航空法 第63条(航空機の燃料)
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航空機は、航空運送事業の用に供する場合又は計器飛行方式により飛行しようとする場合においては、国土交通省令で定める量の燃料を携行しなければ、これを出発させてはならない。
この条文の基本情報
航空機の燃料とは何ですか?
定義航空機の燃料とは、航空法第63条に定められた規定で、「航空機は、航空運送事業の用に供する場合又は計器飛行方式により飛行しようとする場合においては、国土交通省令で定める量の燃料を携行しなければ、これを出発させてはなら…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 航空法第63条(航空機の燃料)は、日本の航空法に含まれる条文です。
- 航空法第63条の条文原文は「航空機は、航空運送事業の用に供する場合又は計器飛行方式により飛行しようとする場合においては、国土交通省令で定める量の燃料を携行しなければ、これを出発させてはなら…」で始まります。
- 航空法第63条は第一節 航空機の運航に置かれています。
- 航空法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 航空法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 航空法第63条の前の条は航空法第62条です。
- 航空法第63条の次の条は航空法第64条です。
- 航空法第63条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第63条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000231 - 本サイト収録
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第63条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000231/63
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点航空法63条は、航空運送事業用または計器飛行方式で飛ぶ航空機について、国土交通省令で定める量の燃料を携行しなければ出発させてはならないと定める。
Q · 旅客機は目的地まで飛べるだけの燃料があれば出発できるの?
いいえ。法定の予備燃料を積まないと出発できません
航空法63条により、航空運送事業に使う航空機と計器飛行方式で飛ぶ航空機は、国土交通省令で定める量の燃料を携行しなければ出発させてはなりません。省令(航空法施行規則)は、目的地までの燃料に加えて、代替飛行場までの燃料や上空で待機する分などを求めています。天候不良時のダイバートは、この余裕分があるからこそ可能になります。
解説
旅客機の燃料タンクは、目的地に着いた時点で空になる設計ではない。航空法63条は、航空運送事業(お金を取って人や物を運ぶ事業)に使う航空機と、計器飛行方式(管制の指示と計器を頼りに飛ぶ方式)で飛ぶ航空機について、国土交通省令で定める量の燃料を積まなければ「出発させてはならない」と定めている。省令(航空法施行規則)が求めるのは、目的地までの燃料に加えて、代わりに降りる飛行場(代替飛行場)までの燃料と、上空で待機する分などである。台風の日に「天候調査中」のまま出発が遅れたり、羽田に着けずに成田や中部へダイバート(目的地変更)したりするのは、この余裕分を計算した結果である。不運に見えたダイバートも、裏では法定の燃料計算が働いた結果だ。足止めされた側でも、何が起きたのかを正しく読める。
法的な位置づけ
航空法63条は航空機の燃料携行義務を定める規定であり、航空運送事業の用に供する航空機および計器飛行方式により飛行しようとする航空機について、国土交通省令で定める量の燃料の携行を出発の条件とする。携行量の具体的基準は航空法施行規則に委任されており、自家用機による有視界飛行は本条の直接の適用対象外である。
手順
- 1.適用対象かどうかを確認 予定している飛行が航空運送事業の用に供するものか、計器飛行方式によるものかを確認する。いずれかに当たれば航空法63条と施行規則の携行燃料基準が適用される
- 2.目的地と代替飛行場を選定 目的地の気象予報を確認し、着陸できない場合に向かう代替飛行場を選定する。代替飛行場までの距離と気象が必要燃料量を左右する
- 3.法定携行量を計算し燃料計画を作成 施行規則の基準に従い、目的地までの燃料、代替飛行場までの燃料、待機分などを積算し、運航規程の上乗せ方針も加えて燃料計画を作成する。重量制限との調整もこの段階で行う
- 4.搭載量を確認し記録を保全してから出発 実際の搭載燃料が計画量以上であることを確認し、機長が出発前確認(73条の2)を行う。法定量を下回る圧力を受けた場合は書面やメールで記録を残す
よくある質問 AI による整理
Q1航空法63条とは何を定めた条文ですか?
航空運送事業用の航空機と計器飛行方式で飛ぶ航空機に、国土交通省令で定める量の燃料を積むことを出発の条件として義務づける条文です。
Q2旅客機の予備燃料はどれくらい積むのですか?
具体的な量は航空法施行規則で定められ、目的地までの燃料に加え代替飛行場までの燃料と一定時間の待機分などが求められます。詳細は最新の省令をご確認ください。
Q3ダイバートはなぜ起きるのですか?
目的地が天候不良などで着陸できないとき、出発時に積んだ代替飛行場分の燃料を使って別の空港へ向かうためです。法定の燃料計画が機能した結果です。
Q4燃料不足で出発を遅らせるのは違法ではないですか?
違法ではありません。むしろ法定量に満たないまま出発させることが航空法63条違反になります。給油待ちの遅延は安全上の義務を果たすためのものです。
Q5燃料ルールに違反するとどうなりますか?
法定量の燃料を携行せずに出発させた場合、航空法の罰則の対象となりえます。運航者の事業改善命令など行政上の措置も考えられます。最新の条文をご確認ください。
Q6自家用機にも燃料の携行義務はありますか?
有視界飛行の自家用機は63条の直接の対象外です。ただし機長の出発前確認義務(航空法73条の2)があり、燃料状態の確認は欠かせません。
Q7条件付き運航とはどういう意味ですか?
目的地に着陸できない可能性を前提に、出発地への引き返しや別空港への着陸もありうる条件で運航することです。その分の燃料を積んで出発します。
Q8燃料の量は誰が決めているのですか?
最低量は国土交通省令が定め、その上に航空会社の運航規程と運航管理者・機長の判断で積み増しを決めます。最低ラインは法令、上乗せは事業者判断です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ダイバートして別の空港に降ろされたんですけど、交通費って出ますか?
天候不良などで目的地に降りられず、法定の燃料計画どおり代替飛行場へ向かった場合、運送約款上は航空会社の責めに帰さない事由として扱われることが多い。目的地までのバス等を手配する会社もあるが、義務の範囲は約款次第である。実務のポイント:ダイバート先からの交通手段は機内で案内が出る前に動いた人から埋まる。着陸直後に約款の「代替輸送」の扱いを確認し、自分で手配した分を後から請求できるか、その場で係員に聞いて記録しておく
Q2上空でぐるぐる旋回して待たされたとき、燃料って本当に大丈夫なんですか?
航空法63条と施行規則は、目的地までの燃料に加えて代替飛行場までの燃料と一定時間の待機分を出発時に積むよう求めている。旋回待機はこの余裕の範囲内で行われ、余裕が一定以下になれば機長は代替飛行場へ向かう判断をする。実務のポイント:管制との交信で燃料の残りが少なくなったことを伝える段階的な手順があり、最終的には燃料の緊急事態を宣言して優先着陸を求めることもできる。旋回が長引いても、パイロットは常に残量と期限を数えている
Q3趣味で小型機を飛ばしてるんですが、この燃料ルールは関係ありますか?
63条が直接かかるのは、航空運送事業に使う場合と計器飛行方式で飛ぶ場合である。自家用機で有視界飛行をするだけなら本条の対象外となる。ただし機長には出発前の確認義務(航空法73条の2)があり、燃料の状態もその確認事項に含まれる。実務のポイント:自家用機の事故調査報告書では燃料切れや燃料系統の管理ミスが繰り返し登場する。法の網が粗い領域ほど、自分で決めた予備時間を守る人と守らない人の差がはっきり出る
間違えやすい点 AI による整理
- 「燃料は多めに積むほど安全」と思われがちだが、話はそう単純ではない。燃料は重く、積みすぎれば燃費が悪化し、離陸重量の制限で乗客や貨物を降ろす必要が出ることもある。63条が定めるのは最低ラインであり、その上にどれだけ積むかは、航空会社が運航規程に基づき、安全と経済性のバランスで決めている
- ダイバートや引き返しを「機長の判断ミス」「航空会社の段取りの悪さ」と受け止める人は多い。だが法律の視点では、着陸できない場合に別の空港へ向かう燃料を最初から積んでいることこそが正常な姿である。ダイバートは燃料計算が機能した証拠であり、失敗の証拠ではない
- 「燃料ルールは航空会社の社内規則にすぎない」という理解は前提から誤っている。携行燃料の量は国土交通省令で定められ、違反して航空機を出発させれば航空法の罰則の対象となりうる。社内の努力目標ではなく、法令上の出発条件である(罰則の内容は最新の改正状況をご確認ください)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 航空法63条:出発時の燃料携行量 | 航空法73条の2:機長の出発前確認 航空法62条:救急用具の装備 |
| 義務の名宛人 | 航空機を出発させる者(運航者側) | 機長 航空機を航空の用に供する者 |
| 適用範囲 | 航空運送事業用または計器飛行方式の航空機に限定 | 自家用機を含む機長全般 省令で定める航空機 |
| 具体的基準の所在 | 国土交通省令(航空法施行規則) | 国土交通省令で確認事項を規定 国土交通省令で用具の種類・数を規定 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も燃油の携行量を下位の行政規則で詳細に定め、ICAO 附属書6の基準に沿う構造をとる
ドイツを含む EU 加盟国では、商業航空運送の燃料方針は EU 規則で統一的に規律される
米国は IFR 飛行一般と航空運送事業者で別々に燃料要件を定め、代替飛行場分と予備分を求める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたは地方空港のカウンターで「目的地の天候不良のため、条件付き運航となります」と告げられた。条件付き運航とは、着陸できなければ出発地へ引き返すか別の空港へ降りる前提で飛ぶ、という意味である。その「引き返せる燃料」を積まずに出発することは63条が許さない
- もし機長が「今日は代替飛行場分の燃料が足りないので、給油を待つ」と言い、出発が40分遅れたら、乗り継ぎに間に合わなかった損害は誰が負うのか? 燃料を法定量まで積むための遅延は安全上の義務を果たした結果であり、多くの運送約款では航空会社の責任外として扱われる。補償の有無は約款次第である
- 小さな航空会社の運航管理者であるあなたに、営業部門から「重量制限で貨物が載らないから、燃料を規定ぎりぎりまで減らせないか」と圧力がかかる。出発まであと30分。法定量を下回る燃料計画にサインした瞬間、違反の当事者はあなたになる
- 冬の偏西風が強い日、成田発の北米便が途中のアンカレッジなどへの給油着陸を予定に入れる。乗客は「遠回りだ」と怒るが、向かい風で燃費が落ち、法定の余裕を含めた燃料が積みきれないからである
- 自家用セスナで晴天の日に有視界飛行をする個人のパイロットには、63条は直接かからない。ただし燃料の確認義務がなくなるわけではない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 旅客として遅延・ダイバートに遭ったら、まず搭乗券と遅延理由のアナウンスや案内を記録する2. 理由が天候・燃料調整であれば、航空会社の運送約款上、補償より振替・払戻しの対象となることが多いので、その場で代替便を確保する3. 旅行保険の航空機遅延費用特約があれば、遅延証明書を必ず受け取る4. 乗員・社員として燃料削減の圧力を受けたら、記録を残し、安全推進窓口や国土交通省の航空安全情報の自発報告制度などの利用を検討する
訴えられた側:1. 運航者・運航管理者・機長として燃料不足の疑いを指摘されたら、出発時の燃料計画書、搭載記録、気象情報、代替飛行場の選定根拠をただちに保全する2. 施行規則で定める量との照合を、計画時点の予報ベースで再計算する(到着後の残量だけで違反と決まるわけではない) 3. 想定外の向かい風や待機指示で消費が増えた場合、出発時点では法定量を満たしていたことが防御の核心となる4. 行政の調査には事実を整理して対応し、社内の運航規程との整合も確認する
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はない。民事上の請求は一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される。罰金刑のみが定められた違反の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条、最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:航空法の制定により、航空運送事業用および計器飛行方式の航空機に対する燃料携行義務が設けられ、具体的な携行量は省令に委任された
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