要点宅地建物取引業法 16 条の 6 は、指定試験機関の役員の選任・解任に国土交通大臣の認可を要すると定める。大臣は違反役員の解任を機関に命じることもできる。
Q · 宅建試験を運営している民間法人の理事って、国が辞めさせられるんですか?
大臣が機関に解任を命じる形で可能です
宅地建物取引業法 16 条の 6 第 2 項により、国土交通大臣は、指定試験機関の役員が法令や試験事務規程(同法 16 条の 9 第 1 項)に違反し、または試験事務に関し著しく不適当な行為をしたとき、その機関に対して役員の解任を命じることができます。命令の名宛人は役員本人ではなく機関です。また同条 1 項により、役員の選任・解任は大臣の認可を受けなければ効力を生じません。認可は届出や事後承認ではなく効力発生要件である点が実務上の急所です。
毎年 20 万人前後が受験する宅地建物取引士資格試験。その問題を作り、採点し、合否判定の実務を回しているのは国でも都道府県でもなく、国土交通大臣が指定した民間の財団法人である。公権力の一部を民間に預けた以上、国はどこかに手綱を残さなければならない。その手綱が本条だ。第 1 項は、指定試験機関が誰を役員に選び、誰を辞めさせるかについて、国土交通大臣の認可を受けなければ「その効力を生じない」と定める。届出でも承認でもなく、認可が効力発生要件になっている点が肝で、認可を欠いた選任は法律上そもそも役員になっていない。第 2 項はさらに直接的だ。法令や試験事務規程に違反した役員、試験事務に関して著しく不適当な行為をした役員について、大臣は機関に対して解任を命じることができる。押さえておくべきは、その命令の名宛人が役員本人ではなく機関側だという構造である。首を切られる当人は、法的には命令の相手方ですらない。
宅地建物取引業法 16 条の 6 は、指定試験機関の役員人事に対する国土交通大臣の監督を定める規定である。役員の選任および解任は大臣の認可を効力発生要件とし、法令違反、試験事務規程違反または試験事務に関する著しく不適当な行為があった場合には、大臣が機関に対して当該役員の解任を命じる権限を有する。
国土交通大臣の指定を受け、宅地建物取引士資格試験の試験事務を代行する法人です(宅建業法 16 条の 2)。実務上は一般財団法人不動産適正取引推進機構が担っています。
選任も解任も効力を生じません。認可前に選ばれた人物は法律上そもそも役員ではなく、その者が加わった意思決定の効力まで後から争点になりえます。
役員が宅建業法または同法に基づく命令・処分、試験事務規程(16 条の 9 第 1 項)に違反した場合、もしくは試験事務に関し著しく不適当な行為をした場合です。
指定試験機関に対して出されます。役員本人は名宛人ではないため、本人が取消訴訟を起こす場合は原告適格が最初の関門になります。
法律上の実施主体は都道府県知事ですが、問題作成や採点などの試験事務は国土交通大臣の指定を受けた民間法人が行っています。国が直接作問しているわけではありません。
法人役員の解任を命じる処分は行政手続法 13 条により聴聞を要する類型です。聴聞の通知が届いた段階が、記録に反論を残せる実質的な唯一の機会です。
指定試験機関が試験事務の実施方法を定め、大臣の認可を受ける内部規程です(16 条の 9 第 1 項)。その違反が解任命令の要件のひとつになります。
機関は行政不服審査法による審査請求、または行政事件訴訟法による取消訴訟を選べます。役員本人が争う場合は原告適格(行訴法 9 条)の判断が先に立ちはだかります。
試験そのものは法律上、都道府県知事が行うものと位置づけられるが、問題作成や採点といった試験事務は国土交通大臣が指定した民間法人(一般財団法人不動産適正取引推進機構)が担っている(宅地建物取引業法 16 条の 2)。その法人の役員人事には大臣の認可が必要になる(同 16 条の 6 第 1 項)。業界裏話ヒント:受験案内の発行元法人名を控えておくと、受験料や受験資格の扱いで争いになったとき、誰に対して不服を述べるべきかで迷わずに済む
直接クビにするのではなく、機関に対して解任せよと命じる形をとる(16 条の 6 第 2 項)。要件は法令違反、試験事務規程違反(16 条の 9 第 1 項)、または試験事務に関する著しく不適当な行為である。業界裏話ヒント:法人の役員解任を命じる不利益処分は行政手続法 13 条により聴聞を要する類型で、聴聞を欠いた命令は手続違反として争える。命令書が届いた日より、聴聞の通知が届いた日のほうが実務上は決定的である
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 16 条の 6:指定試験機関の役員人事(選任・解任・解任命令) | — |
| 大臣の関与形式 | 認可(効力発生要件)+解任命令 | — |
| 名宛人 | 指定試験機関(役員本人ではない) | — |
| 違反時の帰結 | 個別役員の排除(組織は存続) | — |
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