宅地建物取引業者は、正当な理由がある場合でなければ、その業務上取り扱つたことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。宅地建物取引業を営まなくなつた後であつても、また同様とする。
要点宅地建物取引業法 45 条は、宅地建物取引業者が正当な理由なく業務上知り得た秘密を漏らすことを禁じる。義務は廃業後も続き、違反は 50 万円以下の罰金となる。
Q · 不動産屋に話した売却理由って、守秘義務で守られるんですか?
守られます。ただし物件の欠陥や事件は告知義務が優先します
宅地建物取引業法 45 条により、宅地建物取引業者は正当な理由がある場合を除き、業務上取り扱つたことについて知り得た秘密を他に漏らせません。離婚、債務、相続争いといった売主の私生活上の事情はこの秘密に当たり、義務は宅地建物取引業を営まなくなつた後も続きます。ただし建物の欠陥や過去の事件など、物件の価値判断に直結する事実は 47 条 1 号の重要な事実に該当し、買主への告知が「正当な理由」として守秘義務に優先します。守られるのは人の事情、告げられるのは物の履歴という線引きです。
「離婚するので早く売りたい」「親の介護費用が足りない」「実は住宅ローンの返済が滞っている」。家を売るとき、多くの人は売却理由を聞かれ、こうした事情を営業担当に打ち明ける。その瞬間、その情報は宅地建物取引業法 45 条の「業務上取り扱つたことについて知り得た秘密」になり、業者は正当な理由なく他に漏らせなくなる。この義務は廃業しても、担当者が転職しても消えない。だがあなたが握っておくべき本当の急所は逆側にある。守秘義務は絶対ではなく、買主に対する告知義務(47 条 1 号、35 条)と衝突したときは告知義務が勝つ。売主が隠したい過去(自殺、雨漏り、越境)は「秘密」ではなく「告げるべき重要な事実」に変わる。何が守られ何が守られないか、その線引きを知らずに喋ると、守られると思って話した情報が相手方の交渉材料として戻ってくる。
宅地建物取引業法 45 条は宅地建物取引業者の守秘義務を定める規定であり、正当な理由がある場合を除き、業務上取り扱つたことについて知り得た秘密を他に漏らすことを禁じる。義務は宅地建物取引業を営まなくなつた後も存続し、従業者には 75 条の 3、宅地建物取引士には 75 条の 2 が同旨の義務を課す。
宅地建物取引業者が業務上知り得た秘密を、正当な理由なく他に漏らすことを禁じる義務です。宅建業法 45 条が根拠で、廃業後も無期限に続きます。
宅建業法 83 条により 50 万円以下の罰金です。ただし 86 条の親告罪であり告訴が必要です。加えて 65 条の指示処分・業務停止処分と、民法 709 条の損害賠償責任があります。
買主への告知義務(47 条 1 号、35 条)の履行、法令に基づく官公署からの照会、本人の同意、業務遂行に必要な範囲での社内・関係者共有などが典型です。
期間の定めはありません。条文が「宅地建物取引業を営まなくなつた後であつても、また同様とする」と明記しており、廃業後も無期限に続きます。従業者も 75 条の 3 で退職後まで同じです。
免許権者である都道府県の宅建業担当課または国土交通省地方整備局へ監督処分の申出ができます。並行して弁護士会の法律相談、個人情報保護委員会への申出も選択肢です。
45 条は宅建業者だけに課される業法上の義務で、秘密全般が対象です。個人情報保護法 27 条は事業者一般の第三者提供を規律します。同じ漏洩で両方が同時に問題になります。
民法 724 条により、損害および加害者を知った時から 3 年、行為時から 20 年です。刑事の告訴は犯人を知った日から 6 か月以内(刑訴法 235 条)と最も短く切れます。
守られます。条文は「業務上取り扱つたことについて知り得た秘密」としか書いておらず、依頼者に限定していません。契約に至らなかった見込客の家族構成や資金計画も対象です。
売却理由は典型的な守秘義務の対象で、45 条違反になりえます。民事では民法 709 条でプライバシー侵害の慰謝料を請求できますが、認容額は数万円から数十万円にとどまることが多い。刑事は宅建業法 83 条の 50 万円以下の罰金です。業界裏話ヒント:金額より効くのは免許権者への申出です。業務停止処分は行政庁が公表するため、業者にとって賠償金とは打撃の質が違う。この選択肢を持っていると伝わるだけで、示談交渉の温度が変わる
なりません。45 条は「正当な理由がある場合でなければ」と書いており、買主への告知はその正当な理由に当たります。むしろ告げない方が 47 条 1 号の重要な事実の不告知にあたり、2 年以下の拘禁刑または 300 万円以下の罰金(79 条の 2、併科あり)と桁違いに重い。業界裏話ヒント:告知範囲の基準は国土交通省の人の死の告知に関するガイドライン(令和 3 年 10 月)で、賃貸は概ね 3 年が目安とされる一方、売買には年数の目安が置かれていない。この非対称が見落とされやすい
45 条は業者自身の義務なので、元従業員個人には従業者の守秘義務を定めた 75 条の 3 が直接効きます(宅地建物取引士には 75 条の 2)。いずれも退職後まで続きます。顧客リストの持ち出しは不正競争防止法上の営業秘密侵害としても構成できる。業界裏話ヒント:宅建業法の罰則は 50 万円以下の罰金と軽いうえ、告訴がなければ起訴できない親告罪(86 条)です。会社が告訴に踏み切るか否かで、元従業員のリスクは実質ゼロにも前科にも振れる
渡っています。仲介業者から貸主・管理会社・保証会社への提供は、審査という業務目的に照らして必要な範囲であり、45 条の正当な理由の内側です。問題はその先で、貸主が第三者に話せば業者は提供範囲の管理を問われます。業界裏話ヒント:個人情報保護法 27 条の第三者提供にも当たるため、申込書の同意欄には提供先が列挙されている。範囲を絞れる唯一のタイミングは申込時にその欄を指して確認する瞬間で、契約後では動かせない
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 義務の中身 | 45 条:業務上知り得た秘密を漏らさない(不作為義務) | — |
| 義務を負う主体 | 宅地建物取引業者(法人・個人事業主) | — |
| 罰則の重さ | 50 万円以下の罰金(83 条)、86 条により親告罪 | — |
| 衝突したときの優劣 | 告知義務と衝突すれば譲る(告知が「正当な理由」になる) | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。