要点宅地建物取引業法83条は、37条書面の不交付や従業者名簿・帳簿の不備など八類型に五十万円以下の罰金を定める。罰金が確定すると5条1項の免許欠格に該当し、免許は必要的に取り消される。
Q · 不動産屋が契約書をくれない、社内で私の年収を漏らした。これって罰則の対象ですか?
罰金は五十万円以下だが、確定すれば免許取消と5年の欠格が続く
宅地建物取引業法83条1項は、9条・50条2項などの届出義務違反、37条書面の不交付、46条4項の報酬額掲示違反、45条の秘密保持義務違反、48条3項の従業者名簿の不備、49条の帳簿の不備、報告義務違反、検査の拒否・妨害・忌避など八類型に五十万円以下の罰金を定めます。罰金刑が確定すると5条1項の免許欠格事由に該当し、66条1項により免許は必要的に取り消され、刑の執行を終えた日から5年間は再取得できません。なお1項3号の秘密漏えいは、2項により告訴がなければ起訴できない親告罪です。
五十万円以下の罰金。この数字だけを見て軽い条文だと判断するなら、業界の現実を知らないことになる。ここに並ぶ八つの類型は、37条書面(契約書面)の不交付、従業者名簿と帳簿の不備、報酬額の未掲示、届出漏れ、そして顧客の秘密の漏えい。どれも悪意なしに踏める線だ。だが罰金刑が確定した瞬間に動くのは財布ではない。宅地建物取引業法5条1項の免許欠格事由に該当し、66条1項で免許は必要的に取り消される。刑の執行を終えた日から5年、個人業者なら本人が、法人なら役員一人の罰金で会社ごと、宅建業から締め出される。しかも84条の両罰規定により、従業者一人の違反で法人にも罰金が科される。そして2項。45条の秘密保持義務違反だけは親告罪だ。顧客が告訴しなければ検察は動けない。裏を返せば、引き金は顧客の側が握っている。
宅地建物取引業法83条は、同法上の義務違反のうち八類型に五十万円以下の罰金を科す罰則規定である。1項は届出、37条書面の交付、報酬額および標識の掲示、秘密保持、従業者名簿、帳簿、報告、検査受忍、寄託金保管簿に関する違反を列挙し、2項は1項3号の秘密保持義務違反を親告罪とする。
宅建業者の八つの義務違反に五十万円以下の罰金を科す罰則規定です。届出、37条書面、掲示、秘密保持、名簿、帳簿、報告、検査受忍が対象になります。
あります。37条書面(契約書面)の不交付は83条1項2号に当たり、五十万円以下の罰金です。重要事項説明書(35条書面)とは別物なので混同に注意してください。
48条3項違反として83条1項4号の罰金対象です。虚偽記載も同じ号に含まれるため、検査前に遡って埋める行為はさらに罪を重ねることになります。
はい。45条・75条の3違反は83条1項3号ですが、同条2項により告訴がなければ公訴を提起できません。起訴するかの入口を握るのは顧客側です。
罰金にあたる罪の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項)で、犯罪行為が終わった時から起算します。親告罪の告訴期間は別途6か月です。
帳簿は各事業年度の末日をもって閉鎖し閉鎖後5年間(施行規則18条)、従業者名簿は最終記載日から10年間(施行規則17条の2)の保存が求められます。
72条1項等の検査を拒み、妨げ、または忌避した場合、83条1項7号の独立した罰金対象になります。元の違反の有無とは無関係に成立します。
5条1項の免許欠格事由に該当し、66条1項により免許は必要的に取り消されます。刑の執行を終えた日から5年間は再取得できません。
35条の重要事項説明義務に違反しても刑事罰の規定はなく、効くのは監督処分(65条の指示、66条の業務停止・免許取消)である。刑事罰が直撃するのは37条書面の不交付で、83条1項2号の罰金対象になる。業界裏話ヒント:35条の話を警察に持ち込むと門前払いされやすい。出すべき先は免許権者である都道府県の宅建業担当課で、申告書に条番号を書けるかどうかで担当者の初動速度が変わる。
45条の秘密保持義務違反として83条1項3号の罰金対象になり、宅地建物取引士本人の場合は75条の3も重なる。ただし同条2項で親告罪とされ、あなたが告訴しなければ検察官は起訴できない。告訴期間は犯人を知った日から6か月(刑事訴訟法235条)。業界裏話ヒント:親告罪とは、告訴を取り下げる権利をあなただけが持つという意味でもある。示談交渉で、この一枚は金額の相場を押し上げる。
取られる。84条の両罰規定により、従業者が業務に関して83条の違反行為をすれば、行為者本人に加えて法人にも罰金刑が科される。さらに役員が罰金刑を受ければ5条1項の免許欠格に当たり、66条1項で免許は必要的に取り消される。業界裏話ヒント:両罰規定は、選任監督に相当の注意を尽くしたと立証できれば免れる余地がある。研修記録とチェックリストを日常的に残しているかどうかが、法人の生死を分ける。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 制裁の性質 | 83条:刑事罰(五十万円以下の罰金) | — |
| 誰に効くか | 違反行為をした個人・業者本人 | — |
| 発動の主体 | 検察官の起訴と裁判所の判決(3号は告訴が前提) | — |
| 回避・防御の手段 | 違反事実の不存在、3号は告訴取消しによる示談 | — |
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