要点宅地建物取引業法47条は、宅建業者が判断に重要な影響を及ぼす事項を故意に告げず、または不実を告げる行為を禁じる。不当に高額な報酬の要求と手付の信用供与も禁止される。
Q · 重要事項説明書に欄がない事実は、不動産業者は黙っていてもいいのですか?
重要事項説明書に欄がなくても告知義務は生じます
宅地建物取引業法47条1号ニは、35条の重要事項説明の列挙事項の外側であっても、所在・規模・環境・交通の利便・取引条件など相手方等の判断に重要な影響を及ぼすこととなる事項について、故意に事実を告げず、または不実を告げることを禁じています。したがって重要事項説明書に記入欄がないことは、告げなくてよい理由になりません。禁止は勧誘時だけでなく、申込みの撤回、契約の解除、預けた金銭の返還請求を妨げる場面にも及びます。違反すれば2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、法人には1億円以下の罰金が科されうるほか、業務停止処分の対象にもなります。
「重要事項説明書に欄がないので、告知義務はありません」。不動産業者からこう言われた経験があるなら、その説明は正確ではない。宅地建物取引業法47条1号が禁じているのは、35条の重要事項説明の範囲を超えて、あなたの「判断に重要な影響を及ぼすこととなる事項」を故意に隠すこと、または嘘を告げることである。書式に記入欄がないことは、告げなくてよい理由にならない。しかもこの禁止は契約の勧誘時だけではなく、あなたが申込みを撤回しようとするとき、契約を解除しようとするとき、預けた金を取り戻そうとするときにも及ぶ。「もう解除はできません」という一言が、そのまま47条違反になりうる。2号は不当に高額な報酬の「要求」、3号は手付の貸付けや分割払いで契約に誘い込む行為を禁じる。相手は免許を持つプロであり、違反は免許の生死に直結する。
宅地建物取引業法47条は、宅地建物取引業者の業務上の禁止行為を定める規定である。1号は契約の勧誘時、または申込みの撤回・解除・債権行使を妨げるために、判断に重要な影響を及ぼすこととなる事項について故意に事実を告げず、もしくは不実を告げる行為を、2号は不当に高額の報酬の要求を、3号は手付についての信用の供与による契約締結の誘引を禁止する。
宅建業者の業務上の禁止行為を定めた規定です。故意の不告知と不実告知(1号)、不当に高額な報酬の要求(2号)、手付についての信用の供与による契約誘引(3号)の三つを禁じています。
1号違反は2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金で、法人には1億円以下の罰金が科されます。2号違反は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金。3号は罰則ではなく指示・業務停止処分の対象です。
免許権者である都道府県知事、または複数の都道府県に事務所がある業者なら国土交通大臣です。免許番号の頭に知事免許か大臣免許かが表示されています。宅地建物取引業保証協会の苦情解決も並行して使えます。
あります。47条1号ニは35条の列挙事項の外側でも、所在・規模・環境・交通の利便・取引条件など判断に重要な影響を及ぼす事項を告知対象に取り込みます。書式に欄がないことは告げない理由になりません。
事務所等以外の場所での申込みなら、書面で告げられた日から8日以内は撤回できます(37条の2)。撤回を妨げるために「もうできない」と告げる行為は、47条1号の不実告知に該当しうる違反行為です。
対象になりえます。将来の賃料減額の可能性を告げずに家賃保証をうたう勧誘は47条1号ニに触れるほか、賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律29条の不当勧誘規制も同時に適用されます。
取引の相手方やその代理人、業者が媒介する取引の相手方やその代理人が含まれます。買主・借主だけでなく、売主や貸主として依頼した側も保護の対象になります。
47条自体に取消しの効果はありません。民事では消費者契約法4条2項の不利益事実の不告知による取消し、民法709条の不法行為、契約不適合責任などで争うことになります。
47条1号ニの告知対象になりうる。国土交通省の人の死の告知に関するガイドラインでは、売買は期間の区切りなく告知、賃貸はおおむね3年、老衰や病死などの自然死は原則不要だが特殊清掃が入った場合は告知対象とされている。業界裏話ヒント:業者は「ガイドラインは法律ではない」と言うが、行政も裁判所も事実上の判断基準として使う。まず売主の物件状況等報告書の開示を求めること。売主が書いていれば、業者の「知らなかった」はほぼ通らなくなる。
47条3号が禁じる信用の供与そのものである。貸付け、分割、後払い、立替はすべて該当し、業者は指示処分や業務停止処分の対象になる(65条)。業界裏話ヒント:一方で、手付金の額そのものを減額することは違反にならない。同じ資金繰りの相談でも、頼むべきは分割ではなく減額である。この一語の違いで、業者は処分を恐れずに堂々と応じられる。
居住用建物の媒介報酬は、貸主借主あわせて賃料1か月分と消費税が上限で、依頼者の一方から受けられるのは原則0.5か月分である(46条と報酬告示)。不当に高額な報酬は受領前の「要求」段階で47条2号に触れ、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金もありうる(80条)。業界裏話ヒント:1か月分を取るには依頼者の承諾が要るが、裁判例では媒介の依頼を受けるにあたってあらかじめ得る必要があるとされている。請求書を見た時点で「承諾はいつ取られましたか」と一言聞くだけで、金額が動くことがある。
47条1号は「故意に」が要件なので、本当に知らなかったのであれば同号違反にはならない。ただし別の軌道が残る。宅地建物取引業者には専門家としての調査説明義務があり、調査すれば判明したのに怠ったのなら民法709条の不法行為、目的物の不適合なら契約不適合責任で争える。業界裏話ヒント:実務で「知らなかった」の真偽を決めるのは、売主から受け取った物件状況等報告書と、社内の査定資料や稟議書である。訴訟前にこれらの開示を求める書面を一本入れるだけで、業者側の説明が変わることは珍しくない。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規範の性質 | 47条:故意に告げない・不実を告げることを禁じる不作為義務 | — |
| 対象事項の範囲 | 35条・35条の2・37条の列挙事項に加え、判断に重要な影響を及ぼすこととなる事項全般(1号ニ) | — |
| 適用場面 | 勧誘時に加え、申込みの撤回・解除・債権行使を妨げる場面にも及ぶ | — |
| 制裁 | 1号は2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金・法人1億円以下、2号は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、3号は監督処分 | — |
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