航空法 第77条(運航管理者)
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航空運送事業の用に供する国土交通省令で定める航空機は、その機長が、第百二条第一項の本邦航空運送事業者の置く運航管理者の承認を受けなければ、出発し、又はその飛行計画を変更してはならない。
この条文の基本情報
運航管理者とは何ですか?
定義運航管理者とは、航空法第77条に定められた規定で、「航空運送事業の用に供する国土交通省令で定める航空機は、その機長が、第百二条第一項の本邦航空運送事業者の置く運航管理者の承認を受けなければ、出発し、又はその飛行計…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 航空法第77条(運航管理者)は、日本の航空法に含まれる条文です。
- 航空法第77条の条文原文は「航空運送事業の用に供する国土交通省令で定める航空機は、その機長が、第百二条第一項の本邦航空運送事業者の置く運航管理者の承認を受けなければ、出発し、又はその飛行計…」で始まります。
- 航空法第77条は第一節 航空機の運航に置かれています。
- 航空法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 航空法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 航空法第77条の前の条は航空法第76条の2です。
- 航空法第77条の次の条は航空法第78条です。
- 航空法第77条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第77条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000231 - 本サイト収録
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第77条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000231/77
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点航空法77条により、国土交通省令で定める航空運送事業用の航空機の機長は、地上の運航管理者の承認を受けなければ出発も飛行計画の変更もできない。
Q · 旅客機の機長は、自分の判断だけで出発できるの?
できない。運航管理者の承認が必要(航空法77条)
航空法77条により、国土交通省令で定める航空運送事業用の航空機の機長は、本邦航空運送事業者の置く運航管理者の承認を受けなければ、出発することも飛行計画を変更することもできません。運航管理者は同法102条により国の技能検定に合格した者から選任される地上の専門職です。一方、機内の指揮監督権は73条により機長に残されており、権限は意図的に二者に分けられています。
解説
コックピットの機長は「機上の最高責任者」と呼ばれる。だが航空会社の旅客機では、機長が一人で「行くぞ」と決めても、法律上は滑走路に出られない。航空法77条は、国土交通省令(航空法施行規則)で定める航空運送事業用の航空機について、機長が運航管理者(地上で気象、燃料、機体の状態、代替空港などを分析し、その便の運航を管理する専門職。ディスパッチャーとも呼ばれる)の承認を受けなければ、出発することも飛行計画を変えることもできないと定める。つまり一機の旅客機には、空の機長と地上の運航管理者という二本の鍵が差さっている。搭乗口で「出発準備に時間を要しております」と言われたとき、その裏では二人のプロが燃料量や行き先空港の天候をめぐってすり合わせをしているかもしれない。待たされている側から見れば単なる遅延だが、法律の目で見れば、二人の目で確かめるための待ち時間である。理由を知っていれば、遅延にいら立つ代わりに、会社に聞くべきことが分かる。
法的な位置づけ
航空法第77条は、航空運送事業の用に供する国土交通省令で定める航空機について、運航管理者の承認を出発及び飛行計画変更の要件とする規定である。運航管理者は同法第102条第1項により本邦航空運送事業者が置く者であり、本条は機長の指揮監督権(第73条)と並び、運航判断を二者で確認する制度を構成する。
よくある質問 AI による整理
Q1運航管理者とはどんな仕事ですか?
気象、燃料、重量、代替空港、機体の状態などを地上で分析し、便の出発や飛行計画の変更を承認する専門職です。航空法102条により航空会社が選任します。
Q2ディスパッチャーと運航管理者は同じですか?
ほぼ同じ職種を指します。ディスパッチャーは英語由来の通称で、日本の法令上の名称は「運航管理者」です。航空法77条と102条が根拠になります。
Q3飛行機の遅延で「運航上の理由」とは何ですか?
天候、燃料計画、機材繰りなど運航の安全や管理に関わる理由の総称です。出発前の機長と運航管理者の確認もこれに含まれることがあります。
Q4飛行中に目的地を変えるのは誰が決めますか?
航空運送事業の対象機では、飛行計画の変更に運航管理者の承認が必要です(航空法77条)。機長が判断し、地上の承認を得て変更する仕組みです。
Q5運航管理者の承認なしに出発したら違法ですか?
本条の対象機であれば航空法77条に違反します。事業者には事業改善命令などの行政処分のほか、罰則が適用される可能性もあります。
Q6自家用機やセスナにも航空法77条は適用されますか?
本条の対象は、航空運送事業の用に供する国土交通省令で定める航空機に限られます。個人の自家用機の飛行は原則として本条の対象外です。
Q7運航管理者の承認はどうやって伝えられますか?
具体的な方法は各社が国の認可を受けた運航規程(航空法104条)で定めます。一般に出発前の書類確認や社内通信で承認を伝える運用がとられています。
Q8天候で飛行機が遅れたら補償はありますか?
補償の有無は航空法77条ではなく各社の運送約款で決まります。天候や安全上の判断による遅延は補償対象外とする約款が多く、旅行保険の確認も有効です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1機長と運航管理者の意見が割れたら、結局どっちが勝つんですか?
本条の仕組みでは、承認がない限り出発も計画変更もできないので、片方の一存では動けない。逆に機長が不安を感じれば、承認があっても飛ばない判断はできる。つまり「飛ぶ」には二人の一致が必要で、「飛ばない」は実質一人で決められる非対称な設計になっている。実務のポイント:慎重な側の判断が通りやすい構造なので、安全側に倒れた結果としての遅延は、この仕組みが正しく働いた証拠でもある
Q2運航管理者ってどうやったらなれるんですか?
航空法第102条により、本邦航空運送事業者は国の運航管理者技能検定に合格した者の中から運航管理者を選任する。受検には年齢や実務経験の要件があり、多くの場合は航空会社に入社して運航支援業務を経験してから受検する流れになる。実務のポイント:パイロット志望で視力や適性の壁に当たった人が、運航管理者として「地上の機長」の道を選ぶ例は珍しくない。求人は運航部門の総合職や運航支援職の名前で出ることが多い(最新の受検要件は国土交通省の案内をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「機長が全権を握っている」という理解は、航空会社の旅客機に関しては半分しか正しくない。機内の指揮監督は機長の役目(第73条)だが、出発と飛行計画の変更については本条により運航管理者の承認が必要になる。権限が一人に集中しているのではなく、意図的に分けられている
- 運航管理者は「便の時刻を管理する事務方」くらいに思われがちだが、それでは役割を軽く見すぎている。気象、燃料、重量、代替空港、機体の不具合情報を総合して、出発してよいかを判断する専門職であり、国の技能検定に合格した者から選任される(第102条)。承認一つに、機長と並ぶ重さの判断責任が乗っている
- 「承認待ちの遅延は航空会社の怠慢だから補償されるはずだ」という発想は、問いの立て方がずれている。補償の有無を決めるのは本条ではなく、各社の運送約款である。安全上の判断による遅延は補償対象外と定める約款が多いので、まず約款のどの条項に当たるかを確認するのが先になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 航空法77条:出発と飛行計画の変更に運航管理者の承認を要求 | 航空法73条:機長による機内の指揮監督権 航空法102条:運航管理者の選任義務と技能検定 |
| 義務・権限の主体 | 機長(承認を受ける義務)と運航管理者(承認する立場) | 機長(乗組員等への指揮監督) 本邦航空運送事業者(運航管理者を置く義務) |
| 適用範囲 | 国土交通省令で定める航空運送事業用の航空機 | 機長が乗り組む航空機一般 本邦航空運送事業者 |
| 乗客から見た意味 | 出発・目的地変更の判断に地上の確認が入る | 機内では機長の指示に従う根拠 承認する人が国の検定合格者である保証 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も航空運送業に簽派員(運航管理者に相当)の配置を求め、簽派放行を経て運航する仕組みをとる。日本と同じく ICAO 附属書6を基盤とする
韓国も運航管理士の資格制度を設け、航空運送事業者の運航管理に関与させる。国家資格に基づく専門職である点は日本と共通
米国の国内線・フラッグ運航では、機長と運航管理者の双方が署名するディスパッチ・リリースが必要とされ、共同責任の考え方が明確に表れている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし目的地の空港に雷雲がかかっていて、機長は「行ける」、運航管理者は「代替空港までの燃料が足りない」と判断したら、その便はどうなる? 本条のもとでは承認がない限り出発できない。出発前に二つの判断が一致するまで、ドアは閉じても車輪は動かない
- 搭乗開始から40分、機内で待たされたまま「ただいま運航上の確認を行っております」とアナウンスが流れる。乗り継ぎ便の出発まであと70分。この「確認」の中身が、地上の運航管理者と機長の協議である可能性を知っていれば、地上係員に「振替便の手配を先に動かせるか」と具体的に頼める
- あなたは地方路線の副操縦士。巡航中、到着地の視程が急に悪化し、機長は近くの別空港へ目的地を変えたいと言う。社内無線で運航管理者に計画変更の承認を求めるのが運航規程上の手順になっているはずだ。承認なしに変更した場合、記録が残って問題になりうる
- 友人が「パイロットが最終決定するんでしょ?」と言った。航空会社の旅客機に限っては半分だけ正しい。出発と計画変更には地上の承認が要る
- 運航管理者を目指してマニュアルを読み始めたあなたは気付く。承認の印一つで、その便の数百人の安全について責任の一端を背負うことになる。その重さの根拠は、この短い一条にある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 遅延・欠航が起きたら、搭乗券、アナウンスの時刻、係員の説明内容をメモとスクショで残す2. 遅延理由が機材不具合か天候、運航上の判断かを係員に確認する。運送約款上の扱いがここで変わる3. 補償や払い戻しは約款と旅行保険の条項で判断する。安全判断による遅延そのものを違法と争うのは筋が悪い4. 対応に納得できなければ、航空会社の窓口に書面で問い合わせ、それでも解決しなければ国の消費者相談窓口に相談する
訴えられた側:1. 機長や事業者として承認手続の不備を指摘されたら、まず通信記録、承認記録、運航規程の該当手順を確保する2. 緊急時の対応だった場合は、危難時の措置(第75条)や運航規程の緊急手順との関係を整理する3. 事業者として指摘を受けた場合は、事業改善命令(第112条)などの行政処分につながる前に、再発防止策を文書化して当局に説明できる状態にする4. 違反には罰則規定もあるため、早い段階で航空法に詳しい弁護士に相談する(最新の改正状況をご確認ください)
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はない。乗客が損害賠償を請求する場合は一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される。ただし運送約款で申出期限を定めている場合があるので、遅延直後に約款を確認すること(最新の改正状況をご確認ください)
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