宅地建物取引業法 第31条の3(宅地建物取引士の設置)
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- 宅地建物取引業者は、その事務所その他国土交通省令で定める場所(以下この条及び第五十条第一項において「事務所等」という。)ごとに、事務所等の規模、業務内容等を考慮して国土交通省令で定める数の成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければならない。
- 2.前項の場合において、宅地建物取引業者(法人である場合においては、その役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいう。))が宅地建物取引士であるときは、その者が自ら主として業務に従事する事務所等については、その者は、その事務所等に置かれる成年者である専任の宅地建物取引士とみなす。
- 3.宅地建物取引業者は、第一項の規定に抵触する事務所等を開設してはならず、既存の事務所等が同項の規定に抵触するに至つたときは、二週間以内に、同項の規定に適合させるため必要な措置を執らなければならない。
この条文の基本情報
宅地建物取引士の設置とは何ですか?
定義宅地建物取引士の設置とは、宅地建物取引業法第31条の3に定められた規定で、「宅地建物取引業者は、その事務所その他国土交通省令で定める場所(以下この条及び第五十条第一項において「事務所等」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 宅地建物取引業法第31条の3(宅地建物取引士の設置)は、日本の宅地建物取引業法に含まれる条文です。
- 宅地建物取引業法第31条の3の条文原文は「宅地建物取引業者は、その事務所その他国土交通省令で定める場所(以下この条及び第五十条第一項において「事務所等」という。」で始まります。
- 宅地建物取引業法第31条の3は第一節 通則に置かれています。
- 宅地建物取引業法の公布日は昭和27年6月10日です。
- 宅地建物取引業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 宅地建物取引業法第31条の3の前の条は宅地建物取引業法第31条の2です。
- 宅地建物取引業法第31条の3の次の条は宅地建物取引業法第32条です。
- 宅地建物取引業法第31条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第31条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176 - 本サイト収録
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第31条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC1000000176/31_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点宅地建物取引業法31条の3は、事務所等ごとに業務従事者五人につき一人以上の成年者である専任の宅地建物取引士の設置を義務づけ、抵触時は二週間以内の是正を求める規定である。
Q · 不動産屋さんって、宅建士が何人いないといけないんですか?
事務所ごとに専任の宅建士が必要で、欠員は二週間以内に是正します
宅地建物取引業法31条の3は、事務所等ごとに成年者である専任の宅地建物取引士を置くことを義務づけ、その数は施行規則15条の5の3により業務に従事する者五人につき一人以上とされています。業者本人または法人の役員が宅建士である場合、その者が自ら主として業務に従事する事務所等では専任とみなされます(同条2項)。要件を満たさない事務所等の新規開設は禁止され、既存の事務所等が抵触するに至ったときは二週間以内の是正が必要です(同条3項)。違反は監督処分(65条)と五十万円以下の罰金(83条)の対象です。
解説
不動産店のカウンターに座っている担当者が、宅地建物取引士とは限らない。宅地建物取引業法31条の3が業者に課しているのは、事務所ごとに「成年者である専任」の宅建士を、その事務所で業務に従事する者五人につき一人以上の割合で置くことである(施行規則15条の5の3)。ここでいう専任とは、その事務所に常勤し、専ら宅建業務に従事している状態を指す。他社に勤める有資格者から名前だけ借りる、いわゆる名義貸しはこの時点で崩れる。そして第3項が本条の牙だ。欠員が出た瞬間から二週間、この期限内に補充も配置転換もできなければ、業務停止処分の射程に入り、五十万円以下の罰金も控えている。客の立場のあなたにできることは単純で、店頭に掲げられた宅地建物取引業者票に書かれた専任宅建士の氏名と、目の前で重要事項説明をする人物の名前を見比べるだけでいい。その一致不一致で、その店の適法性は半分見える。
法的な位置づけ
宅地建物取引業法31条の3は、専任の宅地建物取引士の設置義務を定める規定である。宅地建物取引業者は、事務所等ごとに、業務に従事する者の数に対し国土交通省令で定める割合の成年者である専任の宅建士を置く義務を負い、業者本人または法人の役員が宅建士である場合には、自ら主として業務に従事する事務所等につき専任とみなされる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.当該事務所等で業務に従事する者を数える 正社員だけでなく、パート・アルバイト・その事務所で宅建業務に従事する常勤役員も分母に含めて人数を確定する。施行規則15条の5の3は雇用形態で区別しない
- 2.必要な専任宅建士数を算出し不足を確認 従事者数を五で割り、端数を切り上げた数が必要な成年者である専任の宅建士数。業者本人または役員が宅建士で当該事務所に主として従事していれば、みなし専任として一人分に算入する(31条の3第2項)
- 3.欠員が生じた日を証拠で特定する 第3項の二週間はここから走る。タイムカード、給与台帳、社会保険の資格喪失日で「現実に専任性を欠いた日」を日付レベルで固定し、記録として残す
- 4.二週間以内に三本の是正手段を並行で走らせる 中途採用だけに賭けず、他事務所からの配置転換、業務に従事する者の数を減らして五分の一の比率を回復する方法、当該事務所等の一時休止を同時に検討する。経過は日付入りで記録し、監督処分の情状に備える
- 5.免許行政庁へ変更の届出を行う 専任の宅地建物取引士の氏名に変更が生じたときは、免許行政庁(知事免許は都道府県の宅建業担当課、大臣免許は地方整備局)へ届け出る。届出は是正そのものではないため、届出日を二週間の起算点と誤解しない
よくある質問 AI による整理
Q1専任の宅地建物取引士とは何ですか?
その事務所に常勤し(常勤性)、専ら宅建業務に従事している(専従性)宅地建物取引士のことです。宅建士の資格を持っているだけでは専任にあたらず、勤務実態が問われます。
Q2専任の宅建士が退職したらいつまでに補充が必要ですか?
抵触するに至った時から二週間以内です(31条の3第3項)。起算点は退職届の提出日でも変更届の日でもなく、現実に専任性を欠いた日である点に注意が必要です。
Q3案内所やモデルルームにも専任の宅建士は必要ですか?
必要です。施行規則15条の5の2が定める契約の締結等を行う案内所等は「事務所等」に含まれ、専任の宅建士一人以上の設置と、50条の標識掲示・届出が求められます。
Q4専任の宅建士を置かないとどうなりますか?
指示処分・業務停止処分の対象となり(65条)、31条の3第3項違反には五十万円以下の罰金が科されます(83条)。情状が重い場合は免許取消(66条)まで進みます。
Q5宅建業者票で専任の宅建士は確認できますか?
できます。事務所に掲示が義務づけられた宅地建物取引業者票(50条)には専任の宅地建物取引士の氏名が記載されており、実際に説明を担当する人物と照合できます。
Q6専任の宅建士は他社の役員を兼務できますか?
原則できません。専任性は常勤性と専従性を要するため、他社の常勤役員や他事務所との掛け持ちは専任性を否定されます。行政庁は社会保険の加入先や通勤実態で確認します。
Q7一人で宅建業を開業できますか?
できます。業者本人が宅建士なら、自ら主として業務に従事する事務所については専任とみなされます(31条の3第2項)。ただし支店や案内所を出せば別に必要です。
Q8重要事項説明は専任の宅建士でないとできませんか?
専任である必要はありません。35条は宅地建物取引士が行うことを求めており、専任か否かは問いません。ただし説明時の宅建士証の提示は義務です(35条4項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1専任って、要するに毎日その店に出勤してないとダメってことですか?
原則はその通りで、常勤性(その事務所に通常の勤務時間帯を通じて従事すること)と専従性(専ら宅建業務に従事すること)の両方が必要です(31条の3第1項)。ただし国土交通省の解釈・運用の考え方は、IT の活用等により適切に業務を行える環境が整っている場合について柔軟な取扱いを示しています(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:行政庁が常勤性を疑うときに見るのは自己申告ではなく、社会保険の加入先と通勤可能な距離かどうかです。住所が遠隔地の登録者は、それだけで照会対象になりやすい
Q2専任の宅建士がいない店で契約しちゃったんですけど、契約は無効になりますか?
なりません。31条の3は業者に対する行政上の義務であり、違反の効果は監督処分(65条)と罰則(83条)であって、締結済みの売買契約や賃貸借契約の私法上の効力には直接影響しません。別問題として、重要事項説明を宅建士以外の者が行っていた場合は35条違反になります。実務のポイント:契約を白紙に戻したいなら31条の3ではなく、35条の説明義務違反や説明内容の誤りを突くのが実務の筋です。設置義務違反は交渉材料にはなっても、解除の根拠にはなりにくい
Q3五人につき一人って、アルバイトやパートも人数に数えるんですか?
数えます。施行規則15条の5の3は「業務に従事する者」の数に対して専任宅建士が五分の一以上となる数を求めており、雇用形態では区別しません。常勤の代表者や役員も、その事務所で宅建業務に従事していれば分母に入ります。実務のポイント:この比率が崩れる典型は、新人採用や繁忙期の増員です。人を増やした側は違反した自覚がまったくないまま、二週間の時計だけが回り始める。採用決裁のフローに宅建士比率のチェック欄を一行入れておくだけで防げる
Q4知り合いの業者から「宅建士の名前だけ貸してくれ」と頼まれました。バレますか?
バレる前提で考えるべきです。常勤性は社会保険の加入記録や勤務実態で確認され、立入検査や免許更新時に露見します。発覚すれば業者は31条の3違反として業務停止、情状が重ければ免許取消(66条)、貸した本人も宅地建物取引士の信用失墜行為(15条の3)として指示処分や事務禁止処分(68条)の対象です。実務のポイント:処分歴は業者名簿として閲覧可能な形で残り、宅建士側の処分も登録簿に記録されます。数万円の謝礼と引き換えに、以後の転職で説明を求められる履歴が一生ついて回る
間違えやすい点 AI による整理
- 「宅建士が一人いれば店は開ける」と考えられているが、条文が要求するのは成年者である専任の宅建士であり、しかも業務に従事する者五人につき一人以上という比率である(施行規則15条の5の3)。パートやアルバイトも「業務に従事する者」に数えられるため、繁忙期に人を増やした結果、資格者の数はそのままなのに違反状態に落ちるという事故が起きる
- 名義貸しが違反であることは広く知られている。知られていないのはその深刻度のほうだ。名義を借りた業者が監督処分を受けるだけでは終わらない。名前を貸した宅建士本人も、宅地建物取引士の信用又は品位を害する行為として指示処分・事務禁止処分(68条)、悪質なら登録消除まで進む。副業感覚で貸した名前が、自分の資格を消す
- あなたの側から見れば「担当者が資格証を持っているか」の問題に見える。法律の側から見れば「その人がこの事務所に常勤し、専ら宅建業務に従事しているか」の問題である。この落差は大きい。資格証を提示されても、その人が他店や他社と掛け持ちしていれば、その事務所は今この瞬間も違法状態のまま営業していることになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務の名宛人と内容 | 31条の3:業者が事務所等ごとに成年者である専任の宅建士を配置する義務 | 35条:重要事項説明を宅地建物取引士に行わせ、宅建士証を提示させる義務 50条:事務所等への標識掲示と案内所等の届出義務 |
| 「専任」であることの要否 | 必要。常勤性+専従性を欠くと違反 | 不要。宅建士であれば専任でなくてもよい 標識には専任宅建士の氏名を記載するため間接的に連動 |
| 違反した場合の効果 | 監督処分(65条)+五十万円以下の罰金(83条)、情状により免許取消(66条) | 監督処分に加え、説明義務違反として契約上の責任追及の余地 監督処分(65条)と過料・罰則 |
| 契約の私法上の効力への影響 | 直接の影響なし(行政上の義務違反にとどまる) | 説明の不備・誤りは取消しや損害賠償の根拠になり得る 直接の影響なし |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も営業処所ごとに経紀人の設置を求め、経紀営業員の人数増加に応じて増置を要する点で、日本の五分の一ルールと発想が近い
韓国は公認仲介士による中介事務所の開設登録制を採り、分事務所にも有資格者の配置を求める。事業所単位で有資格者を張り付ける構造は日本と同型
ドイツは許可制と業務規則で仲介業を規律するが、事業所ごとに専任の有資格者を常駐させる義務は置かれていない。人的配置ではなく財産保全と情報開示で取引安全を担保する設計
米国は州ごとに免許制を敷き、支店には managing broker / designated broker の配置を求める例が多い。州法により要件が大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 重要事項説明をしてくれた担当者が、実は隣の店舗と掛け持ちだったとしたら、あなたの契約はどうなる? 結論から言えば売買契約そのものは有効に成立する。ただし業者は31条の3違反として指示処分・業務停止処分(65条)の対象になり、あなたは「説明の質を疑う正当な根拠」と、苦情申立ての手札を同時に手にする
- 唯一の専任宅建士が今朝、突然退職を申し出た。残された時間は二週間。この期限内に補充採用か他店からの配置転換ができなければ、31条の3第3項違反として五十万円以下の罰金と監督処分の射程に入る。宅建士の中途採用は募集から入社まで一か月以上かかるのが普通で、この時計は動き出した時点で不利に傾いている
- モデルルームで契約を勧められている。分譲の案内所にも専任の宅建士一人以上と標識が要る(施行規則15条の5の2、法50条)。どちらも見当たらないなら、その場でサインしない理由が立つ
- 友人が脱サラして不動産会社を立ち上げると言い出した。本人が宅建士なら、自ら主として業務に従事する事務所については第2項で専任とみなされるので、開業時は一人で足りる。だが支店や案内所を出した瞬間、そこにもう一人が必要になる。人員計画を出店計画より先に立てないと、開設自体が第3項前段の禁止に触れる
- 立入検査で、専任として届け出ていた宅建士が他社の役員を兼務していると判明した。常勤性の否定は名義貸しの認定に直結する。業者側は情状によって免許取消(66条)、名前を貸した宅建士本人も信用失墜行為として指示処分・事務禁止処分(68条)まで届く。貸した側は「ただ名前を書いただけ」のつもりでいる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 店頭の宅地建物取引業者票を撮影し、記載された専任宅建士の氏名を控える。2. 重要事項説明を担当した人物の氏名と宅建士証の提示を求め、両者が一致するか確認する(35条4項は説明時の宅建士証提示を義務づけている)。3. 一致しない、または宅建士証の提示を拒まれた場合は、その場で説明を中断させる。4. 免許行政庁(都道府県知事免許なら都道府県の宅建業担当課、大臣免許なら地方整備局)へ情報提供する。匿名でも受け付けられ、立入検査の端緒になる。契約自体の効力を争いたい場合は説明内容の不備を別途主張する必要があるため、当日の録音とメモを残しておく
訴えられた側:1. 欠員が現実に生じた日を、タイムカード・給与台帳・社会保険の資格喪失日で特定する。第3項の二週間はここから走る。2. 期限内の是正手段を並行で走らせる。中途採用だけに賭けず、他事務所からの配置転換、業務従事者数を減らして五分の一の比率を回復する、当該事務所を一時休止して案内所扱いに切り替える、この三本を同時に検討する。3. 是正の経過を日付入りで記録する。監督処分の量定では、二週間を超えたか否かに加え、是正努力の有無が情状として効く。4. 名義貸しを疑われている場合は、常勤性の立証(社保記録、通勤実態、業務日報)を先に固める。ここが崩れると免許取消(66条)まで一気に進む
時効(請求できる期限):既存の事務所等が要件に抵触するに至った時から二週間以内に是正措置(31条の3第3項)。起算点は退職届の提出日や登録変更届の日ではなく、現実に専任性を欠いた日。要件を満たさない事務所等の新規開設はそもそも禁止されており、こちらに猶予期間はない。監督処分を受けた場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から三か月以内(行政不服審査法18条1項)、取消訴訟は六か月以内(行政事件訴訟法14条1項)
学説
行政実務・通説:専任性は常勤性と専従性の二要素で判断され、社会保険の加入先、通勤可能性、勤務実態記録により裏付けられるとするのが行政実務の運用である。国土交通省の解釈・運用の考え方は、IT の活用等により適切に業務を行える環境が整う場合の柔軟な取扱いも示している
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)改正(平成27年4月1日施行) 「宅地建物取引主任者」から「宅地建物取引士」への名称変更に伴い、本条の文言も改められた。あわせて宅建士関連規定の再編が行われ、専任者設置義務の条番号も現在の位置に整理されたとされるが、条番号の移動経緯は要検証
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 改正:「宅地建物取引主任者」から「宅地建物取引士」への名称変更に伴い本条の文言が改められた(平成27年4月1日施行)。条番号の移動経緯は要検証
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