航空法 第83条の2(特別な方式による航行)
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航空機は、国土交通大臣の許可を受けなければ、他の航空機との垂直方向の間隔を縮小する方式による飛行その他の国土交通省令で定める特別な方式による航行を行つてはならない。
この条文の基本情報
特別な方式による航行とは何ですか?
定義特別な方式による航行とは、航空法第83条の2に定められた規定で、「航空機は、国土交通大臣の許可を受けなければ、他の航空機との垂直方向の間隔を縮小する方式による飛行その他の国土交通省令で定める特別な方式による航行を行つてはならな…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 航空法第83条の2(特別な方式による航行)は、日本の航空法に含まれる条文です。
- 航空法第83条の2の条文原文は「航空機は、国土交通大臣の許可を受けなければ、他の航空機との垂直方向の間隔を縮小する方式による飛行その他の国土交通省令で定める特別な方式による航行を行つてはならな…」で始まります。
- 航空法第83条の2は第一節 航空機の運航に置かれています。
- 航空法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 航空法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 航空法第83条の2の前の条は航空法第83条です。
- 航空法第83条の2の次の条は航空法第84条です。
- 航空法第83条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第83条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000231 - 本サイト収録
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第83条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000231/83_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点航空法83条の2は、垂直間隔を縮小する方式(RVSM)など国土交通省令で定める特別な方式による航行について、国土交通大臣の許可を受けない航空機の実施を禁じている。
Q · 旅客機同士が上下300m しか離れずに飛んでいいのは、どういう決まりがあるから?
許可を受けた機体・運航者だけが飛べるから
航空法83条の2は、他の航空機との垂直方向の間隔を縮小する方式(RVSM)その他国土交通省令で定める特別な方式による航行を、国土交通大臣の許可制としています。許可を受けていない航空機は、こうした方式で航行できません。審査では高度計の精度や自動操縦装置といった機体の装備に加え、整備の手順や乗員の訓練まで含めた運航体制全体が確認されます。許可の前提となる装備や手順が崩れた状態での特別方式の航行は、許可の範囲外となりえます。
解説
高度2万9千フィートから4万1千フィートの空域では、旅客機同士の上下の間隔がかつての2000フィート(約600m)から1000フィート(約300m)に縮められている。いわゆる RVSM(短縮垂直間隔)である。この縮めた間隔の中に入れるのは、国土交通大臣の許可を受けた機体と運航者だけだ。航空法83条の2は、この「特別な方式による航行」を許可制にしている。対象は垂直間隔の短縮だけではない。具体的に何が含まれるかは国土交通省令が決め、GPS などを使った広域航法や、視界がほぼない状態での精密進入も対象になる。読み落とされやすいのは、許可の対象が「機体の性能」だけではないという点である。高度計の精度、自動操縦装置、整備の手順、乗員の訓練まで含めた運航の仕組み全体が審査される。最新鋭の機体を買っても、それだけでは同じ空を飛べない。あなたが乗る便が予定どおりの高度で飛べるかどうかは、この許可の有無で決まっている。
法的な位置づけ
航空法第83条の2は、航空機が他の航空機との垂直方向の間隔を縮小する方式による飛行その他国土交通省令で定める特別な方式による航行を行う場合に、国土交通大臣の許可を要する旨を定める規定である。対象としては短縮垂直間隔(RVSM)のほか、高精度の広域航法や低視程進入などが想定され、具体的な範囲は省令で定められる。
よくある質問 AI による整理
Q1RVSMとは何ですか?
高度約29,000〜41,000フィートの空域で、航空機同士の垂直間隔を2,000フィートから1,000フィートに縮める運用方式です。航空法83条の2の許可を受けた機体と運航者だけが利用できます。
Q2特別な方式による航行とは?
航空法83条の2が許可制とする航行方式の総称です。垂直間隔の短縮のほか、具体的にどの方式が対象になるかは国土交通省令(航空法施行規則)で定められます。
Q3特別方式航行の許可は誰が出すのですか?
条文上の許可権者は国土交通大臣です。実務上の申請窓口や審査の手順は国土交通省航空局の定めによるため、申請前に最新の手続を同省で確認する必要があります。
Q4許可なしでRVSM空域を飛ぶと違法?
許可を受けずに特別な方式による航行を行うことは、航空法83条の2に違反します。許可のない機体は、短縮間隔が適用される高度帯を避けて航行することになります。
Q5自家用のビジネスジェットにも許可は必要?
条文の主語は「航空機」であり、事業用か自家用かを区別していません。特別な方式で航行する以上、自家用のビジネスジェットも許可が必要です。
Q6許可を受けた後に装備が故障したらどうなる?
許可の前提となる装備が機能しない状態で特別方式の航行を続けると、許可の範囲外の運航になりえます。通常は管制へ通報し、従来の方式に切り替えて対応します。
Q7霧で着陸できる便とできない便があるのはなぜ?
低視程進入には機体の装備と乗員の資格を含めた許可が必要で、許可の有無によって着陸できる最低気象条件が変わるためです。天候が同じでも結果が分かれます。
Q8衛星を使った航法(PBN)にも許可は必要?
国土交通省令で特別な方式に指定された航法であれば、本条の許可の対象です。どの方式が指定されているかは、航空法施行規則の現行規定で確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1上下300m しか離れてないって、本当に大丈夫なんですか?
大丈夫であることを前提にした制度です。高度計の精度、自動操縦による高度の維持、高度監視の仕組みを満たした機体と運航者だけに、航空法83条の2に基づく許可が出ます。実務のポイント:RVSM の機体は運用開始後も高度維持の性能が監視されており、許可は取った後も維持できているかを見られ続けます。一度取れば終わり、ではありません
Q2海外で RVSM の承認を持っていた機体なら、日本でもそのまま飛べますか?
日本の登録機として運航するなら、原則として日本の許可を改めて受ける必要があります(航空法83条の2)。前の国の承認や実績は審査資料にはなりますが、許可の代わりにはなりません。実務のポイント:機体購入の交渉段階で、許可取得に必要な整備記録と装備の証明書を引渡し条件に入れておかないと、改修費と取得までの待ち時間で数か月を失うことがあります
間違えやすい点 AI による整理
- 許可は機体の型式ごとに一度取れば済むと思われがちだが、実際には運航者と個々の機体の組み合わせ、整備体制、乗員訓練まで含めて審査される。同じ型式の機体でも、運航会社が変われば許可も別に取り直しになる
- 垂直間隔を縮めると危険が増える、という見方は半分しか当たっていない。間隔の短縮は、高度計の精度、自動操縦、高度監視の仕組みを引き上げることを条件に認められている。危ないのは間隔の狭さそのものではなく、許可の前提である装備や手順が崩れたまま飛ぶことだ。本条が見ているのは、その崩れである
- 乗客にとっては関係のない技術規制に見える。だが法律の側から見ると、あなたの便の巡航高度、到着の遅れ、霧の日に降りられるかどうか、その全部がこの許可の有無で分かれている。航空券の値段と定時性の裏に、本条がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 航空法83条の2:垂直間隔の短縮その他の特別な方式による航行 | 航空法83条:衝突予防のための航行の一般的な方法 航空法104条:本邦航空運送事業者の運航規程・整備規程 |
| 規律の手法 | 国土交通大臣の許可がなければ航行禁止(許可制) | 省令で定める進路・経路・速度等に従う義務(すべての航空機に適用) 事業者の規程に対する国土交通大臣の認可 |
| 名宛人 | 特別な方式で航行しようとする航空機(事業用・自家用を問わない) | 航行するすべての航空機 本邦航空運送事業者 |
| 実務上の接点 | 装備・整備・乗員訓練をそろえて方式ごとに許可を取得 | 日常の航行で常に遵守する基本ルール 特別方式の手順を運航規程・整備規程に組み込む土台 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も ICAO 標準に沿い、RVSM などの特殊運航について民用航空局による核准を要する仕組みを採る。条文の配置は日本と異なり、主に交通部の規則で定められている
韓国も RVSM 空域などでの運航を国土交通部長官の承認にかからせる仕組みを法律で定めており、日本の許可制と構造が近い
ドイツを含む EU 加盟国では、RVSM・PBN・低視程運航などを EU 規則上の「特別承認(Specific Approval)」として統一的に扱う
米国では FAA による RVSM の運航承認を連邦規則で定め、機体の高度維持性能の監視も制度に組み込んでいる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 海外の中古ビジネスジェットを日本に輸入して登録した。機体には前の国での RVSM 運航実績がある。それでも日本の許可は自動的には引き継がれない。許可を取り直すまでは、燃費のよい高高度を避けて低い高度を飛ぶしかない
- もし、許可を受けた機体の高度計が整備ミスで基準外の誤差を出したまま RVSM 空域を飛び続けていたら、どうなる? 上下300m しか離れていない別の機体から見れば、その誤差がそのまま衝突リスクになる。整備記録の不備は、許可の取消しや運航停止の判断材料になりうる
- あなたは小規模運航会社の運航管理者だ。来週から始めるチャーター便で RNP AR 進入を使う計画だったが、乗員の訓練記録が許可条件を満たしていないことに気付いた。初便まであと6日。許可範囲外の方式で飛ばすか、従来の進入方式で計画を組み直すか、今日中に決めなければならない
- 濃霧の羽田で、自分の便だけ着陸できずに別の空港へ回された。隣の航空会社の便は降りている。違いは天候ではなく、低視程進入(CAT II/III)の許可を持つ機体と乗員だったかどうかである
- 航空会社の整備部門で働く友人から、高度維持装置の不具合が出たまま出発させろと上司に言われた、と打ち明けられた。許可の前提となる装備が機能していない機体を特別方式で飛ばすことは、本条の許可の範囲外の運航になりうる。社内の安全報告ルートと、国土交通省への報告制度の両方を確かめる価値がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 運航の乱れで損害を受けた乗客の場合、まず航空会社の運送約款で補償範囲を確認する2. ダイバートや遅延の理由が天候なのか、機材や許可の制約なのかを書面で回答してもらう3. 安全上の懸念を見聞きした関係者は、社内の安全報告ルートと国土交通省への報告制度の両方を確かめる4. 補償の争いでは、消費者として約款の条項が一方的に不利でないかも検討する
訴えられた側:1. 許可の範囲外の航行を指摘された運航者は、許可書の条件、機体の装備状態、乗員の資格記録をすぐ確保する2. 装備の不具合が判明していたなら、出発判断の記録と管制への通報の有無を整理する3. 国土交通省の調査には記録を改変せず、時系列で説明する4. 再発防止策を先に示せるかどうかが、行政処分の重さに影響しうる(最新の改正状況をご確認ください)
時効(請求できる期限):本条に固有の時効はない。許可は航行の前に受けていなければならず、後から取得しても違反は消えない。違反に罰則が適用される場合の公訴時効は、法定刑に応じて刑事訴訟法250条で決まる(最新の改正状況をご確認ください)
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