航空法 第70条(アルコール又は薬物)
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航空機乗組員は、アルコール又は薬物の影響により航空機の正常な運航ができないおそれがある間は、その航空業務を行つてはならない。
この条文の基本情報
アルコール又は薬物とは何ですか?
定義アルコール又は薬物とは、航空法第70条に定められた規定で、「航空機乗組員は、アルコール又は薬物の影響により航空機の正常な運航ができないおそれがある間は、その航空業務を行つてはならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 航空法第70条(アルコール又は薬物)は、日本の航空法に含まれる条文です。
- 航空法第70条の条文原文は「航空機乗組員は、アルコール又は薬物の影響により航空機の正常な運航ができないおそれがある間は、その航空業務を行つてはならない。」で始まります。
- 航空法第70条は第一節 航空機の運航に置かれています。
- 航空法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 航空法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 航空法第70条の前の条は航空法第69条です。
- 航空法第70条の次の条は航空法第71条です。
- 航空法第70条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第70条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000231 - 本サイト収録
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第70条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000231/70
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点航空法70条は、アルコール又は薬物の影響で正常な運航ができないおそれがある間、航空機乗組員が航空業務を行うことを禁じる。条文に数値基準はない。
Q · パイロットはアルコール検査の基準値を下回っていれば操縦していいの?
数値でなく「正常に運航できないおそれ」で判断され、基準値未満でも違反しうる
航空法70条は、アルコール又は薬物の影響で航空機の正常な運航ができないおそれがある間、航空機乗組員が航空業務を行うことを禁じています。条文に数値基準はなく、基準値は国の基準と各社規程が定める「最低線」にすぎません。基準値未満でも、薬や疲労と重なって正常な運航ができないおそれがあれば違反になりえます。一方、乗務前に申告して業務を外れれば本条の違反は成立しません。
解説
パイロットの飲酒を縛る条文に、「呼気0.15mg」のような数字は一つも書かれていない。航空法70条が禁じるのは、アルコールや薬物の影響で「航空機の正常な運航ができないおそれがある間」に航空業務(操縦など、資格がなければできない機上の仕事)を行うことである。基準は数値ではなく、「おそれ」という機能で決まっている。だから「規定値を下回ったから大丈夫」という言い訳は、この条文の上では通らない。数値の物差しは、国の基準と各社の運航規程が別に定めている。さらに「薬物」には違法薬物だけでなく、眠気を招く市販薬も含まれうる。花粉症の薬を飲んで操縦席に座ることも、同じ線の上にある。一方で、違反が成立するのは業務を「行った」ときである。乗務前に自分から申告し、乗務を外れた人は、この条文には違反していない。この仕組みを知っていれば、パイロット本人も会社も、どこで止まれば守られるのかが分かる。
法的な位置づけ
航空法第70条は、航空機乗組員の飲酒・薬物使用に関する業務制限規定であり、アルコール又は薬物の影響により航空機の正常な運航ができないおそれがある間、航空業務の遂行を禁止する。禁止の基準は数値ではなく運航能力への影響という機能的基準で定められ、違反は業務を行った時点で成立する。
よくある質問 AI による整理
Q1航空法70条とは?
航空機乗組員が、アルコールや薬物の影響で正常な運航ができないおそれがある間、操縦などの航空業務を行うことを禁じる規定です。
Q2航空法70条違反の罰則は?
3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金とされています。刑事罰とは別に、技能証明の取消しや業務停止(航空法30条)もありえます。最新の改正状況をご確認ください。
Q3自家用機のパイロットにも航空法70条は適用される?
適用されます。本条の対象は航空機乗組員全般で、エアラインのパイロットに限られません。趣味のフライト前の飲酒も同じ規制を受けます。
Q4市販の花粉症薬を飲んで操縦したら違法?
「薬物」は違法薬物に限られず、眠気を招く市販薬も含まれえます。正常な運航ができないおそれがあれば違反になりうるため、服薬は事前に航空身体検査の担当医へ相談するのが安全です。
Q5パイロットの飲酒が発覚したら免許はどうなる?
航空法30条により、技能証明の取消しや一定期間の航空業務停止の処分を受けることがあります。刑事罰とは別の行政処分です。
Q6ドローンを飲酒して飛ばすのも違法?
違法です。令和元年の改正で、無人航空機についても飲酒・薬物の影響下での飛行が禁止されました。航空法70条とは別の条文で、条番号は改正で移動しているため要確認です。
Q7航空法の「航空業務」とは何ですか?
航空機に乗り組んで行う操縦など、資格がなければできない業務を指します。定義は航空法2条に置かれています。
Q8パイロットのアルコール検査は義務ですか?
2018年の乗員飲酒事案を受け、国の基準により乗務前後の検知器による検査が義務化されました。具体的な運用は各社の運航規程が定めています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1パイロットって飛ぶ何時間前まで飲んでいいんですか?
航空法70条自体に時間の定めはなく、基準は「正常な運航ができないおそれ」です。令和元年の国の基準と各社の運航規程が、乗務前の飲酒制限時間、検知器による検査、呼気中アルコール濃度の基準を具体的に定めています(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:国の基準は最低線にすぎず、多くの会社はこれより長い禁酒時間を自社規程で定めています。会社によって「何時間前」は違います
Q2検査で引っかかったけど飛ばなかった場合も、犯罪になりますか?
70条が禁じているのは、影響下で航空業務を「行うこと」です。乗務前に検知されて降りた場合、本条の違反は原則として成立しません。ただし、会社の懲戒や国への報告対象にはなります。実務のポイント:監督官庁が見るのは、検知件数より「検知された人を確実に止められたか」です。止まれたという事実は、本人にとっても会社にとっても最大の防御材料になります
間違えやすい点 AI による整理
- 「基準値未満なら合法」と思われがちだが、70条自体には数値基準がない。基準値未満でも、薬物や疲労と重なって正常な運航ができないおそれがあれば、条文の上では違反になりうる。数値はあくまで下位の基準と各社規程による「最低線」である
- 飲酒問題は知っていても、その重さは知られていない。2018年、日本航空の副操縦士がロンドンで基準を大きく超えるアルコールを検出されて現地で収監された。これを受けて、令和元年(2019年)の改正で罰則が引き上げられ、検査が義務化された。違反は個人のキャリアだけでなく、会社への行政処分や国際的な信用にまで波及する
- 「客室乗務員が酒を飲んで乗務したら70条違反か」という問いは、出発点がずれている。70条の対象は航空機乗組員、つまり操縦などの航空業務を行う者である。客室乗務員の飲酒は、主に会社の規程と国の基準による管理で扱われる。どの法律で縛られているかが違えば、処分の経路もまったく違う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制の対象となる状態 | 航空法70条:アルコール又は薬物の影響により正常な運航ができないおそれがある間 | 航空法71条:身体の障害など、身体状態が航空業務に適さなくなったとき 航空法30条:法令違反などがあった後の技能証明に対する処分 |
| 法的な性質 | 業務を行うこと自体の禁止(行為規制) | 身体適性を欠く間の業務禁止(行為規制) 国土交通大臣による行政処分(取消し・業務停止) |
| 違反時の帰結 | 刑事罰+30条の行政処分の対象 | 業務制限違反として処分の対象 技能証明の取消し、又は一定期間の業務停止 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も航空人員の飲酒・薬物影響下での業務を禁止し、検査と濃度基準は下位規則で具体化する二層構造をとる(条番号要確認)
韓国は法律本体で酒類等の摂取・使用制限を定め、検査への協力義務も置く。日本より法律レベルでの具体化が進んでいる
ドイツは刑法で飲酒等による運航不能状態での航空機操縦を処罰し、EU 共通の航空規則 SERA が精神作用物質の問題使用を禁じる
米国は連邦規則で、飲酒後一定時間内の乗務禁止と血中アルコール濃度の数値基準を規則本体に明記する。日本の機能的基準とは対照的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 前夜の送別会で、ビールを少し飲んだだけのつもりだった。翌朝のショーアップ(乗務前の出頭)で検知器が反応した。ここで乗務を降りれば70条違反にはならない。だが「たぶん抜けている」と押し切って操縦席に座った瞬間、刑事罰と技能証明の取消し(航空法30条)の両方が現実になる
- 自家用機の免許を持つ趣味のパイロットが、ゴルフ場のクラブハウスで一杯飲んでから帰りのフライトに出ようとしている。もし事故が起きなくても、それは違反になる? なる。70条は自家用操縦士にも適用され、「エアラインの話」ではない
- スギ花粉の季節に、抗ヒスタミン薬を飲んでから乗務した。アルコールではないから問題ないと思っていた
- あなたは地方航空会社の運航管理部門にいる。機長から「昨夜の酒がまだ残っているかもしれない」と電話が来た。出発まであと90分。代わりの機長を呼ぶか、欠航にするか。ここで機長を飛ばせれば、会社の安全管理体制そのものが国土交通省の監査対象になる
- 友人の副操縦士から、同僚が検知に引っかかり会社の調査を受けていると相談された。「それって逮捕されるの?」。乗務の前に止まったのか、乗務した後に発覚したのか。答えはまずその一点で分かれる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 乗客として乗員の異常(酒の臭い、ろれつ)に気付いたら、搭乗前なら地上係員に、機内なら客室乗務員にすぐ伝える2. 遅延や欠航で損害が出た場合は、航空会社の運送約款を確認して補償を請求する。乗員の飲酒が原因なら、会社側の帰責性は明確である3. 事故やけががあれば、医療記録と搭乗券を保全し、民法・国際航空運送に関する条約に基づく損害賠償を検討する
訴えられた側:1. 乗務前に検知された段階なら、まず乗務を外れることを最優先にする。業務を行っていなければ70条違反は成立しない2. 会社の調査には、飲酒の時刻・量・服薬の有無を正確に申告する。後から供述を変えると、処分も心証も悪くなる3. 乗務後に発覚し刑事手続や技能証明取消し(30条)の対象になりそうなら、行政処分の聴聞と刑事弁護を並行して進められる弁護士に早めに相談する
時効(請求できる期限):罰則は3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金とされ、公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号、違反行為時から起算)(最新の改正状況をご確認ください)。技能証明の取消し・業務停止(航空法30条)には特定の期限がない
改正沿革 AI による整理
- 令和元年(2019年)航空法改正(要人的検証) 2018年の乗員飲酒事案を受けた改正。文言を「アルコール又は薬物」に整理したとされ、罰則の引上げと無人航空機の飲酒飛行禁止が同時に導入された。文言変更の正確な範囲は要確認
- 令和4年(2022年)刑法等改正、令和7年(2025年)6月1日施行 罰則中の「懲役」が「拘禁刑」に置き換えられた
改正の年表
- 1.令和元年(2019年) 改正:2018年の乗員飲酒事案を受けた航空法改正。乗員の飲酒等に対する罰則が引き上げられ、無人航空機の飲酒・薬物影響下での飛行禁止も導入された。文言変更の正確な範囲は要確認
- 2.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部を改正する法律により、罰則中の「懲役」が「拘禁刑」に置き換えられた(令和7年(2025年)6月1日施行)
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