航空法 第73条の2(出発前の確認)
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機長は、国土交通省令で定めるところにより、航空機が航行に支障がないことその他運航に必要な準備が整つていることを確認した後でなければ、航空機を出発させてはならない。
この条文の基本情報
出発前の確認とは何ですか?
定義出発前の確認とは、航空法第73条の2に定められた規定で、「機長は、国土交通省令で定めるところにより、航空機が航行に支障がないことその他運航に必要な準備が整つていることを確認した後でなければ、航空機を出発させてはならない…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 航空法第73条の2(出発前の確認)は、日本の航空法に含まれる条文です。
- 航空法第73条の2の条文原文は「機長は、国土交通省令で定めるところにより、航空機が航行に支障がないことその他運航に必要な準備が整つていることを確認した後でなければ、航空機を出発させてはならない…」で始まります。
- 航空法第73条の2は第一節 航空機の運航に置かれています。
- 航空法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 航空法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 航空法第73条の2の前の条は航空法第73条です。
- 航空法第73条の2の次の条は航空法第73条の3です。
- 航空法第73条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第73条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000231 - 本サイト収録
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第73条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000231/73_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点航空法73条の2は、機長が国土交通省令の定めに従い、航空機が航行に支障がなく運航準備が整っていることを確認した後でなければ、航空機を出発させてはならないと定める。
Q · 点検で遅れているのに、早く出発させることはできないの?
できない。機長の出発前確認が済むまで出発は違法になる
航空法73条の2により、機長は国土交通省令(航空法施行規則164条の14)の定めに従い、整備状況、離着陸重量と重心位置、航空情報、気象情報、燃料と滑油の量と品質、積載物の安全性などを確認するまで航空機を出発させてはなりません。航空会社や運航管理者が急がせても、確認義務は機長個人に課されています。遅延の補償は航空法ではなく、各社の運送約款で決まります。
解説
搭乗口で「機材点検のため出発が遅れます」とアナウンスが流れると、多くの乗客はため息をつく。だが航空法73条の2から見れば、その遅延は会社の段取りの悪さではない。法律が命じた手続である。機長は、国土交通省令(航空法施行規則164条の14)が定める項目を確認するまで、航空機を出発させてはならない。主な項目は、整備状況、離陸と着陸の重量、重心位置、航空情報(NOTAM、空港や空域の運用変更を知らせる公式通知)、気象情報、燃料と滑油の量と品質、積載物の安全性である。さらに航空日誌の点検、機体の外部点検、エンジンの地上試運転などの作動点検も求められる。押さえておくべき点は、この義務の名宛人が航空会社でも整備士でもなく「機長」個人だということだ。裏を返せば、定時運航を求める社内の圧力があっても、確認が終わらない限り機長は「出さない」と言える法的な根拠を持っている。遅延の理由が分かれば、苛立つ乗客から、遅延が自分を守っている理由を理解している乗客に変わる。
法的な位置づけ
航空法73条の2は機長の出発前確認義務を定める規定であり、機長は国土交通省令(航空法施行規則164条の14)の定めに従い、整備状況、離着陸重量、重心位置、航空情報、気象情報、燃料等を確認し、航行に支障がなく運航に必要な準備が整っていることを確認した後でなければ航空機を出発させてはならない。義務の名宛人は航空会社ではなく機長個人である。
手順
- 1.整備状況と整備記録を点検する 航空日誌その他の整備記録を点検し、整備状況に未処置の不具合や記載漏れがないかを確認する。記録の空白は「確認できていない」と同じ扱いになる
- 2.重量・重心と積載物を確認する 離陸重量、着陸重量、重心位置と重量分布が許容範囲内にあるかを確認し、積載物の固定状況と安全性も確認する
- 3.航空情報・気象情報・燃料を確認する 出発地、目的地、代替飛行場と経路に関する航空情報(NOTAM)と気象情報を取得し、それを前提に必要な燃料と滑油の搭載量と品質を確認する
- 4.外部点検と作動点検を行い、記録を残す 機体の外部点検、エンジンの地上試運転その他の作動点検を行い、確認項目と時刻をチェックリストに記録する。不備があれば出発を見合わせる
よくある質問 AI による整理
Q1航空法73条の2とは何ですか?
機長に出発前の確認義務を課す規定です。整備状況、重量と重心、航空情報、気象、燃料などを確認するまで、航空機を出発させてはなりません。
Q2出発前確認の項目は何で決まっていますか?
航空法施行規則164条の14が定めています。整備状況、離着陸重量・重心位置、航空情報、気象情報、燃料・滑油、積載物の安全性、整備記録の点検、外部点検、作動点検などです。
Q3飛行機の遅延理由「機材点検」は本当ですか?
出発前確認で不備や疑義が見つかれば、機長は法律上出発させられません。遅延証明書に理由を明記してもらうと、約款や保険の手続で役立ちます。
Q4出発前確認を怠った機長は罰せられますか?
航空法上の罰則の対象となりえます。事故が起きれば、業務上過失致死傷罪(刑法211条)の検討にもつながります。具体的な罰則は最新の条文で確認してください。
Q5出発前確認は機長と整備士のどちらの義務?
法律上の名宛人は機長です。整備士の署名があっても、機長自身が整備記録を点検し、外部点検などを行う義務は消えません。
Q6自家用機やグライダーにも出発前確認は必要?
必要です。73条の2は航空機の機長すべてに適用され、事業用か自家用かを区別していません。レジャー飛行でも同じ確認が求められます。
Q7NOTAM(ノータム)とは何ですか?
空港や空域の運用変更、施設の停止などを知らせる公式の航空情報です。出発前確認の対象であり、確認を省くと73条の2違反の疑いが生じます。
Q8機長は会社の指示があっても出発を拒否できる?
できます。確認義務は機長個人に課された法定の義務なので、確認が済むまでは出発させない根拠になります。指示の内容は記録に残すことが重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1点検で2時間遅れたんですけど、航空会社に補償してもらえないんですか?
機長が航空法73条の2の出発前確認を行った結果の遅延は、それ自体が違法ではない。補償の有無は航空会社の運送約款で決まり、多くは振替や払い戻しにとどまる。実務のポイント:遅延理由が「整備」か「天候」かで、約款上の扱いや旅行保険の支払い可否が分かれることがある。遅延証明書には理由を明記してもらうよう頼むのが得策である
Q2パイロットが会社から急かされて、確認を省いて飛んだらどうなるんですか?
確認を経ずに出発させれば、機長本人が航空法73条の2違反となり、罰則の対象となりうる。会社の指示があっても、名宛人である機長の責任は免れない。実務のポイント:省略を指示した側も、航空運送事業者としての行政処分(事業改善命令など)の対象になりうる。現場の機長にとっては、指示を記録に残すことが最大の防御になる
Q3自家用の小型機で遊覧飛行するだけでも、こんな確認が必要なんですか?
必要である。航空法73条の2は航空機の機長すべてに適用され、事業用か自家用かを区別していない。燃料、気象、航空情報、重量と重心まで確認の対象になる。実務のポイント:小型機の事故調査報告書では、出発前の気象確認や燃料確認の不足が原因に挙げられる例が少なくない。確認内容をチェックリストで記録しておくことが、事故時に自分を守る唯一の証拠になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「出発前点検は整備士の仕事で、機長は報告を聞くだけ」と思われがちだが、法律の名宛人は機長である。施行規則は、機長が自ら整備記録を点検し、外部点検や作動点検を行うことまで求めている。整備士の署名があっても、機長の確認義務は消えない
- 遅延は航空会社の都合だと考えている人は多い。しかし法律から見れば、確認が終わらないまま出発するほうが違法であり、遅延は適法な運航の結果である。不満を向ける先を間違えると、補償交渉でも的外れな主張をすることになる。補償の根拠は航空法ではなく、各社の運送約款にある
- 「プロの機長がやっている確認だから、自家用機や小型機には関係ない」。そもそもこの前提が誤っている。73条の2は航空運送事業の機長に限らず、航空機の機長すべてに適用される。週末のレジャーフライトも同じ義務を負う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 航空法73条の2:機長による出発前の確認義務 | 航空法73条:機長による乗組員の指揮監督 航空法77条:運航管理者の承認による出発 |
| 義務・権限の主体 | 機長個人 | 機長個人 航空運送事業の運航管理者 |
| 適用範囲 | 航空機の機長すべて(事業用・自家用を問わない) | 航空機の機長すべて 航空運送事業の用に供する航空機 |
| 出発との関係 | 確認が済むまで出発させてはならない | 出発可否そのものではなく機内の指揮系統を定める 運航管理者の承認がなければ出発できない(機長の確認と並列の要件) |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾も機長に飛航前の準備と確認を求め、詳細を行政規則に委ねる構造で、日本の法律+省令の二層構造と類似する
韓国も機長が国土交通部令の定めに従い運航準備の完了を確認した後でなければ出発させてはならないとし、日本とほぼ同型の規定を置く
中国も機長に飛行前の必要な検査を求め、未検査のまま離陸することを禁じている
ドイツを含む EU 加盟国では、機長の飛行前責任は主に EU 規則で統一的に規律される
米国は機長に対し、気象情報、燃料要件、代替飛行場、既知の遅延など、飛行に関するすべての利用可能な情報を飛行前に把握するよう求める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 羽田発の朝一番の便。ドアは閉まったのに、30分経っても動かない。機長が整備記録の一行に納得していないのだ。乗客のあなたが乗り継ぎを心配しても、確認が終わらなければ法律上この飛行機は出られない。乗り継ぎ便の振替交渉は、今のうちに地上係員へ持ち込むのが先決である
- もし自家用のセスナを持つ友人に誘われ、「天気予報は見たから大丈夫」と言われたまま離陸したら、どうなる? 航空情報(NOTAM)の確認を飛ばしていれば、その時点で73条の2違反の疑いが生じる。事故が起きれば、業務上過失致死傷(刑法211条)の検討に直結する
- あなたは地方航空会社の副操縦士である。運航管理者から「遅延は避けたい、燃料は規定ぎりぎりでいい」と言われ、機長も迷っている。最終的に署名して出発させる責任は機長に帰属する。副操縦士の懸念は記録に残す形で伝えるべきだ
- 出発まであと20分。貨物の積載計算書を見ると、重心位置が許容範囲の端に寄っている。積み直せば遅延、そのまま出せば違反。どちらを選ぶかは迷う問題ではなく、法律がすでに答えを出している
- 整備士が交換部品の記録を書き忘れた。機長は整備記録を点検する義務があるため、記録の空白は「確認できていない」と同じ意味になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 遅延や欠航の際は、搭乗券、アナウンス内容、遅延時間を写真やメモで残す2. 補償の根拠は航空法ではなく運送約款なので、利用航空会社の約款で振替や返金の条件を確認する3. 旅行保険やクレジットカード付帯の遅延補償を確認し、航空会社の遅延証明書を取得する4. 確認不足が疑われる事故やインシデントで損害を受けた場合は、商法上の旅客運送人の責任(商法590条)や民法709条に基づく請求を弁護士と検討する
訴えられた側:1. 機長の立場で違反を疑われた場合は、施行規則164条の14の各項目について、何をいつどの資料で確認したかを時系列で整理する2. 整備記録、ロードシート、気象・航空情報の取得記録を直ちに保全する3. 運航管理者の承認(航空法77条)の経緯も記録に含める4. 国の調査や社内調査への供述の前に、航空事案に詳しい弁護士へ相談する。罰金刑の対象となりうる(最新の改正状況をご確認ください)
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はないが、乗客の損害賠償請求には一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)や不法行為の時効(民法724条、生命・身体侵害は5年)が適用される。国際線はモントリオール条約により到着日等から2年以内に訴えを提起しないと権利が消滅する
- 航空法 第73条機長の指揮監督権限
- 航空法 第77条運航管理者の承認による出発
- 航空法 第11条耐空証明なき航空機の使用禁止
- 航空法 第99条航空情報の提供、確認対象の基礎
- 航空法 第70条酒精飲料等の影響下での業務禁止
- 刑法 第211条確認懈怠による事故の業務上過失致死傷
- 商法 第590条旅客運送人の損害賠償責任
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