宅地建物取引業法 第45条(秘密を守る義務)
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宅地建物取引業者は、正当な理由がある場合でなければ、その業務上取り扱つたことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。宅地建物取引業を営まなくなつた後であつても、また同様とする。
この条文の基本情報
秘密を守る義務とは何ですか?
定義秘密を守る義務とは、宅地建物取引業法第45条に定められた規定で、「宅地建物取引業者は、正当な理由がある場合でなければ、その業務上取り扱つたことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 宅地建物取引業法第45条(秘密を守る義務)は、日本の宅地建物取引業法に含まれる条文です。
- 宅地建物取引業法第45条の条文原文は「宅地建物取引業者は、正当な理由がある場合でなければ、その業務上取り扱つたことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。」で始まります。
- 宅地建物取引業法第45条は第一節 通則に置かれています。
- 宅地建物取引業法の公布日は昭和27年6月10日です。
- 宅地建物取引業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 宅地建物取引業法第45条の前の条は宅地建物取引業法第44条です。
- 宅地建物取引業法第45条の次の条は宅地建物取引業法第46条です。
- 宅地建物取引業法第45条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第45条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176 - 本サイト収録
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第45条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC1000000176/45
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点宅地建物取引業法45条は、宅地建物取引業者が正当な理由なく業務上知り得た秘密を漏らすことを禁じる。義務は廃業後も続き、違反は50万円以下の罰金となる。
Q · 不動産屋に話した売却理由って、守秘義務で守られるんですか?
守られます。ただし物件の欠陥や事件は告知義務が優先します
宅地建物取引業法45条により、宅地建物取引業者は正当な理由がある場合を除き、業務上取り扱つたことについて知り得た秘密を他に漏らせません。離婚、債務、相続争いといった売主の私生活上の事情はこの秘密に当たり、義務は宅地建物取引業を営まなくなつた後も続きます。ただし建物の欠陥や過去の事件など、物件の価値判断に直結する事実は47条1号の重要な事実に該当し、買主への告知が「正当な理由」として守秘義務に優先します。守られるのは人の事情、告げられるのは物の履歴という線引きです。
解説
「離婚するので早く売りたい」「親の介護費用が足りない」「実は住宅ローンの返済が滞っている」。家を売るとき、多くの人は売却理由を聞かれ、こうした事情を営業担当に打ち明ける。その瞬間、その情報は宅地建物取引業法45条の「業務上取り扱つたことについて知り得た秘密」になり、業者は正当な理由なく他に漏らせなくなる。この義務は廃業しても、担当者が転職しても消えない。だがあなたが握っておくべき本当の急所は逆側にある。守秘義務は絶対ではなく、買主に対する告知義務(47条1号、35条)と衝突したときは告知義務が勝つ。売主が隠したい過去(自殺、雨漏り、越境)は「秘密」ではなく「告げるべき重要な事実」に変わる。何が守られ何が守られないか、その線引きを知らずに喋ると、守られると思って話した情報が相手方の交渉材料として戻ってくる。
法的な位置づけ
宅地建物取引業法45条は宅地建物取引業者の守秘義務を定める規定であり、正当な理由がある場合を除き、業務上取り扱つたことについて知り得た秘密を他に漏らすことを禁じる。義務は宅地建物取引業を営まなくなつた後も存続し、従業者には75条の3、宅地建物取引士には75条の2が同旨の義務を課す。
手順
- 1.誰が誰に何を漏らしたかを時系列で固める 漏洩の日時、漏らした担当者名、伝わった相手、内容を時系列表にする。聞いた第三者の証言、LINE やメールのスクリーンショット、内見時の録音を確保する。立証の壁は「その情報が秘密だった」と「業者から流れた」の二点にある
- 2.業者に書面で事実確認を求める 口頭ではなくメールまたは内容証明郵便で、いつ誰に何を伝えたかの事実確認と社内調査を求める。相手の回答自体が証拠になるため、回答期限を明記する。この段階で謝罪と是正が出れば示談交渉が早い
- 3.免許権者へ監督処分の申出を行う 都道府県の宅建業担当課または国土交通省地方整備局に対し、行政手続法36条の3に基づく処分等の求めを行う。業者にとって公表される業務停止処分は賠償金より打撃が大きく、この非対称性が交渉の温度を変える
- 4.民事の損害賠償と刑事告訴の期限を管理する 民法709条によるプライバシー侵害の慰謝料請求は、損害と加害者を知った時から3年。刑事は83条違反が86条の親告罪で、告訴は犯人を知った日から6か月以内。最短で切れるのは告訴期間であり、ここから逆算して動く
よくある質問 AI による整理
Q1宅建業法の守秘義務とは何ですか?
宅地建物取引業者が業務上知り得た秘密を、正当な理由なく他に漏らすことを禁じる義務です。宅建業法45条が根拠で、廃業後も無期限に続きます。
Q2宅建業者が秘密を漏らした場合の罰則は?
宅建業法83条により50万円以下の罰金です。ただし86条の親告罪であり告訴が必要です。加えて65条の指示処分・業務停止処分と、民法709条の損害賠償責任があります。
Q3守秘義務の「正当な理由」とは何ですか?
買主への告知義務(47条1号、35条)の履行、法令に基づく官公署からの照会、本人の同意、業務遂行に必要な範囲での社内・関係者共有などが典型です。
Q4宅建業者の守秘義務はいつまで続きますか?
期間の定めはありません。条文が「宅地建物取引業を営まなくなつた後であつても、また同様とする」と明記しており、廃業後も無期限に続きます。従業者も75条の3で退職後まで同じです。
Q5不動産屋に個人情報を漏らされたらどこに相談できますか?
免許権者である都道府県の宅建業担当課または国土交通省地方整備局へ監督処分の申出ができます。並行して弁護士会の法律相談、個人情報保護委員会への申出も選択肢です。
Q6宅建業法45条と個人情報保護法はどう違いますか?
45条は宅建業者だけに課される業法上の義務で、秘密全般が対象です。個人情報保護法27条は事業者一般の第三者提供を規律します。同じ漏洩で両方が同時に問題になります。
Q7守秘義務違反の損害賠償はいつまで請求できますか?
民法724条により、損害および加害者を知った時から3年、行為時から20年です。刑事の告訴は犯人を知った日から6か月以内(刑訴法235条)と最も短く切れます。
Q8内見だけして契約しなかった人の情報も守られますか?
守られます。条文は「業務上取り扱つたことについて知り得た秘密」としか書いておらず、依頼者に限定していません。契約に至らなかった見込客の家族構成や資金計画も対象です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1不動産屋に離婚が理由だと話したら、内見に来た人に喋られていました。訴えられますか?
売却理由は典型的な守秘義務の対象で、45条違反になりえます。民事では民法709条でプライバシー侵害の慰謝料を請求できますが、認容額は数万円から数十万円にとどまることが多い。刑事は宅建業法83条の50万円以下の罰金です。実務のポイント:金額より効くのは免許権者への申出です。業務停止処分は行政庁が公表するため、業者にとって賠償金とは打撃の質が違う。この選択肢を持っていると伝わるだけで、示談交渉の温度が変わる
Q2事故物件だったことを買主に伝えるのは、売主の秘密を漏らしたことになりませんか?
なりません。45条は「正当な理由がある場合でなければ」と書いており、買主への告知はその正当な理由に当たります。むしろ告げない方が47条1号の重要な事実の不告知にあたり、2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(79条の2、併科あり)と桁違いに重い。実務のポイント:告知範囲の基準は国土交通省の人の死の告知に関するガイドライン(令和3年10月)で、賃貸は概ね3年が目安とされる一方、売買には年数の目安が置かれていない。この非対称が見落とされやすい
Q3元従業員が転職先で前の会社の顧客リストを使っています。これも45条ですか?
45条は業者自身の義務なので、元従業員個人には従業者の守秘義務を定めた75条の3が直接効きます(宅地建物取引士には75条の2)。いずれも退職後まで続きます。顧客リストの持ち出しは不正競争防止法上の営業秘密侵害としても構成できる。実務のポイント:宅建業法の罰則は50万円以下の罰金と軽いうえ、告訴がなければ起訴できない親告罪(86条)です。会社が告訴に踏み切るか否かで、元従業員のリスクは実質ゼロにも前科にも振れる
Q4賃貸の入居審査で出した年収や勤務先、大家さんに全部渡っているんですか?
渡っています。仲介業者から貸主・管理会社・保証会社への提供は、審査という業務目的に照らして必要な範囲であり、45条の正当な理由の内側です。問題はその先で、貸主が第三者に話せば業者は提供範囲の管理を問われます。実務のポイント:個人情報保護法27条の第三者提供にも当たるため、申込書の同意欄には提供先が列挙されている。範囲を絞れる唯一のタイミングは申込時にその欄を指して確認する瞬間で、契約後では動かせない
間違えやすい点 AI による整理
- 守秘義務があること自体は多くの人が知っているが、その射程が「廃業後・退職後も無期限」であることまでは知られていない。会社が免許を返上しても、担当者が業界を去っても義務は残り、違反は50万円以下の罰金(83条)の対象であり続ける。時間が解決する種類の義務ではない
- 「不動産屋が秘密を漏らした、刑法の秘密漏示罪で訴えられるか」という問いの立て方そのものが外れている。刑法134条の主体は医師・薬剤師・助産師・弁護士・公証人などに限定され、宅地建物取引業者は入っていない。使える手は宅建業法83条の罰則、免許権者への監督処分の申出、そして民法709条の損害賠償であって、刑法134条ではない
- 守秘義務は依頼者(売主・貸主)のためだけにあると思われがちだが、条文は「業務上取り扱つたことについて知り得た秘密」としか書いていない。買主の資金計画、賃借人の勤務先と年収、内見だけして買わなかった人の家族構成、そのすべてが対象になる。契約に至らなかった相手の情報も等しく守られる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務の中身 | 45条:業務上知り得た秘密を漏らさない(不作為義務) | 47条1号:重要な事実を告げないことの禁止(作為義務) 75条の3:従業者個人に課される同旨の守秘義務 |
| 義務を負う主体 | 宅地建物取引業者(法人・個人事業主) | 宅地建物取引業者およびその代理人・使用人 宅地建物取引業者の従業者(退職後も継続) |
| 罰則の重さ | 50万円以下の罰金(83条)、86条により親告罪 | 2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(79条の2、併科あり) 50万円以下の罰金(83条)、86条により親告罪 |
| 衝突したときの優劣 | 告知義務と衝突すれば譲る(告知が「正当な理由」になる) | 守秘義務に優先する(物件の価値判断に直結する事実は告げる) 45条と同じ判断枠組みで正当な理由を判定 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は不動産仲介業の業務規律を経紀業管理条例で定め、顧客情報の保護は個人資料保護法が一般法として受け持つ構造。日本のように業法本体へ守秘義務と罰則を書き込む形とは配置が異なる
「業務上知り得た秘密を漏らしてはならない。業務を離れた後もまた同様とする」と、日本の45条とほぼ同一の文言構造を持つ。東アジアで最も近接した規定
ドイツの Makler には刑法203条のような特別な守秘罰則がなく、契約上の付随義務と営業法上の許可規制、および GDPR で規律される。行政処分と刑事罰を業法に束ねる日本型とは対照的
米国では仲介業者の守秘義務は代理法上の受託者義務として構成され、免許取消しや懲戒は州の不動産委員会が担う。material defect の開示義務が守秘に優先する点は日本と同じ発想
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、内見に来た人から「前の持ち主、離婚で急いでるんですよね」と言われたら? その情報を渡せた人間は担当者しかいない。だが指値の回答期限まで残り3日という局面で抗議しても、下がった価格は戻らない。誰が誰に何を話したかを書面で確認するのは、値引き交渉が始まる前でなければ意味がない
- 賃貸の申込書に前職の退職理由まで書いた。数日後、内見で会った別の担当者がそれを知っていた。社内共有の範囲だと説明されたが、納得できるかは別の話である
- あなたが仲介担当で、売主から「相続争いの最中で、兄には知られたくない」と打ち明けられた。買主から「なぜ売るのか」と聞かれても、動機は答えなくてよい。だが同じ物件で境界の越境を知っていたなら、そちらは告げなければ47条1号違反になる。人の事情は守り、物の履歴は出す、その仕分けをその場でやることになる
- 友人が不動産会社を辞めて独立し、前職の顧客に営業をかけていると相談してきた。退職後も75条の3の守秘義務は続き、顧客リストの利用は不正競争防止法上の営業秘密侵害としても構成されうる。「もう辞めたから関係ない」が最も高くつく誤解である
- 住宅ローンの事前審査に落ちた事実を、同じ業者が別の商談で口にしていた。与信情報という最も繊細な部分が、営業トークの潤滑油として流れていた。あなたが次にその業者へ渡す情報の量は、この日を境に変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 誰が、いつ、誰に、何を漏らしたかを時系列で書き出し、聞いた第三者の証言や LINE のスクリーンショットを確保する2. 業者に書面で事実確認を求め、回答そのものを証拠化する3. 免許権者(都道府県の宅建業担当課または国土交通省地方整備局)へ監督処分の申出(行政手続法36条の3)を行い、並行して民法709条で慰謝料を請求する4. 刑事責任を問うなら83条違反の告訴だが、親告罪のため犯人を知った日から6か月以内。この期限が最短で切れる
訴えられた側:1. 漏らした情報が「業務上知り得た秘密」か、すでに公知の事実だったかを切り分ける。公知の情報は秘密に当たらない2. 開示に正当な理由があったかを検証する。買主への告知義務(47条1号)、法令に基づく官公署の照会、本人の同意はいずれも正当な理由になりうる3. 社内共有が原因なら、業務遂行に必要な範囲だったことを記録で示す4. 依頼者への説明と是正を早期に済ませる。監督処分の重さは被害回復の有無で大きく動く
時効(請求できる期限):45条自体に期間の定めはなく、義務は廃業後も無期限に続く。刑事は83条違反が親告罪(86条)であり、告訴は犯人を知った日から6か月以内(刑事訴訟法235条)、公訴時効は罰金刑のため3年(刑事訴訟法250条2項)。民事の損害賠償は損害および加害者を知った時から3年、行為時から20年(民法724条)
学説
通説:45条の「秘密」とは一般に知られておらず本人が他に知られたくないと考える事項をいい、公知の事実は含まれないと解される。「正当な理由」の有無は、開示の必要性と秘密の要保護性の比較衡量により判断され、買主への告知義務の履行はその典型とされる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)が制定され、不動産取引業に免許制と業務上の規律が導入された。本条の逐条的な改正沿革は e-Gov 法令検索の改正履歴で確認のこと
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