿勢・操舵などの飛行データを時系列で記録する装置です。航空法61条は、省令で定める航空機にこの種の装置の装備と作動を義務づけています。
Q2ブラックボックスはなぜオレンジ色なの?
事故現場の残骸の中でも見つけやすくするためです。「ブラックボックス」は通称で、実物は蛍光オレンジなど目立つ色で塗装されるのが一般的です。
Q3航空法61条の記録保存義務は誰が負う?
航空機の「使用者」です。機長個人ではなく、機体を運航する航空会社などが、国土交通省令の定めるところにより記録を保存する義務を負います(61条2項)。
Q4記録装置の装備義務に違反するとどうなる?
装備・作動の要件を欠いたまま航空の用に供すれば本条違反となり、航空法の罰則規定の対象となりえます。罰則の内容は最新の改正状況をご確認ください。
Q5国土交通大臣の許可があれば記録装置なしで飛べる?
条文上は可能です。61条1項ただし書が、国土交通大臣の許可を受けた場合を装備・作動義務の例外としています。許可なく自己判断で飛ばすことはできません。
Q6ドローンにもフライトレコーダーの義務はある?
61条の対象は省令で定める「航空機」で、無人航空機(ドローン)は航空法上の別の章で規律されます。ドローンの記録義務は無人航空機の規定で確認が必要です。
Q7飛行機事故のブラックボックスはどこが解析する?
日本国内の航空事故は、国土交通省の外局である運輸安全委員会が調査し、記録装置のデータを解析します。調査結果は事故調査報告書として公表されます。
Q8航空事故の記録データは裁判で使われる?
記録はまず再発防止のための事故調査に使われます。公表された報告書は民事賠償の事実整理に参照されえますが、刑事捜査での利用は実務上議論が続いています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ブラックボックスって、全部の飛行機に付いてるんですか?
全部ではない。本条1項は義務の対象を「国土交通省令で定める航空機」に限っており、機体の重量、エンジンの種類、座席数などで線が引かれている(航空法施行規則)。実務のポイント:大型の旅客機には当然付いているが、小型の自家用機には付いていないこともある。その場合、事故原因の解明は残骸、レーダー航跡、管制との交信記録などに頼ることになり、遺族が真相にたどり着くまでの道のりがずっと長くなる
Q2事故の時のコックピットの会話って、遺族は聞かせてもらえるんですか?
原則として音声そのものは公開されない。運輸安全委員会の事故調査に使われ、必要な部分が報告書に書き起こされる形が一般的だ。国際基準は音声記録の公開を強く抑制している。実務のポイント:報告書には「〇〇時〇〇分、機長:〜」という形で発言が抜粋されることがある。遺族にとって最も詳しい公式情報源は報告書なので、公表されたら関連資料を含めて全部読む
Q3記録装置が壊れたまま一便飛ばしたら、すぐ違反になりますか?
本条1項は装備と作動を飛行の条件にしており、ただし書は大臣の許可がある場合だけを例外としている。そのため、故障を知りながら手続を踏まずに飛ばせば違反状態になりうる。故障時の扱いは省令や運航規程の運用基準に委ねられている部分がある。実務のポイント:現場で問われるのは「故障を知っていたか」「そのとき何を確認したか」の記録だ。判断した経緯を残しておけば、後の監査で説明できる
間違えやすい点 AI による整理
- ブラックボックスは「一つの黒い箱」だと思われているが、実際は数値を記録する飛行記録装置(FDR)と、操縦室の会話や音を録る音声記録装置(CVR)の二系統に分かれていることが多く、色も発見しやすいオレンジ色である。本条も「飛行記録装置その他の」と書き、一つの装置に限っていない
- 装備義務があることは知っていても、その重さを知る人は少ない。本条は装備に加えて「作動」も求めており、それが離陸の前提条件になっている。装置を積んでいてもスイッチが切れていれば違反状態になる。違反には罰則がある(航空法の罰則規定。最新の改正状況をご確認ください)
- 「事故の録音は捜査や裁判ですぐ公開されるはずだ」という問いの立て方そのものがずれている。記録はまず再発防止のための事故調査に使われるもので、責任追及の道具として設計されたものではない。音声記録の公開や刑事利用が抑制されるのは、操縦士が率直に話せる環境を守るためだ。ただし日本では刑事捜査との関係をめぐって議論が残っている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務づける装備の内容 | 航空法61条:飛行記録装置その他の運航状況を記録する装置 | 航空法60条:航行の安全を確保するための装置 航空法62条:救急用具 |
| 装備の目的 | 事故後の原因究明・再発防止のための記録確保 | 飛行中の事故を未然に防ぐ 事故・緊急時の乗員乗客の救命 |
| 装備以外の義務 | 作動させる義務+使用者の記録保存義務(2項) | 条文・省令の定めに従う 条文・省令の定めに従う |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も ICAO 標準に沿い、一定の航空機に飛航紀錄器の装備と記録保存を求める。根拠は法律本体より下位規則に詳細が置かれる点で日本と構造が近い
ドイツ・フランスなど EU 加盟国では、商業航空の FDR・CVR 装備要件が EU 規則で統一的に定められている
米国は連邦航空規則で FDR・CVR の装備・作動を定め、CVR 記録の公開については別途連邦法上の制限を設けている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 家族が乗っていた便が滑走路で事故を起こした。報道は「ボイスレコーダーを回収、解析中」と伝えるだけで、遺族には何も届かない。記録は運輸安全委員会が事故調査に使い、結果は報告書として公表される。遺族が調査の途中経過を受け取れる仕組みは限られるが、報告書の公表後は内容を民事の損害賠償請求の材料として検討できる
- 地方の航空会社で整備管理をしているあなた。出発前点検で飛行記録装置の故障表示が出た。次の便まであと40分。「一便くらい大丈夫だろう」と飛ばせば、本条1項違反の状態で航空の用に供したことになる。助かる道は、省令や運航規程が認める故障時の扱い(運用許容基準など)に当てはまるかどうかを、出発前に確認することだけだ
- もし事故の後、機体を動かす前に誰もレコーダーの電源を切らなかったら、記録はどうなるのか? 古い型の音声記録装置は一定時間で上書きされる方式で、肝心の瞬間の会話が消える危険がある。事故直後の初動が、そのまま証拠の生死を分ける
- 副操縦士の友人から、コックピットでの愚痴が録音されていて、それで処分されないか心配だと相談された。国際基準は、音声記録を事故調査以外の懲戒や処罰に使うことを抑制する方向をとっている。ただ、日本で刑事捜査がこれを押収できるかについては、実務上議論が続いている
- 自家用の小型機を買おうとしている。条文上、装備義務を負うのは「国土交通省令で定める航空機」だけだ。対象外の機体もある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 運輸安全委員会の事故調査の対象かどうかを確認し、公表される報告書を待つ。遺族向けの説明の場があれば記録の解析状況について質問する2. 航空会社に対しては、記録の保存状況(本条2項)を書面で確認しておく3. 国内線は民法、国際線はモントリオール条約などで賠償の枠組みが違うので、適用関係を弁護士に確認する4. 報告書が公表されたら、その内容を賠償交渉の事実の土台にする
訴えられた側:1. 出発前点検で記録装置の作動を確認し、点検の記録を残す2. 故障したときは、省令や運航規程で認められた扱いに当てはまるか、あるいは大臣の許可(1項ただし書)が要るかをその場で確認する。曖昧なまま飛ばさない3. 事故・インシデントの後は、社内手順に沿って記録の上書きを防ぐ措置をとり、調査機関に引き渡すまでの経緯を記録する4. 記録の保存期間と方法を省令に沿って社内規程にしておく
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はなく、記録の保存期間は国土交通省令(航空法施行規則)の定めに従う。損害賠償は、損害と加害者を知った時から3年(人の生命・身体の侵害は5年、民法724条、724条の2)。国際線の場合はモントリオール条約で到着日などから2年の出訴期限がある(最新の改正状況をご確認ください)
- 航空法 第1条国際民間航空条約準拠の目的規定
- 航空法 第60条航行安全確保装置の装備義務
- 航空法 第62条救急用具の装備義務、並列規定
- 航空法 第76条事故発生時の機長の報告義務
- 航空法 第150条装備義務違反の罰則(現行効力を要確認)
- 運輸安全委員会設置法 第18条事故調査のための物件保全・提出
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